2012年11月03日 ザ・コンパスで放送
社会・公共

ネット社会の進化と日本の未来

《参考情報》
1:設問テーマの背景 (facts)>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

10月23日にiPad mini、26日にはwindows8とそれに対応する新機種が
発売されました。タブレット型PCやスマートフォンなどのモバイル端末の普及とネットインフラの充実が一層進んだことで、ネットがいつでもどこでも利用できる環境が拡がり、今後はさらに拡大すると言われています。

一方、この6月から9月にかけて、遠隔操作ウィルスによって、東京都・大阪府・愛知県・福岡県・三重県の各地のパソコンが、所有者の意思とは無関係に、電子掲示板に犯行予告の書き込み行う事件が発生し、各地で逮捕者がでました。
しかし、真犯人しか知り得ない内容のメールがマスコミなどに届けられたことによって、各地の逮捕が誤認であったことが明らかになり、警察が謝罪することになりました。従来のネット捜査が前提としていた、IPアドレスに基づく捜査が不十分だったことが露呈しました。真犯人は依然逮捕されていません。

10月には、ゆうちょ銀行など3行のインターネットバンキングのホームページ上で顧客の暗証番号などを不正に入力させる画面が表示される事件があり、新手のフィッシング詐欺として捜査が行われています。

2:番組として (our aim)>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

スマートフォン、タブレットPCなどモバイル端末の普及によって、いつでもどこでもネットに繋がる環境が急速に整備されつつあります。総務省の調査では人口の79.1%が何らかの形でネットを利用し、13歳から49歳では、約95%がネット利用者という状況となっています。
日本はネットの普及率やインフラの整備では世界有数ですが、政治、経済、社会でのネットの活用が先進国の中で遅れているという報告があります。*1
(出典:『Web Index 2012 scores』ワールド・ワイド・ウェブ財団 2012 )また、ネットに関連する技術進歩に対してセキュリティ対策や法整備が追いつかない状況にあります。さらにネットに関するリテラシー向上やモラルの確立の問題も指摘されています。
ネット社会の未来は、マイナンバー制度やネット投票のような行政サービスから、音楽や書籍などエンターテインメントの楽しみ方、医療、教育やスポーツ、就職や結婚のあり方など幅広い分野が関わっており、おのずと日本の未来を展望することになると考えております。
各分野に専門的知見をお持ちのコンパス・オピニオンリーダーの皆さまからのご意見を是非ともお寄せいただけますようお願い申しあげます。

*1:『Web Index 2012 scores』
サイトは、http://thewebindex.org/data/index
レポートは、http://thewebindex.org/2012/09/2012-Web-Index-Key-Findings.pdf

オピニオンリーダーへの問いかけ

※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:いつでもどこでもネットに繋がる環境の拡がりは、
日本の社会にこれまで、どのように影響していると思いますか?
Q2:問1の回答理由をお聞かせください。
Q3:いつでもどこでもネットに繋がる環境が今後さらに拡がることによって、
日本社会はどのようになるとお考えですか?
Q4:ネットの技術に、セキュリティ対策や法整備、リテラシー向上やモラルの確立が追いつかない現状をどのように考えますか?また、対処法についてもご意見があれば是非お聞かせください。

オピニオンリーダーの回答

( 28件 )
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1. プラスに影響している

伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
社会全体にヒト・モノ・財貨を含む情報の好循環をもたらすうえで、遍在的(ユビキタス)な情報ネットワークは多くのチャネル=通路を創出し、大きくプラスの影響をもたらしている。
社会全体にヒト・モノ・財貨を含む情報の好循環をもたらすうえで、遍在的(ユビキタス)な情報ネットワークは多くのチャネル=通路を創出し、大きくプラスの影響をもたらしている。
Q3. コメントする
前述の通り、うっ血しがちな社会の血液(=ひとものかね、それらを含む情報)の「巡り」の改善のなかから、新たな産業・市場、それらを含む社会が創出され、新しい雇用や生産、消費が活性化「するように、方向づけ、指導してゆく」観点を持つことが重要。放っておいて「どのようになる」ではなく、どうするかが問題。
Q4. コメントする
東京大学全学必修・文理共通「情報」科目担当を7年担当した経験から率直に申しますが、エンドレスのゲームで、ひとつひとつ追いかけてゆくしかない問題、かつそこから新たな活力も生まれる、一つの動因と考えるのが適切。
 
 
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター  心臓外科医
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
ガラパゴスの住人の新しいおもちゃの域を出ていない気がする。どうあがいたって売れまへんて!デフレやもん!
知りたい情報がすぐに手に入る。知ったかぶりオヤジのニセ文化人である私には大変にありがたい時代だ。ただしその確度はわからない。というか、「確かでないかも知れないが、そういう情報を流している奴がいる」程度のリテラシーを備えた上で情報を眺めるにあたっては、「情報が豊富になった」とは言える。また、人間の醜さもネットはふんだんに見せてくれる。そんな状況下、大新聞の見識の消滅もあいまって、情報リテラシーは自然発生的に世界市民の間でより強固になって行くだろう。
端末の進化に関してはやはり国産は「ガラパゴス列島」の製品の感が否めない。
いつでもどこでもだれとでも繋がる、これをpervasive ubiquitous communication(PUC) と呼ぶらしいが、そんな域まで達していない。すぐに電池が切れるやんかぁー!人間の発意のままに、というより、どうも機械(端末)に人間がこき使われている、あるいはオタク研究者と時代遅れ経営者の合作粗悪品に無理やり付き合わされている気がする。
その前に、もう売れる製品と言えば携帯端末しかないからメディアも必死なのだろうが、売らんかな、の姿勢はもうだいぶ浮いてきているぞ!
Q3. コメントする
PUCが「りかちゃん電話」の域を超えられるか否かは、やっぱり使う奴がどれだけ本物かにかかっている。
人間にとって一日は24時間で平等なので、そいつがどんな仕事をどれだけ効率的にやるか、どういう意欲で推し進められるか、そしてそれが社会をどう動かすか。すべて「使う奴」の資質にかかわるのだが、より効率的に大偉業は達成されるようになるかもしれない。各人のいろいろな生活の足跡はしっかりとデジタルで記録されるので、情けない犯罪者、例えば役所で原発事故時の放射飛散マップを一生懸命捏造している下級ヤクニン、犯罪資料捏造を専門にしている検事、「全部秘書がかってにやりました」の献金ネコババ、理事長の知り合いの孫の裏口入学、などは激減するだろう。
Q4. コメントする
やる気になればきっちりとした犯罪抑止、ならびに根絶ができると思う。そのための起死回生の方法、というかデバイスのはずだが・・・。
 
 
坂野尚子
株式会社ノンストレス社長
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
日本というより、地球が全てネット社会になっているので、むしろ、更にインフラ整備をより加速してほしいと思う。下水道ガス電気と同じ生活基盤のインフラなので。よく、ネット社会だと、人と人との生のコミュニケーションを低下させるとか、否定的な意見が出るのが常であるが、ネット社会で、リアルな心のつながりをどう築いていくかなど、ネット社会を前提とした教育をすべきであると思う。後戻りすることはないと思う。
Q3. コメントする
いらなくなる産業、誕生する産業とネット社会の整備が整うことにより、ビジネスが二分割していくと思われる。飛行機のチケットなども、ネット予約でチケットレスが当たり前になってきた。新幹線の予約もネット予約。

