ニュースリリース

一覧へ>>

更新日:2015年6月2日

2015年5月度社長会見要旨(2015.5.29)

Q.4月改編の視聴率動向手ごたえは?

負けている以上はブランドイメージを変える覚悟で大改編を行った。まだ満足のいく結果は出ていないが、変化にはリスクを伴うもの、今は我慢のしどころ。うまくいっていないときは、制作陣が方向性を見失い平均点を取りに行きがちなので、とにかく思いきって発想の転換をしてもらいたい。足元をしっかり固めることは重要だが、「将来的にこれがテレビのスタンダードになるんだ」という気持ちで新たなものを生み出してほしい。今は、いかに芽があるかを見極め、育てていけるかが重要だ。まずは一人でも多くコンテンツのファンを作るように、その糸口をみんなでしゃにむに探して頑張ってほしい。
そんな中、月曜日は、21時のドラマ『ようこそ、わが家へ』が、スタート当初「ちょっと怖い」という声もあったが、ストーリーも展開してきて着々と数字を上げてきた。昨年10月スタートの20時『痛快TV スカッとジャパン』も定着してきた。また、木曜日も5月にリニューアルした19時『VS嵐』や、20時『奇跡体験!アンビリバボー』が好調で、月曜と木曜とも番組の流れがよくなっている。また、金曜、土曜の単発枠も非常に充実してきている。この辺りのいい面を保ちながら、火曜、水曜、日曜など苦しい枠を、どのように知恵を絞って底上げできるかが勝負だと思っている。視聴率を上げていくために、リスクを覚悟でどんどん動いていく方針は変えない。

Q.7月クールの連続ドラマの狙いと見どころは?

今クールは、30代のプロデューサーを抜擢している。未来に向かって球を投げる人材を育てていこうという姿勢は評価できる。少しでも成功体験をして、いい意味で勘違いするプロデューサーが育ってくれればうれしい。フジテレビのドラマはキラキラしていて欲しいと願っているが、今の30代の制作者は、キラキラしたドラマを見て育ってきたはずなので、その感覚はわかってくれるのではないかと思う。また、今回はオリジナル作品が2枠あるなど、気概を持って臨んでいるところは制作者の気合を感じる。

(大多亮常務)
月曜21時『恋仲』
今最も注目されている若手俳優・福士蒼汰主演のオリジナルのラブストーリー。昨今、テレビの連続ドラマでは、オリジナルのラブストーリー自体がほとんどない。毎クールというわけではないが、「月9」という枠は、基本ラブストーリーを続けていかなくてはいけないという思いで『恋仲』をお送りする。プロデューサー、ディレクターとも30代前半だが、30代前半というのは、視聴率を取る、当たる経験を覚えるには一番いい時期だと思う。ぜひ彼らにそういう思いをさせてやりたいし、成功させないといけないという思いで起用した。
水曜22時『リスクの神様』
フジテレビ連続ドラマの主演が16年ぶりとなる堤真一が主演で、戸田恵梨香共演。ある商社にアメリカからプロの危機管理専門家がスカウトされてやって来るというオリジナル作品。リスクマネジメントはどこの企業にとっても重要なことなので、見終わったときに「こんな危機管理能力に長けた人がいたらスカッとするだろうな」という爽快感がある作品に仕上がれば、見応えがあり、楽しんでいただけるものになると思っている。
木曜22時『探偵の探偵』
この枠は、これまで『最後から二番目の恋』や『最高の離婚』といった、大人の女性に向けたラブストーリーをお届けしてきた。今回は女性目線は変わらないが、タフな女性の生き様を描く松岡圭祐原作の本格サスペンス『探偵の探偵』をお送りする。主演の北川景子は、笑顔を封印し、クールで孤独なヒロインを演じている。ドラマの見どころの一つである本格アクションシーンでは、日々キックボクシングでトレーニングを積んで臨んでいると聞いている。北川さんからは、本作品の放送前にもかかわらず「シリーズ化をしてほしい」と気合の入った言葉をいただいているので、ぜひ“女性のヒーローもの”としてヒットして欲しい。
土ドラ
4月にスタートし、これまで『She』『妄想彼女』と約1カ月ごとにラインナップを替え、いろいろな作品をお届けしている。若手の役者、スタッフ、脚本家を育てていきたいという思いで作っている。次回作は、5月27日スタートの『ラーメン大好き小泉さん』。タイトルもユニークだが、内容も面白くなると期待している。

