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世界中に溢れるアート情報の中から、F・A・N編集長のアンテナにピッピッと反応した新鮮なネタをとびきり楽しく料理してみました!猫好き編集長のアートな雑記帳です。
Vol. 28デジタル版画って、なんだ??
上野の森美術館で開催中の『ダリ回顧展』には、もうお越しになりましたか?くどいようですが、月曜日の夕方ならゆっくりご覧になれます。土曜日は要注意ですよ!

さて、美術展に行くとミュージアムショップを必ずチェックするという方も多いでしょう。
定番はポストカードですが、ポートフォリオと呼ばれる複製画も人気商品。
なかでも『ダリ回顧展』のミュージアムショップで発見した複製画は、ちょっと違います。
「デジタル版画」なんですって。色が凄い。陰影も奥行きも、ホンモノの作品と見比べても遜色がない。しかも、ホンモノと同じ大きさで、そっくりな額縁入り。
展覧会図録を作る際、日本の印刷技術の素晴らしさは知っていましたが、これはもっと進歩している。なんだ、このデジタル版画って!?
ダリ「記憶の固執の崩壊」
(こちらがホンモノの作品)
デジタル版画「記憶の固執の崩壊」
(こちらはデジタル版画による複製)
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記憶の固執の崩壊
1952-54年
Worldwide © Salvador Dalí, FundacióGala-Salvador Dalí, SPDA, Tokyo 2006
In the USA© Salvador Dali Museum Florida /Tokyo 2006
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で、説明書きをじっくり読んでみると…。

「従来の、4色分解によって版を構成するプリント技術では、4色間をつなぐ“中間色”が存在せず、結果的に色彩の表現に限界がありました」

フムフム、だから複製画には「奥行きのない安っぽさ」が付きまとうのよねー。

「今回のジグレ(フランス語で、スプレーとか吹き付けの意味)は、中間色として4色が存在し、合計8色インクで圧倒的な色の表現力を獲得しています」

この8色のインクを更に「大・中・小」3種類の大きさの微粒子に細分化して、それぞれを複合的にかけ合わせるんだそうです。

「その結果、原画の色だけでなく、タッチや凹凸感、キャンパスの網目などの微妙なニュアンスが忠実に再現します」

それぞれの作家独自の“色”と“タッチ”が再現されるところが、素晴らしいのです。
ただし!デジタル版画を販売している方が、一つだけ原画と大きく違うところを、正直に教えてくれました。

一点だけ原画と違うところがあります。それは、表面の光沢です。原画は油分を多く含んだ油絵の具で描かれている為、表面につやがあります。しかし、この技法でそれを表現しようとすると透明のアクリル樹脂で表面を加工するようになります。それだと蛍光灯の光で乱反射してしまい見えにくくなってしまいますので、あえて光を吸収するタイプのインクを使ってあります。

つまり、テカテカ系に油絵を塗りこまない作家の作品や水彩画なら、もっともっとホンモノに近いわけですネ。

さて、10年前に誕生したこの技法では、版画の「版」にあたるものは、コンピュータの中。つまり、コンピュータ技術の進歩が生んだ新しい再生芸術と言えます。
とはいえ、著作権が存在するダリ作品の複製を勝手に作るわけには行きません。ダリ財団の複製許可を得たあと、何十パターンも試し刷りをして、「最適な一枚」にたどり着いたのがコレ。すでにマティスの「金魚」をはじめ、ルノアール、ゴッホ、モネの作品なんかも、デジタル版画になっているらしい。
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(「ダリ回顧展」のミュージアムショップでは、こんな感じで販売されています。価格は4万9800円)
で、このデジタル版画ですが、リトグラフやシルクスクリーンに変わる技法と考えれば、複製の世界だけでなく、アートそのものにもなるでしょ。
たとえば、ウォーホール。
あなたに使って欲しかった。
カラーコピー機を使った版画で知られるデビッド・ホックニー。
あなたはもう、この技法を使ってみたのかしら?
私が知らないところで、デジタル版画アートが続々生まれている、気がする。

と、書いたところで情報が。
平山郁夫センセイや草間彌生サマが、すでにこの技法を使っているのだとか。うーーん、私の使い方のイメージとちょっと違うけど。

いずれにしても、「ダリ回顧展」のミュージアムショップに行ったら、ぜひこのデジタル版画をチェックしてください。すべての複製のウラに、会期・会場名・ダリ財団のクレジットと共に通し番号も明記されています。
(文:桜井郁子)
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さて、今回のプレゼントですが、デジタル版画を発売しているアルテノイエさんから豪華な逸品を御提供いただきました。
ルノアールの「コーヒーカップ」。定価は28,800円だそうです。
抽選で一名様となりますが、ご家庭でルノアールの筆使いを御堪能下さい。

プレゼント応募は終了いたしました。
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