2013年09月14日 新・週刊フジテレビ批評で放送
社会・公共

東京五輪開催決定 メディアが果たす役割

イスタンブールとの決選投票では東京が60票を積み上げ、イスタンブールが36票を大きく引き離して
2020年の夏季オリンピック・パラリンピックの開催地として、東京が選ばれました。
開催地決定の様子を各局が生放送で伝え、今週も多くのメディアが、
盛り上がりを取材し伝えております。

大きな経済効果が見込まれるなど日本中が賑わっていますが、
海外メディアなどでは東京オリンピック開催に向けて辛口なコメントが出されています。

インディペント紙
「原発事故の危機は続いており五輪開催地にはふさわしくない」

ロイター通信
「安倍首相は汚染水対策に約500億円を投じると、
言っているが五輪招致のために言った」

ニューヨークタイムズ
「日本は放射能問題の深刻さを否定しているが、誤解させていると批判の声がある」

原発問題やテロなど東京オリンピックが開催されるまで様々な問題がありますが、2020年までの7年間、
メディアは何を伝え発信していくべきでしょうか?
どうかご意見をお寄せいただけますようお願い申し上げます。

オピニオンリーダーへの問いかけ

※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:7年後の東京オリンピックまでにメディアが果たす役割は?
Q2:問1についてコメントする。

オピニオンリーダーの回答

( 20件 )
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1. コメントする

本田宏
医療制度研究会副理事長
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
2020年のオリンピック開催後には世界が注目する2025年問題が待ち受けている。財政赤字が叫ばれる日本、ひと時のお祭りのために多額の血税を投入し、社会保障体制整備をおろそかにすることは許されるのか。メディアは是非社会の木鐸として機能を発揮してほしい。
 今回のオリンピック決定までのメディア報道を見ていて、戦前戦争の突入する時に国民の国威を高揚させた雰囲気はかくもありなんという印象を持った。
 開催地決定直前に世界中で問題視された汚染水だけでなく、国内には2020年の後には、これも世界が注目する2025年問題が待ち受けている。
 現在の雰囲気を見ると、オリンピック開催に異を唱えるものは「非国民」と言われそうな雰囲気に日本はなっている。オリンピック招致と今後7年間の準備にかける金と人を、先進国最低の社会保障整備にかけなくて良いのか?。
 財政赤字が叫ばれる日本、ひと時のお祭りのために湯水のごとく、血税を投入することは許されるのか。メディアは是非社会の木鐸として機能を発揮してほしい。
 
 
岩渕美克
日本大学法学部教授
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
 何のための報道であるのか、どのように報道すれば五輪の成功につながるのかを考え、冷静な報道に務めてほしい。併せて、震災の復興との両立が不可能ではないのであるから、その意味では復興の手助けになるような五輪報道の在り方を考えてもよいかもしれない。
 最近の一部メディア報道には、国益を損ないかねないものが散見される。たとえば中国メディアで、日本が落選したとの誤報を大きく取り上げようとして、ことさらに日中関係や中国の反日思想に結び付けようとする意図が見え見えのものまである。朝日のツィッターでも誤報があったらしいが、あまりにためにする報道がみられるのが気になる。
 ここは淡々と冷静な報道に務めて、東京五輪を成功に美びくことが必要となろう。識者のコメントなどもそうであるが、阿部総理の春限を実現させる方向に持って行けばよいのではないか。「日本国民、全員が自宅で見られるオリンピックであって欲しい」でいいではないか。復興との両立を図る意義ある報道のためにも、ことさらにためにするような報道ではなく、繰り返すが冷静な報道が必要である。
 ワイドショーなどでは、早くも期待される10代のアスリートを取り上げているようであるが、この時期はともかく、過剰な期待や過剰な報道で、選手をつぶすようなことがないようにしてほしい。
 もちろん政治の側についても同様で、与野党の枠を超えた対応をしてもらいたい。与党のポイントになるとかといった国益とは離れた対応は慎んでもらいたい。
 
