2012年08月18日 ザ・コンパスで放送
社会・公共

これからの休暇と日本社会

1:設問テーマの背景(facts)

先週末から新幹線や高速道路で帰省ラッシュが始まり、今週はお盆休みの企業も数多く見受けられます。
8月7日に発表された明治安田生命によるネット調査によると、今年の夏期休暇の平均日数は9.5日で、2006年の調査以来、昨年に引き続き最も長いものとなりました。

オンライン旅行サイト大手のエクスペディアによる有給休暇国際比較調査(2012年3月発表)では、調査対象となった20カ国の中で日本は支給日数は11日と韓国に次いで下から二番目の結果となり、消化日数は5日と最下位の結果でした。
(参考:フランス、スペイン、ブラジルは支給、消化とも30日)

ロイターによる調査(2010年発表)で、有給休暇を使い切る労働者の割合を調査した所、調査対象となった24カ国中、日本は最下位の結果でした。

有給休暇を取得しない一方、日本人の多くは、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆休みの時期など、会社の休業期、国民の祝日を利用して長期休暇を取得することから、取得時期が集中する傾向があります。

この20年間の実労働時間の減少(2100時間(80年代後半)→1728時間(2011))にも関わらず、長期休暇が取得できない状況は課題視されており、政府はハッピーマンデーの実施(2000年から)のほか、ゴールデンウィークの国内分散取得の提案を行なっています。


2:番組として(our aim)

番組では、これからの日本人の休暇を考えることで、日本社会のこれからを考えたいと思いました。
休暇は、日本人の働き方はもちろん、ワークライフバランス、経済活性化、国際協調、健康増進、地方活性化、社会資本の整備、観光政策など今後の日本の課題全般に広く影響するものと思われます。
お盆休み最中、オピニオンリーダーの皆さまからのご意見から、番組視聴者とともに、「これからの休暇」について考えたいと思います。

オピニオンリーダーへの問いかけ

※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:日本人は国際比較でも休暇を取らない傾向が浮き彫りになっていますが、
日本人の休みの取り方についてお聞きします。日本人は休み上手だと思いますか?
休み下手だと思いますか?
Q2:問1の回答理由を、日本人の有給休暇消化率が上がらない理由、背景についてどのようにお考えになるかも含めお聞かせください。
Q3:日本人が休まないことによる、デメリットはあると思いますか?
デメリットがあると思われる場合は、日本社会へのデメリット、個人への
デメリットなど具体的にお聞かせください。
Q4:今後の日本人の休暇のあり方について、提言をお聞かせください。
制度や政策、仕組みなどがあれば具体的なアイデアをお寄せください。
Q5:みなさんの夏休みについて、どんな場所に行ったか、どのように行き先を選んだかを、(予定も含め)お聞かせください。
休暇の中での発見、気づきなどもお聞かせいただければ幸いです。
(この問は、参考までにお聞きします。)

オピニオンリーダーの回答

( 33件 )
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1. 休み上手だと思う

小幡績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授
Q2. 「1 - 休み上手だと思う」の回答理由
日本人は良く休む
国民の祝日、祭日が多すぎて、そこで取ることが習慣になっているから。
国際交渉などをしていると、日本の方が圧倒的に休みが多いことに気づく。
Q3. あるとは思わない
良く休んでいるから。
Q4. コメントする
休暇とは旅行でも家族サービスでもない。

別の仕事、別のやるべきことをやる時間としても捉えられるように、戦略的な活用ができるようにしてほしい。

盆と正月があるのだから、ゴールデンウィークは必要ない。廃止。

まとまった休みでバカンスに行く必要もない。

GWがなくなって、各自、年に一回1週間、好きな時期に休みを取れるようにしたら良い
Q5. コメントする
どこにもいかない。
 
 
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター  心臓外科医
Q2. 「1 - 休み上手だと思う」の回答理由
国民全体が一時期に休暇を取る風習は一見間抜けにみえるが日本文化の真髄が具現化されたもの、つまり民族の祭典に他ならない!堅持すべきだ!
勤勉で誠実な大半の日本人はこの社会において何事についても、奸僚や悪徳政治家にいじめられながらも非常にうまく機能し、生息しているのではないか。海外で生活すると、消費者からすれば事業体の担当者が唐突に、day off で連絡が取れなかったり、長期休暇を取ったり、離職するのが当たり前が社会の常識、通念という環境は本当に住みにくい、というか相当程度の諦観がなければ一日たりとも生活できない。社会の全部が不親切で頼りない役所仕事で満たされた状態を想像すればいい。あるいはもっと酷い、まるで社会の全部があの教育委員会のような、不祥事の隠蔽以外、どんな仕事をやっているのか誰も知らない、全く当てにできない組織で切り盛りされている悲惨な状態を思い浮かべればよい。そんな社会は誰もが願い下げだ。そういった無作為を通り越して不正とも言うべき無責任を忌み嫌う、日本社会(ただし公務員社会は除く)の清潔さ、責任感、緻密さ、精緻さ、自己犠牲を美徳とする価値観、その結果として現象として現れる表面的な「鈍さ」「間抜けさ」には日本人の多くが実は「美徳」として誇りに感じていると思う。その典型が、この「休みの取り方」だ。ここに国民的な不文律というか、結果的にみんなで一緒に休みを取る、という現象だ。現にお盆と正月の社会の狂態を私の周囲のジンガイさん達はstupidではなくgreat!と驚きと憧憬をこめて賞賛する。つまり「休みの取り方が上手」か否か、ではなく日本文化の真髄の一現象として捉えるべきである。この原因は農耕民族故か、スンダランドで生活していたころの風習なのか、マンモス捕獲戦法の名残なのか、そういう不毛な議論はヒマな文化人にまかせるとして、とにかく全国民同時休暇の現象は国際金融市場でのブランクを生んだり、国家安全保障上の空白を造ったり(頼りない政府なら365日通年で空白期間?)、かつてのスマトラ島沖地震の情報収集や対応が年末休暇のせいで思い切り出遅れて大恥をかいた事件など、いろいろと不利な面や醜態も曝し、狂態、あるいは一見間抜けな風習にも思えるが、お年玉の「お正月休み」とうもろこしの「お盆休み」は国民それぞれの記憶にも毎年しっかりと刻まれる風物詩でもあり、家族、親子、兄弟が一堂に会する「民族の祭典」と言える。「祭典」は人間集団、社会形成の根源的要素であると、ダンテ、ニーチェ、ワグナー、サーリンズらは異口同音に説いている。ならば何が何でも堅持すべきではないか。あるいはヘーゲルの説く社会集団の一個の意思、つまり大他者を醸造する、あるいはその存在を無意識的に確認しあうこういった「祭典」はもはや国力なるものに他ならない。ところで教育委員会は普段はいつ仕事そしているのだろうか?ひょっとしたら一年のうち三日ぐらいしか仕事をしていないのか、と思っていたらニュースを見て驚いたがその三日がちょうどお盆のころだったのか。それとも365日、休みなしで文部科学省に命令され不祥事の隠蔽に忙殺されているのだろうか?
Q3. あるとは思わない
「休まず、遅れず、仕事せず」の公務員以外、民間企業、ジャーナリスト、その道のプロの「休まない」仕事ぶりは他の追従を許さない、日本にしかできない、日本の特質であり、特質であり差別化要素であり、伝家の宝刀に他ならない。
ところで世界は休んでいるかというと、プロは休まない。休んでいるように見えても、それは仕事の一部だ。プロは仕事とともに生きている。人一倍臆病でせこく、狡猾だ。いつもいつも心配ばかりしている。それが「仕事をしている」ということだ。無理やりいやいや働かされているプロでない人や公務員、電力会社やメディアに生息する社畜の皆さんは事情はずいぶんと違うだろう。だからこの設問はプロかどうか、という区別で考えるべきだ。
研修医の頃、お盆や年末年始は市中の病院に当直のバイトをフルにやっていた。経験が積めて勉強になる。いろいろな患者さんとの出会いがある(そういった時期は一層、社会の深ーいドラマに接するチャンスが多い。実際その時に経験したエピソードを日本テレビの「深いい話」でご紹介いただいた)。さらにはバイト代も平常時の5割増しだった。そもそも医療は休まない。「休まない」医療の現場で働けて本当に良かったと思う。今でもそうだが、休みのときでも夜中の一時でも、病院のICUに電話するとスタッフがしっかりと応対してくれる。それでこちらが安眠できる。医療職は「休みがない」という点で本当にありがたい。ところが会社員だと常時臨戦態勢のプロであっても盆暮れは会社は閉っている。いまどきインテリジェンス・ビルだから侵入しようとすると不審者として逮捕される。ただし繰り返すが、無理やり活動をフリーズさせられる職種の人たちは気の毒に思う。ただしこれは使役労働、つまり無理やりやらされている仕事だと話は違うだろう。おもしろい!これが天職だ!やるぞー!という人には一日は24時間で足りないし、一年も365日で足りないし、人生も短すぎる。プロの仕事とはそういうものだ。
Q4. コメントする
休暇はformalに仕事が休みになる期間であって、restではない。これは世界共通の認識だ。
take a holidayはtake a rest ではない。
繰り返すが日本人の5月の連休、盆暮れ休暇は民族の祭典である。日本人である幸福を享受する行事に他ならないのであるから、今後はその点をもっと強調し、できれば優遇されるべきだ。例えば5月の連休も含めて、交通費も宿泊代も特別料金になってしまうのだか、それを法律で禁止してそういう休みにはもっともっと国民全体で休暇を満喫すると言うか、祭典を盛り上げるようにすればいい(病院の当直代も平常時と同じにすべきだ!もはや支払う側になった立場としては・・・)。
ところでこどもがいる親にとって、5月の連休やお盆、年末年始はどえらく重労働だ。5月5日のこどもの日に「こども国」や「ずーらしあ」に行く壮挙というべき大偉業を多くの国民は毎年成し遂げている。オールブラックスのフォワード陣にボールを持って突入していくようなものだ。休みのチャンスをこういった苦行に率先して費やし、そういった自分を賞賛する精神構造、価値観は、各地域の伝統的「祭り」に多くの住民が著しく膨大なエネルギーを費やす現象と同様、生産的であり、人々の魂の赴くままの行動と言える。
日本人に限らず、人間に何もしないでいられる刹那はない。誰しもが何かを目的として、人生の瞬間瞬間を過ごしている。そして忙しいからこそ、しっかり休める。まさに「忙中閑あり」である。
それにしてもこのお盆の時期に国民全体で先の大戦や無差別大量破壊壁の惨事を思い起こし、未来の民族の発展を祈念する行事が行われると言うめぐり合わせが我が民族にはある。まさに神機というべきか。
Q5. コメントする
札幌で手術をさせていただいた機会を利用して、そのまま札幌に数日居座った。
あの旭山動物園にも行った。すばらしかった。言われているように、ビジネス的にも大きな発見があった。アイデアと熱意で世の中は動く、を実証した事業体としての成功例だ。
ただどの動物よりも、やっぱりネコの方が圧倒的にずっとかわいいことをあらためて発見した。
空港で売られていたとうもろこしは300円近くするのに(ブランド品?)、市内のスーパーでは130円で、新鮮でおいしかった。
これはウィーンのモーツァルトの絵がらの丸いチョコレートと同じ現象だと思った。
みやげ物は現地のスーパーで買うに越したことはない、ということを確信した。
また、長友の動きが異常に素晴らしかった。
 
