2013年03月09日 ザ・コンパスで放送
社会・公共

東日本大震災から2年 これからの復興を考える

2月26日、安倍総理は震災から2年を前に談話を発表しました。
「政府は、犠牲者の御霊に報いるためにも、一日も早い被災地の復興、被災者の生活再建に全力を
注ぐとともに、今般の教訓を検証し、被災地のみならず我が国全土にわたって災害に強い国づくり
を進めていく決意です。」と述べ、「東日本大震災二周年追悼式」を開催することとともに、
3月11日午後2時46分に国民に向けて黙祷を行うことを呼びかけました。

3月1日、自民党の東日本大震災復興加速化本部は、東京電力福島第一原発の廃炉を担当する
国の専門組織創設、被災者の住宅確保などを目的とする土地区画整理事業の手続き簡素化を
促す緊急提言をまとめ、与党案として安倍首相に提出しました。

昨年12月に復興庁から発表された『東日本大震災からの復興状況』では、昨年12月6日現在で、
321,433人が仮設住宅、民間住宅などに移転しているものの、未だ避難者であることが報告されています。
また、電気、都市ガス、通信、郵便などのライフラインや公共サービス、道路交通網は、
家屋等流出地域、原発警戒区域などを除きほぼ復旧しており、鉱工業生産指数は概ね震災前の
水準に回復している一方、津波被災農地面積に対する営農再開可能面積の割合は38%、
陸揚げ岸壁の機能が回復した漁港の割合は35%(いづれも警戒区域を含む)に
とどまるほか、防災集団移転事業は想定地区の8割で地権者との調整は行われているものの、
まだ時間が掛かると予想され、震災復興は、未だ途上にあると言える状態です。

2:番組として (our aim)>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

震災から間もなく2年が経ちますが、全体として、震災復興が現在どのような状態にあるのか、
そして、どのような課題があり、どんな対応が考えられるのかについては、十二分に
論じられていないと思われます。

そこで、コンパスでは、コンパス・オピニオンリーダーの皆さまが、
震災復興をどのように捉えられているかについて、ご意見をいただき、
鳥の目、虫の目で改めて震災復興のこれからを考える機会を、番組ユーザー及び
視聴者とともにつくりたいと考えました。
オピニオンリーダーの皆さまには、復興の現場に携わっていらっしゃる方も
いらっしゃるかと存じます。
どうかご意見をお寄せいただけますようお願い申し上げます。

オピニオンリーダーへの問いかけ

※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:震災復興は順調に進んでいる思いますか?
下記の選択肢をお選びいただき、問2にて回答の理由、 
どういった地域や分野で、震災復興が進んでいるか、進んでいないかについてご意見をお聞かせください。
Q2:(問1続き)問1の回答理由をお聞かせください。
Q3:震災からの復興が進んでいない、要因があるとすれば、
それは何でしょうか。ご意見をお聞かせください。
Q4:東日本大震災の発生から2年。これまでの復興のなかで、どのような
日本の課題が浮かび上がってきたと思いますか?
私権も関わる利害調整や、国と地方の権限、復興政策のあり方など
具体的な課題も合わせ、ご意見をお聞かせください。

オピニオンリーダーの回答

( 21件 )
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1. 順調に進んでいる

該当する回答がありません
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2. ある程度順調に進んでいる

潮匡人
国際安全保障学者,拓殖大学客員教授
Q2. 「2 - ある程度順調に進んでいる」の回答理由
定期的に被災地を訪問してきたが、見たり聞いたりした範囲では、そう実感する。復興庁が公表したデータでも、一定の前進が数字で裏付けられている。ただ、同じ県内でも、沿岸部と内陸部との間に格差が見られるなど課題も大きい。
Q3. コメントする
何より、沿岸部や原発周辺地域を中心に、受けたダメージが大きい。加えて、政治の迷走や、中央集権型で縦割り行政の弊害など、人為的な要因が重なった。
Q4. コメントする
政府としての対応に課題を残した。国家緊急事態法などが整備されていないため、自治体から要請を受けた自衛隊が治安維持に当たることもできず、逆に、武力攻撃事態法で許された措置を、厚労省の通達で許可するなど、結果的に法の支配を揺るがす結果を招いた。平時を想定した法令では国家緊急事態に対処できない。原発事故対処など日米協力体制にも大きな課題を残した。
 
 
原田曜平
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー
Q2. 「2 - ある程度順調に進んでいる」の回答理由
恐らく他国が同じ状況だった場合を考えると、驚異的なスピードで復興に向かって
いると言うことができると思います。
とは言え、漁港が○%復興した、農地面積が○%復興した、といったインフラの復興
指標も大切ではありますが、一番の復興は「生活者の心」だと思います。

321,433人が仮設住宅及び民間住宅に移転しているものの、いまだに避難者であるこ
とがそれを明確に表していると思います。
一見不謹慎なように聞こえるかもしれませんが、こういう時こそマーケティング調
査を活用すべきだと思います。
マーケティング調査を活用し、生活者の心の復興の指標を作成し、それがどれくら
い満たされてきているかを段階を追って詳細に見ていく必要があると思います。
Q3. コメントを控える
Q4. コメントする
復興の話になると、もともとの状態にどれだけ戻ったか、という話に終始してしま
います。
が、仮に完全にインフラが元通りに戻ったとしても、住人の方々の心は元通りに戻
ることはありません。
このピンチをチャンスと前向きに捉え、被災地が今後、日本の中でどのような役割
を果たすエリアになるべきなのかという、将来のエリアとしてのビジョンが明確に
されないまま
復興が進んでしまっている面があるように思います。

日本は昔から災害の多い国ですから、土建国家的に壊れたら、作り、作ったら壊
れ、で、エリアとしての長期的な視座が欠けているように思い、それが今回も表れ
てしまっているように思います。

