番組審議会

議事概要一覧へ>>

第476回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

平成30年 4月11日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 神崎仁
  • 委員
  • 岡野光喜、小山薫堂、林真理子、毛利衛、八木秀次、梓澤和幸、岡室美奈子(リポート提出)
  • 局側
  • 宮内社長、遠藤専務、岸本専務、松村常務、石原取締役統括局長、清水執行役員局長、塚越執行役員局長、山口局長、金田局長、石原局長、矢延局長、立本部長、中山局次長、瑞光部長、西村週刊フジテレビ批評担当、濵野プロデューサー、千葉演出、坪田室長、佐々木部長、藤井編成担当、柴崎室長、小林部長、熊谷番組審議室

4.議題

  • 『超逆境クイズバトル!!99人の壁・春の乱』
    2018年4月5日(木)22時~23時34分放送
  • 他に報告事項として、「グッディ!」で、オフィス北野の現役社員としてインタビューを放送した男性が、実際には社員ではなかった件について。

審議番組について、各委員からは以下のような意見が出された。

  • 入社2年目の方が企画演出をやって、舞台を与えたということに拍手を送りたい。
  • 番組の最大の収穫は、佐藤二朗さんというMCの発掘。個性豊かな素人ショーにあって、もっと手慣れた方を据えたいところ、佐藤さんにした勇気が凄い。
  • 最後のToshlさんへの問題が甘い、スポーツ中継のようなリアリティーショーにもっと持っていってもいいのではないか。
  • 芸人や高学歴芸能人がいなくて素人が出てくるので、非常に新鮮、年齢も小学生から大人までいて、非常に面白かった。
  • 2カ月に1回とか年に4回とか、生放送でやったらもっと面白い。ハプニングが見れた方が視聴者としては楽しめる。
  • いかにもゲーム世代が考えそうな番組で、とても楽しくて新鮮に拝見した。
  • スタジオに奇妙な一体感が出てきて、皆さんが仲良くなり始める感じがだんだんわかってくる。いい方に転ぶといいが、99人もいるとあの人たちをどうやって律するかなと。収録に恐らく物凄い時間かかったし、苦労しただろうと思う。
  • ついに出た、フジテレビらしい、時代を先取りした番組じゃないか。
  • 絶対自分が一番だと思い込んでいる分野で大勢の人と競争する。これが実は人類の持続的な発展と進化の方法論をわかりやすく表現しているのではないか。
  • 確かに些末でトリビアルなところに拘って、面白さを作り出すというユーモアの一つのジャンルというのはある、だが、それだけで良いのか。場違いな意見かもしれないが、今世界には難民問題とか戦争、環境破壊などという人類が生き残れるかという深刻な問題が毎日のように起こっている。これはマニアックな問題としても、正面勝負としても、クイズの問題は作れるはずだ。非常に常識的な問題、常識的に論点として立っている問題を取り入れることは大切なのではないか。
  • 自分がどんなに知っていると思っている分野、テーマについても、それよりも知っている他人がいる。ある意味実に哲学的で、人類の知の進歩というのはどういうものなのかということを垣間見せる。
  • 佐藤二朗さんの司会起用がこの番組を成功させている大きな要因。軽妙で、誰も傷つけず、好感を持てる司会ぶり、スタジオに一体感が出来上がっている。
  • あらゆる分野にまんべんなく知識があるとか、博覧強記である必要はない。社会通念や常識も要らない。これは、ごく限られたことだけに精通するオタクたちに活躍の場を与える。99人の壁はまさに社会、その壁を乗り越え、オタク道を極めてほしいと思わずにはいられない。
  • ゲスト解答者がいても良いが、X JAPANのToshIの全問正解はいただけない。
  • 大晦日放送分を録画で見たが、、今回は3人のゲストがチャレンジャーとして出演し、番組の進化を感じたが、まだ2回、模索しているのかなと感じた。
  • 得意なジャンルがマニアックなほど優勝する可能性が高いので、ジャンルをどうやって選ぶかが課題。
  • 経験を積むとどうしても囚われてしまって、クイズ番組というのはこういうものだという前提に作られてしまう。これからも若い人たちが破壊的に作ってくるいろんなものをやらせてみてあげてください。