 
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2. どちらかと言えば、休み上手だと思う

長田渚左
スポーツジャーナリスト
Q2. 「2 - どちらかと言えば、休み上手だと思う」の回答理由
今の時代、雇用についての不安感もあり、上司や同僚の中での自分の立ち位置を
気にする傾向がとても強い。休みにくい背景がある。
常に空気を読み、浅い呼吸で生きている感じ。
Q3. あると思う
休むことでリフレッシュして、いつも使っている脳を休ませることで、新しい
アイディアやイメージを仕事に活用できるはず。
ただし、休む経験をしていないと休み方がよく分からず、ボーっとしてしまう  
ばかりで、気分転換にならない人も少なくない気もする。
ONとOFFの切り替えのよく分からない人もいるようだ。
Q4. コメントする
まったく普段と異なることをしてリラックスするのには、実は休み体験、
休み経験がモノを言う。
例えば、今の時代でトップアスリートは休むために水泳をして全身を
リフレッシュし、疲労を取る。つまりアクティブ休暇を取ることが大切。
休んでも疲労してしまうことは本末転倒。
Q5. コメントする
普段読めない本を好きな時間に好きな所で、寝食を忘れて読む。
 
 
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3. どちらかと言えば、休み下手だと思う

浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「3 - どちらかと言えば、休み下手だと思う」の回答理由
合理的で効率的な働き方よりも、情緒的な仲間意識重視?みんなが休む時は休むが、みんなが休んでいないときは自分だけが休み時に罪悪感を感じてしまう空気。近時の特徴として、正社員が貴重なポジションになってきており、そのために正社員の地位を守ろうとするための防御意識も。
最近は多少は良くなっている職場も増えているかと思うが、会社への忠誠心を示すための「つきあい」などのために休みにくいことが多い。合理的で効率的な働き方よりも、情緒的な仲間意識重視ということか。

このため、みんなが休む時は休むが、みんなが休んでいないときは自分だけが休み時に罪悪感を感じてしまうような空気がある。

近時の特徴として、正社員が貴重なポジションになってきており、そのために正社員の地位を守ろうとするための防御意識もあるのではないか。
Q3. あると思う
職場でのデメリット(個人のデメリット含む)
 仕事の非効率性を温存する危険性
 惰性による仕事の蔓延
 
社会へのデメリット
 休みのときは観光地の人口集中で、交通渋滞などで環境破壊
Q4. コメントする
従業員の自主的な休暇取得を促すだけでは困難。経営者や職場の上司が、仕事の効率を高めることと併せて、休暇を効率的・効果的にとるように仕向けることが必要。

大きな組織では、ある程度まとまった長期休暇の制度を設けることで、交代して休めるような職場が良い職場であるといったようなことも指標で示されると、外部から評価がしやすい。組織の不正防止ないしチェックのためにそのような制度を取り入れているケースもあり、一定の地位以上の管理職の場合には、そのような仕組みと休暇推進政策を併せて考えれば一石何鳥かになるだろう。
Q5. コメントする
自営業者、自由業は、休みにくい。毎日でも休めるが、結局、仕事がたまると働いてしまう。休みも短めで旅行も近場になりがち。
 
 
岩渕美克
日本大学法学部教授
Q2. 「3 - どちらかと言えば、休み下手だと思う」の回答理由
 休日の有効利用を考える際に、有給休暇消化率は一つのアプローチになるではあろうが、仮に有給休暇を取ることが有効な休暇の利用につながるわけではない。子供がいる場合など、学校教育の問題や広くライフサイクルを含めたことを考え直さなくてはならない。
ざっくりとした質問なので、それぞれのライフサイクルを考慮して検討する必要があろうかと思う。たとえば、自分個人の勝手な意見を言わせてもらえば、それはもっと有効に休暇を利用することもできるだろう。しかしながら、子供がいる場合などを考えれば、学校や受験ということも考慮に入れなければ意味がない。親が勝手に休みを取り、学校を休ませることも一案であろうが、現実では難しいと言わざるを得ない。すなわち、根本的に日本のライフサイクル自体を変革していかなくては、この問題の解決には向かわないのではないか。もちろん、こうした考え自体が保守的で現状肯定型の意見になってしまっているという批判をうけるであろうが。
 その意味で、単純に企業や労働の問題としてとらえるのではなく、もっと大きな文化的な素養も考えなくては意味がないのではないか。諸外国と単純に労働時間などを比べるのは意味がない。まずは労働環境の問題として捉え、その上で、ライフサイクルや文化というアプローチはあるかもしれない。サービス残業や休日出勤といった労働環境が有給休暇消化率が上がらない原因であるが、それらを解決したところで、有意義な休暇を過ごすということにはならないのではないかということを言いたい。
 夏休みなどに旅行が集中することは、子供がいる世帯の場合、労働よりも子供の休みの影響が大きいので、有給休暇などからは判断できない。
Q3. あるとは思わない
 上手に休暇を使うことと、休日をたっぷりとること、すなわちたとえば労働時間の減少がイコールとは思えない。よく言われることであるが、忙しい人ほど休み方が上手であるというのは事実であるだろう。
もちろん、肉体、精神を含めた健康に害を及ばす程の労働を意味しているわけではないが、それは極端な例であって、休まないというのも程度問題である。諸外国と比べることがそれほど意味があるとは思えない。昨年、内閣府の青年国際交流事業で、若者を連れてドミニカ共和国に派遣されたが、ドミニカ人は勤勉とは程遠い人たちであるとの印象を受けた。階級がはっきりしているため、温暖な気候で生きることにはあまり不自由ではないためなのかはわからないが、たっぷり休んでいる人たちが多い。こうした現実を目の当たりにすると、程度問題であるとしても、休むことがいいことであるとは言い切れないのではなかろうか、と感じる。
Q4. コメントする
 特に提言はありませんが、有給休暇を必要としている人にとって、声を上げずらい職場環境があるとすれば問題であることは間違いない。現状でも、これらについては、権利として認められているが、義務化することが必要だろう。義務の違反企業には罰則を科したところで、自発的な出勤であるとする風潮がある以上、解決策にはならない。
 ひるがえって、学校教育自体をもう少し自由化することも一案かもしれない。学校は毎日行き、授業はすべて受けなくてはならないとするのが、義務教育の基本的な形態である。それはそれで必要な部分もあるが、こうした考えが幼少期に植え付けられることにより、会社等のフレックスタイムもなかなか進まない現状を生み出している。このことは大学になると自由になるので勉強しなくなることと同義であろう。
 義務教育の制度、勉強をすることの意味を柔軟に考えるようにすることも必要なのではないか。
Q5. コメントする
 少子化に抵抗する我が家は、息子達の部活と受験生である娘の夏期講習の日程が合わず、私はどちらかの場合に家に残ることになり、今のところ休みという意味で出かけてはいません。今後も出かけられる可能性はありません。近場に行くだけです。
 ただ、そのことが休暇をうまく使わないことになるかどうかはわかりません。仕事の関係で、休み以外で国内や海外へは出かけますが、それはそれで疲れると共にリフレッシュする部分もないわけではないからです。何を持って労働時間とするかが難しい大学教員の場合、講義や会議などの時間数は非常に少なく、その意味では十分に休んでいる職業ともいえるかもしれませんので、解答するのにふさわしくないかもしれません。
 
 
坂野尚子
株式会社ノンストレス社長
Q2. 「3 - どちらかと言えば、休み下手だと思う」の回答理由
一時間あたりの生産性を上げていくという発想でいえば、時間より結果で、休みでリフレッシュし、新たな生産性をあげたほうが良いのだが、どうしてもまわりに遠慮してお休みをとることを遠慮する傾向がいまだにある。つまり、横並び的な意識、および、休みをとることへの罪悪感があるということ。トップ自ら休みを増やし、従業員に有給を消化してもらうことを心がけたいと思う。
Q3. あると思う
新しい価値感の創造、豊かな人生の創造、が得られない。
Q4. コメントする
有給消化を促進している会社を一つのベンチマークにする。
消費を増進するためにも休暇をとり、また、新たな日本社会の創造のためにも豊かな人間性を構築していく。
Q5. コメントする
日本と東南アジアのスパリゾートを視察しました。新たな気付きがありました。
 