是非、今後、東北の未来についての十分な議論がなされることを期待します。
 
 
武貞秀士
拓殖大学大学院特任教授
Q2. 「2 - ある程度順調に進んでいる」の回答理由
地震、津波、原発事故からの復興、外国の軍事的挑発、近隣諸国の日本軽視にどう向き合うべきか。優秀な補佐官を持った国のトップが強力な指導力を発揮して、日本を理解する国家を味方につけて強靱な日本国家を創造すれば解決できる
 災害復興の問題は自分は専門外であるので、「鳥の目」でコメントをすることになる。20ページの報告書『東日本大震災からの復興状況』(復興庁)を読んだ。思っていた以上に復興が進んでいることがわかった。電気、都市ガス、通信、郵便などのライフラインや公共サービス、道路交通網は、家屋等流出地域、原発警戒区域などを除いてほぼ復旧したそうだ。鉱工業生産指数は概ね震災前の水準に回復しているという数字が出ている。日本人の底力というものを見る思いだ。外国の報道を読むと、「2年間でよくぞ日本はここまで復興した」という感嘆の声のほうが多い。
 しかし、まだ被災地では30万人あまりが避難生活を続けている。仮の生活をしながら苦しんでいる被災者が多数いることもわかった。営農再開可能面積の割合が38%、陸揚げ岸壁の機能が回復した漁港の割合が35%にすぎないこと、瓦礫の処理が遅れている。これらのことを考慮すると、「震災復興はある程度順調に進んでいる」と回答するのが妥当だと思う。
Q3. コメントする
 第1に、「復興の遅れ」というと、すぐに犯人探しを始めてしまうが、震災復興が全て順調というわけではない最大の原因は、災害規模があまりにも大きかったからだ。その次に復興が遅れている原因として、日本の社会全体の問題でもあるが、関連機関の責任の範囲があいまいであり、住民のための様々な手続きが複雑であることを指摘したい。関係機関の責任範囲があいまいだと、行政が非効率になってしまう。互いに牽制しあって措置が遅れる。手続きが煩雑であると高齢の被災者は手続きをためらってしまう。そのことを考えると、3月1日、自民党の東日本大震災復興加速化本部が、東京電力福島第一原発の廃炉を担当する国の専門組織創設、被災者の住宅確保などを目的とする土地区画整理事業の手続き簡素化を促す緊急提言をまとめたのは良いことだ。実現すれば改善の第一歩となる。
 第2に、いまだに仮の生活をしている人々が多いこと、瓦礫の処理が遅れていることは、日本社会、国民世論の支援が不足しているからだろう。国民の間で災害復興を急ぐという意識が薄れてきたからではないだろうか。このようなときは国民全体が痛みをわかちあうという気持ちを大切にしたい。日本列島では、いつどこで大地震が起きるかわからない。このことを考えると瓦礫の処理の問題では、皆が「明日は我が身」という意識を持つことが大事だろう。
Q4. コメントする
 第1に、「復興」というと、「元通りに修復する」というニュアンスがあるが、そのような次元で考えてはいけない。「元通りに修復」するのであれば、「想定外の地震」が起きたときに同じ悲劇が起きてしまう。今回の苦しみをバネにして、日本は災害に対して強い国家に生まれ変わらねばならない。大地震、大津波、原発事故の三重苦という未曾有の苦しみを機会に、復興事業は災害に強い国に生まれ変わる国家作りをめざすものでありたい。そして、その他の分野でも強靱な国家建設をめざす。この5年間、日本は経済の停滞に苦しんできた。国際社会での理解、国連での役割、日中関係,日韓関係で、日本人は屈辱感をたくさん味わってきた。このような日本であってはならない。強靱な力を持った新しい日本を創造することを念頭に置いて、復興事業を進めたいものだ。外交分野では、韓国が「韓中米の3国対話」「中韓朝の3者協議枠組み」「韓中米朝の4か国協議」など、韓国の専門家が議論している。「日本が落ちていますが」と質問すると、「日本は福島原発事故の対策で忙しいから」との回答がくる。災害復興事業と日本の国際的地位低下が関連している例だ。
 第2に、震災復興、経済再生、海洋の安全、領土問題など、いまの日本は危機管理の時期にある。このときには、国家のトップの指導力が決め手になる。そして、そのトップを支える補佐官、顧問、政策諮問委員などのグループに優秀なスタッフを揃える。官庁の縄張り争いの結果、できあがる組織であってはいけない。私権に関わる利害調整、国と地方の権限についてははっきりとした方針のもとで、明確にする必要がある。そのために、すべての問題について中央政府のトップのところで強力な指導力を発揮することが必要だ。具体策としては、すでに具体的な動きがでてきているが、復興のための関連機関を整理統合し、責任範囲を明確にする。重複しているものは廃止する。また、被災者を支援する手続きを簡素化する。復興予算は現地の復興のために使う方針を徹底しておくべきであることは言うまでもない。
 
 
加藤百合子
株式会社エムスクエア・ラボ 代表取締役
Q2. 「2 - ある程度順調に進んでいる」の回答理由
被災者にとってはまだまだだと感じられるかもしれませんが、元に戻すことが復興で
はないと思うので、壊滅的な状況から人が社会を形成できる状態になっていることを
考えれば順調だと思う。そろそろ補助金投入の査定をより厳しくするか、個人より企
業への支援を手厚くすることで、労働意欲を向上させ、より早く復興できるようにな
るのではと考えてしまうのは厳しい意見でしょうか?
Q3. コメントする
進んでいないという部分があるとすれば、その要因は元に戻そうとする復興から、
この機会に新生東北に生まれ変わろうとする意識への移行がされないこと。
Q4. コメントする
地方は保守的な社会。こんなに大きな事が起こってもまだ元に戻ることを第一に
していることが、被災地に限らず日本全体での一番の課題かと思う。
元に戻っても時代は進んでいるため後退にしかならない。
 
