2011年05月15日 Mr.サンデーで放送
社会・公共

復興財源と復興方針・内容

東日本大震災による被害から被災地が復興するための予算は6兆円とも20兆円ともいわれています。現在、その財源をどう確保するべきかが議論されていますが、東日本 大震災復興構想会議等においても
意見が様々に分かれています。また、財源論の前にどのような復興をどのような方針に基づいて行うのかが、今後の展望を日本 社会が共有する上でも必要不可欠な要素となりますが、居住地の高地化をはじめとする断片的なアイデアにとどまっている状態です。
復興財源と復興方針/内容は、相互に密接に関わり一体的に設計されることが望ましいといえます。
財源も内容も「枠組み」づくりから!

オピニオンリーダーへの問いかけ

※コンパスで掲載された全ての意見・回答は各氏個人の意見であり、各氏所属の団体・組織の意見・方針ではありません。
Q1:東日本大震災からの復興に必要な財源は、どのように確保すべきでしょうか?
(現時点に於いて)財源の中心とすべきとお考えのものを一つお選びください。
Q2:問1の設問への回答の理由や、復興財源についてご意見をお聞かせ下さい。
Q3:政府の復興構想会議等で被災地復興に向けた議論が始まっています。同時に、被災地の復旧のみにとらわれず、日本経済全体の再浮揚や、財政再建および、税と社会保障の一体改革など、この国の今後の有り様と関連づけて、今回の復興政策を考えるべきとの意見も聞かれます。
 復興政策のあるべき姿とはどのようなものなのか、(現時点で可能な範囲で結構ですので)具体的にご意見をお聞かせください。
回答の要点
復興に必要な財源をどう確保すべきかについては、「消費税増税」が、世論調査で肯定的(復興の財源にするために増税することはやむを得ないと思う:65.5% 4月23−24日FNN世論調査)に受けとめられており、新聞をはじめとするメディアも、財源の候補として報じています。これに対して、今回オピニオンリーダーからの回答では、「歳出削減・政策の見直し」「国債発行」(を中心とした対応)が多数を占め、世論調査とは明らかに異なる傾向がみられました。

 復興政策のあるべき姿を問いかけた問3では、「復興特区」という考え方が、日経ビジネス編集局長の渋谷和宏さん 第一生命経済研究所主席エコノミストの永濱利廣さん 中央大学法科大学院教授の森信茂樹さん 一橋大学イノベーション研究センター長の米倉誠一郎さん 慶応義塾大学特別招聘教授の夏野剛さん から回答されています。
そのほか、「エネルギー政策の転換」や「政府からの押し付けではなく、地元の声を聞いて、その意向を尊重すべき」という指摘も複数の方から寄せられています。

 財源も、復興内容・方針もひとつのアイデアで全てが解決するというものではなく、 課題を整理し段階的な枠組みをつくり、地道な調整を行うことが求められているようです。

オピニオンリーダーのみなさんの回答をご覧ください。
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オピニオンリーダーの回答

( 35件 )
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1. 歳出削減・政策の見直し(を中心とした対応)

伊藤惇夫
政治アナリスト
Q2. 「1 - 歳出削減・政策の見直し(を中心とした対応)」の回答理由
膨大な財源を要するため、いずれ国債の発行と増税を組み合わせた対応が必要になると思われるが、まず不要不急の歳出削減やバラまき政策の見直しが先決。たとえば、公務員(国と地方)の人件費を10%カットしただけで、約3兆円がねん出できる。
Q3. 回答する。
日本の経済的地位の今後を考えた場合、震災を契機に「成長国家」から「成熟国家」への転換を目指すべきでは
 
 
浜辺陽一郎
青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院) 教授,弁護士
Q2. 「1 - 歳出削減・政策の見直し(を中心とした対応)」の回答理由
少子高齢化が進んでいる中で、日本の企業・産業は競争力が落ちており、日本の富は、着実に減りつつある。

現在、過去の資産を食い潰しながらとりあえずの生活水準を維持しているものの、教育政策を含めた各種の政策の誤りも認めざるを得ないだろう。これまで通りの歳出を続けることは最早無理。本来ならば、これまでの政策を推進してきた人たちには、それなりの責任を取ってもらうことも必要である。

他方、民間にこれ以上の負担を強いれば、グローバル化した競争力のある企業は日本を離れ、かえって歳入が減る恐れさえある。社会保障にも暗雲が立ち込める中で、これ以上の政策の誤りは許されない。

まずは無駄を減らし、削減しても民間への悪影響が少ない方策から実施していく必要がある。

なお、財政再建の観点も忘れるわけにはいかず、これ以上の借金は控えてほしい。安易な国債発行による対応は、無駄の削減を鈍らせるだけ。このままでは国家財政がメルトダウンしてしまう。とにかく徹底的な歳出の見直しをしてもらいたい。
Q3. 回答する。
近視眼的な対応では失敗する。

これを契機として、行政のスリム化、国民負担の公平化(共通番号制度導入など)を早急に実現し、財政再建と税や社会保障の一体改革などともあわせて、この国の形を問い直す総合的な改革に取り組むべき。