 
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター  心臓外科医
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
CXをクビにならない範囲で、オリンピック・ファシズムと闘い、それをどう修正し、また自らも飲み込まれないで頑張るか?メディア人にはそれが問われる7年となりましたね!
今日本中が浮かれております。ただいまとある宗教団体の会長就任パーティがあり、A首相からもごあいさつ賜りましたが、とにかくすごい熱気です。日本中の体温が3度ぐらい上がっている、と言っても過言ではないでしょう。私が手術する患者さんとの会話でも、「東京オリンピックまで元気でがんばらないと!」「がんばります」というふうに、2020があらゆるところで様々な形で日本人の目標になっているのです。
一方で、オリンピック・ファシズムの台頭も懸念されます。
オリンピックなんだから!を錦の御旗に消費税を増税し、電気料金を値上げして従来どおりの利権を貪るシロアリどもは徹底的にメディアが追及し、誅滅してほしいと思います。
オリンピック景気なんだから消費税を上げなくてもいいんじゃないか?それだけ経済が活性化し税収も増えるんだから。という論理が出てきてもおかしくないわけで、そんなところをしっかりとメディアが意見をくみ上げてほしいのですが、やはりメディアなんかは真っ先にオリンピック・ファシズムに屈してしまうのでしょうね。昨日テレ朝のBSの番組にナマ出演させてもらったとき、心あるディレクターさんともそんな話をしていました。「福島と東京都は250km離れている。福島と東京は違う。東京は安全だ」つまり「福島は危険なんだけど・・・」そういう招致委員たちの言動に日本の今の政府の棄民政策がもろに露呈していますよね、などと意見を交わしていたのですが、私と違って彼も一企業人。体制に迎合しないなら彼の立場は本当にどうなっていくのでしょう。CXさんもそういうファシズムに反発するエネルギーをどう封じ込めるか、ではなく良識の府であるなら、これに乗じて利権を拡大し国民をさらに締め上げる政府や役人どもをメディアの力でしっかりと正していくエネルギーとして活用するか、とにかく新体制に期待しております。コンパスさんもその点ほどほどにしないと企画だけでなく、皆さんのクビも危ないかもわからない、そんなファッショなエネルギーにどう対応するか、各個人個人の「メディアで食わせてもらっている一人の人間として」の生き方が問われるこれから7年ですね。皆さんせいぜい頑張ってください!
 
 
伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
オリンピックは万国のスポーツ祭典で、決して日本国内の経済効果のためのものではない。情報社会はグローバル化し、もっぱら国内向けで井の中の蛙風の島国的独善的五輪観が披瀝されば日本は国際信用をさらに失う。福島汚染での政治家発言など含め、マスメディアは五輪本来の国際価値に筋道を通す国際社会の木鐸でなければ!
オリンピックは万国が平和裏に共存するスポーツ祭典で、決して開催国内の経済効果のために行われるものではない。今日の情報ネットワーク社会は様々な意味でグローバル化しており、嘗て昭和39年次なら通用したかもしれない、もっぱら国内向けで井の中の蛙風の、島国的独善的な五輪観が披瀝されるなら、日本はさらに国際社会の信用を失い沈滞の度を深めるだろう。すでに各国メディアで指摘され始めている福島汚染での政治家のあいまいな発言など含め、マスメディアは五輪本来の国際的な価値に筋道を通す、(国際)社会の木鐸の役割を果たさなければならない。
 
 
松田千恵子
首都大学東京教授/マトリックス株式会社代表
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
もう決まってしまったオリンピックを徒に礼賛したり否定したりするのではなく、
「日本国として行うべき資源配分(ヒト・モノ・カネ)の優先順位が的確なのか」ということを常に
厳しく検証していくこと。国家の施策に対するメディアとしての本質的、基本的な役割であるはず。
特に、
①震災復興、
②財政再建、
③スポーツ以外の教育、
が劣後していないか、という視点を常に
持ち続けて、具体的・長期的・中立的に世に問うてほしい。総論や評論、抽象論や建前論は要らない。
 
 
土居丈朗
慶應義塾大学経済学部教授
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
日本の世論は、争点がないと、無批判的に一方の方向に振れやすい傾向がある。メディアは、そうした状況に対して、為にする批判ではなく客観的に問題点を指摘し、将来に禍根を残さないように注意を喚起する役割が重要である。
例えば、復興予算でも、震災復興のためなら(精査で時間を浪費してはいけないから)早急に支出すべきだという意見に、震災直後は誰も批判ができない状況になると、無批判的に復興予算が執行された。しかし、後から振り返れば、無駄な形で復興予算が支出され、やはり精査が必要だった。