 
朴斗鎮
コリア国際研究所所長
Q2. 「3 - どちらかと言えば、休み下手だと思う」の回答理由
有給休暇の消化率が低いのは、個人の問題と言うよりは、社会の習慣や風潮の問題、制度の問題が大きく関係しているのではないかと思う。
日本社会は、欧米に比べると「周囲に合わせる」風潮が根強く残っている。「権利」を与えられても、「自己」を押さえ「我慢」することが「美徳」であり、それが「和」をもたらすと考えている傾向があるようだ。また、はっきりと権利主張する人を「自我の強い人」としてあまり「評価」しない傾向もある。こうした風潮も「有給休暇」をとりにくくしている要因ではなかろうか。
また「有給休暇」が制度的に確立しているとはいえ、「会社」が積極的に「有給休暇」を勧めているという話もあまり聞かない。会社の都合に合わせるのが「優秀な社員」で「できた人物」との認識も一部には残っている。
こうしたことを勘案した場合、「有給休暇」を個人に任せないで、「ゴールデンウイーク」や「盆休み」、「正月休み」のように一部「制度化」して、気がねなく「権利行使できるように」する必要もあるのではないだろうか。もちろんこの場合、一度に同じ時期に休むことには弊害が多い。「地域分散型」や「季節分散型」など休暇を分散する「ホリデイシェア方式」が必要となるだろう。
随分前に、ヨローロッパの友人から聞いた話だが、ヨーロッパの人たちは勤務時間以外は自分の時間と割り切っているという。よっぽどでないと会社の「都合」を優先させることはないらしい。また休暇も長く取るので、バカンス前に区切りをつけようとする「働きぶり」は半端ではないとのことである。日本でもこうした「ケジメ」をつけて働くスタイルを学ぶ必要があるのではないだろうか。
ただ「有給休暇」についての議論は、そういった議論すら出来ない人たちが大勢いるということも配慮したうえで行なう必要があると思う。
Q3. あると思う
少子高齢化や、経済成長の低位平準化など日本社会の構造が大きく変化する中で、物質的豊かさや、効率だけを求める生活スタイルは変えていく必要があるだろう。未開発の有効需要(人々の新しい消費スタイル)を掘り起こし、新たなアイデアや人間の潜在的能力(潜在的生産力)を引き出すためにも「休暇」は必須だ。
個人のパワーも、余暇を楽しみながら、家族をはじめとしたさまざまなコミニティとのつながりの中から生まれる。そのパワーを充電するためにもある程度の「時間的余裕」と「場」が必要だ。今問題になっている「いじめ問題」も、家族の「絆」が強ければ早期に発見し対処できることもあるだろう。健康面においてもその「大敵」はストレスだ。ストレスを溜めないためにも休暇は必要だ。
そういった意味で、有意義な「休暇」は、個人にとっても「社会」にとっても力の源泉となる。こうした「メリット」の反対が「休まない」ことのデメリットだ。「忙しい」は「心を亡くす」に通じることが多い。休まないで働くことは一見生産的に見えるが、実際はデメリットの方が多い。
Q4. コメントを控える
Q5. コメントする
今年の夏休みは、「戦争」についてのビデオを見まくった。そして「戦争は人間が人間の尊厳を踏みにじる最も悲惨な行為」と改めて痛感した。叡智をふりしぼって人類が「戦争」からの解放を勝ち取らない限り、その未来は暗いと思う。そればかりか「人類滅亡」という究極的悪結果もありうる。人類の未来を永遠に輝かせるのも人間だが、その幕を閉じさせるのも人間だと思う。
こうした「充電」も「夏休み」があってこそ出来るのではないだろうか。
 
 
稲増龍夫
法政大学教授
Q2. 「3 - どちらかと言えば、休み下手だと思う」の回答理由
企業間、社員間の競争意識が過剰な日本においては、特に「上」が率先して休むようにしないと有給休暇消化日数はあがらないだろう。そのためには、仕事に時間をかけることが美徳であるという常識を破り、いい意味での「成果主義」が必要になってくる。
いい意味での「成果主義」が少しは浸透してきて、若者を中心に、だらだらと無駄に時間をかけることが美徳ではなく、効率よく仕事をして休む時はきっちり休むことが認められるようになってきたことは望ましいと思う。ただ、企業間や同僚間の競争意識が強い日本では、まずは「上」が率先して意識改革をしていかないと有給休暇消化日数もあがらないのではと思う。
Q3. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
企業の生産性という側面ではデメリットがあるかもしれないが、いつまでも生産性にこだわる限り、低賃金の開発途上国に負けるだろう。むしろ、より付加価値の高いクリエイティブなセンスを磨くために、休みを取ってリフレッシュすることが必要になってくるかもしれない。その意味で、「休むこと」は短期的にはデメリットでも、新たな次元に飛躍するためには、ライフスタイルの改革が必要になってくるだろう。
Q4. コメントを控える
Q5. コメントする
ちょうど3週間ほどスペインを中心にヨーロッパをまわって帰国したばかりだが、あえてPCも切断して音信不通状態にしておいたら、その事後処理にえらく時間がかかり、何のためのバカンスだったのかと、苦笑している。しかし、自由な時間がさまざまな研究のアイデアを刺激してくれて、きわめて有意義であったと思っている。
 
 
常見陽平
千葉商科大学国際教養学部専任講師
Q2. 「3 - どちらかと言えば、休み下手だと思う」の回答理由
正社員に求める力の高度化が原因
職場の劣化、軋む社会を直視せよ
残業抑制、有給取得推進の茶番に気づけ
この手の話は、ついつい国民性など精神論になりがちである。
最近まで15年間、サラリーマンをしていた立場で現実的な話をすることにしよう。
大企業2社(在籍中にさらに出向先1社)、ベンチャー企業1社を経験したが、まともに有給をとったことはほぼなかった。
正社員に任される仕事が高度化し、責任が増す時代である。
有給休暇消化率が上がらないのも、要するに有給を取りづらい状態、取っても得しない状態だったことが問題である。
有給をとるためには、そのために残業をしなければいけないという悪循環。
なお、メーカーなどを中心に有給取得をノルマ化する動きなどがあるが、その分、前後の残業が増えてしまう構造があることを指摘しておく。
思えば、有給をとって旅行に出かける際は、いつも徹夜。旅先にもノートPCを持参しなければいけない始末だった。
休みを楽しむために、家族もその日に休まなければいけないので、調整は困難である。
休みづらい社会と会社になっていること、休んでも得しないと思われている状態を直視するべき。
Q3. あると思う
健康管理のためにも休むべきだ
個人への業務の集中は不正防止という観点からも避けるべき
また、業務外の学習、経験を積むことができるという点も大きい
ワークライフバランスの推進のためにも大事である
特に、少子高齢化に歯止めをかけるためにも、年頃(という言葉もやや暴力的ではあるが)の男女が休みづらい社会は問題である。
Q4. コメントする
やや暴論も含めて言うが
夏休み、冬休み以外の長期休暇を年に2回マストにするべし。
平日休みを観光業界などをあげて、取り組むべし。
会社が大好きなので、家族も含めた社員旅行を推進するべし。
「トリスを飲んでハワイに行こう」ではないが、企業はキャンペーンのプレゼンを旅行にするべし。
ワークライフバランスに関する講座を高校、大学で推奨するべし。
社内に休暇推進隊長を置き、休みの取得を指導するべき。

旅行代理店、宿泊予約サイト、クーポンサイトを使うと、実はレジャーは安いということに気づくべき。
Q5. コメントする
現在、約2ヶ月の休暇を満喫中。フリーランスだからできるというのもあるが。
結局、仕事はしているが、スローダウン中。

北海道への帰省、東北へのボランティア、沖縄や韓国、中国への旅行
尖閣問題の件もあるので、石垣島あたりに行って現地の声を聞く予定

時間があれば祖父母が住んでいたサハリンを視察する予定

その他、夏フェス、都内へのライブに通う、都内食べ歩きなどを満喫中。

いつもよりも読書、英語の勉強に時間をかけている。

いかにも金持ちだと思われるかもしれないが、マイレージ、宿泊予約サイト、クーポンサイトなどを活用して安くあげている。

大統領のように働き、王様のように遊ぶ中年がもっといてもいいではないか。
 
 
岸本裕紀子
エッセイスト,政治コラムニスト
Q2. 「3 - どちらかと言えば、休み下手だと思う」の回答理由
正月休みやゴールデンウイークなど、みんなが休みをとっているときに自分も休むというのはいいが、職場の同僚が忙しくしているときに自分だけ休むということに、まだ罪悪感というか、申し訳なさを感じているかもしれないことが一つ。人事評価に影響すると感じている人もいると思う。
仕事が終わってからの飲み会などでオンとオフの切り替えができ、休みへの要求が下がっていることが二つ目。
そして、長い休みに何をしたらいいかわからないことが三つめだ。
日本人の長い休暇の使い方は、旅行か、家でゆっくりの二つの過ごし方が大半である。
それに対して、例えばアメリカ人は2週間あれば、自分たちで壁を塗り替えるなど家を直す、子供をキャンプに預けて、夫婦で大学のサマースクールに通う、ボランティアに行く、など選択肢が豊富なように感じる。
Q3. あるとは思わない
本当に休みが必要な人が休めないのは大変問題だが、大方の日本人は、そこそこ休んで仕事とのバランスをとっているように思う。
Q4. コメントする
私が子供のころに比べて、国民の休日は増えたが、それによって消費が盛り上がったとか、休みの取り方が上手になったとは思えない。
振替休日として月曜日の休みが増えたが、大学では、曜日ごとの講義数を同じにするために、あえて、休日の月曜日に講義をするなどして、変な感じである。
ゴールデンウイークを二つに分ける案は、いいとは思えないし、計画されている秋の長い休みも、9月の新学期などとは整合性がとれないだろう。
Q5. コメントを控える
 
 
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4. 休み下手だと思う

飯田泰之
明治大学政治経済学部准教授
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
「休まない=働いている」ではない
■「休まない=働いている」ではない

休まないといっても必死に働いているというわけでもない.職場での同調圧力が強く,自分だけが休むという選択をしづらい空気が支配的であることが大きな問題だろう.だからみんなが休むと決めた日にしか休まない

さらに近年の雇用情勢の悪化は自分への評価を下げたくないという思いを強めることから悪い意味での同調圧力は強まっているのではないだろうか.
Q3. あると思う
■強すぎる同調圧力は「生きづらさ」につながる

休まないことよりも「休むという選択をとれない状況」が大きなデメリットであろう.体力や気持ちの限界に近づいても尚休養できない状況で働き続けるのは精神的なダメージが大きい.日本人の肉体・精神的な健康を保つためにもっと休みやすい環境を作らなければならない.