これを契機として、既存の枠組みでの増税などは、論外である。もしも、そういう結果しか出なかったら、未来に希望は殆ど持てないだろう。
 
 
南淵明宏
医療法人社団 冠心会 大崎病院 東京ハートセンター  心臓外科医
Q2. 「1 - 歳出削減・政策の見直し(を中心とした対応)」の回答理由
歳出削減、政策の見直しで対応するのが得策。こういうことには私は素人だが、素人から見た印象を大事にする、つまり真剣にポピュリズムに立脚して政策を進めるよう転換すべき。ちなみに「ばらまき」は大衆を愚弄する稚拙極まりない愚策。とにかく、増税しても国債でも、結局そういったお金は復興資金となり建設業にわたり政治献金に変わる、と誰もが信じて疑わない。「大した額ではない。ほんの二兆円程度だ」などと悪代官様は訳知り顔で嘯くかも知れないが、イメージが大事だ。まず自腹を切って、たとえば国会議員の歳費をゼロにするとか、天下りを根絶するとか、なんちゃら委員会とほにゃらら保安院を統廃合するとか、無駄な役所をなくせば50兆円ぐらいは簡単に捻出できるのではないか、と私のような普通のおじさんは考えているのです。参議院も名誉職ということで無給にすべき。そういうところからスタートして「お金」の話は進めてほしい。
そういう意味では財政全般について世論の納得と信頼を得る今がチャンス。これは海外からの日本政府に対する信用という意味でも重大案件。だが決して期待はしていません。10年後、我々日本人は皆、「2011年の大震災後の政府の決断で失敗したわなー・・・。あれで日本は終わったがな。あんときにもうちょっとまともなことやってたらなぁ・・・今から言うてもしゃーないけど」と述懐するに違いない。
Q3. 回答する。
原発の放射能放出、汚染水垂れ流しの問題で、いつも通りの不都合な事実は徹底的に隠す、あるいは上からの指示があるまで普通に秘匿する、しかし後できっちりばれる、そして方針はいつまでたってもはっきりせずダッチロールというかヨーイングするばかり、海外からは呆れられる、というあまりにも間の抜けた本件事案の政府の姿勢は氷山の一角で、国民が納税するなど義務を果たすべき社会基盤としての政府機関の要件は満たしていない。「拠らしムべし。知らしむべからず」といった衆愚政治の絶対的な基本方針を貫くならばもっと徹底すべきだった(そうなると今度もリットン調査団受け入れ拒否、国連脱退になるか・・・)。こういう組織とも呼べない税金ドロボー集団に国民は何も期待すべきではなく、とにかくアホな政策に邪魔されることなく一人一人が一日一日を着実に歩んでいくしかない。震災復興の新政策で新たなポストが増えて焼け太りになることに期待を寄せている輩がいるとすれば、これまさに「官僚」ならぬ「奸僚」だ。こういった政府らしき機関に復興政策の第一歩として「ダメモト」で期待することは、責任ある仕事を任された人がまず「まじめに仕事する」ということに尽きる。さて、今日、東大を首席で出ようが出世が早かろうが奥さんが有力者の娘だろうが、政策の側にいる人達の「人間」としての仕事ぶりをメディアが伝えている。全国民が注目している歴史的瞬間に、例えばとある保安院のある役人や国策大企業幹部の記者会見では原稿をただ棒読みする情けない朗読会をやり、しかも「法規にのっとって報告申し上げましたもので・・・」などなど、「自分は個人としてミスを犯していない」「自分は与えられた仕事はその範囲内できっちりやっている」「法規や規則、省令、社内規定遵守、前例踏襲、先輩擁護、組織の責任回避、については完璧でしょ!」を一生懸命国民の前でわざわざアピールしている。これを見て国民が、いや世界があきれている。この社会では「お偉いさん」が、いかに社会に背を向けてきたか。そしてそれがよしとされてきたかを今回国民は改めて理解したことだろう。これはメディアにも言える。結局は3月11日の大地震の前触れであった3月9日のM7.3の地震について当時テレビは地震の専門家に何言わせたのか、国民は忘れない(ある大学の助教様の「じぇんじぇん心配ありまっせーん」という部分を恣意的に流しています。公正中立ではありません!)。一個の人間の人生をかけたプロとしての仕事、という観点でしっかりと与えられた仕事を関係各所の人たちが全うすることで日本は簡単に立ち直るはずだ。なぜならそんな仕事ぶりを一般社会も手本にするだろうからだ。「あなたたちは仕事する人々のお手本なんだ!」という在野のおじさんからのメッセージをとにかく聞き入れてほしい。
優秀なお役人様たちの頑張りを期待する意味でせこい天下りを根絶してあげて、退路を根絶してあげる法律もまず必要だ。
 
 
海老原嗣生
株式会社ニッチモ代表取締役 HRmics編集長
Q2. 「1 - 歳出削減・政策の見直し(を中心とした対応)」の回答理由
復興財源を「錦の御旗」にして、今まで切り込めなかった聖域を崩す。これこそ、災い転じて福となす、に通じる。具体的には
1.国家公務員給与→これは進行中。評価している。
2.地方公務員給与→こちらは、上記国家公務員給与の削減に歩調を合わせるだけでなく、従来からラスパイレス指数が高過ぎたのだがら、さらに削減する。地方公務員総人件費は27兆円を越える。ラスパイレス指数を地方物価並に合わせれば、それだけで4兆円が捻出可能。さらに1同様に純削減を1割行えば、合計6兆円以上が捻出できる。
3.国家公務員の地方支分局の整理改廃→9万人もの人員が地方支分局に勤務している。このうち、4万人以上が、現地の地方公務員と業際問題を抱えている。これを一気に整理改廃すれば、1とあわせて年間1兆円が捻出できる。
※1・2・3は、恒久的処置とすれば、合計で毎年7兆円が捻出し続けられる。
4.バラマキ4K。こちらも、早急に処置をすることにより、「高速休日1000円」「社会化実験」の基金だけでも2兆円近い金額が捻出できる。子供手当てについては財源が確保されていないので、こちらは、現実的には転用が難しいが。
5.昨年度補正予算4.5兆円の未執行分。そもそも、税金の上ブレ分と国債発行費の下振れ(低利のため)により3兆円ものお金が、民主党の想定規模に上積みされた「無駄」の塊。本来、こうした「あまったお金」は国庫に返却して、その分赤字国債の償還に当てるべきものを、「余ったからさらに使おう」と自公の顔を立てた部分が大きい。この予算、使い切れず基金化したものも含め、今すぐ、転用財源とすべき。
こんな風に簡単に書いてみたが、上記の施策だけでも、1回限りで終わる予算枠が3~5兆円、毎年生まれ続ける恒久財源が7兆円程度見込める。このすべてが手をつけられずに終わっていた悪しき「聖域」。今回こそ、必ずここに切り込むべき。
Q3. 回答する。
今後の日本社会設計とは、いっしょにせず、うまく分けて有機的に結合させるべき。
なぜなら
・今後の日本社会設計には、議論と時間を要する。一緒に動かしたら、復興の方が進まない。
そこで、以下のような段階論を考えている。
1.いずれにしても、新たな社会の設計前に必ず必要になること=今の「無駄」の徹底的な排除をまず優先させ、浮いたお金を復興予算に転用する。
2.この「無駄排除により生まれた」復興予算のうち、恒久財源化できるものは、震災復興終了後、日本社会再生に向けた予算ワクに転用する。
3.復興が軌道に乗るまで(2年後?)に、「今後の日本設計」を終える。
4.できあがった「日本設計図」と、それに必要な予算が、復興予算の転用ワクでも足りない場合、はじめて「増税」「社会保障料アップ」など新たな財源確保を考える。
こんな段取り。
政治スケジュールとからめるなら、3が終わった時点で、各党が「日本設計図」を携え、総選挙を行うのが美しい。大連立をするのであれば、この「日本設計のための総選挙」までだろう。
 