膨大な書類であるとかも保管場所はネットのサーバー上に移るだろうし、例えば、アルバムのようなものもネット上で保管し、どこにいても取り出すことができるだろうし。私自身、現在、新聞も二誌デジタルで拝読している。書籍は電子が当たり前になるだろう。辞書を含め印刷されていたものが変化していくことになるだろう。逆にそういう時代だからこそ、手作りのもの、装丁のしっかりとした本、こう言ったものが無くなることはないと思う。付加価値の低いものは淘汰されていくだろう。
Q4. コメントする
私自身、始終ネットで繋がっているので、時々、ネットを断つ時間を創らないとならないと最近思い始めている。ネットは便利なツールであるが、健康なツールとは思えない。肉体的、精神的にも、閉鎖されているところは歪めないので、自己管理を徹底する、そのための教育を子供たちにはすべきであろう。

また、犯罪などもどんどん進化していると思われる。弊社もフェイスブックでなりすまし労務部長が出現した時はびっくりした。常に先手で法整備をお願いしたい。
 
 
本田宏
医療制度研究会副理事長
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
 日本人は大手メディア情報は、基本的に正しいと考えていたが、ネットの発達により、多角的な情報に国民が接することができるようになって、メディアリテラシーが確実に高まりを見せている。これは政府や行政の情報操作に国民が影響される危険性が減少することを意味し、民主主義政治にとって大変重要だ。
 今まで多くの日本人は大手メディア(公共放送〜民報テレビ、新聞社等)の発信する情報は、基本的に正しいと考えていた。ところがネットの発達によって、多角的な情報に国民がリアルタイムに接することができるようになり、国民のメディアリテラシーが確実に高まりを見せている。これは政府や行政の情報操作に国民が影響される危険性が減少することを意味し、民主主義政治にとって大変重要だ。
Q3. コメントする
 明治時代に渋沢栄一が嘆いた日本の官尊民卑と経済界の社会貢献意識の乏しさは、戦後もそのまま継続して「原発村」を代表とするようにクレプトクラシー(収奪•盗賊政治)となって現在にいたっている。
 今後ネットによる情報量が増えることによって、その体制の問題に気づく国民が増大し、ある程度の時間はかかるだろうが、クレプトクラシーは徐々に崩壊、日本が真の民主主義国家になれる可能性が出て来た。
Q4. コメントする
 セキュリティはもちろん重要だが、一方で表現の自由の侵害は食い止めなければならない。ネットを含めてすべてのことにメリット•デメリットがある。上記に述べたように、既成のメディアでは流されない•ブロックされる貴重な情報を知りうるメリットを最大限に活かせる環境整備を行うべきだ。
 
 
山村武彦
防災システム研究所所長
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
ネットの発展によるユビキタス社会の恩恵は、人類の暮らしに大きく貢献している。距離や国境を越えてリアルタイム情報の共有化が図られ、自他の自由度、生活度、幸福度を単純に比較できることが、政治、経済、科学、行政や人々の暮らしに極めて良い影響を与えている。また、多様なコミュニケーションツールにより地方と都市部の情報格差是正に寄与している。
反面、不埒な輩がネットの匿名性を悪用しいじめや犯罪の温床にもなっていて、さらなるネットセキュリティシステム構築(監視)とモラル向上対策が急務となっている。また、国家、テロリスト、ハッカーなどにより、サイバーテロというより健全な社会生活を脅かす安全保障への脅威が顕在化しており、サイバー戦争の様相を呈し、社会の安寧秩序や安全保障に極めて深刻な影響を与えてている。
しかし、そうしたマイナス面を差し引いても、今も将来もネットが暮らしや経済にもたらす貢献性のほうが大きく勝っていることも否めない事実である。今後、マイナス面を排除しつつさらに進化(深化)していくものと期待する。
Q3. コメントを控える
Q4. コメントする
安心してネットが使える環境を整えるのは社会全体に課せられた喫緊の課題。そのための国際的セキュリティルール、利用者のネットモラル教育、一定のネット利用順守義務をより具体的に明確にすべきである。そして、ネット犯罪防止するための、国際的ネット犯罪監視(追跡)システム構築が急務である。
 
 
潮匡人
国際安全保障学者,拓殖大学客員教授
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
明らかに利便性が向上した。高齢化社会の到来や地方の過疎化を課題とする日本の社会にとって望ましい進歩と考える。個人的にも、この番組の関わりを含め、大きな影響を実感している。
Q3. コメントする
今後プラス面・マイナス面、両方の強い影響を避けがたいが、リスクを最大限管理しながら、ネット社会に適応していくしかない。善かれ悪しかれ、世界も日本も、ネットのないアナログ時代には、もう戻れないと思う。
Q4. コメントする
日本は各界の指導者層がアナログ世代のため、デジタル時代への適応が遅れている。国全体としての取り組みも弱い。サイバー攻撃に対処する国家機関もない(陸自システム防護隊の防護対象は自衛隊)。各省庁にネット担当部門はあるが、縦割り行政ではグローバルなネット世界に対応できない。
 
 
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
少子高齢化が顕在化する日本社会において経済効率の改善という側面にスポットを照射すれば、今やネットは日常生活に不可欠の存在となっている。それが民主主義と市場経済を定着させるというメリットもある。ネット特有の犯罪は時間の経過とともに一般的な犯罪へと変質していくはずだ。
 IT(情報技術)の普及と浸透で日本の経済効率が格段に高まったことは否定できないだろう。ネット社会の功罪はさまざまだが、そもそも中高年層でも経済社会に参画できるようになったのではないか。つまりこれはネットによる現役世代の拡大を意味し、少子高齢化に直面する日本社会の弱点を少なからず補っていると思われる。
 歴史を紐解けば、インフラが整備されるに従って、民主化が促進され、民主主義が定着してきたのではないか。情報化社会ではネットはもはや不可欠なインフラ。情報開示が義務付けられた今日、一般庶民が必要な情報にアクセスできる。これは民主主義と市場経済の定着を導く。
 犯罪のリスクやモラル低下の危険はつきまとうが、利用者が急増している現実を考慮すれば、必要以上に規制すると、民主国家としての見識が問われることになりかねない。犯罪やモラルの低下はネット社会だけのものではない。一般的な社会現象の一端と位置付けるべきだろう。情報過多の問題もあるが、それは個人レベルの問題である。
Q3. コメントする
賢いネットの利用法を体得すれば、生活水準の向上につながり、生産効率が上昇する。地理的な距離をなくす手段としてもネットは経済社会にとって不可欠の存在となる。ネットの浸透が日本社会の持続的成長と繁栄をもたらすと思われる。
Q4. コメントする
 ネットに関する犯罪を特別視する必要はない。モラルの低下はネットの世界だけではない。新たな対策を講じても、また新たな手口の犯罪が流布するのではないか。しかし、それはネット社会だけの現象ではない。犯罪者はどのような世界でも抜け道を編み出している。
 ただ、幼少期からネットと向き合い、親しみながらも、ネット犯罪の怖さを教育していく必要はある。PCの利用法だけを教えるのではなく、情報の取捨選択の重要性、すなわち不必要な情報も溢れていることを教えるべきだろう。巧く利用すれば、利用者の利便性を高めることを教えるべきだと思う。
 
 
夏野剛
慶応義塾大学特別招聘教授
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
ネットの発達によって、個人の情報収集能力と情報発信能力が飛躍的に向上した。ネットであらゆる情報が検索でき、まともな意見がある人は組織に頼ることなく数万人に伝えることができるようになった。個人とそしきの関係が変わることによって、全体利益と個別利益の調整に幅ができた。つまり、向いていなくてもひたすら同じ会社に居続けなくてはいけない、とか、他がどうなっているかわからないから今属している組織にいつづける、と言った、個人利益を犠牲にして組織利益を優先する社会構造に余裕ができ、個人の選択肢が明らかに増えた。もちろんリテラシーの低い人はどうするかなど、負の側面は否定しないが、あらゆるテクノロジーにはメリットデメリットがあり、全体的にみるとメリットの方が大きいのは明らかである。ネットにより人類の進化スピードそのものが加速したと言っても過言ではない。

