参加アーティスト
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05/16
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Hirohiko Araki
荒木飛呂彦

展覧会に向けて
執筆したのが 8~9 年ほど前にもなるのに、『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が、このたび東京を 皮切りに各地で「展示」されるのは、ルーヴル美術館の普遍的な伝統のおかげだと思います。執筆の時を思い出しますと、まずオールカラーという贅沢な仕事。こんなことはまずありません。 それとルーヴル美術館の取材と見学許可の寛大さ。普段行けない裏の隠し通路や館長の部屋、 ちょっと危険な屋根裏部屋、SF 的なカートの走る地下の搬入搬出エリアなど、見なかった場所が ないくらい本当にすごい体験をさせていただきました。
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』では、その深い歴史を作品の中で描ければという狙いで執筆しました。

略歴
1980年、第20回手塚賞にデビュー作『武装ポーカー』で準入選し、翌1981年、「週刊少年ジャンプ」に掲載される。同じく「週刊少年ジャンプ」に『アウトロー・マン』(1982年)と『バージニアによろしく』(1982年)の短編2作品が掲載されたあと、1983年に『魔少年ビーティー』を初連載。1984年には『バオー来訪者』の連載が始まる。この作品は、1989年にアニメ化された。『ゴージャス★アイリン』(1985年)を経て、1987年から、今日まで続く大長編『ジョジョの奇妙な冒険』がスタート。魅力溢れるキャラクター、奇抜なファッション、独特なセリフ回し、先が読めないストーリー展開でカルト的な人気を博す。ルーヴル美術館BDプロジェクト第5作『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は2010年刊。『ジョジョの奇妙な冒険』第4部の主要キャラクターであるマンガ家の岸辺露伴を主役に据えている。現在、「ウルトラジャンプ」誌では、『ジョジョの奇妙な冒険』第8部『ジョジョリオン』が連載されている。

作品紹介
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(集英社)
17歳を迎えた夏、岸辺露伴は、マンガ制作に集中するために祖母が営むアパートに下宿する。彼はそこで二十代前半の藤倉奈々瀬という女性の間借り人に出会う。聞けば彼女は夫と離婚調停中だという。露伴は彼女の美しさに魅入られ、その姿をスケッチし、それがきっかけで二人は親しくなる。ある日、露伴は奈々瀬をモデルにしたマンガを彼女に見せる。すると、彼女は激昂し、露伴のマンガをはさみでめった刺しにした挙句、どこかに姿を消してしまう。10年後、露伴は、友人たちとのやりとりの中で奈々瀬がかつて語ったある絵のことを思い出す。それは山村仁左右衛門という人物が描いたこの世で「最も黒い絵」であり、この世で最も美しい絵「モナ・リザ」の対極にあるような「最も邪悪な絵」でもあるという。今はルーヴル美術館に収められているというこの絵の真偽を確かめるべく、露伴は一人、フランスに渡る。彼を待ちかまえていたのは、仁左右衛門の怨念を留めた驚くべき絵画であった。