ニュースリリース

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更新日:2016年11月29日

2016年11月度社長会見要旨(2016.11.25)

Q.10月改編について

ドラマはストーリーものが多かったせいか、徐々に視聴率が上がってきているものもあるので今後に期待したい。バラエティーも楽な戦いではない中で、懸命に作って、ある水準までは来ているので、続けていって欲しい。今のフジテレビのバラエティーの作り手たちが、何かひとつ掴んできつつあるのではないかという実感はある。ただ、今までの番組作りだったり、ルーティーンだったりをなかなか抜け出せないでいる感じもある。すべての枠が胸を借りる立場なので、もっと思い切り振り切って番組を作ってほしいと思っている。

Q.年末年始の特番編成について

今年もスポーツ、バラエティー、ドラマと、変化にとんだラインナップを並べている。去年の大晦日に放送した『RIZIN』は今年も、大晦日に格闘技、ということで放送する。手に汗握る名勝負を見せることができればと思っている。去年も好評だった『FNS歌謡祭』も第一夜、第二夜と、豪華ラインナップをそろえている。元日は『爆笑問題ヒットパレード』の3時間スペシャル。この番組は元日恒例でかれこれ50回目という節目。50回を飾った方達の映像を含めてゴールデンタイムで見て頂きたいと考え編成したと聞いている。その下は『平成教育委員会』。笑った後はちょっと考えましょうということ。そういう意味では、年末年始は、笑うばかりではなく、少し考えたり、手に汗握ったりと、多様なラインナップになっていると思う。長時間番組になるとともすると作りが雑になりかねないので、お正月でおとそ気分で見られているといえども、制作側は気を引き締めて、精一杯、手を抜かずにやって欲しいと思っている。

Q.最新の営業概況について

10月が確定した。前年比でネットタイム92.0%、ローカルタイム100.3%、スポット103.1%、トータルで97.9%。10月はスポットが活況だった。11月の見込みはトータルで今のところ95%前後で、これから積み上げてくれると思う。残念ながら視聴率が他局の後塵を拝しているので、タイムセールスが思ったほど伸びない中では営業は頑張ってくれていると思う。

Q.最新の映画事業、イベント事業について

12月23日に公開する「土竜の唄 香港狂騒曲」が初日に向けてのパブリシティーに入っている。前作が20億円超えのスマッシュヒットになったので、これも期待したい。正月映画は、洋画で強力なラインナップが並んでいるが、その分、劇場はにぎわうと思うので、並み居る海外勢に打ち勝っていって欲しい。また三池崇史監督は、そういう作品に作り上げていると思うので期待している。
事業では「ダイハツ トーテム」が11月10日から名古屋で始まった。東京が51万5000人、大阪が35万3500人と合計86万8500人の方にご覧頂き、名古屋も好調だと聞いている。また上野の森美術館で開催中の「デトロイト美術館展」も、美術展では珍しく、写真を撮って美術品をカメラにおさめていい日を設けていることが、美術ファンに好感をもって受け入れられているようで、こちらも11月半ばで10万人を超えたと聞いている。美術展にたくさんの人が来て楽しんで頂けるのは、いいことだと思っている。

Q.上期決算及び通期の見通しについて

上期は減収増益。赤字だった前期から増益を目指してきて、予定通りの営業利益を出せた。減収については、地上波広告収入が苦しんでいることは否めない。その中で放送以外の事業が非常に貢献してこの利益を出せた。減収といっても微減収。映画・事業・コンテンツ事業などの放送外事業が増収要素を含んでいる。視聴率の上昇と営業収入はタイムラグがあるので、放送収入が苦しいのは通期の見込みとしても続くと思う。その中で収支セクションは非常に重い責任を持って頑張って欲しいと思う。同時に費用コントロールを進めてきたところもある。社員みながしている努力は、このまま続けていければと思っている。ただ、やはり企業の力は収入なので、増収を目指し一日も早い視聴率回復に向けて全社一丸となってやっていくことが通期の見込みをプラスにすることにもなると思う。がんばっていきたい。

Q.12月に『鬼平犯科帳 THE FINAL』が放送され、長年のシリーズが終了を迎えることについて

中村吉右衛門さんは歌舞伎界のスーパースターで大御所の大役者。テレビや映画が主戦場ではない方が、28年間、歌舞伎の舞台の合間を縫いながらテレビで『鬼平犯科帳』に没頭してくれたことに、心から感謝したいと思う。舞台とテレビの流儀は全く違うので、大変なご苦労もあったと思う。本当に頭が下がるし、感謝の言葉という以上のものを感じる。『鬼平犯科帳』が終了するにあたってのパーティーを京都でやったとき、鬼平という役はどうあるべきかを語ってくれた。28年間もひとつの役をやれば歳をとるのが当然なのに、それを「鬼平が歳をとってはだめだ」と。「鬼平はずっと鬼の平蔵でなければいけない。いいところでフィナーレを迎えたいと思っていた」という話を聞いたときに、これぞ役者魂だと感じた。本当にそこまで役を大切に考えられていて、そういう吉右衛門さんがいたから、周りの人たちのファミリー感もすごかった。原作の池波正太郎先生との約束で原作を逸脱できないので、残念ながらここでフィナーレを迎えざるをえなくなったわけだが、『鬼平犯科帳』は時代劇という一つの括りの中では語りきれない気がしている。ジプシー・キングスの曲がかかるような時代劇は初めて見たし、当時からするとすごくアバンギャルドな時代劇、ハードボイルドを狙っていたという気がする。感慨もひとしおだ。

Q.今月から始まった『フルタチさん』の印象について

まだ番組のスタイルが決まり切っていないし、色々なことにトライしながらやっているところだと思う。ただ、あまり試行錯誤しすぎて、何をしたい番組か視聴者が分からなくなるということだけは避けてほしいと思う。古舘さんのトーク力を生かし切ることに注力してほしい。ここまで見た中では、古舘さんでないとできないというコーナーがある一方で、別に古舘さんじゃなくてもいいのではないかと僕個人が視聴者として思うところもあるので、それは遠慮なく現場にその意見は言わせてもらった。明日から月曜日という夜に、古舘さんの喋りで息抜きしたいところもあるし、大人の笑い、なるほどというところもあってほしいと思う。古舘さんのトークの切れがうまく番組に生かされる作りにしてほしい。

Q.配信を開始したFODVRの狙い、期待について

我々が制作するVRを手軽に見られるようにしたいということ。VRにはいろいろな可能性があって、西ノ島を360度で撮影したすごい映像がある一方で、フジテレビの女子アナと一日デートとか、アイドルの水泳大会とかの発想も、VRのすそ野を広げていくと思うが、そうしたものを何万円もかけた機械を買わなくてもスマホで見てもらえることで、気軽に楽しめるのではないかと始めた。わざわざ高いものを買わなくても、この程度でも結構VRを楽めるということにビジネスチャンスがあると思う。すごさよりも楽しさに舵を切っているところがいいと感じている。