参加アーティスト
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Nicolas de Crécy
ニコラ・ド・クレシー

展覧会に向けて
10年ほど前からわたしは日本と特別な関係を持っている。しばらく滞在して、大友克洋や松本大洋といった偉大なアーティストたちと交流できたこと、これらの経験からわたしは多くを得てきた。人間的な面でも、仕事の上でも。日本の出版社と仕事したことでこの国をよりよく知ることができた。わたしはこの国をとても気に入っている。だからこそ、これほど素晴らしい場所での展覧会の一員として参加できることをとても幸せに思う。この展覧会のテーマはルーヴルだ。きっとフランスと日本、両国間の熱い文化交流がおこなわれることだろう。

略歴
1966年、フランスのリヨン生まれ。アングレームの美術学校でバンド・デシネを学んだあと、1990年にフランスのディズニー・スタジオで美術を担当。1991年、デビュー作『フォリガット』(アレクシオス・チョヤス作)を刊行する。1994年には野心的な実験作『天空のビバンドム』(全3巻)を、1995年には『レオン・ラ・カム』(シルヴァン・ショメ作、全3巻)を発表。ルーヴル美術館BDプロジェクト第1作『氷河期』は2005年刊。それ以外の近年の代表作に2005年刊の『サルヴァトール』(全4巻)、2007年刊の『あるおばけの日記 Journal d’un fantôme』などがある。2008年には京都のヴィラ九条山に滞在し、その成果を『京都スケッチ画集 Carnets de Kyôto』にまとめた。2014年には松本大洋との共著イラスト集『松本大洋+ニコラ・ド・クレシー』を刊行。同年、日本のマンガ誌「ウルトラジャンプ」に『プロレス狂想曲』を連載し、2015年には日仏でほぼ同時に単行本が刊行された。

作品紹介
『氷河期』(大西愛子訳、小学館集英社プロダクション)
現代の文明が失われて久しいはるか遠い未来、ヨーロッパは分厚い氷河に覆われている。とある考古学調査団が調査旅行中に、偶然、巨大な建築物を発見する。それはほかならぬルーヴル美術館だった。しかし、今や誰もその名を知る者はなく、かつて人間が高度な文明を築いていたことすら忘れ去られている。調査団の一行は膨大な芸術作品を前に勝手な想像にふけるばかり。そんな人間たちをよそに抜群の歴史的嗅覚で真実を探り当てたのが調査団に同行していたハルクだった。ハルクとは遺伝子操作によってブタの遺伝子を組み込まれた考古学犬で、時代をかぎわける能力を持っている。ハルクは美術館の地下に潜んでいた芸術作品たちと会話を交わし、ルーヴル美術館のありし日の姿を明るみに出してゆく。やがて彼は芸術作品たちからルーヴル美術館が地下深くに埋もれてしまう危険な状態にあることを教えられ、芸術作品と人間たちを連れ、新天地を求め旅立って行く。