 
上山信一
慶応大総合政策学部教授
Q2. 「1 - 歳出削減・政策の見直し(を中心とした対応)」の回答理由
そもそも本当に20兆もかかるのか疑問。消費税増税につなげたいために大きめに言ってる可能性がある。津波の跡地の完全復旧をするのか高台移転かなど具体的に今後、数年を経て金額は決まる。生活支援や遺児保護など「人」の支援に金銭は惜しむべきではない。しかし、高齢化&人口減少する被災地の完全原状復帰を前提とした大規模公共投資には反対だ。かかる費用は精査すべき。「人」の支援、被災者救済のための財源は、当面は①子ども手当や高速無料化などのマニフェスト見直し、②既存の予算の精査、③90兆の外貨準備金(おもに米国債)の売却、などでまかなうべき。それ以外の公共インフラの復旧などの資金は国債発行(借金)となるが、通常の国債ではなく5年程度で償還する特別債とすべき。なおその裏付け財源に消費税、法人税、所得税は使うべきではない。5年限定でストックへの課税を考えるべき(固定資産税の増額、遊休地課税など)。そうすれば実体経済、景気へのマイナスは小さい。また、将来の有事の際の課税を恐れて全国で塩漬けの土地や建物、遊休地の有効活用や流動化が進み、景気活性化につながるだろう。
Q3. 回答する。
復興財源を消費税で賄おうという動きがあるが、気を付けたほうがいい。被災者への同情から賛成の意見も強い。だが、復興が終わったらなし崩し的に一般消費税に転換されて終わるだろう。私は最終的には消費増税は不可避と考えるが順序と手順を間違えてはいけないと思う。被災者救済、復興財源の議論と従来からやってきた増税論は切り離すべきだ。火事場泥棒のような消費税増税には反対だ。
 本題に入るが復興には3つの意味がある。
 第1は被災者(津波被災、原発避難)の生活支援、就業支援など。 これには既存の予算をばっさり削って惜しみなく振り向ける。
 第2は東北の公共インフラの復興(鉄道、空港のほか漁港、水田なども含む)の再構築だがこれは東北が今後の全国経済に占める意味を精査してから考えるべき。たとえば町が高台に移転すれば三陸沿岸に鉄道はいらない。政府はこれを従来型の現状復旧路線でやるつもりに見えるから心配。ちなみに公共インフラの復旧費用は国債発行(借金)で賄うしかないだろう(問1参照)。被災者への同情を梃子に公共事業の資金を消費増税で賄う案や国債を日銀が引き受ける案があるが危険だ。これを消費税増税などでまかなうとそれでなくても弱い実体経済、景気に悪影響がでる。そして結局、全体の税収が減るし、復興も遅れる。増税は被災者支援の費用が既存予算の見直しで賄えない場合に限るべきだ。
 第3は全国レベルでの「危機管理機能の復興」だ。今回のような震災、津波、原発事故が今後、関東近辺で起きたらどうするのか?大阪などに首都機能はじめ企業の中枢機能を分散配置する投資をを急ぐべきだ。リニアもJR東海に任せず、国家事業として前倒しすべきだ(東電に原子力を任せた轍を踏まない)。今こそ全国的視点で見た危機管理とエネルギー政策の見直しが必須だ。なお財源にはたとえば電気料金に上乗せして「脱原発税」、東京限定の「首都機能分散促進消費税」)などの目的税(国家戦略税)の創設が考えられる。アメリカでは州単位で消費税を課している。原発のコスト負担には「東京ペナルティ」があっていいし、そうすれば一極集中も解消されるだろう。
 
 
牛尾奈緒美
明治大学情報コミュニケーション学部教授
Q2. 「1 - 歳出削減・政策の見直し(を中心とした対応)」の回答理由
現状の見直しも十分に行わわれず、復興に向けたグランドデザインもきちんと示されない状況のなかで、安易な増税や、国債発行の議論が成されることに違和感をもつ。
なにより、日本経済が大打撃を受けているなか、増税で景気回復に冷水を浴びせることは得策ではない。
これからは、より一層民間資金が有効に活用されるよう、しかるべき枠組み作りが必要とされる。
やむをえず国債を発行する場合は復興税による100%償還を前提とすべきである。
Q3. 回答を控える。
 
 
坂野尚子
株式会社ノンストレス社長
Q2. 「1 - 歳出削減・政策の見直し(を中心とした対応)」の回答理由
子供手当など民主党のばらまき政策、マニフェストの見直し、また、原点に返って様々な歳出削減や不要な行政法人等の整理をまずやるべき。その上で、復興税などで財源を考えてほしい。国債発行は最後の財源の選択肢で、将来の世代への負荷をこれ以上増やしていくことに対しては抵抗がある。
Q3. 回答する。
まずは国全体の経済再生、そして財政破綻を止めなければ、東北の復興を支援することが非常に難しくなる。国際競争力からも、法人税率の引き下げを行い、本質的に時代錯誤の規制をより緩和、経済を活性化し、法人税の税収のパイを大きくすることが急務である。なお、原子力汚染が問題となっているエリアは人が立ち入ることができないならきちんと補償をし、逆に無人太陽発電の一大基地とすることは可能だろうか?とも考える。
 
 
安冨潔
慶應義塾大学大学院法務研究科(法科大学院)教授,弁護士
Q2. 「1 - 歳出削減・政策の見直し(を中心とした対応)」の回答理由
増税は,国民への負担が大きくなり,復興にとって活性化とならない。
まず,乱立した関連会議をなくし,国会議員の定数を削減して歳出を抑えることを提案する。
Q3. 回答する。
さまざまな局面での議論が必要なことは理解できるが,当面,被災地の復興という第1義的目的にむけて,政府として何をなすべきか,議論の道筋と実施のマイルストーンを首相は示すべきである。
構想復興会議での議論そのものが拡散している。
 
 
マリヨン・ロバートソン
都市開発会社Metplan社Chairman and CEO
Q2. 「1 - 歳出削減・政策の見直し(を中心とした対応)」の回答理由
歳出削減、政策の見直しを最初の手段とし,続けて税の裏付けを
金利上昇前に手を打つのが良いのでは。
復興財源の主となる震災復興税導入(ただし期限付きで)は否めません。税収入の大半を占める法人、個人に対し一定の増税をし,消費税もまた然りですが,消費税は自粛による買い控えも予測される為、もっとも最後に必要に応じてするスタンスを取るべき。
何れにしろ,増税は期間限定と云う事により国民や企業に納得してもらわなければなりません。日銀も非常時の蓄えである資金を捻出し、
国債発行する前に,日本は復興資金を自前で賄える国力を示すべき。
復旧、復興を速やかに進め、日本経済市場の安定を示し、海外からの投資を促さなければ。現時点で国債発行をしても,自ら税を使って買い取るだけの事,得策とは思えません。
Q3. 回答する。
一般歳出の半分以上が社会保障費で有り,日本財政の最も大きな要素です。この分野での議論は、継続した審議を続けるのは当然ですが、従来の議論とは別に、今回の復興財源を核に考える特別な組織を形成し、早急に見直しをする必要が有ります。又,この作業には中央での遠隔操作だけで無く、被害を受けた地域からの参画は必至です。
 