一方で、日本の場合、社会のリーダー層がネットを使いこなせない、こなしたくない、新しいことは覚えたくない、楽をしたい、と考えていることによる、制度や慣習の陳腐化が著しい。政治、行政のといった社会システムも、会社の仕組みも、法体系も、すべてネット時代に合わせて見直さなければいけないにも関わらず、ネット弱者保護を名目に改革を怠ってきた。例えばデジタルデバイドの配慮することは必要であるが、社会全体をリテラシーの低い人間に合わせてしまうと、国としての競争力は低下してしまう。

とはいえ、好むと好まざるとに関わらずネットの影響はすでに政治、経済、社会すべての面に表れている。
全体的には、個人の地位を向上させることによって、社会満足は増加する方向に向かっていると思う。
Q3. コメントする
ネットは情報の非対称性をなくして行く。情報の非対称性がなくなると社会の不合理や非論理的な制度、慣習が淘汰されて行く。これを積極的に社会システムの改善に結びつけていければ、日本社会をよくすることができる。
Q4. コメントする
まずネットに対する理解の少ないリーダーは早く引退すべき。鉄砲が伝来してるのに、騎馬隊に頼る武将は軍を全滅させる。個人が情報武装していることを前提とした、行政システム、政治システム、教育システム、治安システムに改良していくべき。便利なものを禁止したり、制限することはできない以上、システムとして対応していくしかない。それがイヤだという人は、単に人類の進化についていけないだけ。進化についていけない人を最低限守ってあげる必要はあるが、その人たちに社会全体を合わせる愚は犯してはならない。そんなことをしたら日本の、引いては人類の進化が停滞することになる。
 
 
江川紹子
ジャーナリスト
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
 正確には、「プラスの影響が大きい」です。多くの事柄が、プラスの作用ばかり、マイナスの作用ばかり、ということはないように、ネット環境の進化も、もちろんプラス面ばかりではありません。が、マイナス面を凌駕するプラスがあるからこそ、進化は進んでいるわけです。
 そのプラス面を一つあげるとすれば、ネット環境の進化が情報における地域間格差、立場や豊かさの違いによる格差を縮小してきました。かつては、情報へのアクセスは都会(とりわけ東京)ほど有利であり、情報にアクセスしやすい人とそうでない人がいました。その格差は完全になくなったわけではなく、どこにいても、いつでも、誰でも、情報を得ることができるようになった、というのは画期的です。
 官庁が公表するの多く資料は、かつてはマスメディアの記者だけに配られていたのですが、今では国民が直接(しかも、いつでも、どこからでも)原資料に当たれる機会も増えました。ツイッターでは、世界のいろんな所にいる人から、現地の情報も入ってきます。さらに、情報ボランティア的な人たちがたくさんいて、米大統領選挙の討論会では、英語が得意な方が同時通訳的にツイッターで伝えてくれたり、IT関係でトラブルが起きた時に助けを求めるとアドバイスを送ってくれたりします。インフラ整備や技術の進化だけでなく、そういう人たちの存在が、様々な情報格差の引き下げなどネット環境の向上に、大いに寄与しています。
 様々な技術が、人々のプライヴァシーの保護や個の需要に応える形で進化していき、それと相まって、社会の中で個の分断や孤立化の方向で進化してきたわけですが、ネットによって逆に新たなつながりを模索する時代に入ったのではないかな、という気もします。
Q3. コメントする
あまりに漠然とした質問で、答えに困ります。
Q4. コメントする
環境の変化に、制度や人々の意識や技術が追いついていない状況だと思います。追いついていくよう、一生懸命努力するしかありません。
 ただ、様々な問題の原因が新しい技術のためだというわけではありません。
 たとえば、他人のPCを利用して脅迫メールなどを送りつけた事件で4人が逮捕され、うち2人が「自白」までしていたケースは、サイバー犯罪やその技術に捜査陣が疎かっただけでなく、捜査機関に関して従来から指摘されてきた旧弊とも言うべき問題点も大きな要因になっています。
 すなわち、1)マイナス証拠を吟味せず、いったん犯人扱いすると、途中でなかなか引き返さない 2)自白依存の捜査
3)検察が警察のチェック機能を果たしていない
4)裁判所が検察のチェック機能を果たしていないーーといった問題がありました。それは、これまでのいくつもの冤罪事件を通しても、指摘されてきたことで、サイバー犯罪だから今回はこうなった、という言い訳はできません。まずは、特に被疑者が否認をしている場合はマイナス証拠を十分に吟味するほか、取り調べの全課程を録音や録画をすることで可視化する、などの対策をとることが重要です。
 合わせて、捜査機関がサイバー犯罪に関する専門家を育成していくことも大事。ただ、それを捜査機関内部だけでやるのではなく、民間の協力を得ることも必要で、かつてはハッカーだった人たちの活用も含め、情報や技術を常にアップデートし、常に最新の情報や技術に対応できる体制は作る必要があります。
 ただ、警察はそういう体制を作りやすくても、検察や裁判所ではどうするのか、という問題が残ります。検察や裁判所の対応を置き去りにしたままでは、警察だけが強い力を持って、それをチェックすべき機関はただ追認するだけ、となってしまいます。これでは、事態は現状より悪化します。とはいえ、つい最近までフロッピーを使っていたような裁判所に、こうした問題についての最新の知識を期待するのは無理なので、被告人が争った場合には、「疑わしきは被告人の利益に」を徹底し、複数の鑑定を行うなど、より慎重な審理を求めるしかないと思います。これまでも、裁判所が「疑わしきは…」の原則を軽んじ、検察側を信頼しすぎて判断を誤ることが多々ありました。技術の進化に対応していくことはもちろん大事ですが、従来からの制度が十分にその機能を果たしていない現状をきちんと見直し、本来の役割を果たさせるという点も忘れてはならないと思います。
 
 
安冨潔
慶應義塾大学大学院法務研究科(法科大学院)教授,弁護士
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
ITの普及により,地球的規模での情報交換が可能になり,さまざまな分野で社会生活の利便性が向上した。
Q3. コメントする
いっそうITに依存した社会になる。
Q4. コメントする
(法的観点から)
 これまでの日本の立法の在り方は,わが国で法整備を必要とするという具体的な事実を前提としてなされてきた。すなわち,個人の自由を最大限に尊重し,国家による不当な個人への干渉を抑制するという法原理から,法律によって保護されるべき利益は何か?その利益に対してどのような侵害等があり,それに対してどのような方法で救済すべきかという観点にたっていたのである。しかし,それでは,(ITに限らず)技術の発達に対して多くの場合,法律が後追いするということになる。ことに,IT分野での技術革新は,地球的規模で急速に親展している。したがって,IT分野では,事件が発生しても,それに適切に対応できる法整備がなされているとはいえないことがほとんどである。
 このような状況において,いかなる対処が可能か。法律だけに依拠した規制は,市民の権利利益を十分に保護することはできない。技術的対処が不可欠である。しかし技術にも限界がある。倫理その他教育などにより規範意識を錬磨することも必要である。
 
