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更新日:2015年2月3日

2015年1月度社長会見要旨(2015.1.30)

Q.今月29日、トルコで取材にあたっていたFNN報道取材班のコーディネーターが交通事故で亡くなった件について

本当に極めて残念な事故が起きてしまった。トルコ国内で、邦人人質事件の取材に当たっていた私たちFNN取材班のコーディネートをしてくださっていた日本人女性・高谷一美さんを乗せたタクシーが事故に遭い、運転手とともに亡くなられた。本当に残念でならない。高谷さんは、報道だけでなく、情報、スポーツなど、コーディネートしていただいていた。心よりご冥福をお祈りしたい。

Q.2014年年間視聴率を受けて2014年の振り返り、および今年の目標

昨年は、年間視聴率3位という結果になってしまった。ゴールデンタイムの視聴率も93.9%に終わり、非常に悔しい1年だったという気がする。しかし、そのような中でも午前帯は、年間を通してトップを取っているので、その流れを大事にしたいと思っている。さらに、昨年早々に午後帯に打って出るという発表をさせていただいたが、午後1時55分から俳優の高橋克実さんとキャスターの安藤優子さんがMCを務める新情報番組を展開していく。その後の枠は、夕方のニュース番組を拡大し、午後7時まで生放送となる。ともかく、テレビの持ち得るライブ感というものをいかに発揮できるか、今起こっていることはもちろんのこと、常に情報を伝えていくことがテレビの最大の強みだと思うので、そこをもう一度踏まえ、午前中の力をさらに午後へ…今年は、「ライブ」をテーマにやっていきたいと思っている。

Q.年末年始編成の総括と1月クールドラマについて

年末年始は、視聴率調査開始以降初めての5位という1週間だった。この事実は、まさに視聴者が我々に対して、今思っている印象だということは、社員全員がある危機感を共有できたと思っている。その後、今日までの流れを見ると、楽観視してはいけないが、その痛みを制作現場の人間たちが実感し、自分たちが今視聴者ファーストで何をすべきか、ということを日々考えながら、番組作りをしてくれていると感じる。1月2週目は、一冠を取り戻し、昨年はなかなかなかったことだが、15%を超えるレギュラー番組が出始めてきた。また、全日帯も2位になれるような状態にもなってきている。今年1年、自分たちは当然チャレンジャーであると同時に、視聴者と一緒に呼吸をするテレビ局であるということを念頭に置き、いかに番組を作っていかれるかだと思っている。
1月クールのドラマは、月曜21時『デート~恋とはどんなものかしら~』が非常に好調。今最も勢いのある脚本家・古沢良太氏という新しい才能の持ち主が、こういう本も書けるのかという、新鮮な気持ちで見ている。その他のドラマは、現状、視聴率に苦しんでいるが、坂元裕二氏、橋部敦子氏といった、かなり力のある脚本家が揃っているので、後半に向けて、ストーリーで盛り返してくれると期待している。

Q.4月改編の狙いや意気込みについて。また、午後帯の新情報番組がスタートするが、狙いと具体的な方針は?

今現在、編成を中心に制作、情報、報道で4月からのタイムテーブルを作っているところで、次回のこの席では具体的な話ができると思う。先ほど申し上げたように、インターネットやSNSといったいろいろなメディアが出てきた中で、テレビの一番の強みは、やはり「ライブ」で一度に多くの人に情報を伝えることができるメディアであるということ。もう一度、原点回帰でライブの時間、つまり生放送を増やし、なおかつ充実させることが、今後のテレビ局、地上波の武器だと思っている。生か録画かということではなく、ゴールデンの番組でも、視聴者の今をどう捉えているのか、視聴者と共にどのようにテレビも呼吸をしていくのかということを大前提に、ドラマやバラエティも含めて、ライブ感のある番組制作を進めていきたい。4月改編では、それを一番に考えてもらいたいと意見を述べた。
また、午後帯の新情報番組については、着々と準備が進んでいると聞いているので、しかるべきタイミングが来たら、きちっと発表させていただく。いずれにしろ、4月改編は、「ライブ」という言葉を合言葉に、キャンペーンも含めて進めていく。

Q.広告型無料配信サービス「+7(プラスセブン)」について、アクセス数や手応えなど現状の分析と展望は?また、フジテレビオンデマンド(FOD)に関して最新状況は?