このように、東京オリンピックも、盛大に開催することはとにかくよいことだとか、開催を邪魔するような対応は許せない、という形で無批判的に世論が振れると、オリンピックが終わって冷静になったときに禍根を残すようなことをリアルタイムでは見逃してしまう。

メディアは、そうした事態を未然に防ぐ役割を積極的に果たしてゆくべきと考える。
 
 
原田曜平
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
7年後の2020年のオリンピックでメディアが果たす役割を考えるにあたって、まず一番重要なのは、2020年をゴールにしてはいけないということだと思います。
7年後の2020年のオリンピックでメディアが果たす役割を考えるにあたって、まず一番重要なのは、2020年をゴールにしてはいけないということだと思います。

中国でも業務を行っている立場として、北京オリンピックを振り返ってみると、確かにオリンピックまでの中国は、オリンピックに向かって挙国一致で盛り上がりました。
凄まじい経済発展は言わずもがなですが、何より中国国民の士気の高まりには凄いものがありました。ところが、オリンピックが終わるや否や、もちろん、まだ経済成長は続いているものの、経済成長は鈍り、国民の士気も下がり、少なくとも大都市部はいっきに元気がなくなったように感じています。

このように、オリンピックは開催されるまでは大きな経済効果を生みますし、国民の士気も多いに高めるものですが、閉会するや否や、いっきにその反動で盛り下がる、「点」のイベントという特性を持っていると思います。

日本のメディアは、このことを踏まえ、「点」としてオリンピックを盛り上げようとするのではなく、7年後よりもう少し先の日本の長期的ビジョンを描き、そこに行き着くまでの「過程」としてのオリンピックを盛り上げる、という意識を持つことが大切だと思います。

アジアの若者研究家として私が思う7年後よりもう少し先の日本のビジョンとは、「アジアの中での地位の確立」だと思います。2050年には世界のGDPに占めるアジアの割合が50%になると言われています。人口が減り、高齢化が更に進むなど、長期的には日本の人口規模、市場規模は縮小していきます。そうした中、日本がアジアの中で強いプレゼンスを取り戻し、『アジア市場をつかむ』ということが日本にとって最も重要な長期ビジョンだと思います。

となると、その過程で開催されるオリンピックまでに、日本のメディアが果たすべき役割は、如何にア
ジア各国、アジア各国の人々、日本をビジネスや留学や旅行で訪れているアジア人、在住アジア人、アジアのメディアに日本、日本人、日本製品の魅力をPRしていけるか、という点が最も大切になってくると思います。アジア各国の人々に日本への強い憧れを再度持って頂き、日本が『アジアのリーダー』たる地位を築ける一助になることを、オリンピック及びオリンピック報道の目的の一つに据えるべきだと考えています。

北京オリンピックは大変素晴らしかったですが、過去の東京オリンピックや北京オリンピックのように、発展途上国によるオリンピックではなく、成熟国家として、アジアの最先端国としての洗練されたオリンピックの開催及びオリンピック報道を強く期待します。
 
 
小幡績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
五輪と原発は別。
原発と東京五輪は無関係である。何かにつけ、自虐的に原発問題に関係させて考えるのはやめよう。東京五輪があろうがなかろうが、原発問題は存在する。それ以上でもそれ以下でもない。
 
 
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
さまざまな見方があることを客観的に報道していく必要がある。
どれか一つの立場に偏することなく、いろいろな意見に耳を傾ける必要がある。進め方について、お金の使い方、便乗商法など、いろいろと問題も起きるので、その警鐘をならすことも必要。
さまざまな見方があることを客観的に報道していく必要がある。

どれか一つの立場に偏することなく、賛成推進派の意見も当然に報道すべきだが、反対や疑義を呈している人たちの意見にも耳を傾ける必要がある。

オリンピックがもたらす前向きの効果、波及効果、精神的な目標なども大切だが、他方において、いろいろな分配の公平性を害しないようにしてもらう必要がある。

準備の進め方について、お金の使い方、便乗商法など、いろいろと問題も起きるので、その警鐘をならすことも必要。

また、オリンピック終了後に経済が悪くなるとか、いろいろな後始末の問題も指摘されており、その後のことも考えて、長期的な視点から考えてもらいたい。その点で、長野五輪や海外の五輪などで残された教訓などの検証なども重要だろう。
 