 今回のウイルス事件は,威力業務妨害として刑事事件を担当する部署が扱っていた。そのためサイバー犯罪の取調べ方法として適切であったのか,またサイバー犯罪対策の専門部門との協働が十分であったのかは検証されなければならない。ただ,犯行手口も神奈川の事案とその他の事案では異なっており,どのような捜査をすべきかはかなり難しかったことはいえよう。デジタル・フォレンジックを用いた解析等,専門家との協働が必要となってこよう。
 
 
小幡績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
マイナス面はあるが、それは、今後コントロールできるはず。
プラス面は、様々なコストの削減。時間の節約を可能にしたこと。
いつでもどこでも仕事ができ、連絡がつくこと。
意外と単純なベネフィットが大きい。
人とつながるなどということは目立つが、これまでとスタイルは変わっているが、実は本質には変化はない。
Q3. コメントする
本質的には変化しない。

ネットがつながると言う環境に慣れれば、それが普通のことになり、本質的な部分が重要になり、本質的な部分はそう簡単に変化しないから。
Q4. コメントする
徐々に進歩しているし、これからも進歩すると思う。

新しいものによる悪影響に対する対処、コントロールには時間がかかるだけのこと。
 
 
朴斗鎮
コリア国際研究所所長
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
情報ネットワークの拡大は民主主義の発展を促進している。また、新しい需要を作り出すという意味では経済成長にもつながっている。そして大衆文化の発展と生活向上にも大きく貢献している。
しかしその技術は中立である。科学技術の発展はいつも両刃の剣だ。正しくも使えるし悪用することも出来る。それゆえ社会にマイナスとなる作用も起こりうる。
さまざまな人権侵害のほか、今騒がれている遠隔操作ウィルスによる犯罪や偽インターネットバンキングなどの出現は、このマイナス作用の現れといえよう。
こうした現象はネット社会発展に付随する病原菌のようなもので、今後もなくならないであろう。しかしそうだからといって、ネット社会の発展に臆病となっていては人類社会の発展は望めない。新たなネット犯罪の出現は、ネット社会進歩の証であるともいえる。それらを肥やしにしてネット社会をいっそう発展させるべきだ。
Q3. コメントを控える
Q4. コメントする
人間の意識や倫理観は科学技術の発展よりも遅れるのが常だ。モラルの確立が追いつかないのはある程度仕方がないことだといえる。だからこそセキュリティ対策や法整備で補う必要がある。
健全なネット社会を発展させるうえで特効薬はない。たゆまざる倫理教育と不正使用防御技術の開発、それに一定の規制や法の整備など、不断の努力を積み重ねるしかない。
そのためには相応の投資が必要だ。人材育成と技術開発などへの大胆な投資。それが最も効果的な対処法ではないだろうか。
 
 
石黒不二代
ネットイヤーグループ株式会社代表取締役兼CEO
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
どんな素晴らしい発明にも日陰の部分というものはあり、インターネットも同様である。しかし、インターネットがもたらしている新産業の創造や価値の創造や雇用の増大などの経済的効果、また、インターネットがもたらした生活の利便性を考えれば、プラスであると考える。
Q3. コメントする
日本社会のみならず、世界中で起こりえることは、現在は、情報提供側(企業のみならず、個人が発信する情報を含む)の情報量の増加があまりに多く、それを消費する側にとっては情報過多になっているものが、技術のさらなる進歩のおかげで、自分が欲しい情報だけを適時に入手できるようになる。究極のリコメンデーション(おすすめ)とパーソナリぜーションが実現する。
Q4. コメントする
今回の遠隔操作の誤認逮捕は、IPアドレスだけを証拠にして逮捕してしまったようで、お粗末な話だ。
IPアドレスだけで端末や個人を特定できないことは、そんなに技術に詳しい人でなくても、多少長くインターネットを使っている人であれば想像がつくはず。むしろ、問題は、逮捕後、自白を強要したであろう捜査プロセスだと思う。

しかし、もちろん、セキュリティー対策をどんなに施しても、それをやぶる技術は登場する。今回のように都道府県レベルでなく、国家としての技術の標準化・国家レベルでの対応が必要だと思う。

インターネットはもともと軍事技術を一般に開放したことにより広まった。そのため、アメリカでは国家がこの技術に一番詳しい、もしくは、詳しかったと考えるのが妥当であり、FBIがこれら情報操作・情報テロの対応の中心的役割を果たしている。日本では、同様な経緯でインターネットが広まったわけではなく、むしろ、民間主導だったため、警察や国家としての対応が後手後手になっているのではないか、国家レベルでの対応に民間の協力、または、学術関係者の協力を加えるべきであると思う。

しかし、私は、むしろ、インターネットの発展を考えたとき、セキュリティーや個人情報保護など、まずリスクを考えるという日本の体質のほうが問題であると思っている。これら事件が起こるたびに、インターネットは悪い、危険であるという意見がはびこり、産業の発展を遅らせている。日本のインターネットは、アメリカに遅れること、5年・10年、この遅れをもたらした原因のひとつは、日本の、まず、リスクを考えてしまう体質にある。

アメリカは、新産業を興す際には、まず、国家が先にたって新産業育成のための法制度を整える。それが、当時のゴア大統領が提唱したインフォーメーションハイウェイであり、実質的にECだけに消費税がかからなかった税法を15年以上放置し、今やっとアマゾン税という税法て対応しようとしている態度であると思う。つまり、アメリカは新産業創造時には、基本的には性善説で立法をゆるくして新産業を育て、司法で個別に対応しようとするが、日本は、まず、きつい法律で縛ろうとする。この差が、産業の育成に大きな差をもたらしている。
 
 
岩渕美克
日本大学法学部教授
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
 総体としてはプラスだが、現状の問題は使う側の姿勢にあると思われる。楽観的に過渡期の現象として看過するには大きな問題が生じていることも事実なので、これらは克服すべき課題が多いのもまた事実です。
 もちろん全てがプラスなわけではないが、連絡ツールとして、情報探索ツールとしての魅力を否定することはできない。したがって総体としては、プラスになると考えます。しかしながら、当然のこととして問題は使う側の使い方にあります。ネットにすべての情報を頼ることは決してプラスではなく、さまざまな克服すべき課題があることも事実です。
 あまり議論されていないかもしれませんが、最近の若者の傾向の一つが、人と満足に話すことができないということです。つい先日も食事をしている隣の若者がテーブルをはさんで、お互いにスマホを見合っている光景を目にしました。たまに話すのですが、ほとんどがスマホを見ているだけで会話がほとんどありませんでした。会話ができない若者が増えているような気がします。あるテレビ局の30歳前後の女性ですら、最近の新入社員にまともな会話ができない人が増えていると嘆いていました。会話はメール、調べものはネットと人と話したり、人に聞いたりといったコミュニケーションをとることができなくなる若者の増加がとても気になります。もしこれが進むとすれば、大きなマイナスと回答を変えなければならないと思います。
Q3. コメントする
 一言でいえば、便利になるでしょう。ただしそこに潜む課題を克服するための環境整備も必要です。現状は、さまざまな情報通信産業の技術の進化に、行政や国民の側が対応できていない状況にあります。犯罪と言っても、犯人にすればいたずらの延長のような感覚なのかもしれませんが、技術力を持つ犯罪者の犯行が目立っているように思われます。モラルの問題と言ってしまえばその通りですが、やはり行政の側のこうした犯罪に対する準備が遅れすぎているといえるのではないでしょうか。
 政治の分野も情報化が極めて遅れている分野です。過去の栄光に浸っているわけではないでしょうが、あまりに改革や変革に対する恐怖感が強すぎて、保守というよりは現状維持を好む傾向にあるように思います。さまざまな分野で時代にキャッチアップすることが必要なのではないでしょうか。そのためには、時代感覚と決断力のある政治家の出現を待たねばならないのかもしれません。
Q4. コメントする
 技術発展に、国民の意識、国民を取り巻く環境がついて行っていない状況が、こうした問題を生み出しているのではないでしょうか。戦後の日本は確かに技術の進歩や開発によって、急激な経済成長を遂げ、先進国の仲間入りを果たしました。一方、その代償として公害等の環境破壊を生み出してきました。現在の情報通信を取り巻く状況は、こうした経験と似通っているように思います。
 環境については行政の対応になりますが、やはり改革を恐れない姿勢を持つ政治が不可欠になるでしょう。リテラシーやモラルについては、教育しかないと思います。
 明治大学の被害にあった学生のことを思うと胸が痛みます。同じ大学人として、もう少し救う方法はなかったのかなどと考えることもあります。私の学生が同じような状況にあってもおかしくないからです。警察の取り調べにも問題があったようですが、なかなか難しい問題が多く、正直に言うと私の頭の中も整理できていないのです。
 
