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エコアナ・島田彩夏が安藤忠雄に密着!自然循環型の新・渋谷駅

[2008年5月1日更新分]


世界的建築家・安藤忠雄氏

(FNNスピーク 2008年4月17日放送)
その土曜の早朝、私たち撮影チームはいつにない緊張感に包まれていた。渋谷の空は青く澄み渡っていたが、まだ冷たい3月の風が張り詰めた空気をピシリと打つ。

6月に開通する東京メトロ・副都心線の中核となる新生・渋谷駅の設計を任されたのは安藤忠雄氏―――国内外を問わず重要な建築を数多く手がける建築家「世界のANDO」―――その彼がもう間もなく私たちの眼の前に現れて昼のニュース『スピーク』のために自ら工事現場を案内してくれるというのだ。


交通量の多い明治通り
ここ何年もの間、渋谷駅の東側(スクランブル交差点と反対側)の明治通りは昼夜問わずの大規模工事で車線が少なくなっている。通られた方も多いだろう。

いやそれにしても騒々しい。休日の朝だというのに車の量も半端ではない。この道路の真下で新生・渋谷駅が作られているとはちょっと想像できない。


世ヘルメット姿ではやての如く

瞬間、にわかに場の空気が変わった。世界のANDOが「や、どうもどうも!」と、それは響くハスキーボイスで入って来られたのだ。

慌てて名刺を握り締めた私が一歩近づいた時にはもう既に「ほんじゃー行こかー」とご自分のヘルメットを抱え、どんどん遠ざかっていってしまった。唖然ボー然、まるで疾風だ。

いやボーっとなんかしていられない、すぐさま全員安藤さんに習ってヘルメットを引っ掴みバタバタと後を追ったのだった。


駅の中をリポート
初めて入る新・渋谷駅。そこはまるで深い森の中のようだった。まだむき出しのケーブルの類が蔦のように渡され、取り付けられた電球のほかは遠くどこからか光がかろうじて届いている。

その障害の多い小道を安藤さんがものすごいスピードで駆け抜けてゆく。私も工事現場の取材なのでなるべく歩きやすい格好をしてきたつもりだったのだが、早い早い、もうまったく追いつけない。安藤さんにはそこにあるすべての小石や蔦、そして道が、見えているのだろう。

つと安藤さんが止まった。なにやら丸みを帯びた卵のようなものの中にいるようなのだが・・・。

「ここ、いま、突端部やね。」
安藤さんがこの新・渋谷駅のために打ち出したのは、全長80メートルの、「宇宙船」ならぬ「地宙船」を駅の中にすっぽり入れてしまおうというものだった。私たちは今この右側の先端部分に立っているらしい。

「地下鉄の駅のなかにいる時、普通自分の場所がわかりにくいが、ここでは上から下を見ると、自分がどこにいるのかしっかりわかる」
そう言われるとその通りだ。私などは究極の方向音痴で案内板を頼りに移動するのが精一杯。それを良しとしていた。いつの間にか都心の暮らしに慣れ、自分の場所が分かるということ、この生き物として当たり前のことが失われていることにすら気づかないでいた。


地宙船イメージ絵

地宙船模型

「横を見てごらん」
言われた通りに安藤さんの指差された吹き抜けの反対側を見て驚いてしまった。穴があいているのだ。地下鉄なのに太陽の光が直接降り注いでいる。 隣に完成予定のビルとの間に巨大な穴を開けることで、地上からホームまで光や風を循環することができるという。

「人工換気ではなく、自然の風で動かしていく。自然換気システムやね。」
従来の地下鉄の換気はいくつもの空調ダクトを機械で動かすというもので、膨大な風量が必要となりコストも高いのだそうだ。その点なるほど、自然の風は熱も発しない上、言うまでもなくタダである。


光と風のイメージ絵

空が見える穴

この地宙船を構成するパネルひとつひとつが空洞になっていて、地宙船自体を冷やすと教えてくださった。この駅を利用することで自然とともに生きていることを感じることができるとも。

自然ができることを封じ込めない。大きな力を少し貸してもらう。安藤さんはまるでおねだり上手な彼氏のようだなと、失礼ながら思ってしまった。
「人間てばまた大きなモノ作って・・・でもそうね、力を貸してあげようかしら」と笑う偉大な自然が年上の彼女だろうか。


無数の換気口

ホームから見上げる天井


取材を終えて笑顔の二人

そんなことを考えていたら、ふうっと、やわらかい風が頬をなでて線路の方へ過ぎて行った。もう春の風だ。

「世界でも初なんです。面白いね。」安藤さんはコロコロと笑われた。夢を託す地宙船。

そんな安藤さんの屈託なく笑われるお顔に引き込まれていつの間にか緊張は解け、私も大きな口を開けて笑ってしまっていた。

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