 
鈴木豊
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授・公認会計士
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
計画実施の段階の目的指標と結果指標を開示する。巨額の税金・公金が使われので、その収支・顛末を短期的・継続的に開示されているか検証する。建設契約入札の公正性を第三者に検証させる。国・都・自治体で五輪の役割を日本全体で割り振り、任務を明確にする。国民・都民・市民の声を継続的に拾い続け公表する。
以下の15原則の実施と検証をメディアは常に行えるシステムを構築することが必要である。
1.政治的発言についてその適否とその理由を明示する。
2.原発事故関係は継続的に現在の状況を正確に伝える。
3.建設・運営関係の財政状況について正確に伝える。
4.日本国の財政全般の問題について懸念に関して正確に伝える。
5.巨額の税金・公金が使われので、その収支・顛末を短期的・継続的に開示されているか検証する。
6.公金・税金の使われ方を諸外国の例を参考に公監査の手続きによって一円まで検証する。
7.企画・計画段階の成果指標を明示させる。
8.計画実施の段階の目的指標と結果指標を開示する。
9.建設契約入札の公正性を第三者に検証させる。
10.国・都・自治体で五輪の役割を日本全体で割り振り、任務を明確にする。
11.巨額の資金の一元的管理システムを構築する。
12.人材登用の公正性を第三者に検証させる。
13.東京五輪は東京だけでなく日本全体の行事であることを確認する。
14.国民・都民・市民の声を継続的に拾い続け公表する。
15.以上に関する情報を正確に漏れなく収集する最大限の努力を行う。
 
 
村沢義久
合同会社Xパワー代表/ 環境経営コンサルタント
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
今回のオリンピックでは、福島を始めとする東北被災地への配慮と、再エネ推進を柱とすることを提言する。名前は「東京」オリンピックだが、実態は「東北オリンピック」「再エネオリンピック」とするべきだ。メディアはそうなるように働きかけて欲しい。
福島第一が全く収束していない現状ではオリンピック開催には反対である。しかし、決まったからには成功させなくてはならない。私がメディアに期待することは二つ。

第一は、福島に対する配慮である。メディアはオリンピックの準備に関するカバーの中で、必ず福島対策の進展状況についても伝えるべきであり、「東京」オリンピックが、被災地にもメリットとなるものにすべく影響力を行使するべきと考える。

もう一つ、原発で名を汚した日本は再エネで名誉挽回すべきだ。東電による原発再稼動がなくても余裕を持てるように、再エネ、特に太陽光発電を最大限に導入するようメディアは働きかけ続けるべきだ。
 
 
松田哲
松田トラスト&インベストメント株式会社 代表取締役
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
安倍首相が、東京にオリンピックを招致するために、
「東京は安全であり、福島原発事故の影響は無い」
と述べたことは、
世界に向けて、
「福島原発事故の処理を完璧に行う」
と宣言したに等しい、と考えます。

つまり、福島原発事故の処理は、国際公約となった、と考えます。

実際のところ、
汚染水は、完璧にコントロールされてはおらず、
湾内から、外海に汚染水が希釈されながら、流出しているようですが、
この問題について、安倍首相、もしくは、現政権が、
どのように解決するのか、
すぐにもメディアは、強く追求するべきだ、と考えます。

放射能を垂れ流している現状は、全世界に対しての迷惑行為であり、
早急に、完璧にコントロールするべきだ、と考えます。

今回のオリンピック招致では、
「東京は、便利で安全だ」とアピールしましたが、
うがった見方をすれば、
あるいは、福島で困った状況にある人達の立場から言えば、
「東京以外は、不便であり、安全でもない」
「東京ばかりを優先し、被災地を後回しにしている」
と受け取ることもできるのではないでしょうか?

この点についても、被災地を後回しにしない旨、
現政権に、言質をとることも、メディアの仕事と考えます。


もちろん、2020年は7年以上も先のことで、
それまでに紆余曲折は当然にあることでしょう。

だから、今の時点で、テーマを絞る必要がない、と考えます。

メディアのすべきこと、メディアの出来ることは、
それぞれの立場から、常々考察しなければならない問題と考えます。

オリンピック関連で、何か事が起これば、その都度に、
メディアのするべきこと、できることを考えるべきで、
今から、7年先にまで通用するような方法論やプロハガンダを
現時点で話し合う必要は無い、と考えます。

今、現時点で、メディアが追求するべきことをやってもらいたい、
と考えます。

7年間、通用し続ける壮大なテーマ(視聴者・読者うけを狙ったテーマ)を
探す必要があるのでしょうか?