 
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2. 所得税・法人税などの直接税の増税(を中心とした対応)

森信茂樹
中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員
Q2. 「2 - 所得税・法人税などの直接税の増税(を中心とした対応)」の回答理由
被災地に赴いて見て、我々日本人全員が、早急に復興に向けての支援を自らの負担で行うことの必要性を再認識した。この復興まで、国債発行、つまり将来世代の負担で行うという発想はどこから出てくるのであろうか、自分には考えられない。ただし、増税の議論は復興プランが見えてきてから、具体的な増税の時期、期間については、復興需要が出てきて経済に明るさが戻ってからで十分と考える。
Q3. 回答する。
それぞれの課題に分けた対応が必要。すべてを一回で(消費税率に引き上げだけで)行おうという総理周辺の考え方はいかにも安易・拙速。

日本の国家像、より大きな規模の政府にするかどうかが社会保障・税一体改革と消費税の引き上げ論。これと復興とは別問題。

一方、経済政策上の最大のリスクは、金利の上昇。国債金利が上昇すれば、地方債、公共債等々に波及し、国債暴落の引き金にもなりかねない。そうなれば金融クランチを通じて日本経済は再び沈没する。その瀬戸際に立っているというう認識が、財政再建への一歩を踏み出すことになる。

つまり、社会保障・税一体改革と財政再建問題は、消費税を中心とした増税、復興財源は所得・法人への時限的付加税。一方で、23年度改正で決められた法人税改革は、わが国経済活性化のために断固実行すべき。

復興策は、東日本地域を法人税ゼロ等の特別区にすべき。当該地域の経済空洞化を阻止し、雇用を守ることが必要。
 
 
宮家邦彦
外交評論家,株式会社外交政策研究所代表
Q2. 「2 - 所得税・法人税などの直接税の増税(を中心とした対応)」の回答理由
歳出削減には限界あり、消費税は被災地域を直撃する、国債発行は抑制的に、民間資金だけでは不十分ということになると、期限を切った直接税増税しか考え付かない
Q3. 回答を控える。
被災地ごとに状況が大きく異なるので、一言では答えられない
 
 
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3. 消費税増税(を中心とした対応)

石澤靖治
学習院女子大学長
Q2. 「3 - 消費税増税(を中心とした対応)」の回答理由
 今回の大震災による被害を国民全員が支援するという点と、そのために20兆円を超える極めて多額の資金が必要とするという点から考えると、財源として消費税を中心とすることが最も適切である。被災地の人からも徴収するという点については一定の金額を給付する(払い戻す)という形で対応すべき。また他の税ではこれだけの資金をまかないことは税収の構造を考えれば明らかである。ただこのスキームでは、集めた資金は別会計にして全てが復旧・復興に回るようにする必要がある。そうすれば増税による経済へのネガティブ・インパクトはほとんど解消される。
 国債発行は、債務を先送りするだけだ。今回の大震災のよる被害を同じ仲間・同じ国民が受けたものと考えるならば、私たちが現時点で消費税負担という形で痛みを分かちあうべきである。
Q3. 回答する。
 震災前から、日本の復活には抜本的な対策が必要だと指摘されていた。それは今回の設問にあるように「復旧のみにとらわれず、日本経済全体の再浮揚」ということと全く同じことである。だがそれが長い間できないでいた。それは必要だったゼロベースでの改革を、政治も国民も必ずしも受け入れてきたわけではなかったからだ。政治家にとっては政治的コストが生じることであり、国民にとっては痛みを伴うからである。復興政策はそのようなことを乗り越えて初めて可能になると考える。
 
 
若狭勝
弁護士
Q2. 「3 - 消費税増税(を中心とした対応)」の回答理由
復興のためという目的を明確にした時限的(数年に限る)な消費税を導入することによって,国民が復興に向けて意識を一つに共有することができる。被災者に負担にはなるが,別途,その援助を考慮することは大事。もとより,消費税導入の前提として,国家公務員の不要不急の出張・転勤等をやめ,歳出削減をすることが当然。
Q3. 回答を控える。
 
 
宋文州
ソフトブレーンマネージメント・アドバイザー
Q2. 「3 - 消費税増税(を中心とした対応)」の回答理由
この20兆円がなくても日本の財政は危機的な状況下にある。国債が暴落しない理由は単なる消費税が取れる空間が大きいからだ。復興再建がただの救済ではなく、将来日本に繋がるためにも、特別名目なしで消費税増税を実施するタイミングだ。今こそ欺瞞をやめ、国民全体が財政の現実を直視するタイミングだ。
Q3. 回答する。
消費税が欧米先進国並みに上がった場合、日本経済の見える風景が一遍にかわるはず。これまで様々な産業構造と保護政策が嫌でも見直されるだろう。日本経済は数年間名目成長が期待できない。しかし、これは避けて通れない大切な転換期だ。「十年後の日本はこうなるんだ」という政治のリーダーシップはどうしても必要だ。
 
 
山田秀雄
弁護士
Q2. 「3 - 消費税増税(を中心とした対応)」の回答理由
国債はこれ以上発行すべきではない。民間資金はオプションとかんがえるべき。直接税も限界。無駄な歳出の削減は当然だがそれでは賄いきれない。となると間接税しかない。
Q3. 回答する。
極めて困難なテーマであり国家100年の大計を考えないとパッチワーク的な対応に終わる。各分野のスーパーエリートに集中的に賢人会議を開催させていくつかのビジョンを提示してもらう。その方向性を内閣、国会で議論する。賢人会議は40代から60歳以下の人材を中心に選定する。高額の報酬を払っても短期集中して結論を出す。いわゆる大御所のような存在は例外に位置づける。
 
 
山田昌弘
中央大学教授
Q2. 「3 - 消費税増税(を中心とした対応)」の回答理由
歳出を削減しても、それが人件費削減になれば、消費はもっと冷える。
消費に回りやすい子ども手当を削るなら、貯蓄に回りやすい年金の国庫負担分を削る方がまだまし。
本当は、資産税が望ましい。固定資産税、および、利子税などを強化して、資産をもっている高齢者に資産をはき出させる。消費税は次善の策。
Q3. 回答する。
高齢者に優遇の社会保障が、日本経済のネック。高齢者は不安から資産をため込み、最低限の必要に応じてしか使わない。今では、子にも使わない。
子育て世代を優遇すれば、それが消費に回る。ここ20年日本が経済的に停滞したのは、子育て世代を冷遇したせい。震災をきっかけに、この状況を逆転させる必要がある。
 