 
土居丈朗
慶應義塾大学経済学部教授
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
インターネットの黎明期を知る者として、情報の即時性、国境を超えたコミュニケーションが格段に向上したことにより、知識や思考の視野を広げられた点で、プラスに影響している。
今ほどにはネットが活用できなかった頃は、文献や用語を検索したり、自分で作成・蓄積したファイルを見たり編集したりするのは、ネットに繋がったオフィスや自宅のパソコンでしかできなかった。しかし、今ではクラウドストレージも活用できるようになり、いつでもどこでもネットに繋がるお蔭で、必要な時や困った時にはすぐにネットで検索したり、ファイルにアクセスしたりできるようになった。

ネットを介して、必要なときに情報を入手・交換できるようになったため、仕事や交友や趣味などの面で日本社会のフロンティアを広げた。
Q3. コメントする
情報の真贋を見極められる個々人の能力が問われることになるだろう。

ネット上では、今でも、虚報や偏見や詐欺的な行為もあって、必ずしも好ましい行為ばかりではない。一見すると何を信じてよいかわからない状況がある。

そんな中でも、ネット上にある有益な情報を有効に活用することによって多くの便益が得られる。だからこそ、情報の真贋を見極められるよう、日常的にその能力を研鑽することが求められるだろう。
Q4. コメントする
ネット上のコミュニケーションに関して、匿名であることをよいことに罵詈雑言を垂れ流す状況がある。しかし、これは、他人に対する配慮ができるか否かという、ネット以前の問題でもある。したがって、ネット上でのリテラシー向上やモラルの確立のためには、ネットにまつわるそれ自体の課題というより、むしろ(ネットとは関係ない部分も含む)幼少期からの個々人の人格形成に根差した取り組み、すなわち初中等教育を社会全体としていかに改善するかという課題に直結する。
 
 
稲増龍夫
法政大学教授
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
社会生活のあらゆる領域で利便性が高まったことはいうまでもないが、社会システムの構成原理が、トップー管理者ー一般人という階層型のヒエラルヒー構造から、横並びのネットワーク構造に移行しており、移行期ゆえにさまざまな弊害も生まれているが、「個人」主体の自立した市民社会が育まれようとしている。
社会生活のあらゆる領域で利便性が高まったことはいうまでもないが、社会システムの構成原理が、トップー管理者ー一般人という階層型のヒエラルヒー構造から、横並びのネットワーク構造に移行していくことをネットいうインフラが促進していることは間違いなく、移行期ゆえにさまざまな弊害も生まれているが、「個人」主体の自立した市民社会が育まれようとしているのである。
階層構造は「管理」や「意思決定」が効率的で、システムの秩序を維持するのが容易に見えるが、反面、組織の権限の壁ができやすく、硬直した「官僚制」を生み出してしまう。高度成長期のように、「物質的豊かさ」という数量的目標を追っていた時代はそれでもよかったかもしれないが、今は、創意工夫が必要な「付加価値」を追い求めており、フレクシブルな対応が可能なネットワークシステムの方が時代適合的である。
たしかにか、過渡期にはさまざまな弊害が生まれてくるが、長期展望において、ネットが果たす役割は大いなるプラスである。
Q3. コメントする
いい意味でも悪い意味でも、個人の存在価値がどんどん高まる社会となる。戦後、「天皇制」が否定され、「神なき個人主義」の国となったわが国では、歯止めのない形で「個人の欲望」が肥大化してしまい、それ自体は明らかに問題だが、しかし、「自分の欲望を充足する」ために、「他者の欲望を踏みにじる」ことは間違っているという、互酬的「公共性」の考えも拡大しており、上からの啓蒙ではなく、まさにネットワークの力でこの機運を醸成してくことが必要である。
Q4. コメントする
残念ながら,ネット犯罪は技術進化とともに巧妙かつ深刻化していくだろうが、こればかりは先読みができないので、個別対応で問題処理にあたっていくしかないだろう。言うまでもないことだが、技術が犯罪をおかすのではなく、個人が犯罪をひき起こすので、モラル育成やリテラシー教育は、社会全体で取り組んでいくしかないだろう。
 
 
村沢義久
合同会社Xパワー代表/ 環境経営コンサルタント
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
人間を定義する言葉や表現は多い。例えば、「考える葦」など。私は、「コミュニケーションする動物」と思う。これまでとは違う能力が必要となる。オリジナルのアイデアを出す能力がなくても、他人の情報を総合化することにより、これまでとは違った形の創造性を発揮することもできる。
多くの人たちと繋がることにより「他人力」を使える。また、ネットでデータベースに繋がることにより、記憶容量が事実上無限大化する。基本的には極めて大きなプラスだ。

必要な時に、誰にでも連絡できるし、様々なデータにアクセスできる。気が向かなければ連絡やアクセスをしなければ良いので、マイナス面は少ない。また、他人からアクセスがあった場合、「返事しなければならない」と思うと負担になるが、いやなら返事しなければ良いし、時間をおいてから対応しても良い。

いずれにしても、プラス・マイナスに関わらず、ネットの「いつでも・どこでも・だれとでも化」は急速に進む。

発言や意思表示の記録がディジタル情報として長期に渡って残るようになるので、その点に注意は必要だ。
Q3. コメントする
影響は日本国内に留まらず、グローバルなものだ。

例えば、政治。私個人としてはm、日本の総理大臣が誰になっても大きな変化はなく、従って関心も薄い。逆に、我々の生活から、気候変動、世界経済など、アメリカの大統領選挙の方があるかに影響は大きい。大統領選挙の行方は、PredictWise、TPM、Huffington Postなどでリアルタイムでフォローできる。TwitterやFacebookでもリアルタイムで情報共有できる。相手は世界。株式市場の動きも同じだ。

TwitterなどSNSを媒介にした革命が進む。原発に関する「再稼動反対」運動など。SNSは呼びかけ、中継、反応・返信の全てで大きな力を発揮する。

人捜しも楽になる。私は、今年になって、長らく音信不通だった「昔の友人」「昔のパートナー」など約10名と繋がった。そのうち、日本人一人を除いて、残りはアメリカ人。昔なら、全国紙に広告を打つなどして捜すところだが、いずれも、相手側がTwitter、Facebookの他、インターネット検索で私を捜しだした。

