大地震から2年 長野県栄村で子どもからお年寄りまで楽しめるイベントを実施
[2013年7月1日更新分]
「忘れられた被災地」にしてはいけない
今回の『ずっとおうえん。プロジェクト』で訪れたのは、長野県最北端、新潟県との県境にある栄村です。
3.11東日本大震災の翌朝12日午前3時59分、震度6強の大地震が長野県下水内郡栄村を襲いました。雪どけ前の小さな村は、短時間に繰り返された激しい揺れにより、全域の停電、断水、国道の閉鎖、JRの不通、土石流の危険といった多大な被害がもたらされ、村民約2300人のうち1700人が避難生活を強いられました。
にもかかわらず、被害が局地的であったことや、地震直後の死者・重症者が0だった(ただし、その後の避難生活で3人のお年寄りが亡くなっており、震災関連死に含まれることになる)こともあり、栄村は、東日本大震災の津波による甚大な被害情報の中に埋もれてしまいました。
あの日から2年、かつての生活を取り戻しつつある被災地、栄村を忘れることなく“ずっとおうえん”するために、5月28日に長野放送の協力を得て保育園での食育イベントと、“マジック付き朗読会”を老人ホームと公民館のあわせて3ヵ所をまわりました。
地震で壊れた橋を再建築 遠くに北アルプスを望み、眼下に流れる千曲川のせせらぎと眩しい新緑を見る限り、2年前の被害の様子は想像できませんが、土石流の危険をもたらした中条川上流の山崩れの跡や、地震で破損し冬の大雪で崩落した中条橋は今も復旧作業中。震災の傷跡は今でも残っています。
村役場の方に伺うと、<今年の春にほぼ全ての仮設住宅を撤去。村営住宅の建設が進んでいる。インフラ関連はこれまでに90%が復旧した> そうです。一方復興については、昨年策定された「栄村震災復興計画」に基づき年度ごとに進めていくそうです。
食育イベント“ハロー!どっこくん”
朝一番で訪れたのは、栄村北信保育園。園庭でのお遊びを終えた30人ほどの園児が泥んこの服から着替えを終え元気よく集まってきます。
フジテレビ 牧原俊幸アナウンサーと長野放送 平松奈々アナウンサーの2人に長野放送のマスコットのハチポを加え、食育のキャラクター「どっこくん」の紙芝居のあと、発声練習で体をほぐし、「どっこくん体操」をみんなで楽しく行いました。
マジック付き朗読会
午後からは牧原アナウンサーの特技、マジックを交えながらの朗読会を特別養護老人「ホームフランセーズ悠さかえ」、「栄村文化会館かたくりホール」の2ヵ所で行いました。
特別養護老人
「ホームフランセーズ悠さかえ」
特養老人ホームは、地元栄村をはじめ近隣市町村の他、長野市や隣県の新潟県津南町からも広く利用のある大きな施設。ロビーを利用した地域交流スペースに車椅子で集合した利用者の皆さんの熱い視線に囲まれて、牧原アナと平松アナの息もぴったりで進行していきます。
まずは、フジテレビの人気アニメ「ちびまる子ちゃん」の上映会。
壁に映し出された大きな映像を食い入るように見つめていました。
おなじみのテーマ曲にリズムをとったり手拍子をしたり・・・
つづいて、マジック付き朗読会。
今回は、「花咲かじいさん」と地元信州に伝わる民話「鳥呑爺(とりのみじい)」を選びました。牧原アナの手から次々と出てくるたくさんの花は皆の笑顔を誘い、また「鳥呑爺」では、うっかり鳥を呑み込んでしまったおじいさんのへそから飛び出した鳥の尾羽をひっぱると…
チチンプヨプヨ ゴヨノオンタカラ~♪
という、めでたいオナラが出るという演出にも大喜び。牧原アナも平松アナも何度も尾羽をひっぱり、めでたいオナラを連発するサービスで会場を沸かせました。
最後の会場となる「かたくりホール」に到着。
「ちびまる子ちゃん上映会」に続き、ここでもマジック付き朗読会を披露。
会場となった栄村文化会館かたくりホールは栄村の皆さんにとって特別な場所でした。2年前の震災時に、余震による建物倒壊の恐れがあるため自宅を離れた住民約150人が避難した所なのです。この夜はその場所が笑顔と歓声に包まれました。
会場で食べたお弁当のご飯がとてもおいしかったので、最後にひとこと。
栄村は新潟県魚沼産コシヒカリの産地と隣り合わせで、澄んだ空気と水、
そして冬の雪が田んぼの土を熟成させる気候風土が、
米づくりに適しているそうです。
栄村のコシヒカリは、「心づかい」という名が付けられています。
文:長坂哲夫(フジテレビ 総務サービス部)
長野放送 平松奈々アナウンサーからのメッセージ
長野放送 平松奈々アナウンサー 震度6強の地震が襲って以来、初めて栄村を訪れました。
復興支援ということで元気を届けたい一心でした。
北信保育園では、牧原俊幸アナウンサーと『ハロー!どっこくん。』の大きな紙芝居を読みました。
季節の野菜・果物が登場し、大魔王を撃退するお話ですが、「山菜」が登場したときに子どもたちの声が一層大きくなったのには驚きました。
私が保育園児だった頃、「こごみ」や「ふきのとう」なんて知らなかった!いや~さすが、長野。
そのあとは、まだよちよち歩きの子どもたちと一緒に「どっこくん体操」。
手足をいっぱい伸ばして体操する子どもたちの笑顔が素敵でした。
「フランセーズ悠さかえ」と「かたくりホール」では、朗読と牧原アナウンサーのマジックを合体させた「世界初?!マジック朗読会」を行いました。
「語り」に合わせて、お花が咲いたり、大判小判がザクザク出たり・・・
朗読しながらマジックを楽しめて一石二鳥!
来てくださった皆さんも、大きな拍手と笑顔!
体操、歌、マジック・・・
楽しむ気持ちが一つになって、イベントは無事終了。
また栄村に来たい!そう思える一日でした。
ありがとうございました!
文:平松奈々(長野放送 アナウンサー)
フジテレビ 牧原俊幸アナウンサーからのメッセージ
フジテレビ 牧原俊幸アナウンサー今回の『ずっとおうえん。プロジェクト』では、長野県栄村を訪れました。
私自身、東北に比べて長野県の震災に関しては知識が乏しく、栄村を訪れるのは初めてでした。
まず訪れた北信保育園では長野放送平松アナに協力してもらい、30人ほどの園児達との食育イベントを開催。
自然の中で暮らす子ども達のためか、みんなとてもよく食べ物の名前を知っていて、元気よく前へ出てきて食べ物を指差してくれていました。
マジックも子ども達にも参加して貰いながら、楽しく過ごせました。
先生によると、子ども達はマジックを見る機会はあまりないため、みんなびっくりして拍手も忘れてぽかんとしていたそうです。
ホールでは大技も飛び出し・・・夜は栄村役場のホールでイベント。平日の夜にもかかわらず、大勢の方が集まってくれました。
ここでは、長野放送の平松アナを剣で刺してしまうという、イリュージョンも行いましたが、無事終了しましたので、ご安心下さい。
橋の補修工事以外は、地震の爪跡を見ることはありませんでしたが、役場には、全国から寄せられた激励のメッセージカードがたくさん貼られていてこれまで、多くの支援が届いていることがわかりました。
マジックでどれだけみなさんを支援できたかわかりませんが、清々しい思いで栄村を後にしました。
文:牧原俊幸(フジテレビ アナウンサー)