 
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3. あまり順調には進んでいない

松田千恵子
首都大学東京教授/マトリックス株式会社代表
Q2. 「3 - あまり順調には進んでいない」の回答理由
様々な問題が指摘されているので「順調には進んでいない」としたいところだが、
一方で被災地の方々の努力ゆえに復興がなされていることも忘れてはならないので
上記の答えとした。
Q3. コメントする
政治とは「異なる利害を持つ人々の利害調整」を上手くやることに尽きると思うが、
その機能が不全に陥っていることが最大の問題。
Q4. コメントする
復興において象徴的に現れ出る日本の問題は、
「時間の概念」「優先順位の概念」が乏しいこと。
過去の取組について今更文句を言っても意味が無いが、
これ以上時間を空費しないために、また今後起こるであろう
災害時に同じ轍を踏まないために「緊急・広域災害時の私権調整」
「その私権調整権限も含めた一本化された対応組織のあり方
(但し時限的なもの)をどうするのか」を早急に詰めるべき。
 
 
山村武彦
防災システム研究所所長
Q2. 「3 - あまり順調には進んでいない」の回答理由
現地で被災者や行政担当者から受けた復興肌感覚と、復興庁が発表した進捗報告の行間から受ける感覚には少なからず乖離感がある。この1年間、現地復興局・復興事務所スタッフ及び被災行政職員たちの奮闘ぶりは評価に値する。にもかかわらず、復興庁開庁までの稚拙な初動対応遅れが今も色濃く尾を引いている。
震災後1年経た平成24年2月10日復興庁開庁。同月、復興計画第1号認定(宮城、岩手)、翌月の3月2日復興交付金の交付可能額通知からようやく本格的は復興事業が始まった。政府の稚拙な初動対応、復興スピード遅れが問題化する中で、復興庁、復興局、復興事務所は開設以来昼夜兼行で業務を遂行してきように思う。しかし、震災後20回以上現地を訪れ、最近も暮れから正月にかけて被災地を回ってきたが、一部を除き多くの被災地は、がれき撤去状態のまま放置され1年前と変わらない光景が広がっていた。
復興庁が示す進捗状況報告と、被災地で聞いた被災者や行政担当者などが感じている復興の肌感覚との間には大きな隔たりを感じる。地盤、道路のかさ上げ、整備などようやく緒に就いたばかりのようだ。
Q3. コメントする
中国四川省地震における対応を除き、広域大規模災害における復興は約5年が一般的目安である。一党独裁政権の強権発動による復興とは違い、計画立案・執行まで被災者の意見収集・集約、集団移転や復興住宅の用地交渉などなど、地道に誠意と時間を積み重ねる必要がある。その上、省庁ごとの縦割り法令・管轄などの整合性を図るため、膨大な書類や資料作りも欠かせない。とくに東日本大震災は、地震、津波、原発事故という人類が初めて経験する複合大災害であった。地震と津波以外の未知の反応への気配り目配りも問われる。庁舎や行政職員の多くが被災した上、膨大な業務は技術職を含め被災行政職員の物理的処理能力を大幅に超えていた。復興は企画・推進するための資金計画だけではなく、その復興規模に対応したマンパワー計画が必要である。
Q4. コメントする
東日本大震災後は、次なる大規模災害のカウントダウンが始まったと考えるべきである。想定外と言わないで済むように、南海トラフ巨大地震特別措置法の制定が取りざたされるが、日本中安全な場所はない。当たらない専門家の地震仮説にとらわれた局所的特措法ではなく、いつでもどこでも普遍性のある最大公約数災害を想定し、日本全国で災害を迎え撃つための防災省設置、防災法制定などと合わせ、社会インフラの強靭化、防災民度向上に国家として真剣に意を注ぐべきである。
 
 
岩渕美克
日本大学法学部教授
Q2. 「3 - あまり順調には進んでいない」の回答理由
 非難されている方の数、被災地の状況を見れば、順調と言えるはずがない。もちろん、さまざまな問題があるのは承知してはいるが、政治的決断をすることで解決できることはいくらでもある。政治家や官僚サイドには、非常時という認識が欠如しているのではないか。
 ひるがえってみれば民主党の担当大臣の資質もひどかったが、それを政局に持ち込もうとした自民党の対応もひどかった。「決められない政治」ではなく、正しくは「決めさせない政治」を行っていたからだ。安倍政権にはこのような轍を踏まないでほしい。もはや民主党にそのような元気はないのだから、政治主導で進めてほしい。
Q3. コメントする
 現場を知らない霞が関で政策決定や予算配分をしているからである。もちろん平時であればひも付きの予算も致し方ないのかもしれないが、非常時であるという認識を持てば、報告の必要はあるが、地方に使途等を自由にしてもいいのではないか。
Q4. コメントする
 平時はともかく、非常時や有事に弱い日本政治の課題が浮き彫りにされたと思う。机の上で予算を配分し、それを実行していては、予算が復興そのものに生かされないのは自ずと明らかである。非常時という認識を持てば、地方自治体が自由に使える予算幅を拡大するくらいのことは誰でも思いつくことである。それをしない政治とさせない官僚では、復興の道筋は見えにくい。
 被災地の方を信じて行うことが必要である。何が公平で、何が公正であるかを考えれば、弱者に予算が多いく配分されるのは当然である。重病人がいるのに、健康診断をしたり、予防医学に予算を配分していては重病人を見殺しにしかねない状況にあることを認識してもらいたい。
 