ネットで繋がっていないと寂しい、落ち着かない、という人もいるようだが、実際の繋がりも忘れてはいけない。

ブログ炎上というリスクもあるが、私はTwitterのようなミニブログ以外はやっていないのであまり関係ない。また、ネガティブなTweet、コメントなどがあった場合、参考になる場合は読むが、気が向かなければ無視している。
Q4. コメントする
最近の「書き込みなりすまし事件」。これからどんどん増える。私の知人も「なりすまし」の被害に合っている。
真犯人以上に怖いのは警察・検察。なりすまされた被害者を簡単に犯人と決め付けている。取り締まり強化には技術や知識の進歩も重要だが、それ以前に、警察・検察の意識改革が必要だ。
 
 
渡辺敦美
日経トレンディ編集長
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
もちろん、いい面と悪い面が背中合わせです。
ただ、総合的にみると、これまでの概念を変えていきます。
変化としては、スピード社会における仕事効率、意思決定など。
コミュニケーションのあり方。今回のヒット商品ランキングで特徴的だったのが、
ハードのヒットよりも、いよいよ今年は、ソフトのヒットの年となりました。
日経トレンディ12月号のヒット商品ベスト30の2位に
LINE、7位におさわり探偵 なめこ栽培キットが入りました。
いつでもどこでもつながるスマホ時代を象徴する出来事です。
これらは、コミュニケーションのあり方を買え、キャラクタービジネスを根本から変えています。

「スマホチルドレン」という言葉をヒットのキーワードのひとつに挙げましたが、
あらゆるヒット(子供のタッチパネル玩具、イヤホンジャック、無線、青色光対策)などの軸にあるのがスマホです。
買い物の仕方や消費行動も変えていきます。

明らかに消費者がどこでもつながるということを受け入れている状況であり、
全体的にはプラス要因のほうが大きいと考えます。
Q3. コメントする
産業革命以上の革命が起こっているわけですから、
日本社会はそれに対応して、あらゆるものが変わらざるを得ない。
Q4. コメントする
ハード(スマホなど)があまりにも一気に初心者層まで広がってしまったため、
初心者層はまったく仕組みなどを理解しないまま使う、という状況になってしまいました。
セキュリティ対策の知識などを啓蒙するしかありません。
 
 
有馬晴海
政治評論家
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
まちがいなく便利になり、効率のいい社会が享受されている。
4けたの暗証番号だけでお金の出し入れ、振り込みが自由だ。
多額の現金を持ち歩く必要もなく、
犯罪を防ぐ手立てにもなっている。
Q3. コメントする
いいものにだけ使えればいいが、
悪用されると防ぎようがない事態も起こる。
だが、便利な部分を考えると、
遥かに便利になった。
原発同様、手仕舞いができるような地位性を取らないと、
利用してますがそれ以上に悪用されると、
意味がなくなってしまう。
あらゆることに対処できるものの範囲での仕様というものを考えていかなくてはならない。
Q4. コメントする
役所も、ただ単に試験で合格した者が勤務するというシステムから、
パソコンや、ネットシステムに精通した人が必要になって来ている。
それを外注で雇うか熟練を育てるかの時期に来ている。
所内で使用するシステムの開発は外注でもいいが、
外注の契約が妥当な金額かどうかの基準そのものを
誰が決めるのかというそのものすら、
試験合格組が精通しているわけではない。
ネットシステムの価値、汎用性など
相当にわかった技術者が必要となる。
その費用がむだなのか、そういう時代なのか。

役所一つとっても、セキュリティーも含め、
何処までの範囲で利用するか、
これからの使用目的が何処まで及ぶのかなど、
一つの部署が増え、人を雇い、仕事に対応できるものを備えるということは、
それだけの財源までふやしていかなくてはいけないぐらい
大変な分野だ。だが、社会に応じて整備するしかない。
 
 
武貞秀士
拓殖大学大学院特任教授
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
 ネットの広がりで世の中は便利になったが、一部の利用者のマナーの悪さ、ネット犯罪の増加に対して対策を講じる時期がきている。
 いつでもどこでもネットに繋がるのだから、社会にとってプラスであることは間違いない。われわれは情報を入手しやすい。緊急の情報に接しやすい。また、簡単に情報を発信することができて友人が増える。迅速に意思を伝達できる。紙を使わないで済むことが多くなり、資源節約になっている。一度に同じ連絡を多数の人に送ることができて、効率的、確実な情報伝達ができる。どこにいても締め切り原稿を送ることができる。外国にいてもパソコンで重要な日本のニュースに見ることができる。深夜に書物を注文したくなって、インターネットで注文してその場で決済をする人もいるだろう。出張先のホテルの部屋でインターネットを使って翌日の報告資料の確認ができる。重い書類を運ぶことなく、自分の書いたものを友人に、添付ファイルで送ることができる。古い格式ある建築物を見つけたとき、カメラを持っていないことに気づいたが、スマ-トフォンのカメラで十分に用が足りた。これほど便利なものはない。
 しかし、スマートフォンは便利であり、人を夢中にしてしまう何かがあるので、それを使う人の行儀が悪くなった。公共の場でスマホに熱中する人が他人に迷惑をかけている場合がある。電車のホームで混雑しているのに立ち止まってメールをしている人がいる。階段をゆっくり上りながら、スマホで野球中継を見ている人がいる。電車の座席に座ったら、となりの人にひじで散々横っ腹を小突かれた。どうしてだろうと見ると、ひじを広げてスマホでゲームを楽しんでいた。社会が便利になって全体としては良い影響が多いが、悪い面は対策を講じる必要があろう。
Q3. コメントする
 ネット環境が改善されると、ますますネット利用者は増える。しかし、新聞と書物が果たす役割が終わるということはない。先日、久しぶりに新聞を駅で買って読んだ。その情報量の多さに驚いた。紙面の下の新刊書広告は、とても便利だった。また、どの紙面のどの場所に記事があるかで、その記事の重要度がわかる。その新聞の傾向、嗜好もわかる。紙製の新聞の価値を改めて知った。今後、新聞、雑誌の部数は減ってゆくだろう。しかし、紙で作ったものはなくならないし、なくしてはならない。実はスマホ、タブで読む報道、情報、論説は、接することができる情報の半分にも満たないのである。あと100年したら、紙の媒体が減るいっぽうであった2012年の状況は、笑い話になる可能性だってある。電子媒体がどの程度長い間、記録が残るのかもまだ未知数である。便利なものはなくなることはないが、完全に紙製の媒体にとってかわるということはない。
Q4. コメントする
 2チャンネルや、通信販売の利用者のコメント欄を読んでみると、人は匿名で書き込みをするとき、どうしてこれほどまでに、品が悪くなったり、攻撃的になったりするのだろうかと思う。たまたま自分自身の発言や書いたものに対する書き込みに出会って、誤解に満ちた罵詈雑言が書いてあるのを読んで、ウンザリすることがある。人前で批判するときは慎重になるが、ネットで批判するときは言いたい放題というのは、なぜだろうか。家庭や学校での教育に期待するほかない。また、ネット犯罪に対しては、急いでネット犯罪の摘発に詳しい技術者を大量に養成する必要がある。外国からのサイバー攻撃に脆弱であると、国益を損なう情報流出が起きてしまうことがある。いくつかの国は、米国、韓国、日本を対象にサイバー攻撃要員を大量に養成している。したがって、警察と自衛隊でその技術者を大量に養成する(すでに始まっているが)。国境を越えたサイバ-攻撃を取り締まるために国際刑事機構との連携を強める。そして、ネット犯罪は、厳罰に処する。
 