それに対して、制作サイドからは以下のような発言があった。

  • そもそもは、数的優位というキーワードがあって、1人対大勢で1人側が勝つのか、大勢側が凄い強い1人を倒すのかというゲーム性、その構図に面白さを感じて、どのフィールドに落とし込んだら番組として成立するのかと考え、ふと、早押しクイズをやってみたらどうかと思いついた。
  • 1人側は自分の得意ジャンル、好きなことについてだけ問題が出るのであれば勝てるのでは、ぎりぎりイーブンになるのではと思いつき、そのシステムの形が出来上がってきた。
  • 最初、佐藤さんは「全く僕はMCをやったことがないしバラエティも知らないから正直何もできない」と。佐藤二朗さんにはMCを演じていただきたいというオファーを出した結果、ああいうキャラクターが出来上がった。
  • 生放送でいきたいという気持ちはある。ただし、素人の方100人を、律するのはかなり難しくて、それがクリアできないと生放送でやるのは難しい。その辺も考えつつ生放送でやる方法も見つけていければ。
  • ToshIさんについては、ゾーンに入ると凄いスピードでボタンを押して見事100万を持っていかれてた、リアルだったからしようがないが、ちょっと見え方はあからさま過ぎたので、そこは反省点。

5.報告事項

「グッディ!」で、オフィス北野の現役社員としてインタビューを放送した男性が、実際には社員ではなかった件について。

まず、局側から以下のような報告があった。

  • 『直撃LIVE グッディ!』で4月5日木曜日、たけしさん独立騒動のニュースを放送した際、ある男性のインタビューをオフィス北野の現役社員として放送したところ、オフィス北野からの指摘を受け、直接話し合いをして現役社員ではないことが判明した。翌日6日金曜日の放送で謝罪、訂正した。
  • そもそも、内部でトラブルがある上で現役社員が喋るということは、その信憑性を裏付ける裏を徹底的にとらないといけない。社員というのは非常に重みのある言葉で、「スタッフですか」「ええ」と答えられて社員と判断した、まずそこの判断が現場になかったことが一つある。
  • それを修正するのは本社の機能、最終的にはチーフPで、「社員」とすることに、番組としての重みをもっと感じないといけないと再度現場に投げた。
  • 対策としては、この番組の会議を行う際に、どうやって裏を取ったか、それが適切な方法で取ったのか、放送上どういう表現をすべきかと、朝の編集会議でもう一回徹底的に検討するという対策を翌日からとっている。

各委員からは以下のような意見が出された。

  • 同じことがこれだけ起きると、相当きちっとした調査をして、それぞれの件で一体何がだめだったのかという点をもう一度調査し直して、共通項を見つけて、何を対策にするかというのはもう少しお考えいただきたい。
  • チェックを多重的にするのは結構な話だが、多重性というのはある意味で責任がどこにあるのかを曖昧にしてしまう原因にもなる。
  • あの発言内容が、それほど放送するに値する内容だったのか、そういう検討はされるのだと思うが、あの内容でどうして出したのか。
  • テレビ局がネットとは違って自分たちは公正中立な報道をするために番組審議会を作り、BPOを作り、その質を担保しているんだというなら、厳密に考える必要がある。フジのその任に当たる人々にぜひ、そういう時代の厳しい中での話であることを認識して、よろしくお願いしたい。

6.その他

その他の、フジテレビ、あるいは放送全般についてのご意見。

  • 放送法の4条の改正検討という問題だが、ニュースなどを見ると、ちょっと納得いかないところがあり、きちんと取材、調査をしていただき、また民放連などの動きもお答えいただいて、次回またお知らせをいただければ。

会社サイドからは以下のような発言があった。

  • こういうことが規制改革推進会議で検討されているという、まだ情報の域を脱していないが、その中でも我々にとっては一番大切な放送法、特に4条の撤廃というような問題についても、テーマに挙がっているのか否かなど、全く不明だ。
  • 規制改革推進会議が16日以降にあり、その内容を見て正式には見解を表明したい。

◇他に「番組種別」、「2017年度下期の視聴者からのご意見」を報告した。
◇次回の第477回番組審議会は5月9日(水)。『プライムニュース イブニング』。

以上。