 
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4. 国債発行(を中心とした対応)

木村太郎
ジャーナリスト
Q2. 「4 - 国債発行(を中心とした対応)」の回答理由
マイナス利子の無記名国債を発行して、高額所得者の相続税を先取りする。
Q3. 回答する。
原発依存を脱却するエネルギー政策の転換を原点に、日本の政治、経済、社会のパラダイムシフトをはかる。
 
 
小幡績
慶應義塾大学ビジネススクール准教授
Q2. 「4 - 国債発行(を中心とした対応)」の回答理由
歳出削減は行うべきだし、年金医療のための消費税増税はするべきだが、震災は震災としてこれらと独立に迅速に実現すべきであり、財源も切り離すべき。大災害だからこれは借金してすぐに対応すべき。震災を日ごろの主張の実現に利用しようとする財政再建論者は、火事場泥棒だ。
Q3. 回答する。
現地の意向を最優先。アドバイザーも東京で他の仕事の合間に有名人が議論すべきでなく、仙台に移住してフルタイムで人生をかけて議論すべき。現地の意向に、全体からの視点と効率的な資金活用という点から外部のガバナンスとしてアドバイザー、金融機関的なものを入れるべきだが、それも現地との信頼関係を確立してチームになる必要があるから、全力で取り組みために現地に根を張るべき。
 
 
山村武彦
防災システム研究所所長
Q2. 「4 - 国債発行(を中心とした対応)」の回答理由
大震災とともに収束するまで長期戦を覚悟しなけれならない原発事故という複合災害を抱え、日本経済は急速に縮減していくと想定されます。このタイミングで増税、民間資金の活用はさらに消費マインドを後退させかねません。別次元の復興国債を発行し、国難に際し復興国債購入を首相自ら国民に呼びかけるべきです。心ある人々はこぞって復興に寄与してくれると思います。
Q3. 回答する。
被災地復興だけでなく日本経済全体再浮揚や便乗的改革指向は、被災地には過度の負担となる可能性があります。多くの被災者から意見を聞きましたが、彼らが望んでいるのは「子孫に残す安全な住まいと街づくり」「地域特性を活かした産業育成」「静かで平和な暮らし」などでした。県の代表や経済学者がすべて被災地・被災者を代弁しているとも思えません。もっと当事者の意見を聞き尊重した復興であるべきと思います。
 
 
永濱利廣
(株)第一生命経済研究所 経済調査部主席エコノミスト
Q2. 「4 - 国債発行(を中心とした対応)」の回答理由
バラマキ停止や公務員人件費削減等が最優先だが、それで確保できる財源は3兆円程度。
増税もデフレ下ではむしろ景気悪化で財源確保困難。
となると、10兆円単位とされる財源確保には国債発行が中心とならざるを得ない。
一方で日銀が国債購入を増やせば金融緩和効果となり、デフレ脱却の近道に。
デフレから脱却した後に消費税の増税をすればよい。
Q3. 回答する。
復旧にとどまらず、被災地での持続的雇用創出という視点が重要。そのためには、特区による優遇措置で企業や人を誘致する政策が必要。
経済成長による自然増収により安定した復興財源を確保するという意味においても、TPP・農業改革、ビジットジャパン、インフラ輸出、法人税下げをはじめとした新成長戦略を先送りするのではなく、今まで以上に積極的に進めるべき。
 
 
夏野剛
慶応義塾大学特別招聘教授
Q2. 「4 - 国債発行(を中心とした対応)」の回答理由
復興のような一時的緊急時資金調達への対応こそ国債発行による調達が適している。復興債とすることで予算管理もし易い。
Q3. 回答する。
これまでできなかった思い切った地方自治権の拡大を実施し、一律ではなく多様性の国家への移行となる様々な政策を東北で実現すべき。これまでの新しい政策や全国一律ではない政策の施行は、必ず既得権益を持つ抵抗勢力に阻まれてきたが、震災復興の名の下にそのような守旧的な考え方を排する千載一遇のチャンス。人口減少による縮小経済下のニッポンの将来には多様性が非常に重要になるので、東北から先んじて多様性を前提とした社会を作ることが未来につながる。
 
 
中津孝司
大阪商業大学総合経営学部教授,国際問題評論家
Q2. 「4 - 国債発行(を中心とした対応)」の回答理由
財源を確保することは喫緊の課題である。賛否両論はあるが、徹底的な歳出削減と規制撤廃を前提として、復興特別国債を中心とする財源確保が現段階では望ましいだろう。あるいは、消費税増税(1%増で2兆5000億円を確保できる)との組み合わせも検討に値するだろう。ただ、この時期に法人税率や個人所得税率の引き上げは好ましくない。
Q3. 回答する。
短期的には復旧に全力投球。
中長期的には新エネルギー技術開発を軸とするゼロ炭素社会実現に向けての処方箋を描き、太陽光、太陽熱、風力(洋上風力)、潮力といった種々の新エネルギー開発を急ぐ。メタンハイドレートの開発も急務。太陽光パネル搭載の衛星を打ち上げる実験も急ぐべきだろう。このような取り組みが新たな日本経済活性化の糸口となる。
 
 
吉崎達彦
株式会社 双日総合研究所副所長主任エコノミスト
Q2. 「4 - 国債発行(を中心とした対応)」の回答理由
今年度予算は何もなくても44兆円の赤字予算である。
震災のために赤字が仮に5兆円増えたとして、それで国債市場が崩れるとは考えにくい。
逆に増税を急げば景気を冷やし、復興を遅らせてしまう懸念がある。
いずれ増税は必要になるわけだが、それを「来年から消費税3%増」などと言うのはむしろ景気腰折れのリスクの方が大きい。
復興のためのファンドを作り、そこに民間資金なども投入し、将来の返済のために復興連帯税を設ける、といったやり方が本筋であると思う。
増税は政治学的には正しくても、経済学的には間違っている。
Q3. 回答する。
復興に向けての現地の動きを支援することが対策の基本であるべきで、中央が変なマスタープランを押しつけることは、かえって弊害の方が大きいのではないか。
例えば、日本で一番エコフレンドリーな暮らしをしている三陸地方の漁業関係者に対して、「エコタウンを作るべき」などというのはまことに不適切であろう。

