参加アーティスト
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07/16
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David Prudhomme
ダヴィッド・プリュドム

展覧会に向けて
わたしが日本を始めて訪れ、この国を発見したのは2004年に『日本(17人の作家の視点による日本)』という本の制作のためにしばらく滞在したときだった。以来わたしは定期的に日本芸術と日本の暮らし方の源泉まで遡り、自らの渇きを満たしている。その後、2012年に再来日し、福岡で大相撲九州場所に関する200点ほどのスケッチを描き、それらはフランスに帰国後ボルドーで展示された。今回のイベントはわたしにとって贈り物のようなものだ。引き続き日本と交流できるのだから。それもこのようなりっぱな場所で、同じルーヴルの黄金の衣を纏った偉大なアーティストたちに囲まれて。「ルーヴル No.9」はバンド・デシネのための輝かしい祭典だ。

略歴
1969年、フランスのボルドー生まれ。アングレームの美術学校在学中の1992年、『秘密のニノン Ninon secrète』でデビュー(パトリック・コティアス作、全6巻)。さまざまな作品を発表したのち、2006年から2007年にかけて、ランスの田舎町を舞台に、ある家族が所有するプラスチック製のマリア像が突然涙を流し始めるという奇跡とそれをきっかけに生じる騒動を描いた作品『プラスチックのマリア様 La Marie en plastique』(パスカル・ラバテ作、全2巻)で高く評価される。2009年には、1920年代ギリシアに誕生した大衆的な音楽をテーマにした『レベティコ(雑草の唄) Rébétiko (la mauvaise herbe)』を発表。ルーヴル美術館BDプロジェクト第7作『ルーヴル横断 La Traversée du Louvre』は2012年に刊行された。2015年には再びラバテと組んで『浜辺万歳! Vive la marée!』を刊行している。

作品紹介
『ルーヴル横断 La Traversée du Louvre』(未邦訳)
ルーヴル美術館をテーマしたバンド・デシネを構想中の作者その人が同美術館を視察している。壁には大きさや形の異なる絵がたくさんかかっていて、まるでバンド・デシネのコマを思わせる。世界中からやってきた読者がそれらに夢中で見入っている。作者がふと辺りを見渡すと、一緒に来ていたはずの連れ合いのジャンヌがいない。彼はジャンヌを探しがてら、美術館内を歩き回る。彼の目に映るルーヴル美術館は、数千年にも及ぶ人類の遺産を一堂に会した美の殿堂というよりは、美術品と人とが同列に並べられ、さまざまな偶然の効果を生み出す奇妙な空間であった。彼は、ルーヴル美術館を舞台に美術品と人とが織りなす奇妙なパズルにすっかり幻惑され、一人帰宅する。ジャンヌは一足先に帰宅していたが、不思議なことに、まるでルーヴル美術館の彫刻のように、彼女は頭部だけになってしまっているのだった。