参加アーティスト
▷
03/16
◁

Éric Liberge
エリック・リベルジュ

展覧会に向けて
「日本で展示される」とはどういうことか。この贈り物を表現するのにふさわしい言葉が二つある。感謝と名誉。5年前、わたしは京都で、一つの文化、一つの世界を発見した。以来わたしの心は離れることができずにいる。深い結びつきによって日々わたしの人生と仕事が導かれているからだ。

略歴
1965年、フランス生まれ。幼い頃からバンド・デシネに親しみ、1970年代を代表する雑誌『メタル・ユルラン Métal Hurlant』から多大な影響を受ける。1990年代に同人誌でさまざまな作品を発表したのち、1996年、代表作である煉獄を舞台にした骸骨たちによる形而上学的コメディ『ムッシュー・マルディ=グラ・デサンドル Monsieur Mardi-Gras Descendres』(全4巻)を刊行。その後も『アルキビアデスの海賊船 Les Corsaires d’Alcibiade』(ドニ=ピエール・フィリッピ作、全5巻)や『最後のマルドゥク Le dernier Marduk』(全2巻)をはじめ、さまざまな作品を発表。ジャンルは冒険ものから歴史ものまで多岐にわたる。2008年にはルーヴル美術館BDプロジェクト第3作『奇数時間に Aux Heures impaires』を刊行。2016年中には10年ぶりに『ムッシュー・マルディ=グラ・デサンドル』の続編が刊行される予定である。

作品紹介
『奇数時間に Aux Heures impaires』(未邦訳)
主人公のバスチャンは耳が不自由な学生。恋人が彼のために就職口を探してくれているが、自分の力で就職先を探すことができないことがもどかしく、一方で、堅苦しい仕事に就くことで自分の自由が脅かされることを怖れてもいる。ある日、彼は就職活動の一環で、警備員の研修を受けにルーヴル美術館を訪れる。マナーを守らない彼はそこで一悶着起こすが、ある不思議な人物の導きでその場を逃れることに成功する。フュ・ジ・ハと名乗るその人物はルーヴルの夜間警備員、それも奇数時間だけを担当する警備員だという。奇数時間、それはルーヴル美術館に展示された作品がその魂を解放する時間だった。芸術作品は、その父親である芸術家たちから引き離され、表層しか見ない観客たちの視線にさらされ、ストレスを抱えている。それらの魂を慰め、管理するのが奇数時間の警備員の仕事である。興味を抱いたバスチャンはフュ・ジ・ハの手ほどきを受け、自らの力だけで芸術作品の魂と向き合うことになる。