メディアのすべきこと、できることは、
2020年東京オリンピック開催にかかわらず、
(オリンピックがあろうとなかろうと)
もっと本源的に考察すべきテーマだ、と考えています。

強いて言うならば、
メディアは、大衆や、その時々の政権におもねるばかりで、
そういった重要なテーマを避けてきた傾向がある、と考えます。

今回の質問そのものが、その傾向を表している、と感じます。
 
 
常見陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
オリンピックと、それ以外のニュースをそれぞれ丁寧に、多様な視点で伝えること
いま、オリンピックをやる意義を整理する。
このオリンピックを通じて、日本がどんな国になりたいのか。

これに関する多様な意見を紹介することである。

何より、オリンピックのお祭り騒ぎに便乗して、諸問題を隠蔽してはいけない。
むしろ、ちゃんとオリンピック以外の報道をすることを意識的に行って頂きたい。

また、オリンピックが経済的に貢献する部分、しない部分を丁寧に説明するべきだ。
 
 
潮匡人
国際安全保障学者,拓殖大学客員教授
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
①もし2020年に、まだ被災者が仮設住宅で生活していたら、日本は世界の恥さらしとなろう。2020年は中国海軍が東京を含む第二列島線に進出する目標年でもある。米軍も海軍力の6割を太平洋に移す。地域の軍事バランスは大きく変化する。もし2020年までに憲法改正がなく「自衛隊」のままなら、テロ対策にも当たれない。その他さまざまな政策課題の進捗状況を検証報道してほしい。
②道路標識の英語(ローマ字)表記などが問題となっているが、メディア自身も改善すべき点が多い。テレビの字幕放送は日本語だけでいいのか。二か国語放送を多国語化すべきでは、等々、外国人の利便性を考慮すべきであろう。3・11では、大半が日本語報道のため、海外や在日外国人不安を増大した側面がある。その教訓を忘れてはならない。
③海外の一部メディアが、事実に反する報道や、不安を煽る不適切な報道をしているが、まちがっても日本のメディアが便乗してはならない。そうした間違いを指摘し、誤解を正す努力をすべきである。とくに当該メディアと提携している日本のメディアに、その責任が大きい。
 
 
永濱利廣
(株)第一生命経済研究所 経済調査部主席エコノミスト
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
インフラ整備が東京に集中し、被災地の復興や地方の老朽化インフラの補修等が後回しになっていないか、五輪関連予算と銘打って前回の復興予算のように無駄なものに流用されていないかをしっかり監視する。また、外国人を招くことになる以上、汚染水問題の正しい状況や近隣諸国との関係等も世界に正確に発信する義務がある。
インフラ整備が東京に集中し、被災地の復興や地方の老朽化インフラの補修等が後回しになっていないか、五輪関連予算と銘打って前回の復興予算のように無駄なものに流用されていないかをしっかり監視する。また、外国人を招くことになる以上、汚染水問題の正しい状況や近隣諸国との関係等も世界に正確に発信する義務がある。
 
 
岸本裕紀子
エッセイスト,政治コラムニスト
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
かつての東京五輪が戦後復興と高度経済成長の象徴なら、2020東京オリンピックは、被災地復興を成し遂げ、さらに新しい日本へと生まれ変わる象徴であるべきです。
オリンピックまでにメディアが果たす役割は、「東京も被災地も!」などとテーマをきちんとうたって、被災地の復興の報道にあえて力を入れ、東京の盛り上がりと並行して伝えることにあると思います。
今でさえ、被災地の防波堤などの建設が遅れているのに、その仕事に従事する人もお金も東京にまわってしまい、経済効果は都市に限定され、被災地の復興がさらに滞ってしまうのはおかしいです。
同様に、汚染水問題のその後の状況、オリンピックでさらに膨らみそうな財政赤字をどうするかなどの問題も、きちんと取り上げることも必要でしょう。
また、個別のテーマとしては―――。
震災以降、人々のボランティア熱が高まっていますが、人々の参加意識を高め、経費を安くするためにも、「東京オリンピック開催までに、こんなボランティアが必要です」といった番組を流すのもいいと思います。
オリンピック開催までは、世界的にブームになっていた開催都市も、終わると、北京しかりアテネしかり、いろいろ問題噴出で冴えません。東京はブームを持続させたいですが、そのためにはどうするかを議論する番組をつくるのも面白いでしょう。
また、石原元東京都知事に対する取材がほとんどないように思います。半ば強引にでしたが、東京開催のきっかけをつくったのは石原氏でしょう。当時の想いをインタビューするとか、あってもいいのでは。
 
