特別展「北斎−ヨーロッパを魅了した江戸の絵師−」 TOPへ
江戸時代鎖国時代の輸出品のうち、最も輝かしい日本製品は浮世絵ではないかしら?
天才画家・北斎とシーボルトとの交流にも注目です。by 編集長
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《冨嶽三十六景 凱風快晴》 北斎
江戸東京博物館蔵(前期)、山口県立萩美術館・浦上記念館蔵(後期)
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《提灯張り》 北斎派 フランス国立図書館蔵
©Bibliotheque nationale de France
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《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》 北斎
江戸東京博物館蔵(前期)、山口県立萩美術館・浦上記念館蔵(後期)
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《節季の商家》 北斎派 オランダ国立民族学博物館蔵
©National Museum of Ethnology, Leiden
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《生首図》 北斎 個人蔵
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《美人夏姿図》 北斎 個人蔵(後期)
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《近世怪談 霜夜星》 北斎・画 柳亭種彦・作
名古屋市蓬左文庫(前期・後期で頁替あり)
<“知らなかった北斎”と“知っている北斎”
― ヨーロッパを魅了した江戸の絵師・北斎の芸術に迫る>


葛飾北斎(1760〜1849)は、日本の画家の中で最も早く西洋画法に習熟し、独自の絵画世界を作り上げた江戸の絵師です。しかし北斎の作品に魅了されたのは、日本人ばかりではありませんでした。激しいタッチと強烈な色彩を用いて感情を表出した作品を描いたゴッホは、「大好きな日本版画のコレクションをありったけ壁にピンで留めたい」と語り、その筆頭として北斎の名前をあげるほど、北斎の絵画世界に最も影響を受けた人物のひとりといえるでしょう。ゴッホをはじめ、日本の浮世絵が印象派をはじめとした西洋の近代絵画に大きな影響を及ぼしましたが、これ以前、江戸時代より日本の美術や世相、歴史、社会制度、物産などはヨーロッパで紹介されていました。

最近の研究で文政年間(1818〜1830)、長崎の出島に滞在したオランダ商館長たちは、 4年ごとに行われる江戸参府の時に北斎などの絵師に肉筆の風俗画を注文し、次の参府の際に注文した作品を祖国に持ち帰っていたことがわかりました。当時、50歳を過ぎた頃の北斎の関心は、人物や風俗、動植物などを漫然と筆の赴くままに描いたスケッチ集『北斎漫画』を出版するなど絵手本の制作にありました。オランダ商館長の依頼を受け、北斎やその弟子たちが描いた作品も、江戸の人々の暮らしぶりが描かれています。これらの風俗画は、現在、オランダ国立民族学博物館とフランス国立図書館に所蔵されています。

そして、今回、オランダとフランス、2箇所に分蔵されていたこれらの風俗画が初めて同時に里帰りすることになりました。特にオランダ国立民族学博物館に所蔵される<節季の商家>、<端午節句>、 <花見>などはオランダ商館の医官シーボルトが持ち帰ったものとして注目されています。本展では、オランダとフランスに残る北斎の風俗画から、これまで"知らなかった"北斎像を探るとともに、北斎とシーボルトの交流にも着目します。そして江戸で人気を博した「冨嶽三十六景」や『北斎漫画』に代表される、版画や版本、肉筆画、摺物など、初公開を含む北斎の名品を幅広く紹介します。
"知らなかった北斎"と"知っている北斎"―、ふたつの視点から迫る本展覧会で、ヨーロッパをも魅了した江戸の絵師・北斎の芸術をあらためてお楽しみください。

《第1部 北斎とシーボルト》
オランダ国立民族学博物館とフランス国立図書館に分蔵されている北斎の肉筆風俗画約40点が初めて同時に里帰りを果たします。これらの作品は、西洋風の技法や表現を用いて、当時の日常風景や人々の生活をテーマに描かれ、一見、水彩画のようにも見える独特な雰囲気を持っています。
これらの北斎の作品は、どのようにして海を渡ったのでしょうか?
鎖国下の江戸時代、唯一、欧米に開かれていた場所が長崎・出島です。島原の乱により、ポルトガル人に代わって、出島に拠点を置き日本との貿易を独占したのがオランダでした。幕府は、オランダ商館を通じて、キリスト禁止令やポルトガル人追放の徹底を図る一方で、海外の情報を集め、オランダ商館は日本の様相を貿易品などともに、祖国に伝えました。
最近の研究では、文政年間(1818〜1830)に、4年ごとに義務付けられていた商館長の江戸参府の際、北斎のもとを訪れ、江戸の風景や人々の日常風景などを題材にした浮世絵を注文し、次の参府の際に完成した作品を引き取っていたことがわかりました。
そのひとつが、1817年から1823年にかけて、オランダ商館長を務めたヤン・コック・ブロムホフが発注し、次の参府で商館長を務めたヨハン・ヴィレム・デ・ステュルレルが持ち帰った約25点で、これらはデ・ステュルレルが他界した後、フランス国立図書館に寄贈されました。
また、もう1人北斎の浮世絵を持ち帰ったのが、オランダ商館の医師として滞在したフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796〜1866)です。鎖国中の日本からなるべく多くの情報を集めるという目的が課せられたシーボルトは、日用品や工芸品、植物学、地理学など様々な分野から大量のコレクションを収集しました。その中に、オランダの紙に描かれた北斎の作品も含まれていたのです。現在、オランダ国立民族博物館に収蔵されています。