休日の増加によるレジャー産業の振興を期待する向きもあるが,勤労者所得が伸び悩む現状ではそれほど大きな影響はない様に感じる.休みがないからレジャーに行けないことよりも,金がないからレジャーに行けないという人が多いのではないか.
Q4. コメントする
■休まない囚人のジレンマ
同時休暇でしか休まないという日本人の働き方は,勤勉さの証でもなければ,もっと稼ぎたいという経済的な動機によるモノでもない.「他の人が休暇を取らないからとらない/とれない」と全員が思っているという囚人のジレンマ状況なのではないだろうか
■有休買い取り価格の規制
有休の買い取り価格を標準報酬の倍額以上と規制することで,経営側が積極的に休暇を「取らせる」ようにしむけることができる.多くの人が休むというカルチャーになれば,休みたくないので休まないわけではないので,より多くの有休消化が行われるだろう

■休日の地域分散化
G.W.の地域別設定は有効な政策と思われる.また,官公庁・学校が率先して秋休みを設定するのもよいのではないだろうか
Q5. コメントする
■僕の夏休み
今週は,昨日赤坂・明後日六本木・土曜日はお台場です
先週は国会に行きました
というわけで僕の夏のテーマは東京観光名所です
渋谷と汐留と天王洲にもいきたいな

さて今日はそろそろサンシャインに行きます。。。打ち合わせに
 
 
伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
だらだら現場に居てアリバイのように給料を貰うことに慣れている面はないか?
だらだらと現場にただ居るだけでアリバイのように給料を貰うことに、あまりに慣れすぎているのではないか? 仕事にメリハリがない日本人のダメな実態を如実に示しているようにおもう。
Q3. あると思う
欧州では3週間4週間という長い休みを取るかわり、その人でなければ、という仕事をぴしっとする人を多数知る。振り返って日本人はどうか?仕事はルーチン化しメリハリというより顔に目鼻のない担当が率直に非常に多い。はっきり思うことを書けば、休みを取れない、あるいは取ることを恐れるような日本人のメンタリティ全体を20-30年かけて爆破してゆかなければ、この国はダメなんじゃないか?と個人的には思っています。
Q4. コメントする
自分の仕事に確固たるものがある人は、きっちり休むしきっちり働く。それが(とりわけ欧州など、ヴァカンスなどを前提とする社会での)大人ということではないかと思う。日本社会全体が、そういう意味で大人になることを期待したい。
Q5. コメントする
18歳のとき、ひと夏ドイツにホームステイした。初めてバイロイト祝祭劇場を経験したのもそのときだった。今の私のすべては、このあたりに直接の原点がある。モーツァルトは「音楽家は旅をしなければだめです」と手紙に書いたけれど、音楽家のみならず、人生に飛躍や飛翔があるとしたら、それは休みと旅がきっかけになることが、大半だと思う。
 
 
山田秀雄
弁護士
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
日本が今日まで世界のなかで経済的優位を保ってきたのは是非は別として明治以来、「坂の上の雲」を目指し働きに働いた先人の努力が根底にある。恐らく余暇を楽しむ発想はなかったのではないか。江戸時代の方が生活を楽しんでいたと思う。従って現代日本人の大半の感覚に、未だに休むことに対する抵抗感があると推測する。遊ぶため、楽しむために働くというラテン系の発想は近時、若い世代にふえてきたが全体の少数派だろう。休む事、遊ぶ事が人間の本質にあるホモルーデンスという視点が日本には乏しい
Q3. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
国のあり方、個人の人生観に深く関わるテーマで一概にメリット、ディメリットは決められない。ラテンの人たちからみると以前の日本人は働き蜂で人生を楽しんでいない気の毒な国民だったかもしれない。しかし遊びだしたら経済力は落ち目になり休暇を沢山取る余裕はなくなったのでは?アメリカでもヨーロッパでもトップクラスは猛烈に働く。そして消費する。働く分だけ稼ぎあとはあまり金をかけずに人生を楽しむ人が増え国の方向がそれと一致すれば休む事、休暇の取り方も上手になるだろう。
Q4. コメントする
国民性、個人の価値観次第である。ただ成熟した日本の状況を考えるとヨーロッパ型の長期休暇を安く過ごせる方向に向かうと思う。そのためには分散休暇で混雑回避、低価格のレジャーが必要である。
Q5. コメントする
残念ながら連続した休みは仕事の関係で取れず、細切れに何度か国内旅行と家で読書をした程度。オリンビックは楽しめた。
 
 
森信茂樹
中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
夏季休業は会社単位でとる。
自分が休暇を取っている間、会社でほかの人が働いていると、おちつかず自分がいなくて大丈夫かという気持ちになりがち。そこで、思い切って会社は夏季休業として全員が1週間以上連続して休めるようにすべきではないか。取引先との関係が懸念されるが、休暇とはこんなものかと次第に慣れていくしかない。ニワトリと卵の関係を断ち切ってまず会社を夏季休業することが必要ではないか。
Q3. あると思う
本格的な家族型レジャー産業が育たない。

私自身は8年間の海外勤務で、夏休みはかならず2週間以上とったが、欧米には、3食付きの格安の滞在型バカンスプランが数多くあり、手軽に利用できた。なぜか日本にはそのようなプランは少ない。
Q4. コメントする
「会社は君が思うほど君を必要としていない」ということを念頭に、休暇を取る。

また、地域別分散休暇などアイデアが出ると、さまざまな懸念や問題点が指摘され、結局何も決まらず変わらない、という日本型の意思決定の典型でこれまで進んできた。
「実験的に導入してみる」という姿勢が重要。
Q5. コメントする
9日間、長期滞在型休暇。
 
 
坂東眞理子
昭和女子大学理事長
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
休んでもぜひしたい、ぜひ行きたいと思うことがないから。仕事も一生懸命していないのでそれほど疲れないので、週休2日で十分とおもっている。
Q3. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
それほど目に見えるデメリットはないガ、休暇が取れる職業と、働きずくめの職業の2極化が進んでいる。
働きずくめの人たちは、疲弊して行く。
Q4. コメントする
おそらく強制的に休ませないと休まないであろうから、オーストラリアで行っているように、学校の休暇を県によってずらすと日本全体では分散する。
皆勤章のような制度をやめる。
Q5. コメントする
ベトナム。私が寄付した小学校の開校式に出席する。
 
 
山田昌弘
中央大学教授
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
日本では、家族、特に夫婦で長期間バカンスを楽しむことができない。なぜなら、夫婦共通の趣味がないからである。
1.家族社会学者として、日本では、家族、特に夫婦で長期間バカンスを楽しむという習慣がない。なぜなら、夫婦で一緒にレジャーを楽しむことができない。特に、40代以上は、夫婦で別の趣味、たとえば、男性はゴルフ、女性は観劇など別々のレジャーを楽しむ傾向が強い。長期間とって夫婦二人でいても、退屈するだけである。
ただ、若い世代では、夫婦共通の趣味を持つ割合が高いので、需要は高くなっている。ただ、若い世代はお金が足りず、や子育てで忙しく余裕がない。
2.横並び意識。社内の同僚や上司がお互いに気を遣って、自分だけ長期間の休みを取りにくい雰囲気がある。これは、長期に取るのが当たり前になれば解消すると思われる。
Q3. あると思う
1.日本社会へのデメリット。
 旅行や文化活動などの内需が増えない。旅行や文化活動は、資源をあまり消費しない「消費」の姿である。これらかの日本の経済は、人々が快適なサービス消費にどれだけお金を使うかにかかってくる。
2.個人へのデメリット
 休日に、異質なものに触れるという経験が、個人の仕事能力を高める。
Q4. コメントする
1.やはり、夫婦二人でレジャーを楽しむという習慣をつけるしかない。さまざまなケースを例示して示す必要があるのでは。夫婦でゴルフ、夫婦で観劇しながら旅行、夫婦でサッカーの応援ツアーなど。男性と女性の趣味の歩み寄りが必要。
2.強制的に長期休暇取得を義務づける事が必要。
Q5. コメントする
(娘と短期間海外旅行)
 
 
熊谷亮丸
大和総研チーフエコノミスト
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
業務の成果を定量的に評価する仕組みになっていなので、労働時間が長いことを「働いているアリバイ」として提示する風潮が蔓延している。業務の効率が悪いこと、雇用の保蔵を目的とした無駄な仕事が多いこと、企業内で人員の適正な配分が行われていないこと、なども大きな問題である
Q3. あるとは思わない
個人には、ワークライフバランスの喪失、健康状態の悪化などの悪影響がある。日本社会全体で見ても、観光産業の振興を妨げることに加え、わが国の労働生産性低迷の構造的な要因になっている。
Q4. コメントする
地域ごとに祝日をずらす仕組みなどを導入すれば、一定の経済効果が期待できる。ただし、より本質的には、わが国の社会主義的な経済・社会構造全体にかかわる根深い問題である。コーポレートガバナンスの強化や産業構造の抜本的な変革などを断行しない限り、容易には解消しないだろう。
Q5. コメントを控える
 