 
稲増龍夫
法政大学教授
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
近年、テレビで視聴率30%を超える番組は年間で10本程度で、紅白歌合戦を除くと、W杯かオリンピックである。それだけ国民の関心が高いキラーコンテンツなので、ここは、便乗と言われようが、最大限理利用し、マスメディアの王道のパワーを示すべきチャンスである。
再放送などを活用して、制作費を浮かせ、ここに人とお金を集中すべきである。例えば、世界からの関心が高い原発問題について長期密着取材をおこない、深い調査報道を通して、政府や東電の対応を監視し、結果として安全性を世界にアピールすることや、卑近なところで言えば、無テーマだった夏の27時間テレビをオリンピックを全面に押し出したものにかえるなどが考えられる。
 
 
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
さまざまな角度から情報発信するところにメディアの使命がある。政府要人の発信に注視しつつさまざまな角度から意義ある報道を心がけて欲しい。
これから五輪開催まで政府要人の発言はすべていわば国際公約となる。メディアは誰が何を発言したのかをつぶさに捉え、それが内外にどのような意味を持ち、どのような影響を及ぼすのかを分析して視聴者にわかりやすく伝えるべきだろう。ただ、五輪開催の意義は大きい。批判だけでなく建設的な問題提起は重要である。スポーツ振興を通じた体力向上、健康増進は医療費の削減に貢献する。スポーツ振興にはビジネスチャンスもある。経済波及効果も否定できない。何よりも国民に対する心理的効果は軽視すべきでない。さまざまな角度から深みのある情報発信、ここにメディアの真骨頂がある。
 
 
マリヨン・ロバートソン
都市開発会社Metplan社Chairman and CEO
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
昨年の経済破綻から少し回復したものの、経済不安が拭えないマドリード、2020候補として一番近い位置にいるが、国内闘争から深刻な政情不安を抱えるイスタンブール、福島原発事故により起きている放射能汚染問題の面している東京。どの候補地もマイナス要因がホスト都市としての魅力による争いでは無く、国際オリンピック委員会(IOC)が目指す、84年ロスアンゼルス五輪成功後、利益絶対主義に変わった商業五輪に、東京が示した豊かな資金力、極端には乱れない安定した政治統治能力が競争相手を退けた理由だろう。今回の争奪レース、東京の勝利でなく、消去法で選ばれたに過ぎ無いのでは。日本国内の五輪特需による景気向上にもつながるであろうし、老朽化した都市基盤整備の為にも良い事だが、何故かすんなりと受け入れられない。国際オリンピック委員会と云うのは単任意団体なのだが妙な利権団体に見えて仕方が無い。
いっその事、国連の中に組み込み、審査も不明瞭な選出方法で委員ではなく、各国の国連代表が立候補地を投票により決めるなど、できないものか。争奪ロビー活動につぎ込む資金と時間は尋常ではないし、簡略化されるべき。
これから数年間の間に原発処理失敗により開催国失格とならないよう、新しい施設の開発整備の前に、福島原発を最優先で推進して欲しい。

メディアができる事は、盛り上がりやプラス部分をハイライトするだけでなく、当然のことだが、懸念される問題の進捗状況や事業推進力を国民の目や耳あるいは口として事実を見極め伝え,国や東京都に提案、軌道修正等を積極的に報道媒体を経て展開すべき。
 
 
にしゃんた
羽衣国際大学教授/落語家
Q2. 「1 - コメントする」の回答理由
現状のメディアのはしゃぎっぷりは、まるで「日本国民、みんな嬉しいだろう!」と押し付けて、強要しているにしかみえない。日本人全員が本当に嬉ですかね?何が嬉しいですかね?日本の辺境の地から見れば、むしろ他の国の街にでも開催してくれた方が、まだ移動距離的にも近かったはずです。2020年は、「東京オリンピック」であって、「日本オリンピック」ではない。所詮、言葉としての「オリンピック」の使用制限があるぐらいだから、そんな窮屈な縛りの中で、なぜ、みんなが自分のものとして喜べるか不思議で仕方がない。情報発信手としてのメディアには東京「の」オリンピックであることの錯覚なき自覚をまず求めたい。