 
岸本裕紀子
エッセイスト,政治コラムニスト
Q2. 「3 - あまり順調には進んでいない」の回答理由
被災者の方々が、まだ本来の生活を取り戻していないから。
大都会の震災だった阪神淡路大震災と比べて、東日本大震災は、被害の範囲も広大であり、人々の仕事は農業や酪農にしろ、漁業や水産加工の仕事にしろ、その土地と密接に結びついていました。しかし、震災でその土地の状態や自然環境が全く変わってしまい、元の仕事そのものが成り立ちにくくなってしまっており、そのために人口流出も進み、未だに被災者の方の生活が定まっていないように思えるからです。
Q3. コメントする
1に同じ。
Q4. コメントする
震災復興については、国は予算を組むところまでで、実際の復興計画は、個別の地方自治体に任せたほうが、住民の方々の希望に沿う復興が実現するように思います。
防災集団移転事業の地権者の調整に時間がかかっている様子、例えば、地権者が死亡していたことを確認したり、他県に住む地権者の特定に戸惑っていることなどを聞くと、また、調整の遅れにより、せっかく事業を再開したいという住民の意欲がそがれてしまっていることなどを知ると、緊急の事態には、行政がいついつまでと決めて復興の計画を実現していくのでないと、住民は別の土地で新しい生活を始めてしまい、結局、大きな予算を投じた意味が薄れてしまうようにも感じます。
立派な防災地区はできたけれど、その土地には誰も住んでいない、産業もおきていないなどということがないようにしてほしいです。
 
 
結城未来
灯りナビゲーター/新潟大学非常勤講師
Q2. 「3 - あまり順調には進んでいない」の回答理由
1000年に1度の災害ということを考えれば、かなり復興が進んでいる
という考え方もできるかもしれません。
ただ、本当の復興とは、「元通りになること」
支援がなくても、経済活動や生活が普通に行なえる状態です。
ところが、支援に頼らざるを得ない状況におかれている人がまだ多い
というのが現状です。
表面的には笑顔が増え、通常の生活を行なっているように見えても、
「元通り」になっている人はまだまだ少ないのです。
この数が増えていけば、本当の意味での「復興が順調」と
いえるのではないでしょうか。
Q3. コメントする
震災のほかにも、為替、TTPや中国の関係などの国際問題など、
元気な日本にするためには課題が多すぎるため。
Q4. コメントする
一筋縄ではいかないシステムの複雑化も大きな課題だと思います。
国と地方の温度差、情報の共有化が難しい体質ということもひとつの例。
さらに、復興にむけて被災地の住宅建築をする業者の選択についても
いえることです。
大手企業で手を組んだ数社を中心に復興のための建築の権限が与えられ、
近隣の地元密着業者が、かけつけようとしてもなかなか許されないという状況には
驚きを隠せませんでした。
地元の人々の気持ちを組み、その土地の風土を理解しつくしているはずの
地元や近隣の業者にこそ、「被災者の心も復興させる家」作りをしやすいのでは
ないかと思っております

こういった被災地の細かい事情まで汲み取った動きが、今後必要なのだと思います。

手を伸ばしてくれる人たち、一人ひとりの気持ちをムダにしないように
被災者の方々の経済活動や心まで救える動きが広がって欲しいものです。
 
 
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4. 順調に進んではいない

小幡績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授
Q2. 「4 - 順調に進んではいない」の回答理由
異常事態からの回復。緊急に意思決定を見直し、再度、意思決定しなおすべき。
最も重要な復興とは、異常事態からの回復である。

最も深刻な異常事態とは、原発・放射能の問題である。

この分野の意思決定は、異常なパニックの下でなされた。

その多くの意思決定が、冷静に今考えれば、ほとんど異なったものになるのではないか。

正常な意思決定に戻すために、この2年で決定された多くのことを直ちに見直すべきである。

補正予算による緊急経済対策は要らないが、この意思決定の見直しは緊急に必要である。
Q3. コメントする
政治の大衆心理への迎合。
Q4. コメントする
政治の大衆への迎合の徹底。
 
 
伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「4 - 順調に進んではいない」の回答理由
高度成長期のハコモノ行政と同じ病。
ソフト面、ヒューマンファクターがまるまるおいてけぼりに。
基本的に高度成長期のハコモノ行政と同じ病に侵されている。
ソフト面、ヒューマンファクターがまるまるおいてけぼりという
日本の公共事業全般に通低する症状が事態を悪化させていると思われる。
Q3. コメントする
上述の通り。
Q4. コメントする
これも上述の通り。本質的な日本の病の一つといってよい。震災復興という大きなケースが浮き彫りにした日本そのものの体質で、残念ながら軽々に対症療法的に解決するものではない。本腰をすえた取り組みが必須不可欠。
 
 
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「4 - 順調に進んではいない」の回答理由
住居と職場の双方が被災なさった被災者がもっとも苦労なさっているはずだ。中央・地方政府はこのことを肝に銘じて復興に取り組んでほしい。
 30万人を超える避難者がおられるという事実は復興が順調に進んでいないことを何よりも示している。安定した衣食住を確保することが先決であるにもかかわらず、達成できていない。震災復興は緒についたばかるだろう。
 西宮在住であることから例の阪神淡路大震災で震度7を経験したが、苦労なさった方というのは住居と職場の両方が被災地であるケースである。幸い、津波には襲われなかったが、住居も職場も被災した方々がもっとも苦労なさったことだと思う。これは東日本大震災の場合も同じであるはずで、中央政府や地方政府はこの点に留意して復興に尽力すべきだ。
Q3. コメントする
 今もって仮設住宅にお住まいの被災者が多数おられると聞く。落ち着いた住宅を確保できていないことが被災者にとってもっともつらいことだろう。無償供与を提唱したい。
Q4. コメントする
 復興資金が最重要課題だろう。復興を促進するためには公的資金の投入のみでは足りない。民間資金も動員しないと円滑に復興は進まないだろう。まずは地方政府が復興計画を明らかにしたうえで、それを土台として、官民共同の投資ファンドを立ち上げると同時に、不動産投資信託が被災地の不動産を投資対象とするようになれば、より多額の復興資金を確保できるのではないか。あるいは産油国の政府系ファンドに働きかけて、拠出してもらうといった視点も大切ではないか。
 