 
古市憲寿
東京大学大学院総合文化研究科博士課程
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
・労働基準法の無理解。有給休暇は、デートであろうが、理由が何であれ労働者に認められた権利。権利意識が、働くほうにも、経営者にもなさすぎる。
・業務の切り分けが曖昧で「チームプレーせざるを得ない」職場の多さ。担当する業務を明確化できていないか、誰かが有給をとることが、職場全体への迷惑になってしまう。
・小学校の頃から、休むのに理由が必要だと思っている。別に、「休みたいから休む」「行きたくないから行きたくない」で構わない。
Q3. あると思う
・仕事しか知らなかった人間が、仕事をやめた後の悲劇。いま団塊の世代の男性が直面していることだが、会社における上司と部下とのコミュニケーションの取り方しか知らなかった人たちが、いきなり地域に放り出されても、すぐには馴染めない。
・十分な休養をせずに、疲れている社員を雇うのは、企業からしたら無駄以外の何物でもない。
・有給も取らずに、会社で仕事ばっかりしている人は、かっこわるい。
Q4. コメントする
・年次有給休暇の未消化分を、企業の負債として計上する。
・有給取得率の公表を企業に義務づける。(クールビズがそうだったように、上からの呼びかけじゃないと動かない日本企業の残念な慣習を利用する。)
・有給も取らず、がむしゃらに働いてきた人たちの実例を紹介する。(いい例も、悪い例も。)
Q5. コメントする
・別に一年中夏休みみたいなものだが、7月はポーランド、ドイツ、イタリアに10日間、上海に4日間行ってきた。上海は羽田から3時間かからずに行ける。すっかり成熟してしまった東京と違い、行くたびに街が変わっていることがわかる上海。経済成長ってこういうことなんだ、ということが肌で感じられる。
 
 
夏野剛
慶応義塾大学特別招聘教授
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
日本企業では長く新卒一括採用、年功序列、終身雇用という制度が続いている。結果として、能力や業績よりも組織への忠誠や上司・同僚の評判が昇進に直結することになり、従業員は互いに牽制しあって休暇を積極的に取得しようとはしない。会社が一生面倒を見てくれる時代は終わってしまったのだが、従業員の相互牽制という悪習は残り続ける。
Q3. あると思う
休まないことで全体効率が上がっているとは思えない。むしろ休まないことで、代わりの人間に仕事が奪われないようにし、タコツボ的な仕事の仕方になっている可能性が高い。適材適所を阻害し企業の力を落とすばかりか、社会的にもワークシェアリングが進まず、日本のホワイトカラーの効率は低いままとなる。
Q4. コメントする
短期的には、政府が大企業での有休取得の義務付けを行うべき。同様の施策で大企業のサービス残業は大分減った。もちろん中小企業はそのまま右へ倣えとはいかないが、大企業がそのようになることで経営者のムードは変わる。
長期的には、もっと雇用の流動化を推し進め、企業単位の雇用維持ではなく、社会全体での雇用維持に考え方を改めるべき。環境変化が激しい昨今、社会全体での適材適所を推し進めることが日本の競争力を上げる。企業内失業者の存在などは、企業の効率ばかりか社会の効率を落とす。
Q5. コメントする
土日も含め12日間アメリカを家族旅行した。国立公園二カ所を回り大自然を満喫した。
 
 
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
質素、倹約、勤勉を美徳とする日本社会では多忙な人が尊敬され、そうでない人が軽蔑される傾向は強い。これが長期休暇を取らせない根本的な理由となっている。
 日本では「多忙」な人を尊敬、あるいは羨望し、「暇」な人をどこか軽蔑する傾向があるように思われる。質素、倹約、勤勉を美徳としてきた日本社会ではやむを得ない風潮なのかもしれない。根本的にこのような社会的風潮が長期休暇を敬遠することに結び付いていると思われる。結果として、同僚よりも長い時間を職場で過ごすことになってしまう。リストラにおびえる今の社会ではこうした傾向がどうしても強まってしまう。
 確かに欧米社会でも概して、取締りなど役員は寸暇を惜しんで仕事をする傾向が強いが、それでも、オンとオフの区別は明確だ。休暇、バカンスのために働く層は厚い。
 職場の上司が普段から早く帰宅し、有給休暇を100%こなす姿勢が重要だろう。そうでないと、ほかの従業員が思い切って長期休暇を取れない。長期休暇を取得する上司が尊敬される社会的土壌を創り上げていくことが重要ではないか。
Q3. あると思う
 休暇、すなわち自分の時間を確保しないと、ストレスに縛られる日常生活を送ってしまうことになる。これが本人の健康状態を悪化させる。自らの健康、あるいは精神衛生上のために積極的に休暇を取ることが重要だろう。まずは体調が変調をきたしたときに有給休暇を取得することから始めてはどうか。
 休暇を取らない現状を放置しておくと、個人レベルでは発想が枯渇し、それがやがては日本社会の活力を削ぐことになってしまう。観光立国化も成し遂げられない。定年後になって初めてバカンスを楽しめる今の日本社会は世界でも異常であることを認識すべきだ。
Q4. コメントする
 有給休暇を100%こなさない人をペナルティの対象とすべきだろう。有給休暇を100%こなしたスタッフに経済的特典を付与すれば、少しは社会的風潮が改善されるかもしれない。
Q5. コメントする
 休暇中は普段よりも外食が多くなる。友人や家族と旅行に行くことも多い。自分だけの時間を確保して、普段ではできないまとまった執筆をするのに休暇は適している。当方にとって執筆活動は仕事ではなく、ストレス解消の手段である。仕事柄、学生と課外活動の合宿に同行することも多い。今年は長野県の菅平高原と福岡県の博多までそれぞれ違う部活の合宿に同行する。学生たちと接触することもストレスの解消に大いに役立つ。
 
 
永濱利廣
(株)第一生命経済研究所 経済調査部主席エコノミスト
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
有給休暇の消化日数と消化率で日本がワースト1位の調査結果からも休み下手は明白。
数々の調査結果から、有給休暇低消化率の理由は「人事評価への心配」「業務量過多・代替要員不足」「急用の為の備え」「休んでもすることがない」の4つに分類でき、構造的な問題であることが明らか。
有給休暇の消化日数と消化率で日本がワースト1位の調査結果からも休み下手は明白。
数々の調査結果から、有給休暇低消化率の理由は「人事評価への心配」「業務量過多・代替要員不足」「急用の為の備え」「休んでもすることがない」の4つに分類でき、構造的な問題であることが明らか。
Q3. あると思う
経済的な機会損失があるため。
政府の試算でも、有給休暇の完全取得で12兆円弱の経済活性化効果、150万人弱の雇用創出効果があるとしている。
事実、欧米では、有給休暇制度やレジャー・スポーツの振興等といった自由時間政策は、お金のかからない経済活性化政策の一つとして位置づけられている。
また、個人でも有給休暇を積極的に取得して労働以外の生きがいを考えておかなければ、退職後の生活に支障をきたす。
Q4. コメントする
・有給休暇取得の義務化や、有給休暇とは別の療養休暇の新設等により職場に休暇管理を徹底させ、計画的な有給休暇取得を促進。
・GWや独仏等で行われている学校休暇の分散およびシルバーウィークの創設、子供の出席扱い休暇の創設等により、家族旅行の分散化を促進。
・記念日休暇など新たな有給取得の提案やマクロ経済への波及効果のPRも必要。
Q5. コメントを控える
 
 
潮匡人
国際安全保障学者,拓殖大学客員教授
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
本来、祝祭日は休日ではない。日曜日も、欧米では「聖日」であって、単なる休日ではない。だからこそ欧米人は、休む時には休む、のであろう。日本人は以上の区別もつけない。加えて、上司や同僚の顔色を伺い、有給休暇の取得も遠慮する。とうてい休み上手とは言えない。(現役自衛官時代、私は有給休暇を完全消化。約20年前、まだ法制化されていなかった育児休暇を取得しました。日本の男性国家公務員としては、おそらく初めてでしょう。)
Q3. あると思う
観光業やレジャー産業へは直接的な打撃となっている。中国人観光客などに頼るのは本末転倒であろう。内需も冷え込み、景気にも悪影響が大きい。みなが特定の日に休むので、道路は渋滞、新幹線も満員、どこに行っても混雑しているうえ、「休日料金」を取られる。個人的にもストレスが溜まるだけだ。
Q4. コメントする
抜本的には、新卒一括採用、終身雇用の慣行から見直すべき。具体的にはテレワークなどの促進を図るべき。サマータイムや地域毎に休日を分けるなど、これまで提言されてきたプランを含め、官民を挙げて検討しなければ、現状は改善されないだろう。
Q5. コメントする
帰省した息子を含め、家族で食事したのが、「夏休み」らしい唯一の出来事でしょうか。
 
 
原田曜平
博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
周囲の目を過度に気にする風土があるためか、なかなか上手に休みを取ることが難
しいように思います。有給休暇取得率が上がらないのも、「他の人が働いているの
に自分が休むのは悪いこと」という価値観が根強いことが理由の一つだと思いま
す。「いや~、今年は有休を一日も取れなかったよ~」などという会話が自慢話と
して語られる機会もよく目にします。休暇に対する考え方においては昭和的日本企
業風土の良くない側面がまだ残っている、ということかも知れません。
Q3. あると思う
同じ環境、同じデスクの前で毎日考え続けても、イノベイティブな発想は生まれに
くいと思います。こうした閉塞した時代だからこそ、発想の転換のために、日常か
ら離れるチャンスとして、効果的な休みが活用されるべきだと思います。
Q4. コメントする
個人的な意見で恐縮ですが、私自身は休みを「オフ」ととらえる発想をやめるよう
にしています。人間は、インプットがなければ、アウトプットがないわけですか
ら、休みは「インプットの機会」ととらえています。休みを単なる「オフ」ととら
えると、特に目的もなく人気観光地を訪れダラダラと過ごしてしまうかもしれませ
んが、「インプットの機会」ととらえれば、自分の関心や追っているテーマに関連
した土地に旅行するなど新しい刺激を受け取るチャンスとして活用できるように思
います。