 
若狭勝
弁護士
Q2. 「1 - プラスに影響している」の回答理由
いうまでもなく、便利、効率、迅速等の観点で、社会への貢献度・メリットは計り知れない。
便利になりりすぎていることが問題だという論者もいるが、便利・効率的・迅速性等が備わ
った社会は成熟する社会につながっていき、甚だよいと思う。
問題は、それを悪用濫用する輩がいることである。
庖丁が人を殺傷する手段に使われるからといって、料理に使うための庖丁利用が一切禁止される
道理はない。
要は、そうした悪用・濫用する輩を輩出しないことを考えるべきである。
Q3. コメントする
さらに利便性・効率性・迅速性が増す社会が構築されていく。
しかし、それだけに、悪用・濫用する輩が、手ぐすねを引く社会にもなっていく。
Q4. コメントする
今、極めて危険な水域に達している。ネットシステムを悪用・濫用する輩の増大である。
刑法には内乱罪がある。国家の統治機構を破壊するため、暴動をした者の罪をいう。
かなり重い罪で、首謀者は殺人罪よりも重く、死刑か無期の刑しかない
(殺人罪は、有期懲役もある)。
まさしく、今後は、国家の統治機構を破壊するようなネット犯罪・サイバー犯罪が
もっと出現する恐れが高い。そのため、これは、一種の「現代型内乱罪」として極めて
重い刑罰をもって対処・封じ込めを図る必要がある。
封じ込めに失敗すれば、日本社会、ひいては世界の社会的秩序は根底から崩れる。
日本・諸外国の総力をあげて緊急に各種対策・対処策を考える時期は、既に到来している。
 
 
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2. マイナスに影響している

にしゃんた
羽衣国際大学教授/落語家
Q2. 「2 - マイナスに影響している」の回答理由
あえて言いたい。マイナスに影響している。その最大の損失は、日本の優れた人間の関係性の崩壊である。来日当初の日本が懐かしい。咳払いの音で周りが「自分のことか」と一斉に振り向いていた日本人の受信力に感動した。「1言って、10解る」日本の「受信者責任型文化」。「どこでもネット」は、日本人のこの「無形文化遺産」だけではなく、「現実」と「仮想現実」の区別能力すら奪い去った。

「現実」としては公の場としての電車に乗っているのに、「仮想現実」として携帯・スマホでネットに接続して情報を収集し、ゲームを楽しんでいる。脳の働きは、「現実が劣勢」になり「仮想現実が優勢」になって、目の前の杖のついたお年寄りが立っていても、脳では見えず、見えているのは端末の画面だけ。公の場にいながら「透明な個室」にこもりっきりになっている人間がなんと多いことか。日常どこでも、いやというほど見せつけられるこれらの光景は、正に「どこでもネット社会」がもたらした。日本を観察していると、スマホの登場はこの流れに拍車をかけた。それまでは「親指姫」だけで間に合った携帯も、スマホの登場によって、両手操作で座れたら嬉しい層をつくり、それが、目の前が見えない人口を激増させた。

ネット中毒で、面と向かって話が出来ない若人も増えており、ネットいじめや犯罪増もマイナス要因。他方、インターネットの導入や普及は周りの近隣の国と比べても、遅れている点でもマクロ的にはマイナスだろう。・・・個人としても、「どこでもネット社会」によって、まあ~忙しなくなりましたですね~(笑)
Q3. コメントする
ベビー・カーに赤ちゃんを乗せて電車に乗っているお母さん、赤ちゃんと対話している人、極めて稀である。赤ちゃんが眠っているならいいが、赤ちゃん、目を開けているのに、母親は携帯というのが多い、多い。
母親が子育てを放棄している。せっかくの対話の機会なのにと思う。老人・けが人・赤ちゃん連れ・妊婦らに席を「譲る当たり前」を実践しているのは極めて少数。優先座席で携帯使わないのが当たり前だけど、実践しているのは極めて少数。赤ちゃんに話しかけるのが当たり前だけど、実践しているのは極めて少数。
社会的弱者に席を譲らないとか、赤ちゃんに話しかけることをしないとかは、昔からあった。
しかし、「いつでも、どこででも、ネットにつないで世界を広げる」ことができる媒体=携帯・スマホが出てきてから、それでなくても多数派だった現象はさらに日本全体を覆い、極めて少数だった実戦派は、もう化石人間になってしまった。日本の目の前を大切にする人間関係性のどこまでも崩壊の一途を辿るでしょう。しかし、一部の日本人は、振り子の原理として目の前の温もりのある人間関係を本能的に求めるようにちがいない。その時にはすでに巨大化した、どこでもネット族の多数派からは、目の前の温もりを大事にしている人などは、変わった、冴えないサークル活動と笑われるでしょう。
Q4. コメントする
追いつかないことで、大きな利益を得てきた企業・団体・組織があるのも事実だろう。「追いつこうという発想は間違いで、先回った対策こそが必要である。」日本の何事もゆっくりした性格がここでも仇となって露になった。日本はネット発展途上国なら、せめて、先進国で前例を速やかに取り入れせめて、後発的発展の優位性を把握すべきである。

ここらでちょっと立ち止まって、国民的議論を起こしてみてはいかがでしょうか。もちろん、末端の利用者、お年寄り、町のおばちゃん、高校生、いや、小学生も含まれる。ネットの普及度、インフラ整備、セキュリティ対策、リテラシー・モラルの向上・確立、などなど。場合によっては法律によって、ということも必要になるかも知れない。現に、ネットの匿名性に甘えて好き勝手言い合う、罪の意識もないのが多いから、現行法規以上の法整備も必要である。ネットは、新聞、テレビ等、マスの分野がほぼ独占状態で握っていた情報・知識を、個々人がそれぞれ個人でも入手できるようになった「優れもの」のハズ。このメディアを「みんなの大切なもの」として、みんなでじっくりと育てていくという姿勢が特に日本に求められる。次々と世に出てくるモバイル端末、それはもちろん、人と人、人と社会のコミュニケーションを図る道具、まさにメディアそのものです。しかし、現代ではこうしたメディア、特にウォークマン以降、(携帯可能な)パソコン、携帯電話などは、人と人、人と社会の「コミュニケーションを断絶するメディア」となっている。
ネット社会が進化すれば、人間社会は進化発展していくだろうけど、人間そのもの、人間性はどんどん退化していくと私は考えている。だからこそ、いま、全員が立ち止まって、人間社会と人間性について考え、議論すべき「ぎりぎりのところ」に来ていると強く思っている。
 
 
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3. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)

木村太郎
ジャーナリスト
Q2. 「3 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
ネットを過小評価したツケは大きい。
プラスに影響していてよい筈だったが、ウオークマンのソニーがiPadを考えつかなかったように、日本の政治、経済、社会の指導者たちはネットの威力を過小評価し、諸外国に遅れをとることになった。
Q3. コメントする
ネットワークが物理的に拡充することと、ネット利用が充実することは別。
日本社会が変わるかどうかは、ネットを生かしたコンテンツを開発する発想豊かな人材の発掘とネット前史からの諸規制の見直しにかかっている。
Q4. コメントする
19世紀末自動車が発明された時、英国では事故が心配されるとして都市部での速度を3.2キロに制限した上、赤旗を持った人間が車の前方55メートルで注意を喚起して歩くことを義務付けた「赤旗令」が施行された。この結果、英国の自動車産業が欧州に立ち後れることになった。
新しい技術に新しいリスクが伴うのは当然のことで、受け入れる以外にない。
「角を矯めて牛を殺す」ような規制は、ネットの発展を阻害するだけだ。
 
 
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「3 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
一概にプラスとか、マイナスとかで一方的な評価をすることは到底できない。
もちろん、利便性が向上し、かつては不可能だったことを可能にしている点ではプラスである。法律の運用、法的サービスの提供、情報の流動性の高まりなど、評価すべき点は数えきれない。