 
上昌広
NPO法人医療ガバナンス研究所 所長
Q2. 「4 - 順調に進んではいない」の回答理由
 震災以降、福島県相馬地方で活動を続けています。復興への思い入れは、地域によって、住民によって異なります。
 被災地は多様です。一律に議論することは危険です。
 地域によっては「もう復興とは言わないで欲しい」というところもあります。「政府や県はなにもしてくれない」というところもあります。
 具体的な状況に基づく、具体的な議論が必要です。
Q3. コメントする
 被災地が置かれた状況は多様である。固有の歴史と文化を持つ。また、近代日本が薩長を中心とした西国を中心に発達した影響だろうが、従来より東北地方には十分な資源が投下されてこなかった。例えば、九州(人口1310万)には11の医学部があり、全ての県に少なくとも一つ国立大学の医学部が存在する。一方、東北地方(人口915万)にある医学部は、わずか6つ。このうち、福島、岩手には国立大学は存在しない。ナンバースクールや帝国大学も同様だ。東北地方には仙台にしかないが、九州には熊本、鹿児島、福岡に存在する。東北地方の復興は一朝一夕では無理である。何から手をつけるか、優先順位の設定が重要だ。この優先順位は、当事者しかわからない。霞ヶ関に依存すればするほど、当事者が希望しない復興案がでてくる。その象徴が、福島県の県民健康調査である。住民は医療の充実を求めるが、政府は健康調査を遂行している。酷な言い方だが、被災地が自ら考え、試行錯誤を繰り返すしか、復興は期待できないと思う。
Q4. コメントする
 被災地の復興論議から抜け落ちているのは、教育である。地域の盛衰は、その地域で生きる人材に依存している。子供を持つ世代の最大の関心と言っていい。悲しいかな、この点が全く議論されていない。被災地の75市長、宮城県知事などが被災地に医学部新設を求めているが、政府が動く気配はない。メディアも報じない。一方、業界団体は、強硬に反対している。被災地の某市長は「被災地の希望を消さないでくれ」という。これが被災地の現状である。
 
 
本田宏
医療制度研究会副理事長
Q2. 「4 - 順調に進んではいない」の回答理由
西南戦争の赤字で公的病院を潰した日本は、戦後も土光臨調の「3K;米・国鉄・健康保険」という答申に加えて厚労省幹部が訴えた「医療費亡国論」で医療費抑制策をとってきた。今回の復興経過報告に震災前から医師不足等の問題があった医療体制が含まれていないが医療は社会のインフラだ。
明治には西南戦争の赤字で公的病院を潰した日本政府は、戦後も土光臨調の「3K;米・国鉄・健康保険」という答申に加えて厚労省幹部が訴えた「医療費亡国論」で一貫して医療費抑制策をとってきた。今回の復興プランと経過報告にも、震災前から医師不足等の問題があった医療体制が含まれていない。医療は社会のインフラである。
Q3. コメントする
 医療体制が抜け落ちていることで明らかなように、民主党に期待された「コンクリから人」へが、従来通りのコンクリート等の公共事業整備が最優先になってしまっている。
Q4. コメントする
 阪神大震災も、当時投入された税金が箱物等優先となって、結局は住民の負担が増加する結果となっている。税に群がり、利益を得る既得権益の存在が、政治にも大きな力を発揮する日本。その背景に明治に渋沢栄一が指摘した、官尊民卑の官僚主導+社会貢献意識が乏しい経済界によるクレプトクラシー(収奪・盗賊政治)があることを国民が理解し、解決のために立ち上がらなければ日本はいつまでも同じ轍を踏むだろう。
 
 
有馬晴海
政治評論家
Q2. 「4 - 順調に進んではいない」の回答理由
被災者が納税できるようになって初めて、復興ということが言えよう。
被災者の改善がみられない。
私自身が被災したわけではないから、説明の限界がありますか゛、
対応に不満がある。
しかも、改善がみられない。
被災者が納税できるようになって初めて、復興ということが言えよう。
どんな形になっても仕方はないが。
Q3. コメントする
政治の無策。放射能の影響もあるが。
何を優先してやろうとしているのか。
英断が求められる。
Q4. コメントする
超法規的にやることを考えなければ、進まない。
被災者の優先性がまったく判断できていない。
 
 
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「4 - 順調に進んではいない」の回答理由
全体としての計画がどう進んでいこうとしているのかほとんど見えてこない。結局、目先のこともできていなければ、だからといって中長期的なことが進んでいるとの説明もなく、政治家の掛け声はよく聞こえるが、被災者の嘆きの声もこえてくることから、この落差に違和感がある。
報道によると、現在も約29万人が仮設住宅などでの仮住まいを余儀なくされ、災害公営住宅の計画も用地確保が難航しているという。かと思えば、やたらと堤防建設をしようという計画には疑問もぬぐいきれない。そうしたこともあり、全体としての復興計画がどう進んでいこうとしているのかほとんど見えてこない。結局、目先のこともできていなければ、だからといって中長期的なことが進んでいるわけでもなく、掛け声ばかりで被災者の嘆きの声ばかりが聞こえてくる。

よく阪神大震災と比較されるが、原発問題が問題を複雑しているので仕方のない面はあるにせよ、政治が機能していないようだ。

もちろん、大分時間もたっているので、復興はいろいろと進んでいるのだろう。それなりに個別には頑張っていらっしゃる方々が多いということも事実。問題はそれが「順調なのか?」「健全なのか?」という問いかけであることから、全体としての当初の計画・戦略の観点から、どこまで順調なのかが問われている。
Q3. コメントする
政治家がきちんとしたビジョンを持って、国民ないし地域住民全体の将来の最善の利益のことを考えているのか疑問がある。もちろん、当然にそういうことを考えているのだと、口では言う。しかし、その行動あるいは結果を見る限り、目先の利益や、周囲の利益団体の声に流されるとか、様々な政治的思惑でバラバラに利益を追求しようとして、全体がまとまらなかったのではないか、という状況のように見える。

現場での利害調整や、地域と中央の役割分担など、混乱した問題を政治がきちんと解決するといったことにならなければならないはずなのに、いろいろと出来ない言い訳ばかりが並べられるという感じである。
Q4. コメントする
復興の一つの大きな障害は福島原発問題。これをどうするかを明らかにしないと、根本的な解決にはならない。

すでに道州制の提案などもあるが、この際、国と地方の権限に関しては、その問題を先に整理したほうが早いのではないか?

