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2010年度環境トピックス

「COP10」会場の隣で、海と沿岸の生物多様性について勉強!

[2010年10月29日更新分]

CSR推進室プロジェクトチーム 特別コラム

10月20日(水)、COP10(生物多様性条約第10回締結会議)のサイドイベントとして国土交通省港湾局主催のパネルディスカッションが行われると聞いて、CSR推進室プロジェクトチームメンバーの有志で名古屋まで勉強会に行ってきました。

COP10の行われている名古屋国際会議場のすぐ隣にある我々の参加した生物多様性交流フェア会場は一般の方の出入りも自由で、とても和やかな雰囲気。様々な国と地域の方々に混じって社会科見学の小学生のグループなどが研究・展示ブースを巡って、多くの生き物が暮らせる豊かな環境を再生、維持するために今やらなければいけないことを勉強する姿も見られました。

~地球のいのち、つないでいこう~


出展ブースは実に200を超え、自分で折ったおりがみに10年後の未来へ向けたメッセージを書いて、生物多様性を考えるコーナーがあったりと盛りだくさん。会場となっている白鳥公園内を巡っているとあっと言う間にイベント開始時間となりました。

国土交通省が主催するこのイベント会場で受付を済ますと、「沿岸域の生物多様性~沿岸域の再生を通じた地球環境改善対策~」と題された76ページに及ぶ資料を手渡され席に着きました。
果たしてどうなることやら…。どこまで理解できるだろうか。不安いっぱいに講演の幕が開く。

講演は4人の講師によって行われました。
東京大学副学長磯部雅彦氏は『閉鎖性内湾の水環境の現在と未来』について。国連大学副学長武内和彦氏の『日本の里山・里海と生態系サービス』。琉球大学理学部教授土屋誠氏の『サンゴ礁島嶼系における生態系の相互関連性と生物多様性』。
独立行政法人港湾空港技術研究所研究主監中村由行氏の『沿岸域の開発・利用と両立した自然再生の試みと、地域と地球環境への貢献』と続き、最後に4人によるパネルディスカッションという構成でした。タイトルにも圧倒されドキドキしましたが、それぞれ30分ほどの講演は、当初の不安や予想に反して非常に噛み砕いた表現でわかりやすく興味深いものでした。

経済優先のうねりに押し流されるように、日本の沿岸域が経済成長の過程で急速に汚染されていったプロセス。その後の環境への関心の高まりとともに進められてきた沿岸の水質改善の様々なプロジェクト。

しかし水質改善だけではうまくいかない生物多様性の再生の難しさや課題が具体例を交えながら浮き彫りにされていきます。我々の目の前に広がる東京湾の再生も、開発過程で海底に数多く残された窪みのために、プランクトンの死骸が留まりやすく海底の貧酸素化の改善にはかなりの時間と労力を要すとのことです。人間のかける負荷に、環境は悲鳴をあげ続けてきたのです。そしてその地球の叫びに世界がようやく耳を傾けようとしているのです。


「里地里海」という日本古来の考え方を大切に!

日本の「里山」、そこから水を介してつながる「里海」と言う概念は世界でもスタンダードな考え方として評価され、近年になって生物多様性の保全と自然再生活動には生態系の相互関連性が重要と捉えられてきているそうです。


人間が手を入れながら、自然と共生する「里海」づくりをすすめ生き物の生息場を作ること無しに沿岸域の生物多様性の再生は実現しません。生き物の豊かな住処となる干潟や藻場の再生。南の海ではサンゴを再生させるためのナマコやジュゴンの力を借りた海底の砂の浄化など、それぞれの場所に適したその土地固有の生態系を取り戻してやることが大切なのです。

海辺の生態系は陸上の生態系とつながっていること。全体のバランスを考えながら細かな配慮で個々の生物にとっての生活しやすい場所をとりもどしてやることが沿岸域の再生には重要であるということが見えてきます。
経済優先の時代に日本が失ってしまったものを、今は回復させる時代がやってきたこと。

生態系を再生させることが結局は人間の福利の向上につながり、それは経済だけではなく、人としての安らぎや文化など、新しい豊かさの創造へとつながっていくのだ、という方向性は心に響きました。

日本は、海岸線延長で世界6位という国土の特性上、今後、「里海」や「ブルーカーボン」といった地域活性化や地球環境問題への貢献という視点も新たに加わることは確実で、これまでの「沿岸域の再生」の取り組みがさらに加速されることが期待されています。

東京湾という大きな内湾に社を構える一企業として、沿岸域の再生に関して何が出来るのか。地球のいのちをつないでいくために、どう貢献していくか考える良い機会を与えてくださりありがとうございました。

文:長坂哲夫(フジテレビ CSR推進プロジェクトメンバー(総務サービス部))

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