フジテレビのCSR活動 2013年度~2020年度

2011年度活動報告

2011年度活動報告TOP
TOPICS
社会貢献活動
環境
番組
TOP2011年度 番組トピックス8月12日放送 「わ・す・れ・な・い 東日本大震災155日の記録」
2011年度 番組活動トピックス

8月12日放送 「わ・す・れ・な・い 東日本大震災155日の記録」

[2011年9月29日更新分]

3月11日の東日本大震災。
今回の大震災から我々は何を学び何を後世に伝えていくか。
同様の自然災害が今後発生した際に被害を最小限に食い止めるために私たちはどう備えるべきなのか?
今回の震災ほど被害の状況がリアルに映像として記録されたことは歴史的にも例を見ない。特に沿岸地域が津波に飲み込まれていく様子を克明に映し出した映像は防災の観点からも後世にきちんと残すべき重要なものだと考えている。
まさに映像の時代に起きた大災害をビジュアルとして記録し長期にわたり検証を加えていくことがテレビメディアとしての責務であり、その意味でこの「わ・す・れ・な・い・」プロジェクトを立ち上げた。

時間の経過と共に少なくなるメディアを通しての被災地情報。しかし現地では復興に向け多くの人々が懸命に頑張っている。情報番組が日々取材する膨大なテープを元に日本の復興の過程をしっかりと記録に残し後世に伝えていくことテレビに与えられた社会的使命を果たしていく。

第1弾として、4月17日の「ザ・ノンフィクション」で震災の被害を受けた3組の家族のその後を放送しました。
そして、第2弾が8月12日に放送した「わ・す・れ・な・い 東日本大震災155日の記録」です。

3月11日午後2時46分に発生したM9.0の大地震。
広大な範囲に被害をもたらした地震、津波、そして福島第一原発の事故、次々に飛び込んでくる情報があまりにも膨大で、メディアはその全てを伝えきれたとは言えません。しかし、日本列島は、こうした災害がまたやってきてしまうことは間違いないのです。
いつ来るかわからないけれど、確実にやってくる次の大地震に備えるために、私たちは、今回の出来事をしっかりと記憶の底にとどめる必要があります。
東日本大震災と、これに立ち向かった日本人を決して「わ・す・れ・な・い」ための記録として、今回の番組を制作しました。

番組では、フジテレビ系列が"あの瞬間"から取材し続けた膨大な映像や、これまで明らかにならなかった"未公開映像"を出来る限り入手して、それらさまざまな場所で起きたさまざまな出来事を、時間の経過に沿って緻密に組み合わせた時系列のドキュメントにつなぎ合わることで、大災害の全体像を明らかにしようと試みました。

そのひとつとして、岩手県宮古市を襲った津波をとらえた19台のカメラの映像を、撮影した場所、撮影した時間、そして撮影者の証言を詳細にたどりながら、その一部始終を検証しました。
逆方向からも襲ってくる津波、津波が巨大化するメカニズム、さらに巨大な堤防が、かえって津波に気づきにくくしていた現実など、次に備えるための大切な教訓がありました。

午後2時46分18秒、宮城県の沖合で始まった今回の地震。
東北地方が大きな地震に見舞われたとの情報が届いた時、東京は、まだ一切の揺れを感じていませんでした。
発生から360秒もの長い間、列島を揺るがしていた地震の恐怖が、映像をたどることで見えてきました。

また、福島第一原子力発電所の事故では、発生時に、内部では何が起きて、何が行われていたのか、
私たちは、2号機が損傷するまでの88時間に注目しました。
この時、第一原発の正門付近では8000マイクロシーベルトを超える放射線量を記録していました。
映像をもとに出来る限りの検証を行い、当時は知りえなかった真実を明らかにしました。

膨大な取材テープを全て見直すことが改めて見えてきた真実、新たに入手した映像が物語る現実、
そして何よりも今なお被害の残る中で、懸命に前をむく被災地の方々、あの時、あれから、そして今…
それぞれの方々のそれぞれの155日には、
私たちが決して「わ・す・れ・な・い」、忘れてはいけないメッセージがありました。

文:大野高義(フジテレビ 情報制作局 情報企画センター)

Copyright © Fuji Television Network, Inc. All rights reserved.