1月13日より、ドラマやバラエティ番組を放送終了後から最大7日間インターネットで無料配信し、パソコンやスマートフォンで手軽に視聴することができる新サービス「+7(プラスセブン)」を期間限定で開始したが、特に水曜22時のドラマ『残念な夫。』の反響が大きいようだ。割合で言うと、パソコンが6割、スマートフォンが4割ぐらいだが、浸透していけば、もう少しスマートフォン視聴の比重が大きくなるのではないかと思う。今は、トライアルで行っているが、4月からどのような形で運用していくのかを現在検討している。フジテレビオンデマンド(FOD)は、ある程度定着してきたが、テレビ局が運営するビデオオンデマンドということを考えると、今後はもう少し多岐にわたるジャンルを用意できればと考えており、2月2日(月)より電子コミックを1万タイトル・40000冊、配信することになった。私たちの番組の原作になっているコミックはもちろんのこと、集英社、講談社、小学館ほか、多くの出版社のタイトルをFODからも購入可能にする。
番組に関しても、フジテレビ作品だけではなく、他局やさまざまなメディアの番組なども、提供いただきFODの拡充を図っていきたいと考えている。

Q.イスラム国の日本人殺害脅迫事件を受け、『暗殺教室』の放送が見送られた。
過剰な自粛との声も出ているがどう考えているか?

まずは、アニメ『暗殺教室』という番組そのものの内容が、そぐわないということではないという大前提で申し上げたい。先週の金曜日の放送を急きょ取り止めた理由の一つに、宇宙人の先生を倒す訓練で、人には無害という設定ではあるがナイフのようなものをかざして、いろいろなものを刺していくシーンがあったこと。もう一つは、先週金曜日はイスラム国が決めた72時間という期限のちょうどギリギリのところが放送時期だったということが、編成的に大きな配慮につながったと思っている。非常にデリケートなことだが、やはり視聴者が不快に感じるのではないか、これを見てどのように思うのかということの想像力を働かせながら、番組の編成をしなければいけなくなったときに、休止を判断した一番の理由は、やはり当時72時間と切られていた期限と、放送時間が同タイミングであったことと聞いている。今後もその都度、情勢を見極めながら、視聴者の立場になって判断していきたい。とは言え、番組そのものの内容がそぐわないということではなく、あくまでも番組の中の映像表現なので、過剰な自主規制にならないよう慎重に考えていかなければいけないと思っている。

Q.最新の営業概況について

第3四半期も終わり、前年同期比でネットタイム97.2%、ローカルタイム100.8%、スポット101.0%で、トータル99.3%と、視聴率が苦しい中で言うと、営業はよく頑張ってくれた。1月も未確定ではあるが、すでにトータルで前年同期比100%を超えている。
2月はキー局全局低調な状況で、スポットは前年同期比95%(未確定)くらいではあるが、昨年は消費税増税前の駆け込み需要が多く、スポットが活況を呈した特殊要因があったことを考慮すると、一昨年の同期比100%を超す予定で、決して悪くない数字。市況はそれほど冷え込んではいないので、今後に期待したい。

Q.最新の映画事業およびイベント事業の概況について

映画事業ですが、12月20日より公開の開局55周年企画「バンクーバーの朝日」は、観客動員が107万人で、29日までの興行収入がおよそ13億3000万円と聞いている。ぜひ15億円を目指してほしい。今月公開映画で期待できる作品が2本ある。2月14日より公開の「テラスハウス クロージング・ドア」は、昨年9月に終了した人気番組の「テラスハウス」を映画にするという、極めてフジテレビらしい企画。あの番組をどのように映画にするのか気になっていたが、好き嫌いはあるかもしれないけれど、鑑賞後はすがすがしい気持ちになり、フジテレビらしい作品に仕上がっている。もう一つは、盟友の本広克行監督が久々に取り組む青春ドラマで、ももいろクローバーZ主演の「幕が上がる」。本当に素晴らしい作品になっている。やはり映画の原点というのは、作りたいものを真摯に作り、よい形でみなさんにお届けし、理解いただくことだと思う。この2作品は、ぜひ注目していただきたい。
事業に関しては、シルク・ドゥ・ソレイユ「ダイハツ オーヴォ」名古屋公演が、2月1日に終わる。東京公演からの累計来場者数が1月11日に100万人を突破し、シルク・ドゥ・ソレイユの根強い人気を実感した。この後は、福岡、仙台と続く。1月4日に終了した「ティム・バートンの世界」展は、28万人もの方が来場くださり、このアート展をみなさんにご提供できたことを誇らしく思っている。1月9日から18日まで東京ドームにて開催された恒例の「ふるさと祭り東京2015」も好調。2月8日開催予定の「日本大相撲トーナメント第三十九回大会」は、前売り券の売れ行きが過去最高で、大相撲人気が完全に戻ってきたという感じがしており、楽しみにしている。