参加アーティスト
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Enki Bilal
エンキ・ビラル

展覧会に向けて
日出ずる国に入って行くというのは常に独特の儀式だ。その歴史、文化、伝統、島国であること、すべてがわれわれの中に深い敬意を生じさせる。
わたしは才能溢れるアーティストたちとともにこの展覧会の一員でいることをとても誇らしく思う。「ルーヴル No.9」は貴重な交流の場だ。

略歴
1951年旧ユーゴスラヴィアのベオグラード生まれ。少年時代に家族とともにフランスのパリに移住する。1972年、短編『呪われた杯 Le Bol maudit』でデビュー。1979年の『暗黒騎士団 Les Phalanges de l’Ordre Noir』と1980年の『狩り Partie de chasse』(ともにピエール・クリスタン作)という予言的な政治作品で、バンド・デシネ・ファン以外からも注目を浴び、1980年から1992年にかけて発表された『ニコポル』三部作で現代を代表するバンド・デシネ作家としての地歩を固める。1982年からは映画界にも進出。1989年の『バンカー・パレス・ホテル』など、監督作品もある。1998年からは約10年をかけて『モンスター』を制作。ルーヴル美術館BDプロジェクト第8作『ルーヴルの亡霊たち』は2012年に刊行された。2011年から描き始めた『発作 Coup de sang』三部作が2014年に完結した。

作品紹介
『ルーヴルの亡霊たち』(大西愛子訳、小学館集英社プロダクション)
ルーヴル美術館には亡霊が住みついている。それぞれの美術品とさまざまな因縁で結ばれた亡霊が。取り上げられる芸術作品は、「サモトラケのニケ」、レオナルド・ダ・ヴィンチ「フランチェスコ・デル・ジョコンドの妻、リザ・ゲラルディーニの肖像」通称「モナ・リザ」、「バビロン王のハンムラビ法典」、ピエール=ナルシス・ゲラン男爵「マルクス・セクストゥスの帰還」、エル・グレコ「フランス王聖ルイと小姓」など、全22点。そのそれぞれにとりつく22人の亡霊たちは、作品の作者であることもあれば、モデルや間接的な関係者であることもあり、多かれ少なかれ作品と関係を持っている。作者のエンキ・ビラルは、想像力の翼をはばたかせ、作品そのものが決して語ることのない、秘められたエピソードを明かす。波乱万丈な物語もあれば、これといった事件のない平凡な物語もある。星の数ほどあるルーヴル美術館の所蔵作品はどれも、人の営みの中で生まれてきた。それらすべてに物語があり、私たちはそれらを自由かつ創造的に読み直すことができるのである。