当面の復興については地域住民主体で進めるべきだが、その地域の単位をどの程度のものにするかは難しい問題。大きい地域が統括しないと全体の調和が取れないが、他方、地域のきめ細かい配慮も求められる。

何でもかんでも、とにかく進めるということでも困る。たとえば、除染については多くの問題が報道されており、建設業は人手が足りないため、一見、景気が良さそうではあるのだが、ちゃんとした仕事をしているのか不安もある。地元の企業と中央の企業との利害対立もあるようで、取引を規律する仕組みがきちんと機能していればよいのだが、それが弱肉強食の状態では、将来そのツケを払うことになるのは、国民全体であるということを忘れないでもらいたい。
 
 
朴斗鎮
コリア国際研究所所長
Q2. 「4 - 順調に進んではいない」の回答理由
今回の震災被害の深刻さは、地震・津波被害と原発被害が重なったことにある。こうした困難のため未だに復興の青写真すら明確でなく、被災地の人々は2年が過ぎた今も「地震災害の苦痛」と「放射能の恐怖」にさいなまれている。
特に深刻なのは放射能処理と原発廃炉の工程が見えてこないことだ。この件で伝えられる情報は、対症療法的なものばかりだ。放射能汚染水だけを見ても汚染水タンクの数を増やしているだけだ。毎日数百トン増え続ける汚染水の置き場も無くなってきている。もちろんこの汚染水の処理方法も何ら明確でない。「目に見えない恐怖」がストレスを増幅させている。
原発事故では人災の部分がいまだに明らかにされていない。事故の主原因が津波によるものだったのか、耐震性不足によるものだったのかも究明されていない。こうしたことを曖昧にしたままなし崩し的にに原発再稼動へと動きつつある。
Q3. コメントする
真実の隠蔽は今も続いている。それゆえ正しい総括もできないでいる。これでは汲み取るべき貴重な教訓も汲み取れない。もちろん被災民の痛みも汲み取れない。だから復興も軌道に乗らないのだろう。
Q4. コメントを控える
 
 
細川昌彦
中部大学教授
Q2. 「4 - 順調に進んではいない」の回答理由
「基準1ミリシーベルトの誤ったメッセージ」と「自治体の担い手不足」が被災者の生活再建の大きなネックになっている。
津波被害の岩手、宮城と、さらに加えて原発被害もある福島では大きく状況は異なる。

被災者の生活再建のうち最も優先されるべき住宅再建が難航しているのが共通の最大の問題。2年という歳月はあまりにも長すぎ,避難者の心をなえさせる。
中でも福島でのネックは除染が遅々として進まないこと。その結果、帰還の見通しさえないまま、避難者が未だ15万人以上いる現実。帰還に向けた工程表もないままで、将来の生活設計も立てられていないのが現状。
人としての生活の原点である家族、コミュニティが寸断され、住む場所も定まらない状態。
避難地域以外でも、放射能への不安から故郷に帰れない人も多い。

汚染土の中間貯蔵施設の用地選定も大きく遅れている。その結果、放射能廃棄物が仮置き場に山積みされたままの光景は人々に帰還の意欲の妨げとなっている、。

農業、漁業というこの地域の基幹産業は風評被害との戦いは続いている。また一度失った取引先がなかなか戻らないなど原状回復にも程遠い。津波を被った農地、地盤沈下した港など復旧に時間がかかっている。
Q3. コメントする
大きな問題として2点

① 特に福島の問題は「1ミリシーベルトの誤ったメッセージ」。
年間の被ばく線量がこれを超えるとあたかも危険と受け止められてしまっていることが帰還を遅らせている。国際的には、安全性に余裕を持った数字で、しかもこれを超えても即危険とは見ていない。1ミリシーベルトの除染目標は達成できるに越したことはないが、果たして合理的に達成できるものなのか。

食品中の放射能基準についても同じようなことがある。原発の被害がなくても、この基準値を超えることはあり得るレベルの厳しい数値。その結果、消費者に必要以上の不安を与えている。国産品全てが汚染していると仮定して、食品当りの基準値を決めていることに果たして合理性があるのか。

②自治体の専門人材の不足

権利調整が必要な土地区画整理、高台の用地確保、復興住宅の建設、地盤沈下地域のかさ上げ、土地利用の見直しなど平時にはない事業で各自治体は圧倒的な人員不足で疲弊状態。全国の自治体からの応援派遣も半年、1年で交代し、やっと慣れて、地域住民とのつながりができたところで、新しい人に交代、という有様。全国から自治体の専門職OBをシステマティックに再雇用する、あるいは派遣期間を2年とし、派遣自治体には交付金を増額するなど国としてもやり様があるはず。自治体の人件費の一律削減という「知恵のない政策」ではダメ。「国としての総力戦」になっていない。

なお、中間貯蔵施設が進まないのは、選定プロセスにおいて地元への丁寧さが欠けていたことも大きい。当時の政権にプロセスマネジメントの能力と配慮が欠けていた。
Q4. コメントする
①「1ミリシーベルトの安全基準」を決めた当時、科学的根拠よりも、「基準が緩い」との批判を恐れて、基準は厳しいに越したことはないとの政治的判断が垣間見られる。科学的にはリスクゼロがあり得ない事象において、どこで線引きするのが合理的なのか。世論の批判を恐れて、過度に安全を見込むことによって合理的でない事態を招く結果になるもあることを政治家、メディアも肝に銘じるべき。原発の活断層の問題でも相通じるものがあるのではないだろうか。