過去の関東大震災や阪神大震災の後も、復興は予想以上に早かったが、国の大きな方針転換があったわけではない。
「この機に国のあり方も変えよう」といった議論は理想論ではあるが、われわれはそんなに賢明ではないし戦略的でもない。
 
 
朴斗鎮
コリア国際研究所所長
Q2. 「4 - 国債発行(を中心とした対応)」の回答理由
 この時期に増税はやるべきではない。特に逆進性の強い消費税は避けるべきだ。世論調査では増税を容認するとの意見が半数を超えているが、その思いは、増税を受け入れてでも被災者や被災地と痛みを分かち合うとの覚悟を示したものである。決して政府の無策を容認したものではない。こうした国民の清い覚悟に甘えて、復興財源を安易な増税に頼るようでは政治家失格だ。
 当面は国民への直接的負担を避け、10~15兆円規模10年満期の建設国債発行で財源確保を行い、そこにばら撒き政策の見直しや行政改革などを組み合わせて財源の上乗せを図るべきだ。この国債が償還期を迎えるまでに経済を成長軌道に乗せれば、税収も増え長期金利の上昇も抑えられるに違いない。経済が上昇軌道に乗った時点で財政再建と絡めた増税を検討しても遅くはないだろう。
Q3. 回答する。
 日本の制度疲労は、これまでも政治と行政の硬直化、財政赤字の拡大、地方経済の疲弊など様々な形で顕在化していたが、今回の震災と福島原発の事故過程でその危機的状況が浮き彫りとなった。
 今回の震災の復興過程は、こうした制度疲労と閉塞感を打破する新しい契機となるべきだ。そのためには国民の意思が迅速に反映できる政治システムの構築、原子力発電に安易に依存するエネルギー政策からの脱却、地震などの災害を前提とした新しい都市づくり、競争力を備えた先進的地方経済の創出、高齢化社会に適応した効率的福祉社会の実現など、日本の未来を創り出す一体的設計とならなければならない。
 復興財源もこの突破口を創り出す方向で使われるべきだ。そうすれば新しい次元の経済成長もはじまり、東北地方が新たに生まれ変わるだけでなく、活力ある日本が再び登場するに違いない。
 
 
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5. 民間資金の活用(を中心とした対応)

渋谷和宏
作家・経済ジャーナリスト
Q2. 「5 - 民間資金の活用(を中心とした対応)」の回答理由
 バブルが崩壊した1990年代以降、日本企業の多くは雇用・設備・債務の3つの過剰の削減を進め、キャッシュアウト(資金流出)を嫌う守りの経営を重視してきました。この結果、国内設備投資が停滞するのと反比例するように金融機関を除く企業の内部留保(現預貯金残高)は膨れあがり、2010年3月末で約200兆円に達しています。
 これらのお金が被災地でのインフラ復旧や産業復興に活用されれば、財源問題は相当程度、解決されるはずです。政策に問われているのは、さまざまな呼び水やインセンティブの導入によって、企業の被災地への設備投資や研究開発投資を促すことだと考えます。
(具体的な政策提案は問3のコメントで紹介したいと思います)
Q3. 回答する。
 震災復興、日本経済の再浮揚を実現するポイントは2つあると考えます。
 1つは復興の目標を具体的に掲げること。例えば「付加価値の高い21世紀型農業の実現」や「再生可能なエネルギーによるエコタウンの建設」「複数の供給ルートを持つ柔軟なサプライチェーンの再生」といったビジョンです。
 もう1つは、それらの目標実現に向けて、民間企業の資金や人材、技術が積極的に注ぎ込まれるような政策を、前例にとらわれず導入することです。被災地への設備投資や研究開発投資への補助金の支給や法人税ゼロの経済特区の実現、専門能力を持つ外国人を呼び込むための規制緩和の導入など、打つ手は少なくありません。
 重要なのは大胆な発想と叡智ではないでしょうか。
 
 
本田宏
医療制度研究会副理事長
Q2. 「5 - 民間資金の活用(を中心とした対応)」の回答理由
 今回の震災の復興には一度に多額の財源が必要となることは明らか。大震災復興を理由に消費税等の恒久的財源を導入すべきではない。国債を発行せざるをえないとは考えるが、未曾有の災害を契機に今日本国民が考えるべきは、一人一人の国民が納得してそれぞれ出来る範囲で、応援が可能となるシステムを創造すること。
 「何に使われるかわからないが負担させられる」という消費税等の税方式から「自身が納得できる目的のために前向きに応援•負担する」という構造作りをすること。そのようになるためのいくつかの私案を示す。
1、自分の寄付の行方を明らかにする(例:①一軒の仮設住宅建設のために必要なコストは○○万延、自分の寄付は仮設住宅一軒の何分の一かわかるように復興にかかるコストを可能な限り明記する。②私の近隣に避難してきた被災者の話では毎日の入浴代金も負担になっている様子。被災者の入浴のために○○円寄付、これで被災者が○回入浴可能というような説明があれば納得できるのでは)
2、経済を活性化しながらの財源収集を考える(①復興支援商品、復興支援店等指定する)一般の商品や店舗のみでなくネット上の通販等で、その金額の一部を復興支援にまわすというような仕組み)。こうすれば物を購入したり会合や宿泊、飲食をしながらその一部が復興財源作りが可能となって消費がしやすい環境ができる。
3、ふるさと納税のような形で、復興地に対する寄付金の免税を行う。
 以上、種々の年齢や所得階層がそれぞれが可能な援助を長期的に行えるシステム作りを工夫してみては。今までのように福祉のために消費税を、と称して、結局は何に使われているかわからない財源の確保法は変えるべきだ。
 それにしても、それぞれの被災地で何が必要とされているのか、一目で見てわかるように情報公開ができるシステム作りは急務だ。自分の援助が目に見えるようなHP等、情報収集と発信のシステム作りに力を入れることが、重要であることを今回の震災で認識できたことは、今後の同様の問題が発生した時、そして日本全体の再生に繋がると考える。
 今回の震災復興をきっかけに、私たちも納得して税等を負担する社会に変化させることができれば、超高齢化社会を目前に「高福祉高負担でも幸福度が高い互助互恵の国」に一歩近づけるかも知れない。
Q3. 回答する。
 今回の震災と原発事故で、今までの日本のあり方(経済最優先、国民の生存権軽視、原発安全神話等正しい情報が国民に伝わっていない等)の問題を多くの国民が認識することができた。ただ一方震災復興が最優先となって先進国未曾有の高齢化社会を迎える準備の重要性から関心が薄れてきたのが心配。
 現在の震災でも始めの「衣•食•住」から「医•職•住」へと問題は変化し、高齢者対応やPTSD等医療•福祉提供体制の問題が徐々にクローズアップされてきている。経済の復興を実現するためには、それを支える人の安心を担保する、医療、介護、福祉、そして教育の充実は必要最低条件、復興にそのような視点もぜひ組み入れてほしい。
 