有休の話ではありませんが、海外の有名企業なども、このような発想を従業員の教
育に取り入れていると聞きます。午後4時には仕事を終了させ、その後は自分の英語
の勉強などに使わせる。かなりドラスティックな制度だとは思いますが、日本企業
も有休という制度の在り方を考えるにあたって、学ぶべきことも多いのではないで
しょうか。極端なアイデアですが、例えば、有休を必ず消化することを義務にする
一方、そこで発想したこと、学んだことなどをレポーティングさせ、社内で共有さ
せるなどの制度を設けることも有効なやり方かも知れません。
Q5. コメントする
今年の夏休み時期は出張でミャンマーに来ています。まだほとんどの日本企業が進
出してないミャンマー市場を先んじて知ることで、多くの日本企業の進出やマーケ
ティングをサポートしていくためです。私の場合、仕事柄、刺激の多い土地を訪問
することができる環境にあり本当に恵まれていると思います。友人や家族でいくプ
ライベートな旅行では、なかなかミャンマーは選ばれにくいですから。

以下はミャンマーでの私の発見、気づきについてです。

ミャンマーを訪問していて確信しているのですが、恐らくミャンマーは日本企業に
とって、アジアで最良とまでは言えるか分かりませんが、非常に優良なパートナー
になってくれる可能性が高い国である、と思います。まず、驚くほど気遣いが細や
かです。これはアセアン1かも知れません。都市の発展レベルで言えば中国の4級都
市レベルのヤンゴンですら、非常にきめ細かな気遣い・気配りがあるのです。

例えば、昨日宿泊した中級ホテルで、ワイファイが入ると言っていたのに入りませ
んでした。また、部屋にハブラシがありませんでした。アジアの国、それも中級ホ
テルであればよくあることですので、「まあ、そんなものか」と思って諦めていた
のですが、何かの話の拍子に食堂の女性従業員にそれを軽く愚痴りました。接客責
任者を呼び出した訳ではなく単に食堂の従業員に愚痴っただけですから、こういっ
たケースで迅速な改善がされることは普通はまずありえません。ところが、夜に部
屋に帰ってみると、ワイファイは繋がり、ハブラシもちゃんと2本置いてありまし
た。私は、中級ホテルにもかかわらず、ちゃんと顧客情報共有がなされているとい
う事実に驚く共に、発展著しい中国のサービス業においてもなかなか定着していな
い「お客様」という概念を既にミャンマーの人たちが持っていることに強い感銘を
受けました。(もちろん経済発展とともにこういった素朴な「もてなしの精神」が
失われてしまう可能性もありますし、そうならないことを強く願いますが。)
さらに、滞在中、ホテルのみならずレストランをはじめ至るところで同様なサービ
スの姿勢を感じています。ミャンマーの人たちは、(能力や経験値の問題で欠けは
たくさんあるにせよ)アジアではちょっと過剰だと思うくらいのホスピタリティを
発揮している人々のように思えます。このきめ細かな気配りの能力・資質は、将来
この国を大きな飛躍に導いていく原動力になるではないか、そんな印象を持ってい
ます。

そんなミャンマーにおいて日本の存在感がどれくらいあるかというと、日本車以外
の日本のプレゼンスは大変少ない。日本人で知られているのも、サッカーの中田と
香川だけです。日本よりも韓国の方が文化的には浸透しています。テレビをつけれ
ば韓国ドラマだらけで、若者は韓国俳優の髪型を真似、スーパージュニアなどに熱
狂しています。

私は、今回の出張を通じて、「日本や日本企業は、国際市場としてはまだ十分に確
立していない今の段階から、今後優良パートナーになるであろうミャンマー
に、もっともっと興味を持ち、もっともっと情報発信していくべきだ」と強く感じ
ています。
 
 
石黒不二代
ネットイヤーグループ株式会社代表取締役兼CEO
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
評価制度が成果主義になっていないために、会社にいることが評価の対象となるという意識が強い。そのため、休日をとりにくい、早く帰りにくい雰囲気が醸成されている。労働力の流動化率も低いため、会社への帰属意識が強く、会社=全体であり、それを構成する個も全体主義的な行動を求める会社も多いのではないか。
評価制度が成果主義になっていないために、会社にいることが評価の対象となるという意識が強い。そのため、休日をとりにくい、早く帰りにくい雰囲気が醸成されている。労働力の流動化率も低いため、会社への帰属意識が強く、会社=全体であり、それを構成する個も全体主義的な行動を求める会社も多いのではないか。
Q3. あると思う
休みたいのに休まないということであればデメリットであると思う。働き場所・働く時間を自分でコントロールできるように、自己責任と成果主義を徹底すべき。
Q4. コメントする
日本は強制的な国民の休日が多い。その分、個別の休日を個別にとる週間がない。もっと自分の仕事と生活を自分でコントロールできるような基盤があるといいと思う。特に、長期休暇がとりにくいので、有給をとりやすくする文化の醸成、産休や育休をとっても復帰しやすい制度(少ない時間で働ける制度・自宅で業務ができる制度=ネットイヤーグループには、勤務時間の選択制度も在宅勤務制度もあります)、サバティカルリーブなど長年働いた人に与えれる長期休暇などの制度を設けて、個人のステータスにより、柔軟に組み合わせができるようにするほうがいいと思う。
Q5. コメントする
ネットイヤーグループはお盆休みなどの夏休みを設けていません。私は、2月と6月に比較的長い休みを取ったので夏は休んでいません。子供がアメリカにいることと、友人に会うなどの理由で、年に数回シリコンバレーに行きます。第2の故郷なので、帰郷のようなものです。仕事にも有益で、新しい発見は毎回あります。

アメリカにいた10年は、アメリカ人のような休暇の取り方でした。夏には、アメリカ各地やカナダ、メキシコやなどの避暑地に行きますが、現地の人の生活に触れることもあり、文化の違いを楽しみます。ドミニカに行ったときは、水道もなく、一枚の服を年中着ている子供たちの貧しさに、驚かされました。
 
 
土居丈朗
慶應義塾大学経済学部教授
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
休む理由を不問にするはずの有給休暇が、容易に取れない背景には、供給側(生産者)劣位・需要側(消費者)優位の商取引慣行がある。
顧客に迷惑をかけるような形で休暇をとることが許されないような「雰囲気」が、日本経済全体にある。欧米では、極言すれば、客を待たせてでも、自己都合で休暇をとることが問題視されない慣例がある。日本は、休暇をとることに関しては、過剰に需要側(消費者)優位になっている。しかも、自らが需要側にあるときは都合がよいが、同一人物でも供給側(生産者)になる場面があり、そのときには不利な立場に立たされる。それはお互い様で、休暇取得に関しては、結局は皆が皆の首を絞めているようなものである。
Q3. あると思う
過労になる、ストレス解消機会が稀少になるという直接的なデメリットだけにとどまらず、こうした直接的なデメリットに起因して、企業内や日本経済全体として生産性の低下という間接的で大きなデメリットにつながっていると考える。
Q4. コメントする
欧米並みに、自己都合で休暇が平気でとれるような慣例を確立すべきである。それは、現状から見れば多少傍若無人、空気が読めないような休暇取得ということにはなるかもしれないが、結果的には、休暇取得による過労やストレスの解消を通じて、日本全体の生産性向上(少ない時間でより高い付加価値を生み出すこと)につながる。

逆に言えば、供給側(生産者)の従業員が休暇を取得したために、需要側(消費者)が不利な状況になったとしても甘受する、ということを、日本経済全体で互いに認め合うようにすべきである。
Q5. コメントを控える
 