②「国難」、「絆」と言いながら、復興が本当に「国としての総力戦」になっているのか。確かに復興庁ができ、復興予算を投入されている。しかし大事な「人」「担い手」がネックになっている。重要な担い手である自治体の専門職が決定的に不足しているのは当初からわかっているにもかかわらず、総力戦で取り組む体制になっていない。「支援」という言葉では生ぬるいのではないだろうか。OBも含めて、公務員総動員令を出してまで、全国が「当事者として」取り組むべき。非常時には専門人材を自治体の枠を超えて総動員してこそ、これらの人材が今後の強靭な地方自治の担い手に育つことにもなる。

③国として総力戦相応の戦力投入計画にすべき。国土強靭化も大事だが、まず戦力を被災地に集中投下すべき。他の地域での公共事業増によって、被災地での人手不足、資材不足を助長することは当面避けるべき。
 
 
にしゃんた
羽衣国際大学教授/落語家
Q2. 「4 - 順調に進んではいない」の回答理由
この問の答えは、当事者としての被災者の声が全てであると考える。復興の物差しは、最も弱い立場の人に焦点を合わせなければならない。復興しているか?「弱者(被災者)の中の弱者」の声にこそ耳を傾けなければならない。
この問の答えは、あくまでも当事者としての被災者の声が全てであると考える。ほんの少しの間、被災地を訪れた際の見聞を申し上げることを許されるならば「順調に進んでいない」は個人の答えになる。被災地も広く、どこを見たかによって、見えてくるものも大きく違う。災害直後に仙台市内に行ったときなどは、その近くで災害が本当にあったのかと目を疑いたくなる程の日常の情景がそこにあった。周辺の被災地では、2ヶ月後にはダンプカーが砂埃を立てながら走りまわり、新築の不動産のオープンハウスののぼりも見かけました。外からの人も含め、全くの良心だけの方もいるだろうが、中にはこれはビジネスチャンスだと、動き出している人もいることを実感した。お金が動き出していることだけではなく、早い段階から復興バブルの兆しすら感じた。問題は、優秀で、上手く世の中を渡れる人ばかりではないこと。個人差があり、弱者には今回も厳しい。

私は、大きく被害を受けた3つの県ともお邪魔をしましたが、県ごと比較しても、市町村単位で見ても格差が激しく一概には言えない。そして、そもそも、あの日突然に仕事や居場所を失った人の復興とは何でしょうか。家族などの取り返しがないものを失った人にも復興はあるのだろうか。復興の物差しは、最も弱い立場の人に焦点を合わせなければならない。復興しているか?「弱者(被災者)の中の弱者」の声にこそ耳を傾けなければならない。
Q3. コメントする
やはり、最大の要因は目に見えない敵、放射能です。この文明災さえなければどれほど復興が順調に進んだでありましょうか。福島で、宿泊したホテルは、今でも週に一回、全てのカーペットをはがして洗浄している。訪れた中学校は、定期的にグランドの土をはがしては、校庭の真ん中に埋めていて、子供は外では遊べない。「子供が笑わなくなっている。笑わせて下さい」と教員に言われ、学校の体育館で急遽、落語会を開いたのですが、さほど面白くもない私如きの落語を聞いて子どもたちは思い切り笑ってくれた。それほどまでに彼ら・彼女らが笑いを忘れ、笑いに飢えていたのだと痛感した。好奇心で満ち溢れている未就学児もだって同じ。外に出られず遊べていない。いまだに。放射能のため、元の地域に戻ると戻らないで仲間が無理やり切り離され、ばらばらになったいくつものコミュニティー。未だ、味気ない仮設住宅で過ごしている人びと。私は、激減した被災地の献血の活動も被災地で行ったが、人道支援を行っている現地の仲間は、昼間の人前ではそのようなことは一切口にしないが、夜、仲間で一杯飲むときに、衣服に潜めている放射能計測器の放射能蓄積の値に無意識に目をやっていることを私は見逃さなかった。被災地・被災者のため、何かをしたいと思っている県外の人も多い。でも放射能がある以上、被災地はただの被災地ではなくなり、関わることに少なくとも内心迷いを抱えている。全国の多くの大学で組織的に「被災地へのボランティア」を行なったが、私は知っている範囲で、福島への学生ボランティアを送っていない。関わりたくも関われない状況を生み出した文明災こそが今回の最大の要因である。
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東日本大震災から2年、という今の日本で、一番の関心事は本当に「震災からの復興の状況」なのかと?まずは問いたい。

「アベノミクス」と「円安・株高」、そして「2020年のオリンピックの東京招致」。政治も経済もメディアもそして都会の人は、この3つしかアタマにない。無神経にも、原発も再稼働。国民のための再稼働でなく、都会のための、経済界のための再稼働。圧倒的優勢な与党勢力に支えられた、安倍内閣を批判することは「非国民」だと叩かれると恐れているのか、メディアまでもが批判精神を忘れ、安倍内閣をいやらしいほど持ち上げている。勢いに乗って、外国にアピールしたい与党と都会と東京にとっては、福島の現実・東北の現実は包み隠したい存在で、さらに言えば、福島は1日も早く忘れたい存在ではなのではないのか。そのことの自覚はどこまであるのか勢いに肖ろうとする人間にとくに問いたい。