 
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6. そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)

伊東乾
作曲家・指揮者 ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督
Q2. 「6 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
設問の選択肢から言うなら直接税と民間資金活用のバランスの取れた施策が望ましいと考える。震災直前の状況を思い返さねばならない。2011年の日本経済は、景気を上向かせる有効な経済政策が必須不可欠だった。復興を景気浮揚策に見立てる訳ではないが、現状での日本の経済の建て直しをより大きなスパンで考えるなら 1 無駄な支出を削減するのは当然としてもかなりの規模の公共事業が必須不可欠であり 2 いたずらに消費を冷え込ませても被災地社会経済の復興に逆行するのは目に見え 3 安易に国債発行に頼るべきでた当然なく 設問選択肢の中から挙げるなら直接税を中心とする税収の確保に加えて、民間資金を活用する復興を指導するのが現実的と考える。
Q3. 回答する。
 復興という言葉の第一義は「原状回復」にある。ライフライン、港湾、交通路など被災地復興の目標は2011年3月10日時点の通常のインフラや社会経済状況の復旧にある。だが、そのゼロ時点で抱えていた諸問題が棚上げになっており、両者の解決を並行して進めねばならない。
 私達は、ただ単に、多くの問題を含んだ2011年3月10日時点を再現するのではなく、新たな日本社会を被災地の復興も含め転機として、新たな日本社会の創出に向けて、建設的に捉えてゆかねばならない。そのヴィジョンが示せてこそ政府であり、それがなければ見通しは暗い。
 被災地の再建は当然ながら雇用創出の一環ともなる。現地で職を失う方も出ているが、直前まで膠着していた諸要素が動き始める訳でもあり、ここに新たなヒト・モノ・カネの好循環を政策として構想立案・実行完遂してこそ、行政の存在意義があるというべきだ。
 「冷戦後」が明らかに終焉したグローバル状況の中で、そもそもあるべきわが国の方向性を明確にデザインし、真の意味での東北新生、日本再生の施策となるよう、ヴィジョンに即した手堅い積み重ねによる復興を進めてゆく必要がある。
 
 
河野勝
早稲田大学政治経済学術院教授
Q2. 「6 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
復興計画が決まらず、したがってその規模や目的がわからないまま財源を議論することはできない。ただし、国債を発行することで、これ以上財政を悪化させることはさけるべきと考える。また、消費税に反対する人たちの意見の中で、「消費税は一般的にかかるものであるから、それを増税すると震災を受けた人の負担も増え、公平ではない」という議論は、私には理解できない。この議論をつきつめれば、「震災をうけていない九州や近畿地方にだけ、増税をすべきである」という議論をしなければならないことになるが、そのような構想こそ、人々は不公平と思うであろう。
Q3. 回答する。
個人的には、震災からの復興を、単に東北地域の復興と位置づけるのではなく、(これまで経験したことのないような震災であったからこそ)日本経済が全体としてこの試練を受け止め、国家の長期的ビジョンを描くべきであると思う。しかし、いずれにせよ、そのビジョンを描くべく設置された復興構想会議が、(行)政府のもとに設置されたことで、この会議の提言がをそのまま実現される見通しがないままに行われることになってしまったことは、非常に残念である。この会議は、立法府である国会が発議し、出発点からして与野党の連携のもとで「国民会議」として設立されるべきであった。過去の慣習にとらわれているからか、あるいは単に怠惰であるからかは知らないが、「国権の最高機関」である国会に、この未曾有の危機に対して未曾有の対応をしようという気概が感じられないことに、国家日本の悲しい現実がある。
 
 
鈴木豊
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授・公認会計士
Q2. 「6 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
このうち一つを直接選択するのではなく、20兆円以上必要といわれる財源の捻出を優先順位で示すべき、そうすると1から5や賠償金等のすべてがあてはまる。最終的には国民負担である税金ということになるが、その前に政府が可能な自らを削り、節約する姿勢を国民に示すために、税金以外の財源の確定的な可能性を先に示すべきでsる。
Q3. 回答する。
国民や市民は、財源が本当に真に必要な被災者に役立つのか、届くのかを過去のわが国の政治・行政の欠陥から不信をもっているので、この際に復興政策決定→財源決定→執行→監視・監査のプロセスの全体像をみせて安心・信頼してもらうべきである。その中で企業の民活用による活性化策、税源の選択、政策の効率化と効果性追求により財政健全化を思い切って行う姿勢と国民負担のあり方を示すべきである。
 
 
藤巻健史
株式会社 フジマキ・ジャパン代表取締役社長
Q2. 「6 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
今年度予算での法人税収予測は7.8兆円、所得税収は13.5兆円である。大震災で下ブレが予想される。この税収では10%増税したとしても全く足りない。唯一の可能性は所得税の課税最低源の引き下げであるが、今の政府がそんなことを英断出来るわけがない。国債を大量発行すれば暴落の可能性が極めて高い。支払い金利急増で即、財政破綻である。大震災だけならなんとかなったろうが、財線破綻直前でこの危機が起きたからである。したがって消費税上げと言う選択枝しかないであろう。ただ残念ながら消費税上げでは十分な金が集まらず、国債増発ーー>国債市場の大暴落ーー>その事態に対処するために禁じ手の「日銀の国債引き受け」が行われると言うのが現実的シナリオだと思われる。結果は大インフレである。「日銀の国債引き受け」が禁じ手なのはマーケットにいた人間として十分すぎるほど分かっているが、それしか資金不足による政府機関の1時閉鎖(シャットダウン)を回避する方法はないと思っている。
Q3. 回答する。
48兆円の歳入に際し92兆円を使う社会が長く続くわけが無い。歳出カットを言う人もいるが、国債の元本償還額や金利支払い額を減らすことは出来ないのだから、92兆円のうちの4割を占める社会福祉費を大幅に削るしかない。それが嫌なら48兆円の歳入を増やすしかない。消費税率の超大幅upというのは不可能だろうから、考えられるのは法人税収入upしかない。7.5兆円の法人税収入を10倍の75兆円にすれば良い。日本は企業が情けない程儲かっていない。世界中で一番儲かっていないと言っても過言でない。米企業と比べると純利益が10分の1から100分の1である。日本国が「格差是正のための所得再配分」ばかりを考えて「所得拡大」を考えてこなかったから当たり前の結果である。日本が社会主義を放棄し、市場原理を導入すれば法人税収入は10倍になり、財政は成り立つ。今後、社会主義と決別する決意を持って、この危機を乗りきらないと日本の未来はない。
 
