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[2008年1月1日更新分]
デンマーク・サムソー島 再生可能エネルギー100%への挑戦
デンマークのサムソー島の街並み
サムソー島の風力発電装置と柴田記者
サムソー島の発電用ソーラーパネル
サムソー島の風力発電装置
(2007年12月12日放送)
デンマークのサムソー島は、人口わずか4400人、端から端まで車で1時間足らずの小さな島です。
ここで、1998年、デンマーク政府公認のもと「再生可能エネルギー100%のコミュニティ」をめざした10年計画がスタートし、来年最終年を迎えます。
島の生活は一体どうなっているのでしょうか?
島のあちらこちらでひときわ目を引くのが巨大な風力発電装置です。
豊かな風が生み出した電力は、島の人々が使うすべての電気を賄い、発電で生じていた二酸化炭素排出量はそれまでの4万5000トンからゼロになりました。
電力だけでなく熱も再生可能エネルギーが使われています。主に夏は太陽光、冬は廃材から作ったウッドチップや藁を燃やし、できた熱はパイプラインで各家庭に運ばれて、暖房や給湯に使われています
こうした中、島では個人単位の取り組みも始まりました。
畜産農家のアンデルセンさんの愛用のトラクターの燃料は菜種油。原料のアブラナからすべて自分の畑で栽培するほどの徹底ぶりです。
アネットさん夫妻は自宅の暖房にオイルヒーターを使ってきましたが、プロジェクトが始まってからは、家を暖炉で暖め、電力消費を押さえる工夫をしています。こうした住民の意識の変化がプロジェクトの最大の成果です。
プロジェクトを運営するNGOは、1人1人が「自分でも何かできる」という気持ちをもてば、温暖化を止めることもできるのではないかと話しています。
デンマーク全土では風力発電はまだ全体の17%にすぎず、サムソー島の試みがすぐに全国に適用できるわけではありませんが、10年のプロジェクトは温暖化防止に取り組む全世界に大きなヒントとなりそうです。