 [拡大] イケムラレイコ 〈二重に臥して〉2000年 courtesy,SHUGOARTS |
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 [拡大] 出光真子 〈直前の過去〉2004年 |
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 [拡大] 岡田裕子 〈SINGIN' IN THE PAIN〉2004年 |
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 [拡大] オノデラユキ 〈Transvest−Andy ,Frank and Pierre〉2002年 |
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鴻池朋子 〈第4章 帰還 -シリウスの曳航-〉(部分)2004年 courtesy,Mizuma Art Gallery |
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東京都現代美術館では1999年に第1回展を開催して以来、現代を反映したテーマを毎年設定し、日本の新しい美術の成果をグループ展「MOTアニュアル」で紹介してきました。2005年のテーマは『愛と孤独、そして笑い』です。
1990年代から現在、女たちはますますシビアになっています。86年に男女雇用機会均等法が施行されましたが、企業の中でのガラスの天井は堅固に残り、たとえ男のようにしゃにむに働いてキャリアを築いたとしても先は見えています。仕事も結婚も育児もすべてこなすスーパーウーマンはしんどそうです。かくて、女性の結婚年齢も非婚数も離婚率も上がり続け、子どもの数は減少し、結婚しても女たちはなかなか仕事を辞めなくなりました。従来の家族における女役割をこなしているように見える女でさえ、それはすでに強制力のあるものではなくなっています。いつ結婚しようがシングルでいようが仕事を続けようが子どもを持とうが離婚しようが、なんでもいい、ただ、その選択は自分でする。と、現代日本女性は、したたかにシビアに生きにくい<今>を生きています。
そうした現代を反映して多くの作品が生まれています。それは自分と様々な物事との「関係性」を捉え直す作業です。近代家族制度や雇用システム、コミュニティとの関わりや人間関係、歴史観など、さまざまな関係性が変化している「今」、いかに自分自身を世界に位置づけるのか。女性作家たちは、自分の身の丈から、自分の周りの日常を見つめ直し、自分が立っている社会、自分を形成してきた歴史、自分が生かされている世界を、今まで「あたりまえ」のこととして見過ごしてきた視点をまず疑いながら、ひとつひとつ検証して再構築しようとしています。それは自分の日常や身の回りから、世界に共感しようとする行為です。そしてその作品には、生きることそのものにも似て、「愛と孤独、そして笑い」が溢れています。
既存のシステムが、あらゆる面で行き詰まり、暗雲が漂っている現代日本であるからこそ、こうした表現は生まれ、こうした表現のもつ重要性も高まっていると思われます。この閉塞感に満ちた現代日本で、しかしいかにあきらめないで、維持し続けるか。それは創り手の問題である以上に、この現代に生きる私たち全体を問われるものなのでしょう。日々の平凡な日常から生まれた非凡な作品、「愛と孤独、そして笑い」に満ちた延々の問いを、アーティストだけではなく、私たちが、維持し続けること。それがこの展覧会の目的です。
第33回MOT美術館講座「女性と表現」
講師および日程:
第1回 1月22日(土) 上野千鶴子(東京大学大学院人文社会系研究科教授、社会学)
第2回 2月5日(土) 若桑みどり(川村学園女子大学教授・千葉大学名誉教授、美術史)
第3回 2月12日(土) 竹村和子(お茶の水女子大学人間文化研究科教授、米文学)
第4回 3月5日(土) 香川檀(武蔵大学人文学部比較文化学科助教授、表象文化論)
各午後3時から5時(開場は30分前)場所:東京都現代美術館講堂(B2F)
受講料:1回400円 定員:200名(当日先着順)
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