Q.決算発表の概要と感想、および今年度の見通しについて

フジテレビは、残念ながら前期比減収減益という発表となった。視聴率低下を受け、主力の放送収入が減収となったため、営業利益、経常利益、当期純利益とも減益だった。フジ・メディア・ホールディングス(FMH)は、都市開発事業セグメントなどが好調だったが、フジテレビの減収減益が大きく響き、微増収減益。FMHの中核をなすフジテレビを任されているものとして、忸怩たるものがある。視聴率の回復が何よりも優先課題ということで今後も経営にあたっていく。
放送以外のその他事業は、堅調に推移している。映画事業はここまで好調に推移しており、イベント事業のシルク・ドゥ・ソレイユ「ダイハツ オーヴォ」も135万人の動員をもって終了できる見込み。何より配信事業のフジテレビオンデマンド(FOD)が本業の一つの柱になりつつあることがうれしい。「自分たちのコンテンツを自分たちで売る」ということで、自前のプラットフォームで十数年積み上げてきたものが近年黒字化できてきている。ここから先、さらなる勝負だと思っている。地上波のみならず、4M(地上波、BS、CS、ネット)すべてを見据えてコンテンツをどう動かし、どのように収益を上げていくのかを常に考えていきたい。

Q.最新の営業概況について

4月の数字が確定したが、タイム、スポットとも前年同期比100%に届かない厳しいスタートとなった。昨年4月の市況が非常によかったこともあり、トータル96.2%。今年は市況が苦しい中、この在庫を抱えて96%というのは営業は頑張ってくれたと思う。5、6月も市況の見通しは芳しくないため、苦しい数字を想定している。そうなると費用コントロールをどうできるかということが課題になる。一方で視聴率を上げなくてはいけないし、編成をはじめ制作セクションの人間は知恵の使いどころ。よく議論しながら進めていきたい。今後は、8~9月に開催を控える「FIVBワールドカップバレーボール2015」や7月25日・26日放送の「FNS27時間テレビ」ほか大型の単発番組が多いので、それらをしっかりセールスできれば数字は作れると思っている。営業にはぜひ頑張ってもらいたい。

Q.最新の映画事業およびイベント事業の概況について

今年に入り元気が出てきてほっとしている。
3月21日公開「暗殺教室」は、観客動員約239万、興行収入28億円弱。4月18日公開「ドラゴンボールZ 復活のF」も興行収入35億円超えと、前作の29億6000万円を大きく上回り、今もなお大ヒット上映中。古沢良太氏が脚本を手がけた「エイプリルフールズ」(4月1日公開)は、非常によくできた作品で、この手の規模の作品としては興行収入9億円とうれしい結果となっている。
いよいよ「海街ダイアリー」(監督:是枝宏和、出演:綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずら)が6月13日に公開する。第68回カンヌ国際映画祭の最高賞(パルムドール)を選ぶコンペティション部門に、邦画で唯一ノミネートされた。惜しくも受賞は逃したが、ノミネートされただけでも大変うれしい。カンヌのレッドカーペットを彩った出演女優4人の艶やかなドレス姿など、現地の模様を国内の様々な媒体で取り上げていただいた。作品は是枝監督らしい非常に優しいタッチで描かれており、まさに日本映画のニュージェネレーションといっても過言ではない。期待している。
※数字は5月28日現在

Q.最新の事業概況について

シルク・ドゥ・ソレイユ「ダイハツ オーヴォ」は、東名阪福の累計入場者数が119万人を突破し、現在最終公演地・仙台で公演中。6月7日に大千秋楽を迎えるが、最終的には130~135万人を超える動員の見込みである。
9月には、1972年にトニー賞5冠に輝いたブロードウェイミュージカルの傑作「ピピン」が初来日する。(9月4日~9月20日・東急シアターオーブにて)名作ミュージカル「CHICAGO」を演出した鬼才・ボブ・フォッシーが手がけたミュージカルに、今回は、シルク・ドゥ・ソレイユ出身者が手掛けたサーカスアクロバットの演出を加えた、きわめてフジテレビらしいと言えるような作品に生まれ変わっている。大変期待しており、積極的に話題作りをしてぜひ成功させたい。