 
岸本裕紀子
エッセイスト,政治コラムニスト
Q2. 「6 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
やれることは全てやるべきだと思うし、素人からすると、個々の財源のどれに比重をかけるのが最適かはわからない。
また、疑問点も多くある。例えば、増税が景気に与える影響はどの程度なのか。国債発行という形でこれ以上国の債務を増やしていいのか。非常時対応で出す復興国債の償還期限はどのくらいが限度なのか。所得税増税をする場合、一律10%などと上乗せする付加税方式がいいのか、累進税率を強めるのがいいのか。
こういった問題を政治家や専門家の間で詰めた議論をしてほしいし、それぞれが自説を主張するだけではなく、接点を見出す努力をしてほしい。テレビで本格的な討論番組を組んでもいいと思う。(5月4日)
Q3. 回答する。
東北地方はもともと、過疎化、高齢化、産業の空洞化などの問題を抱えており、それらを、復興を通してプラスに転じていくような農業・水産業などの大胆な再編や事業化が必要だととなえられている。それも理解できる一方で、地域やコミュニティを分断してしまうような施策には不安もある。
復興資金については、地元のニーズを尊重し、国際的にも「日本は復興に成功した」というメッセージが伝わるような真に効果的なつかい方をしてほしい。それでなくとも国民は、政府の予算配分はうまくいっておらず(だからこそ事業仕分けが注目された)、政治家は選挙の票集めのため、官僚は既得権益確保のために予算を利用していると思っているのだから。
 
 
坂東眞理子
昭和女子大学理事長
Q2. 「6 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
(選択肢-1と選択肢-5を主としてミックスしたものとして以下を回答)
必要な支出ができたらすぐ増税か、国債と条件反射のように考えますが、もっと既存の支出を見直し、削減すべきです。たとえば福島や仙台で作付できない田んぼが増えたので今年は全国で減反を行わないので奨励金は出さない。そのお金で被災地の農業支援に充てる。所得制限なしの子ども手当に世帯年収1000万以上の家庭への手当を凍結して基金を作り、それで教育施設の復旧に充てる。自分の土地を仮設住宅。公共施設に提供した人や建設した法人に税を減免する。
復興のための義捐金を出した人には、それを税額控除する時限の特別立法を行う。相続時に課税されない復興特別債を発行する。などぜひ知恵を絞るべきです。課税するとしたら、電力税、エネルギー税で省エネも促進されるはずです。
 民間資金の活用としては、たとえば、PFIで校舎や市役所などの必要不可欠な施設を民間が経て、その賃料を30年間払う補償をする施策や、既存の民間の空き家がたくさんありますので、被災者に提供してその家賃補助をすれば、仮設住宅は少数で済むというアイデアが考えられます。
復興需要でビジネスをしようという人たちが20兆円と叫んでいるのです。
東京都など地方財政が豊かな地域に住んでいる人はふるさと納税で、被災地の自治体を助ければ、負担する住民税の総額が同じです。出身地でなくともどこの自治体に対してでも納税できます。
Q3. 回答する。
大震災関係ですでに22の会議や委員会が設置されています。復興会議は菅さんも力を入れておられますが、メンバーの人選の基準がないらしく、いかにも大衆受けを狙った方が多く、実質的な提言はできないと思っています。復興税会議でなく、復興構想会議であってほしいものです。
 
 
米倉誠一郎
一橋大学イノベーション研究センター教授,同センター長
Q2. 「6 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
一つといったワン・ソリューションはあり得ないので、以下の組み合わせ。
1:歳出削減・政策の見直し(を中心とした対応)
4:国債発行(を中心とした対応)
5:民間資金の活用(を中心とした対応)
増税以外のさまざまな手段の組み合わせによる財源確保。不況災害時に増税はあり得ない。経済自体が縮小すれば、元も子もない。1000兆円にまで積み上がった国の借金だが、この段階でソブリン・リスク云々を言っている場合ではない。ビジョンある復興の第1歩が大切。
Q3. 回答する。
政策決定のポイントはプライオリティ。
まず、復興に向けての方向性を示す。東北復興における5つのスマートシティの建設(仙台、那珂湊、気仙沼、釜石、大湊など)。それにともなった、地方分権型の復興特区の指定(復興プランは特区主導)。同時にTPP対応型農業への指針。福島原発対応のコンティンジェンシープランを含む工程表の確認。

こうした復興体制の明示があって、財政再建および税と社会保障の一体改革(福祉目的化した消費税の段階的引き上げを含む)、TPP加盟準備、一票格差是正を明示した選挙制度改革。さらに、脱原発・脱炭素化社会のリーダーになるべく、分散型電源開発・電力消費量の30パーセント削減へのイノベーション政策の推進等を次々と打ち出し、世界に日本は回復軌道に既に乗りはじめ、世界がうらやむ知識立国へ向けて準備が開始されたことを印象づける。
 
 
稲増龍夫
法政大学教授
Q2. 「6 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
20兆円は、日本人の個人資産の2%弱。緊急避難的に、ここから、
「預貯金金利への増税」「寄付の大幅減税」「特別国債」など、
直接復興資金として、あるいは消費して経済自体を活性化してもらう。
恒久的には問題があるので、今年度&来年度の時限措置とする。
Q3. 回答する。
理想としては、地域主導でやってもらいたいが、今回は、地域を超えたグランドデザインが、不可欠なので、やはり政府主導でしかありえない。まずは、各党が独自の復興プランを掲げて、国民投票がわりの衆院選をすべきである。
 
 
町田徹
経済ジャーナリスト
Q2. 「6 - そのほか(設問・選択肢以外の考え方、視点)」の回答理由
災害からの復旧は、第1が被災者の自助努力、第2が海外も含めた事業会社・金融機関の投融資、第3が地方と国の歳出の効率化(配分の見直し)でやることが原則。財政出動はそうした資金で手が回らないと予想されるところに限定すべき。その際の財源は、当面、国債でしのぐ以外の策は考えるべきではない。増税はいずれ必要だが、少なくとも2、3年は待つべきだ。さもないと、大幅な落ち込みが予想される経済を一層冷え込ますことになりかねない。
Q3. 回答する。
被災地の希望と事情を最優先すべき。中央の会議が頭でっかちなことをやろうとすると、初会合でいきなり増税を強調したような頓珍漢な話になりかねない。
 
 
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