 
武貞秀士
拓殖大学大学院特任教授
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
会社が個人に対して長期休暇を取るように勧め、家族団欒、健康管理に取り組むべく、休暇制度の運用に配慮することが必要
 日本人は休みの取り方が下手だ。有給休暇の消化率は低く、お盆、ゴールデンウイーク、正月に休暇を集中して取るため、どこも混雑していてゆったりとした休暇を過ごすことは難しい。20年の間に実労働時間が2100時間(80年代後半)から1728時間(2011年)に減少したにも関わらず、長期休暇が取得できない状況は大いに問題だ。休暇シーズンには全国的に行楽地、列車、飛行機が混雑している。移動するのに余分の時間と体力を使い、切符をとるのに時間を費やす。とくに行きと帰りに高速道路が渋滞するときは、自動車の移動に、まる一日を費やし、ぐったりと疲れて仕事場に戻ることはめずらしくない。
 また、1回の休暇が短かすぎる。フランス、米国の専門家と仕事のことで、連絡をとろうとしても、7月と8月は、連絡ができない場合がある。欧米の人々はゆっくりと夏季休暇を楽しんでいる。ただ、彼らが働いていないということではない。北京、ソウル、ワシントン、ニューヨークの中心部のホテルに滞在していると気づくことだが、休暇以外のとき、彼らは朝6時から動きはじめる。ワシントン市内であれば、会社のオフィスでは朝8時には社員がコンピューターの前で、仕事を始めている。日本の朝の始業時間は比較的遅いのではないか。休暇が少ないからといって、働きすぎていることにはならない。日本は労働生産性が意外と低いというのは本当だろう。仕事の効率は低いのに、不要な会議、打ち合わせ、根回しの集まり、職場の飲み会の類が多いのが日本である。 
 日本人はなぜ休暇を取りたがらないか。それは日本人の労働に対する倫理観と関係がある。日本人は江戸時代の長い鎖国のあと、欧米の科学技術水準に触れて驚いた。資源は少ないけれども、勤勉さ、倹約と教育の普及を武器に、急速に近代化しなければならないという価値観が明治時代の日本に定着した。その価値観が残っていて、現代日本でも「休暇よりも仕事」と思う人々が多数派であり、有給休暇消化率が低いままとなった。
 また、会社は個人が自由に休暇をとることを許さない。個人は上司の気分を害してまで休暇を取ろうとは考えない。休暇のとり方によってはボーナスが減ると思っている人もいるだろう。他の人が休暇を取らないのに自分だけが休暇を取るのは気が引けるという人もいる。家族と一緒にいるよりも、職場の仲間と夜、飲みに行く方が楽しいという人も多いだろう。そして、家族と楽しむための休暇の消化率は低い状態のままである。
Q3. あると思う
 あまり休まないのでストレスが高まるから病気にかかりやすい。健康チェックを怠るので、病気発見が遅れて、病気の治療に余分のコストがかかる。医療関係の国家予算も膨らむ。休暇を取る社員が増えないので、レジャー関係施設の人通りが減る。レジャーに落とすカネが減る。休暇を取らないから扶養者が家にいないことが多くなり、家庭不和の原因となる。いや、休暇時間が増えて、家族が一緒にいる時間が増える結果、家庭不和が増大する可能性もあるだろう。こればかりは、予測は難しい。
 長期休暇をとらないということは、自分の趣味に使う時間が少ないということ。つまり会社にどっぷり浸かった会社中心主義の人間が増えるということになり、個性的な人材が減る。これは、社員から多様で新鮮な企画提案を求めるときにマイナスになるのではないか。
Q4. コメントする
 猛暑の7月と8月に仕事はするのは効率的ではない。この時期、欧米並みに長期休暇を取ることを義務づけるべきだ。会社の工夫の仕方で、有給休暇の取得率をあげることができるだろう。勤務体制の見直しをする。休暇をとる人がいてもその部門の仕事の効率には影響がないようにする。長期休暇をとる人に、むしろ「金一封」を支給して、休暇をとることは良いことだという意識を定着させる。もちろん、休暇終了後にはレポートの提出を求めて、有意義な休暇であったかどうかを人事管理者は判断する。
Q5. コメントする
 自分の仕事に役立つこと、趣味に関連すること、家族への奉仕になることの3つを同時に実行する計画を立てたのは、例年どおり。韓国のソウルで「なぜ韓国は日韓情報保護協定締結を延期したのか」の討論会に参加してコメントをしたあと休暇は始まった。翌日、関西空港に飛び、大阪の鶴橋(コリアタウン)で、金正恩第一書記の母の生地跡を探索しながら焼き肉を食べ、滋賀の土山町(東海道の宿場町)と信楽の陶芸館で明治の日本の陶磁器の鑑賞をして、信楽焼を作りながら両親が暮らした信楽の実家の掃除をし、京都の祇園、室町、御幸町の料理屋と町家バーで京都の学校の同級生らとの交流をしたあと、京都のラジオ放送に出演して日韓比較文化論を話した。その間、パソコンは持参して、BSフジコンパスの回答を作成し、空港から原稿を送り、他の論文を完成した。どれが休暇でどれが仕事なのか不明のまま、8月が終わろうとしている。短期間でいろいろなことを並行して済ませるので、空港ラウンジ、スマートフォン、コンピューター、レンタカーは自分にとって必需品である。 
 
 
渡辺敦美
日経トレンディ編集長
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
働くことが好き、休みが取れないのはしょうがない、という意識を持つ人の割合は今の50代以上に多いが、
この層が上にいる限り、企業体質として変わりにくい。
効率的に結果を出す、ということが、一部企業では実践されてきているが、
日本では、まだまだ浸透していない。
ただ、若い世代は、ライフバランスをしっかり考えている。彼らが中心になってくる時代に
ガラッと変わると思う。
また、ここ数年、企業全般に、人員削減などで仕事量は増え続けていて
代わりの人員というシステムもなく、休みたいが休めない、という人も多いのでは。
Q3. あると思う
社会→レジャーや観光などを中心に消費行動が減る
    少子化が進む
    健康被害が社会問題になる。うつなど精神的な病の拡大により、労働力が低下する
個人→ストレスがたまる
    効率が落ちる
    家族や友人などとの交流が減る
Q4. コメントする
休暇は取るべきである。ただ、意識改革といっても、個人の力では限界がある。
一斉休暇という時期は必要で、分散してもあまり機能しない。
一斉休暇時期を国として増やす、企業に義務化するなど強行手段がなければ変わらないのでは。
Q5. コメントする
締め切りの関係で、まだ取っていません。8月末にずらして取ります。
 
 
にしゃんた
羽衣国際大学教授/落語家
Q2. 「4 - 休み下手だと思う」の回答理由
日本の組織における「休むのは罪悪」という日本特有の意識の残像と、「休むヤツは評価を下げるぞ」という文化を引継ぐ旧いタイプの支配層の存在。今後の日本に思いを馳せた場合、この伝統は「百害あって一利なし。」百害は変わらないが、メリットがあっても、精々一利程度。変わる方向にあることは間違いない。
なんだかんだ言って、日本社会がまだ、「休むのは罪悪」、という意識から抜け出せていない。それが最大の理由です。組織にも「休むヤツは評価を下げるぞ」と、脅かしている『文化』がまだ大半の組織にある。決定権をもつ組織のトップは、「戦前の教育を受けて『汗をかいて働くことこそが美徳であり、国に報いることだ』と信じて生きてきた長老の経営者に好かれ、選ばれ、そして出世街道を歩んできた」という仕事好き人間が多い。「有給休暇消化率が上がらない」とは、つまり、多くの日本人が『旧い体質の人間の自己肯定のための犠牲』になっているということを意味する。今後の日本に思いを馳せた場合、この伝統は「百害あって一利なし。」百害は変わらないが、メリットがあっても、精々一利程度。

しかし、現場には『休ませたくない上司に、休みたい部下』という組織内の『文化摩擦』という光が見えてる。いま私たちは、『文化の移行期』、『過渡期』にあることは間違いないが、だからと、自然に任せては時間がかかる。意識的、制度的な変革が求められている。
Q3. あると思う
組織が被雇用者を強制的に、過剰に従属することが、少し乱暴な言い方をすると、組織が『人の人生・人格を奪っている』。ということである。そのことによる弊害があまりにも多く、日本社会の大半の問題の根っ子がこの日本の組織の体質にある。

ストレス、精神的・肉体的な病、過労死、自殺、少子化、無趣味な人、離婚、シルバー離婚等々。国民は、質の悪い生き方を強いられており、悪循環が続いている。そういう国民を抱える国としての日本に全部そのしっぺ返しがかえってきている。

「上司にいじめられた部下は → 嫁をいじめる→嫁が子供をいじめる→子供や猫をいじめ→猫はネズミをいじめる→ネズミは上司に上着を噛む。」
Q4. コメントする
1・休みの時期の分散と休みについての再考:まとまった休みは年末年始、ゴールデンウィーク、お盆休み、の年3回だけ。まとまった休みと言っても、せいぜい5~7日で、カレンダーのいたずらによっては3日だけ、ということもある。カイシャ人間は「みんなと同じことをやっておれば、目立たないから」という理由で、この、年3回の、1回でせいぜい長くて8~9日の休みを、『一斉に』取る。だから「帰省ラッシュ」とか「Uターンラッシュ」とかの言葉が生まれ、道路も新幹線も飛行機も家族連れと車で満杯になる。休んでいるはずが、余計に疲れる。もう一つ、年末年始や、盆休みは、国民的・文化的な行事のための休みであって、それとは別に時期に休みを設けるべきだろう。

2・東京集中の機関の分散:日本が極端な東京一極集中国家でなく、地方分散国家であれば例えば、金融と文化(の中心)は東京であっても、国会議事堂は奈良か三重県、皇居は京都、日本銀行は静岡、マスコミ(の本社)は大阪、自動車産業(の本社)は名古屋、鉄鋼(の本社)は九州(福岡、熊本、など)、などなど、であれば、少なくとも帰省ラッシュとかUターンラッシュという言葉自体、生まれてこなかったのではないだろうか?今からでも遅くない!?そしたら短い休みも少しは休みらしく感じるだろう。

3・他国に学ぶ。長期休み制度:日本と歴史的な背景でも共通点の多いの(西)ドイツでは、年間で6週間(週5日×6=30日)の有給休暇が認められており、夏に3~4週間(土・日を入れると、21~28日)、冬と春に2~3週間(同、14~21日)の休みを取るのが当たり前。首相であっても、メルセデス・ベンツの社長であっても、入社したばかりの1年生社員であっても、まったく同じ。企業や役所では休暇補助を出すし、休暇中に風邪をひいたら、『全快までに1週間を要した』という医者の診断書を書いてもらって、さらに1週間休む、といった“熱心さ”もある。

4.他国に学ぶ。休みの義務化:西ヨーロッパ諸国、とくにドイツでは、休むことはもはや『権利』ではなくて、『義務』になっている。企業なども、従業員が有給休暇を100%消化しないと、罰金を払わせられる、というようなことも(当時は)聞いた。正に、『休まざる者、人ならず』である。彼らは『生活を楽しむために働いている』。例えば、こんな生活もある。夏場、仕事は8時から4時まで。人々は月曜から木曜までの4日間は毎日30分の超過勤務をやる。4日で2時間。それをみんなは、金曜日に『消化』する。すなわち、金曜は8時から4時まで、でなく、4日分の超過勤務2時間を使って(代休のような使い方)、午後2時に退社する。夏のドイツは夜9時半過ぎても、10時になってもまだ明るい。人々は金曜日、午後2時から10時ごろまで家族と共にスポーツなどで週末を楽しみ、土曜、日曜とさらにゆったりと過ごす。日本では、人々は『働くために生きている』。日本人は、休むのは『休みを“もらって”(2~3日)ゆっくりする』。経営側も、休みを『与える』という意識がまだまだ根強く残っている。日本では、休みがまだ『権利』にはなっていないし、いわんや『休むことは義務だ』なんてレベルは程遠い。