合わせてはしゃぎ過ぎといえば、たとえば義足の女性選手の感動的なスピーチが、芸人さんのチャチが入る喧噪のなかで繰り返し放送されたら、あれではせっかくのスピーチが安物に見えてしまう。テレビは感動をつぶしてはならない。

また、深刻に考えなければならないのは、「東京オリンピックに反対する」、とか、「日本での開催に反対はしないが、なぜいつまでたっても東京なのか」とか、そういう意見が出にくい、いや「反対」の声を挙げられない。反対する者は、これはもう「非国民」あつかいで、まるで「翼賛報道」。表現の自由は日本ではまだまだ成熟の域に達していない。オリンピック報道について言えば、戦前並みと言ってもいいのでしょう。これでは、中国や韓国、さらには北朝鮮のメディアを批判できない。メディア、特にテレビは今後、「東京オリンピックを取り上げれば、視聴率が稼げる」として東京キー局は、どこかの局で、必ず毎日、東京オリンピックが「明るい話題」として取り上げられるだろう。へそ曲がりでなく、東京オリンピックに反対している者、疑問を抱いている国内外の者、敢えて言う「少数意見」にメディアはもっと耳を傾けるべきだろうし、「言いにくいこと」、「批判しにくいこと」をメディアの責任、いや義務として取り上げていってもらいたい。

安倍総理がIOC総会で「状況はコントロールされている」と言い放った汚染水問題。既に一部新聞でも疑問視し、批判する声も取り上げられているから、ここで繰り返すのは控えようと思うが、とにかく総理が世界に向けて発信したのだから、これはもう国際公約。そして日本のメディアはしっかりその内容を電波に乗せた。真実性・公約実現に向けての過程の詳しい報道および検証は今後、メディアは避けて通ることはできない課題となった。本質的に汚染水問題は、東京オリンピックとは別の問題のはず。「安倍政権の延命と長期化には東京オリンピック決定はぜひ必要なイベント。そのためにはこの際、フクシマはオブラートで包んでおかなければならない」との意識が政権内部に「わずかでも」あり、そのためにこそIOC総会で言い放った、としたら、それは日本国民をだますことであり、世界中の人たちにうそをつくということになる。はしゃげばはしゃぐほど、メディア、特にテレビの責任は重くなることは忘れてはならない。

最後になるが、他の候補地がよっぽど悪かったにしろ、安倍さんが嘘をついてIOCをだましたにしろ、東京に決まった以上、2020年オリンピックには、日本の未来像や方向性を真っ向から内外に示すイベントとしての役割に期待したい。「量から質へ」「競争から共生」「成長から成熟へ」などもあろうが、中でも未来日本の大きなテーマになるのは「長寿化」と「国際化」の中で共笑に(ともえ=共に笑い)生きるということになる。国際化でいうと、東京といえば、知事あたりが、国際感覚は乏しく、外国(人)に対して差別用語を平気で使い、外国人に対して「死ね」なんてプラカードに日常出くわすことのできるヘイトスピーチのメッカでもある。そんな現状ながら、対外に対して「おもてなし」とは、矛盾が大きすぎる。「おもてなし」は東京の日常で存在せず、オリンピック来客に対してだけの上辺のパフォーマンスにならないためにも、東京は、被災地の者、外国籍、老人、子どもなどのここに隣人として生きる内国人に対しての「おもいやり」もセットでないとならない。江戸時代は、江戸しぐさのような美しい文化もあったようですが、外国人に教え、日本人も自ら学ぶよい機会でもあろう。2020年までに心を入れ替え、成し遂げようとする内容、そしてその目標と切磋琢磨に関わるメディアに期待したい。オリンピックとメディアが、世界に限らず日本全体の模範になるような作品を作り上げ、国民全員が誇らしげに口にしたくなるようになって、初めて、我々同様田舎者の日本人も含めて「東京オリンピック」は「日本のオリンピック」になるのである。
 
 
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