少し各論についても触れたい。被災地の地方自治体から上がっている最大の指摘は、交付金を受けるに際し、出す側の柔軟性の欠落、つまり法制度の壁である。小さい自治体ほど交付金申請の手間で振り回され、そこでもまた配分の格差が生まれている。さらに被災地の復興の目途もまだ立たないのに、自民党の人気取りのためにやっているとしか思えない「国土強靭化策」によって全国的に人材の取り合いが生まれ、被災地において特にとくに必要とされる土木関連の人材不足が既に起きている。復興庁の看板が福島に掲げた日、偶然にも私も被災地にいのて、当然ながら地元の期待も大きかった。ただ、現状に対してがっかりしている人が多いことが残念。霞が関は、地方のことを末端と呼ぶのだそうだが、その考えが今回ももろに出ていると言わざるを得ない。復興庁に関しては被災地が先端でなければならない。それが我々納税者の強い思いである以上、霞が関のルールに被災地を合させるのではなく、被災地が主役でなければならない。海外の時のそれと今回の国内の災害の対処の仕方にも共通点あるようにも見える。「お金出せば、それで良い」という発想。金持っている国の悪癖だろうか、国家としての日本も、国民レベルでも同じ。

被災地にパンを与えたらそれで良いってはずがない。当たり前ながら、我々同様の生身の人間が被災地にいて、我々と同様な生活を取り戻したいと願っている。何よりも忘れられることを嫌い、温もりにこそ飢えていることを忘れてはならないと、自分自身にも言い聞かせたい。

作者不明ですが、福島のある建物の窓ガラスに貼ってあった文章を皆さんと共有したい。下記にて転載致します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
気持ちを穏やかに
(皆さんと同じに)

福島県民は原発事故による被災者として
同情してほしいのじゃありませんよ。

日本人として、皆さんと同じに
普通の生活を送りたいだけなんです。
  
怖がらないで下さい。
別に脅かすつもりは無いんですよ。
皆さんと同じに旅を楽しみ
いろいろな人と出会い
すばらしい人生に感謝したいだけなんです。
ただ、のんびり散歩をしたいだけなんです。

そんなに悲しまないで下さい。
皆さんが悲しむと被災された方々
みんなが悲しみに包まれてしまいます。
被災された方々は皆さんと同じように
悲しみを乗り越えようと努力しているんです。

さあ笑ってください。
皆さんの笑顔で勇気がわいてくるんです。
 
 
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5. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)

長田渚左
スポーツジャーナリスト
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
(4:順調に進んではいない、5:その他の両方を選択)
被災地といっても一色にできない背景があるように思う。
建物が倒れただけの場所もあれば汚染の不安のぬぐえない所もある。
初めての経験の中で、処理できない点も少なくないので、なかなか進まないとは思うが。
Q3. コメントする
人の生活を第一に考えれば、元に戻ることを一番にする必要があるのだろうが、原発や汚染の問題をぬきにできない土地も多い。
いずれにしてももう少してきぱきとできないのかとは思う。
100年先まで住めないような土地を作ってしまった失敗をふまえ、はっきりと原発はダメだということを学んでほしい。
Q4. コメントする
もう少し問題を未来に向かって整えるコンダクターが欲しい。
その人が真から未来へ向かって原発や汚染地区を小細工するのではなく、
はっきりとした指針を示す必要を十分感じる。
 
 
土居丈朗
慶應義塾大学経済学部教授
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
復興の進捗は、被災地の各地(原発事故の影響を受けた地域を除く)で被災者の準備段階の違いによって、差異が生じることはある程度やむを得ない。最も避けるべきことは、拙速な復興で被災者が望まない街づくりが行われることである。
再び津波被害を受けないようにしながら、しっかりとした経済基盤を固めつつ被災地の復興を進めようとすれば、地権者の利害調整も含めて、2年も費やせば順調に進む、と被災地のどこでもそう自明に言えるとは思えない。被災地の多くでは全国平均を超える高齢化率であったことからしても、復興のためのマンパワーの不足は否めず、これに利害調整の遅延が追い打ちをかければ、「順調」という言葉に当てはまらない状況にある被災地もあろう。

しかし、不必要に遅延させるべきではないが、高台移転などで利害調整が不十分だったり、津波対策が十分に講じられないまま、震災前の状態をそのまま復旧させることになっては、将来に禍根を残す。真に被災者のための復興を成し遂げるには、多くの被災者の意見をよりよく反映させつつ、防災の知見を積極的に活用した復興が必要と考える。
Q3. コメントする
被災地におけるマンパワー不足。
特に、街づくりにまつわる(利害調整を含めた)知見・経験を持つ者や、現地でリーダーシップをとれる者が相対的に不足していることが、要因として大きいと思われる。
Q4. コメントする
大震災発生直後から、私は、復興庁を「半国半県」で組織すべき、主張してきた。拙稿「提言04 道州制で国の権限を委譲し利害調整を地元に委ねることで新しい街づくりがはじまる」、『震災からの経済復興13の提言』(東洋経済新報社)所収 http://bit.ly/TYK110726

その必要性は今も変わらない。中央省庁の1つの組織として復興庁を組織しても、中央省庁の縦割り行政の中で、復興の必要な権限をうまく集中させることは困難である。

他方、地方自治体、特に県は既に、縦割り行政の各中央省庁から依頼・指示される事務事業を引き受けながら、現場の状況を踏まえてそれらを執行している。いわば、地方自治体には、自らが主体となるものについては、縦割りで降ってくる国からの事務事業を束ねて一元的に執行している。この束ねる作業こそが、復興の現場にも必要である。

いきなり革命的な発想で、復興庁を組織しようとしてもうまく機能しない。だからこそ、復興に必要な国の権限と、現場で一元的に事務事業を執行できる地方自治体の実務、という現行の仕組みを組み合わせる形で復興庁を組織すれば、実務的にも機能しうる。職員は、国の職員と被災地の県の職員がともに集まって、同じ組織の中で事務事業を遂行する形をとれば、その機能が全うされるだろう。初期は、復興庁の最高責任者が大臣であってよいが、いずれは被災地の県知事のどなたかが担当される形で、中央省庁から脱する組織とすることで、地方分権改革の一助にもなるし、場合によっては東北地方における道州制の先駆ともなりうる。

今は中央省庁の一組織という位置づけだが、このままそうした組織のままなら、縦割り行政の弊害が温存されることとなる。それを排するなら、上記のような発想が必要と考える。
 
 
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