それでも、時と共に、人も代わり、若い人たちの考え方がだんだん社会や企業に浸透してきて、日本人も次第に『生活を楽しむために働く』ようになってきていると思う。昔の大学のゼミの先生が紹介したコマーシャルを思い出す。『猛烈からビューティフルへ』、日本と日本人が脱皮するいい機会である。

重要なのは、政治家、官僚、財界の年寄連中、あるいは経営者らが、その流れを阻んではならない、ということだ。彼ら、『現在の』リーダー、影響力を持つ者、がいくら大声を上げようとも、もはや日本が10%を超える経済成長を世界に誇る、なんてことは、ないんだから。経済の分野で欧米先進国に「追いつけ、追い越せ」と走ってきた日本そして日本人は、追いつき、ある分野では追い越した今、歩みののろくなった今、老大国ヨーロッパ先進国並みの『ゆったりした』生活を、『これが人間本来の、地球人としての大人の生き方なんだ』と、そう、納得しよう。

もちろん、「朝から晩まで働かなければ家族が食べていけない」とか「働いても働いても手取りは増えない」とか、「働きたいのに仕事がない」などなどの昨今の状況に目をつむっているわけではありません。念のため。
Q5. コメントする
夏休みは10日ほど掛けて、普段京都にいる家族と長野県(戸隠・軽井沢)と東京で過ごしました。今回の夏休みも、妻が私の仕事の流れを考慮して、組み立てたもの。休み中も少しはお仕事を致しましたが、長く家族とも一緒にいられ、新しい土地での知的な刺激もあり、自然にも癒され、楽しく、充実したものでき、英気を養うことができた。

私は長野県は何度が来たことがあるが、戸隠と軽井沢が初めてであった。軽井沢の、あまりにも暑さに驚いた。過剰な開拓による緑の減少と温暖化による結果のようだった。日本は、25年滞在しているのだが、一日も飽きたことがない。日本は地方によって見せてくれる魅力を再発見した旅でした。東京でも家族と数日間、滞在。妻に引かれ、観光やアミューズメントパークにも行った。場所にもよりきりだが、東京が意外と涼しく、京都などと比べても、混雑はなく、空いている場所が多いなと発見。来月の初めには山口に数日間遊びに行く予定です。山口は、家族としてお世話になった方が多く、顔見と癒しのために毎年訪れる。
 
 
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5. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)

山村武彦
防災システム研究所所長
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
・休み方の巧拙や有給休暇消化率以前の問題
・先の見えない経済、混迷政治状況などの社会不安がゆとりを失わせている
休み方の上手下手という問題ではなく、経済的、精神的なゆとりの問題。生活や雑用に追われるだけでなく、超円高、相次ぐ企業の生産拠点海外移転、原発問題、電力不安、増税しても破綻水域から脱出できそうもない社会保障制度・借金が膨らむ国家財政など、まったく予断を許さない経済と社会。さらに相次ぐ自然災害など、日本社会はは今後どうなるか、そんな課題山積のなかで混迷を続ける政治。こうした先の見えない社会不安が、有給休暇消化率を上げ、休日をゆったり過ごそうとするゆとりをなくしている。
Q3. あると思う
昔のコマーシャルに”疲れたら休め、彼らも遠くは行くまい”というフレーズがあった。肉体的にも精神的にも適切な休日は必須条件。ゆとりがなくなると自殺、いじめ、ハラスメントなど、ゆったり休む時間が無くなれば、人間関係はぎすぎすして余計住みにくくなっていく。このままだと、彼らは遠くに行ってしまうような気がする。
Q4. コメントする
世界一だった長寿ランクの低下は、日本社会におけるゆとりのなさを如実に物語っている。日本人は古くから遊び心が旺盛であった。そうしたゆとり心があればこそ勤勉性、礼節、豊かな文化をもたらせてきた。
と言って、ゆとり教育や休日数を増やすことででゆとりが生まれるのではなく、心にゆとりの持てる安心できる社会の構築にこそ意を注ぐべきである。
Q5. コメントを控える
 
 
本田宏
医療制度研究会副理事長
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
エコノミックアニマルや企業戦士という言葉が象徴するように、日本には私生活を犠牲にして仕事に打ち込むことが当然という風潮が残っている。さらに大企業や公務員等の労働条件が整備されている業界以外は、長時間労働を前提にした人員配置(人手不足;特に医療現場)のため、短期間の有給休暇しか取得できない事情がある。
 エコノミックアニマルや企業戦士という言葉が象徴するように、日本には「滅私奉公」の精神で、私生活を犠牲にしてでも仕事に打ち込むことが当然という風潮が残っている。さらに大企業や公務員等の労働条件が整備されている業界以外は、長時間労働を前提にした人員配置(人手不足;特に医療現場)のため、短期間の有給休暇しか取得できない事情がある。
Q3. あると思う
 個人のデメリットは短い日頃の長時間労働や短い有給休暇のために、家庭生活(家事や育児等子育て含めて)を伴侶とシェアしにくい。結果的に女性の社会参加がしにくい状況が生まれている。
 社会全体を見れば、1人が長時間労働することにより仕事がシェアできずに、雇用の機会が減少して失業率が上昇し社会不安を増大させている。また少子調高齢化社会の中で女性の社会進出は、日本社会の経済活性化の側面からも重要だ。
Q4. コメントする
 人生は本来、この世に生まれて来たことを良い意味で楽しむ、そこには仕事ばかりでなく、育児や家庭生活を楽しむことができる心の余裕が不可欠。
 仕事と家庭生活のバランスを取るためには、日々の長時間労働の見直しを基本に、有給休暇の取得ができる社会を目指すべき。それが観光産業等、国内経済の活性化にも繋がる。
Q5. コメントする
 休暇中に久しぶりに田舎で一人暮らしをしている年老いた父に会ってくる予定。自分にも老年が近づいてくる年代となった。定年後の人生の過ごし方や子どもたちとの関わり方についてじっくりと考えてみたい。
 
 
木村太郎
ジャーナリスト
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
「先楽後憂」になれるか
上手下手の問題ではない。
「先憂後楽」を美徳とする社会で、「休む」ことは「二の次」にすぎない。
日本人に休暇をとらせるためには、その価値観を「先楽後憂」に逆転させなければならないが、それは日本人に「ラテンになれ」というに等しい。
Q3. あると思う
人生働きづめで幸せであるはずがない。
Q4. コメントする
休暇にかかわる費用が高すぎる。
バカンス一日当たり一世帯の支出は、仏4300円、独3100円、日本17900円(消費者庁資料)
海外旅行に費やすからと考えられる。
国内にも魅力あるリゾートを整備することが急務の課題だろう。
Q5. コメントする
この番組がオンエア後、相模湾を遊弋する予定。
 
 
松田千恵子
首都大学東京教授/マトリックス株式会社代表
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
 「一般的に日本人は」ということで答えられる問題ではなく、単に人それぞれなのでは。
働き方の多様化に伴って、上手く休んでいる人もいれば、殆ど休まない(休めない)人もいる。個人の問題と思う。
国際比較といっても例えば米国のトップエグゼクティブと欧州の工場労働者では違うだろうし、日本でも企業や所属部署によって相当ばらつきがあるはず。すべての日本人を鋳型にはめ込んで上手・下手を論じることに
違和感がある。
Q3. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
上記理由からコメントしにくい。

前問と同様だが、「日本人が休まない」ということを既に前提にしている設問なので答えにくい。
デメリットがあるとすれば、休みたくても休めないヒト達への心身への影響や余暇関連サービス産業伸長への悪影響、などなのかもしれないが、前者は「心身に悪影響が大いに出るほど休みたくても休めない」ような企業の問題は既に「日本人が休まない云々」とは別個の問題だと思われるし、後者は余暇関連サービス産業の市場分析能力の問題(休まない傾向が本当にあるなら、そうした傾向にどう対処して休みがとりにくい人でも満足させるようなサービスができるか)だと思われるので、「日本人が休まない」ことに直接関連して取り上げられる筋合いのものでもないようにみえる。
Q4. コメントする
「日本人全体として休みがどうこう」とか「国に頼って制度や政策を変える」といった話自体が何か前近代的。
各個人が自分のプライベートをどう充実させたいかという話なのではないか。(ワークライフバランスという言葉に代表されるような二者択一的な考え方ではなく、オンの部分とプライベートな部分を自分でどのように
統合させて満足する生活を送れるか、ということ)
Q5. コメントを控える
 
 
若狭勝
弁護士
Q2. 「5 - その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)」の回答理由
現時点の固定的な捉え方ではなく、時代的な流れでとらえると、日本でも休暇はかなり取りやすくなり、実際に取ってきていると思う。検察官も交代制でかなり長期に夏休みを取るようになってきている。
一般的に、やるべき仕事はたくさんはあるはず。今後は、休暇をもっと取る方向を目指すべくではなく、休暇を効率的に過ごすことを工夫することが大事だと思う。休暇の質の向上である。多くの人が集中する休暇ではなく、分散する方向にしないと、どこへ行っても渋滞・混雑・長い待ち時間では疲弊してしまうから。
Q3. その他(設問・選択肢以外の視点・考え方)
5年、10年のスパンでリフレッシュ休暇(最低でも一か月)を取るような方向を考えればよい。今の現状でもデメリットはない。
Q4. コメントする
問2、問3で述べたとおり。
Q5. コメントを控える
 
 
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