他方、副作用、その危険性も確かであり、マイナスに影響している部分もある。PCによる情報伝達のあり方やコミュニケーションの歪みは人間疎外をもたらしているし、情報の悪用・濫用、ハッカーやサイバーテロに対する対応の必要性など、いろいろと面倒な仕事も増えている。子供の教育においても、かつてとは異なる配慮が必要となった。

これらを、一概にプラスとか、マイナスとかで一方的な評価をすることは到底できない。
Q3. コメントする
それ自体は利便性が向上するので、多くのメリットがあるだろう。そうした科学・技術の発展は期待したいところである。

ただ、それだけにかまけて、人間的なコミュニケーションが阻害されるようでは困る。いつもスマホを眺めていて会話にならないのでは困る。また、人間的な成長とか、ふれあいとかが阻害されないかも不安。また、あまりに便利なツールに依存しすぎて人間がバカになり、劣化していく危険性もある。うまく漢字が書けなくなったくらいですめばよいが、実際には、コミュニケーションが下手になったり、妙に視野が狭くなったり、自分で考えないでネット依存症になるようでは困る。

そこで、必要となるのは、これらの環境を使いこなす人間の育成と、規律の設計と運用だろう。ネット環境に対応した法整備や、それを使いこなす人間の育成をしっかりと進めなければならないはずだ。
Q4. コメントする
セキュリティ対策や法整備を進めるには、それを支えるための専門的な知識と技能を備えた人材が不足している。それを育てるための既得権益のような資格制限のハードルを下げて、多くに人々が有資格者として専門的教育の充実とOJTによる人材育成を進めるため、質と量の両方を増大させることを考える必要がある。

また、警察・検察の摘発する側のITの専門的知識・技能が弱すぎる。硬直化した人事組織を改め、こうした方面の専門職を大量に採用する方向に変えていく必要がある。科学的な捜査を推進する側もまた高度な専門職倫理が求められるわけで、今回の冤罪は、旧態然とした刑事司法の問題を顕在化させた格好。そのうえで、悪質はIT業者をどんどん摘発していくこと、その罰則強化も同時に進めるべき。日本の刑事罰は、実効性において弱いこともあり、厳格なイメージは薄い。

一方、リテラシー向上やモラルの確立のためには、法整備や教育が遅れていることが問題。学校教育においてもネット環境に対応した新たなカリキュラムの開発・充実が必要。
 
 
常見陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師
Q2. 「3 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
プラスでもマイナスでもなく
ネットとの向き合い方が問われている
いや、「個」としてのあり方が問われている
「ネットが社会を変える」
そんな言葉を聴き始めてから20年近くになる。

実際、なにが変わったか、変わらないか
これを直視するべきだ。

たしかに、ネットで何でも買えるし、つながる社会になったが
一方で、相互監視して窮屈な思いをしたり、ウソがとびかったりしているのも事実。
そして、ビジネスも本当に大きくなったのかは直視すべき。

そんなネットとどう付き合うかが問われている。
Q3. コメントする
ますます島宇宙化、分衆化、タグ化が進む。

つながるようでつながらない感じ。

一体感は逆に生まれない。

また、ネットを使わない人、馴染まない人も一定層おり、社会はますます分化する。
Q4. コメントする
小学校から「ネット」を必修科目に。

テクノロジーから、リテラシー、モラルなど、ひと通り教えるべき。

ネット不祥事で、人生を棒に振りかねない時代だ。

萎縮させたり、寝た子を起こす可能性もあるが、日本の生命線だと考えている。
 
 
松野良一
中央大学総合政策学部教授
Q2. 「3 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
今、出張でベトナムのダナンいるが、なんら困ることなくメッセージを日本に送ることができる。ネットは、技術が先に進んで、法整備やモラルが後追いしている状態。しかし、この進化を止めることは無理だし、社会基盤自体がデジタル化されているため、これからのビジネスはすべてICTとの関係で生まれてくる。一方で、新しいネット犯罪も次々と生まれていることも事実で、技術者の倫理だけでなく、ユーザー側のリテラシー教育は必須だと思う。
Q3. コメントする
地域の産物が全国的にヒットしたり、世界的ブランドになるという可能性が広がる。地域にいても、仕事ができる時代になる。東京一極集中を解消するためにも、ICTによる情報基盤整備と利活用は重要になる。交通網とIT環境の整備で、地域格差がなくなってくる。

ネット環境とユーザー、アプリケーションの進化で、さらに大きなビジネスチャンスが広がるが、一方で、サイバーテロなどが起きた場合には、その被害が甚大なものになるだろう。「負荷分散」だけでなく「危険分散」も必要になる。

学校でも、PCだけでなくタブレット端末を使った授業が展開されている。情報機器の利用方法だけでなく、情報モラル、インターネットリテラシー教育は不可欠で、ユーザー側が自分で危機管理をしたり、自分で自分を守ることを学習する必要がある。必修科目にすべきだ。
Q4. コメントする
政府のネットに対する認識が甘いのではないか。「ネット省(庁)」というものを作っても良い。それぐらいネットは巨大な影響力を持ち始めているし、いずれ持つだろう。インフラ整備だけでなく、法整備やモラル向上のための政策、新しいビジネスへの支援策など、本腰でやってほしい。学校教育も、ネット活用授業だけでなく、もっとトラブル回避や情報倫理について必修科目として教えるべきである。
 
 
原田曜平
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー
Q2. 「3 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
拙著「近頃の若者はなぜダメなのか?携帯世代と新村社会」に詳細は書いておりますが、特に若者たちに関しては、ケータイやソーシャルメディアで24時間常時接続になり、陰口や噂話が出回り、それに脅え、かつての日本の村社会のような状況になってしまっているからです。
Q3. コメントする
どうなるという前に、この流れは止めようがないと思います。
日本だけではなく、世界的に、です。
ですから、どうなると考えるよりも、どうすべき、という
確固たる意志を国民全員が共有していくことが重要だと思います。
なお、放っておくのであれば、上記した拙著のテーマである「新村社会」
(空気を読み合う日本型の新しい村社会)が、若者の間だけではなく、
日本全体を覆うことになると思います。
Q4. コメントする
これは整備したと思っても、すぐに抜け道ができて、永遠にイタチゴッゴのような状況になり、万全の対処法というのは存在しないと思います。
お隣の中国を見ても明らかですが、あれだけ政府がネットを厳しく規制しても、たくさんの抜け道が存在しますし、すぐに新しい抜け道ができてしまうのが実情です。
ですから、重要なのは、様々な事態が永遠に起こり得るという前提を生活者が共有し、個々人がリスク意識を高めることなのではないでしょうか。
具体的には、幼少期からリスクという観点も含めたITリテラシー教育を実施していくことだと思います。
 
 
長田渚左
スポーツジャーナリスト
Q2. 「3 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
プラスにもマイナスにもなっているし、さらにどちらの影響も出てゆくと思います。ただ、私たちは、今までもそうであったように使いこなしてゆくと思っています。
Q3. コメントする
今はまだネットを使いこなせない高齢者がいますが、今後は、時代は変化してあらゆる層がかつての電話のようと同様に使いこなし便利さは増すだろうと思います。
ただ、思いもしない犯罪のツールになる気もします。
犯罪にも活用しようという人間は、そちらはそちらで悪知恵を出すでしょうから。
Q4. コメントする
もうすでに取り締まる側がセキュリティー対策にはついていっていない現状ですが、それは近く改善されていくのだと明るく考えています。ただ新しい闇を抱え込んでしまったような気もしています。
それについては上手く言葉にできません。
いたちごっこは続くでしょう。
 
 
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