参加アーティスト
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09/16
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Étienne Davodeau
エティエンヌ・ダヴォドー

展覧会に向けて
『日本(17人の作家の視点による日本)』の制作のため、北海道と札幌を知る機会に恵まれたのは2005年のことだった。この夏、ルーヴルについてのわたしの作品が東京で展示されることになり、とても幸せに思う。バンド・デシネはルーヴル美術館とのコラボレーションによって、これまでなかった新たな評価を得た。東京でのこの野心的な展覧会はこの選択が正しかったことを示しているが、そこに参加できてとても光栄だ。なぜなら日本は世界でもっともバンド・デシネやマンガに対して敬意を払う国だと思うからだ。

略歴
1965年、フランスのモージュ生まれ。1992年、『サルシエルの友人たち Les Amis de Saltiel』(全3巻)でデビュー。以降、精力的に作品を発表し、2001年刊の『農村! Rural !』を皮切りに、ルポルタージュ的な作品を多く発表することになる。2005年には両親の青春時代を描いた『モージュの人々 Les Mauvaises gens』を、2011年にはブドウ栽培農家の友人とお互いの仕事を教え合う『無知なる人々 Les Ignorants』を刊行する。2008年から2010年にかけて発表されたフィクション『裸のルル Lulu femme nue』は映画化されて話題になった。ルーヴル美術館BDプロジェクト第9作『寄り目の犬 Le Chien qui louche』は2012年刊。2015年に発表された『我らが幼少時代の愛しき国 Cher pays de notre enfance』(ブノワ・コロンバ作)は、2016年の「アングレーム国際漫画フェスティバル」でキュルチュラ読者賞を受賞した。

作品紹介
『寄り目の犬 Le Chien qui louche』(未邦訳)
ファビアンはルーヴル美術館で働く警備員。彼は婚約者のマチルドの家族と初めて顔を合わせることになっている。田舎にあるマチルドの実家で二人を待ち受けていたのは、マチルドの父親ルイと二人の兄マクシムとジョゼフ。彼らブニオン家は、ルイの父親の代から続く大きな家具店を経営している。彼らはお近づきのしるしにと、ファビアンに一家のお宝を見せる。それは、ルイの父親の祖父ギュスターヴ・ブニオンが描いた寄り目をした犬の絵だった。ギュスターヴ・ブニオン、1820年生まれの日曜画家兼日曜作家……。押しの強いブニオン家の三人は、お人よしのファビアンに、先祖が描いた「寄り目の犬」の絵をルーヴル美術館に飾れと、無理難題を押しつける。困り果てたファビアンに、ある日、ルーヴル美術館の常連客、バルーシ氏が、自分が何とかしようと申し出る。彼は、ルーヴル美術館と特別な関係を築こうとする不思議な人々の集まり「ルーヴル美術館団」の一員だったのだ。かくして、世紀の凡作「寄り目の犬」をルーヴル美術館に収蔵するという大作戦が始まる。