ル・コルビュジエと国立西洋美術館 TOPへ
今年で50年を迎える国立西洋美術館の本館は、ル・コルビュジエ(1887-1965)が設計。
  ル・コルビュジエに師事した、坂倉準三、前川國男、吉阪隆正の三人の建築家が
現場監理を担当したと言いますから、ちなみに、お隣の東京文化会館のテラスから
眺める国立西洋美術館は特に素晴らしいです! by 編集長
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《ル・コルビュジエと国立西洋美術館初期全体計画案模型》
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《本館 1959年》
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《本館と企画展示館 2007年》 写真:新良太
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《本館19世紀ホール 2007年》 写真:新良太
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《本館2階展示室 2007年》 写真:新良太
©国立西洋美術館
 

ル・コルビュジエが設計した本館を振り返る
フランス政府より寄贈返還された松方コレクションを収蔵公開する施設として、1959(昭和34)年東京の上野公園に国立西洋美術館が開館して今年で50年を迎えます。
本展は、ル・コルビュジエ(1887-1965)が設計した本館に焦点をあてた小展覧会です。本館は、ル・コルビュジエに師事した、坂倉準三、前川國男、吉阪隆正の三人の建築家が現場監理を担当して完成させた、日本で唯一のル・コルビュジエ作品です。
またル・コルビュジエの「無限成長美術館」構想で実現した3つの美術館のうちの一つでもあります。そうした、日本におけるル・コルビュジエ受容の証であり、また戦後の日仏文化交流の起点でもあった本館の歴史を、写真や資料によってたどります。さらに、ル・コルビュジエが抱いていた本館の構想を、設計図面やスケッチ、模型などによって検証します。
これらは、常設展示室の2室を使って行い、展示をご覧いただいた後、実際に本館を巡ることによってル・コルビュジエが創造した空間をより深く理解していただければ幸いです。

松方コレクションの寄贈返還によって設立した美術館
川崎造船の社長であった松方幸次郎(1865-1950)は、造船業によって得た私財を投じて多くの美術作品をヨーロッパで収集しました。その背後には、留学の叶わぬ貧しい日本の画学生に本物を見せてやりたいという思いがあったと言われています。
国立西洋美術館の松方コレクションは、そうして購入されたものの一部で、購入後、フランスに残されたまま、第二次世界大戦を迎えます。
戦後、敵国財産としてフランス政府に没収されましたが、政府間で返還の交渉を重ねた結果、1953年の日仏文化協定の趣旨に基づき、松方コレクションは寄贈というかたちで日本に戻されることになりました。そして、寄贈の前提条件となったのが、これを公開する特別の美術館の設置でした。
そこで、日本政府はフランスの建築家ル・コルビュジエに設計を依頼し、1959(昭和34)年4月東京の上野公園に国立西洋美術館が設立されたのです。

ル・コルビュジエと「無限成長美術館」
スイスのラ・ショー・ド・フォンに生まれたル・コルビュジエ(1887-1965)は、20世紀を代表する建築家として、フランス中心に活躍しました。その業績は建築の分野にとどまらず、絵画、彫刻、家具、著作にも及び、小住宅から都市計画まで幅広い創作活動を展開しています。
ル・コルビュジエの「無限成長美術館」のアイディアは、1929年、スイスのジュネーヴに計画された《ムンダネウム》計画の《世界美術館》に始まります。《世界美術館》を螺旋状のピラミッドとして提案した後、1931年、パリの《現代芸術美術館》で、そのアイディアを探求し、1939年、北アフリカの《フィリップヴィル市の美術館計画案》において「無限成長美術館」としてひとつのプロトタイプ(基本型)にまとめあげました。第二次世界大戦をはさんで実現の機会を失っていたこのプロトタイプをもとにして、戦後、インドと日本で3つの美術館を実現させました。そのうち2つはインドのアーメダバードのサンスカル・ケンドラ美術館(1957年竣工)とチャンディガールの美術ギャラリー(1968年竣工)で、ひとつが東京の国立西洋美術館(1959年竣工)です。
国立西洋美術館には、「無限成長美術館」の特徴とされる、ピロティ、スロープ、四角い螺旋状の展示回廊、卍形の中3階などが見られ、ル・コルビュジエが計画した一連の美術館のなかでも完成度の高いものと言われています。

建物の歴史―本館から企画展示館まで
1959(昭和34)年東京の上野公園内に国立西洋美術館が開館しました。爾来、購入と篤志家の寄贈によりコレクションの充実を図るとともに、松方コレクションの公開と特別展を通して西洋美術の普及に努めてきました。
1979年、所蔵作品の増加に伴い必要となった展示スペースを確保するため、本館の北側に新館を増築します。新館には、それまでの購入によって増加した版画作品のための展示室や、より広い収蔵庫などが完備されました。しかし、新館は常設展のみならず特別展会場としても使用していたため、特別展を開催するたびに展示室の作品を収蔵庫へ移動しなければならず、所蔵作品の保存にとって良い環境とは言えませんでした。そこで、新たな展示室の検討が始まり、1997年前庭の地下に特別展専用の企画展示館が増築されました。
また1998年その工事と平行して本館を地震に強い建物とするために、「免震レトロフィット」と呼ばれる改修工事を行いました。安全性と機能性、そしてオリジナルデザインの継承が考慮されたこの工事によって、ル・コルビュジエが設計した本館は、2007年12月に「国の重要文化財(建造物)」に指定されました。

《展示会の構成》
会場:本館19世紀ホール
セクションT.ル・コルビュジエ―新しい建築のために
ここでは、「無限成長美術館」とそこに集約された、ル・コルビュジエの建築に対する理念やアイディアを紹介します。「メゾン・ドミノ」、「新しい建築のための五つの要点」、「建築的プロムナード」、「モデュロール」を本館と関連させながら紹介します。

セクションU.美術館の変遷―本館建設から免震化まで
国立西洋美術館本館の建設を写真パネルによって振り返ります。また、その後の建物の増改築による変遷も含めて美術館の建物の歴史を写真パネルで概観します。

会場:新館2階版画素描展示室
セクションV.設計図をたどる
ル・コルビュジエが作成した設計図面12点とスケッチや模型を展示し、それらの資料からル・コルビュジエが抱いていた本館の構想を検証します。

関連プログラム→

展覧会インフォメーション
会   場 =国立西洋美術館  
会   期 =2009年6月4日(木)〜8月30日(日)
開館時間 =9時30分〜17時30分(金曜日は20時) ※入館は閉館の30分前まで
休 館 日 =毎週月曜日(ただし、7月20日、8月10日は開館、7月21日(火)は休館)
料   金 =一般420円(210円)、大学生130円(70円)
※高校生以下及び18歳未満、65歳以上、心身に障害のある方及び付添者1名は無料
※( )内は20名以上の団体料金
主   催 =国立西洋美術館
協   賛 =EPSON
協   力 =エールフランス航空、西洋美術振興財団
お問い合わせ電話 =ハローダイヤル 03-5777-8600
所 在 地 =東京都台東区上野公園7-7
【交通アクセス】
JR上野駅下車(公園口出口)徒歩1分、京成電鉄京成上野駅下車 徒歩7分
東京メトロ銀座線、日比谷線上野駅下車 徒歩8分

http://www.nmwa.go.jp/

 
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