《第2部 多彩な北斎の芸術世界》
江戸時代の化政文化を代表する浮世絵師・葛飾北斎(1760〜1849)。森羅万象何でも描き、3万点を越す作品を発表しました。第2部では、海外及び日本国内から、北斎が手がけた版画、版本、肉筆画などすべての分野の北斎の芸術をご紹介します。
北斎は、立ち止まることを知らない絵師でした。読本や絵手本などの版本から、版画、肉筆画にいたる様々な分野で、日本古来の技法にとどまらず、遠近法や陰影の表し方など西洋風の技法を取り入れ、自己の画風を追い求めました。常に探究心を持ち続け、自己の絵画世界を追求していったその姿こそ、北斎の最大の魅力といえます。

<版画>
浮世絵の版画は、墨摺絵と呼ばれる白黒のものにはじまり、丹絵、紅絵、漆絵など次第に着色され、多色摺が完成しました。これが錦絵です。北斎の錦絵としての代表作が「冨嶽三十六景」シリーズです。斬新な構図や従来の藍よりも発色性の強いベロリン藍による彩色の美しさで人気が高く、北斎の風景版画家としての顔を確立しました。

<摺物>
名披露目や演劇の案内など、私的な配り物として作られた非売品の木版画をいいます。天明年間(1781〜89)に狂歌が一大流行したことに伴い、狂歌師の注文による摺物が増加しました。その多くが私家版のため、高級な紙を使い精緻な技巧が施されています。

<肉筆画>
版に摺るものではなく、絵師が直接、絹布や、紙などに描くものを肉筆画といいます。版画や版本が浮世絵の主流になった後も、著名な浮世絵師の肉筆画は求められました。晩年、北斎は錦絵を離れ、創作活動の中心は肉筆画の世界へとはいっていきます。作品の内容もそれまでの風俗画から、日本や中国の古典に基づいた宗教画的な作品が増えていきます。
展覧会インフォメーション
会   場 =東京都江戸東京博物館 1階展示室
会   期 =2007年12月4日(火)〜2008年1月27日(日)
<前期>:12月4日(火)〜12月27日(木)
<後期>:1月2日(水)〜1月27日(日)
※作品によっては、「前期」、「後期」期間に限定された公開や2週間限定公開、2週間での頁替になるものがございます。
開館時間 =9時30分〜17時30分(土曜日は19時30分まで) ※入館は閉館の30分前まで
1月2日・3日は11時より開館、土曜は19時30分まで
休 館 日 =12月10日、17日、25日及び年末年始12月28日〜1月1日
料   金 =
  当日券 常設展共通券 特別展前売券
一般 1,300円(1,040円) 1,520円(1,210円) 1,100円
大学生・専門学校生 1,040円(830円) 1,210円(960円) 840円
中学生(都外)・高校生・65歳以上 650円(520円) 760円(600円) 450円
小学生・中学生(都内) 650円(520円) なし 450円
※( )内は20名以上の団体料金。
※共通券(当日券)は江戸東京博物館とJR両国駅のみで販売いたします。
※小学生と都内在住・在学の中学生は、常設展観覧料が無料なので、共通券はありません。
※次の場合は本展覧会の観覧料が無料になります。
未就学児童。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添の方(2名まで)。

チケットはこちら = @電子チケットぴあ

主   催 =財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、東京新聞
後   援 =オランダ王国大使館、フランス大使館
協   賛 =大日本印刷
学術協力 =オランダ国立民族学博物館、フランス国立図書館
協   力 =日本航空
お問い合わせ電話 =03−3626−9974(代表)
所 在 地 =東京都墨田区横網1-4-1
【交通アクセス】
JR総武線両国駅西口徒歩3分、都営大江戸線両国駅A4出口徒歩1分
都バス 錦27・両28・門33系統「都営両国駅前」徒歩3分

http://www.edo-tokyo-museum.or.jp
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