番組審議会

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第469回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

平成29年 7月12日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 神崎仁
  • 委員
  • 梓澤和幸、岡野光喜、岡室美奈子、林真理子、毛利衛、八木秀次
  • 局側
  • 宮内社長、遠藤専務、岸本専務、松村常務、石原取締役統括局長、清水執行役員局長、塚越執行役員局長、
    山口局長、金田局長、石原局長、矢延局長、立本部長、中山局次長、瑞光部長、高橋新週刊フジテレビ批評担当、濵野CP、木月演出、坪田室長、佐々木部長、柴崎室長、小林部長、熊谷番組審議室

4.議題

『今夜はナゾトレ 天才東大生からの挑戦状!2時間SP』
2017年7月4日(火)19:00~20:54放送

審議番組について、各委員からは以下のような意見が出された。

  • 2時間飽きずに見た。年齢に関係なく全ての年齢の人達が楽しめる番組だ。
  • アナザービジョンという東大生の集団が2回出題する。東大生の見栄えもいいし、出題の仕方も面白い。
  • 食事をしてお皿の中に描かれている人の名前を当てるというのには違和感があった。やや不潔な感じ。
  • 顔見分け力、イメージ力、集中力、閃き力、聞き分け力、空間認知力など様々なコーナーに分かれているが、どうもバラバラな感じ。一貫したコンセプトとしては「謎解きで脳を活性化」で統一されているのかもしれないが、2時間の統一感というか、一貫したコンセプトのようなものがもっと出てきた方が良かった。
  • 「天才東大生」という言葉が上から目線、ただの東大生でいいんじゃないか。
  • 全体としては楽しめたと思うが、2時間が私にとってはちょっと長かった。
  • 東大生からの挑戦状が2問しかなくて番組のタイトルと中身が違う、そのあたりが拍子抜けした感じ。
  • 最近、高学歴チームとか、東大・京大チーム、早慶チーム、インテリ軍団とか、タレントさんを学歴で判断して分けて看板にする番組がこんなに出てきたことあっただろうかと思うぐらい。そんな中、『天才東大生からの挑戦状』というのが、余りインパクトを持たない。ここはいっそ「東大異能集団」とか「イケイケ東大生」とか、人目を引くようなタイトル、もう一工夫した方がいい。
  • 松丸青年は結構いける。爽やかだし、好感を持てた。彼はいいキャラクターをしていて、番組の大きな原動力になるんじゃないか。
  • 確かに脳科学的にクイズを幾つかに分けて空間認識力とか全部で六つあったが、本当に科学的な意味があるのか。どこまでそういうことを認識して、脳の図を分けた意味があるか。監修者がいたのか。
  • この頃、東大出のタレントとか東大出のキャスターとか、やたら東大を売りにするのが多いが、そんなに東京大学はありがたい大学なのかと本気で思う。
  • テレビを見ていない人に食い込んでいく一つのチャンスを含んでいる番組じゃないか。小学生から30、40歳までは、弁護士のような堅い職業も含めて新聞、テレビを見ていない。インターネットで生きている。こういう番組を地上波でやると同時に、フジテレビの持っている例えばマンガとか映画とかインターネット系のメディアと同時に動かして、その人たちも見るところへ参加してくるというような実験的な作り方は出来ないものか。
  • 描いてある絵が何の絵だかわからない。例えば盾の絵、私は盾とは思わなかった。
  • タイトルに『ナゾトレ』とある。制作側は多分、タイトルとか内容に「脳トレ」という言葉を入れるか入れないか迷ったんじゃないか。脳科学専門の東京理科大の篠原教授が監修になっているが、「監修」と書いてあるだけで一言も発言がない。
  • 脳トレ路線にするならば、今のような脳の図を、活性化されているものを生かして、脳トレがなぜ必要なのか、あるいは脳トレの意義を説明しても良かった。
  • 2時間、物凄い頭のトレーニングをした。完敗したが、面白かった。全部一生懸命解いたが、到底あの時間内にそんなことまでは思いつけない。わからないものを考える時間も結構面白い。小学校の子も考えられるし、中学生も高校生も大学生も、年齢を問わず、家族の全員で参加して考えられるという意味では、私はなかなかよくできた番組だと思った。

それに対して、制作サイドからは以下のような発言があった。

  • ずっとこの番組は2時間で、1時間でやったことがない。尺が長いというご意見もあるが、それは編成の方とも今後話していきたい、我々としても課題の部分だ。
  • 確かに全部が「東大ナゾトレ」じゃないが、このコーナーが私たちのメインのコーナーであるという認識、そして事実上、番組の尺の広い面積を占めていることがあり、このようなタイトルの形になった。若干齟齬があるのも確かなので、今後検討していきたい。
  • 松丸君は東大の謎解きサークルのメンバー、100人以上いる大きいサークルでリーダー。スタッフが学園祭に足を運んで面白い人がいるということでアプローチして探してきた。
  • 最後の間違い探しのコーナーは、ディレクターとマジシャンの集団の皆さんと一緒にネタを考える。あれが一番大変なコーナーで、撮影が20時間ぐらい、本当に真夜中まで撮影をしている。
  • 回を重ねていくと、(脳のどこに利くかは)同じような説明なのではしょってしまう傾向があり、そこは初見の方を重視してしっかり説明することも必要なのではないかと思った。
  • 今まではクイズ番組は番組の作り手、作家だけで作っていたものが多かったが、もうちょっと外部のプロの方と膝をつき合わせてみるともっと違うものが出来るのではないか、他の番組とは違う問題を出すことを目指してやっている。
  • わからないものを考える時間が面白いという力強いご意見をいただいた。我々も自信を持って作ることが出来る。

5.報告事項

BPO放送人権委員会決定「都知事関連報道に対する申立て」について、「放送倫理上の問題を生じさせるものではないが、フジテレビには改善の余地がなかったか検討してもらい、番組制作に生かすよう要望する」との『見解(要望あり)』を、担当局より報告した。

各委員からは以下のような意見が出された。

  • 家賃問題を掘り下げるという報道の視点ではなくて、別の意図を持って取材が行われたのではないかということについて厳しい意見が付けられたと理解すべきだ。
  • 「少数意見あり」で、「子供の撮影に抗議しているくだりにふれずに、雅美氏の『いくらなんでも失礼です』から放送して、事務所家賃の質問に抗議している誤解を与える印象があった」と。これは重要だ。誤解を与えかねないんじゃなくて与えている。
  • 撮られる方と撮る方の違いだと思う。私もかつて長時間30分のインタビューを受けて、残りの28分30秒は別の趣旨を言ったのに、1分30秒「ああ、そういう考え方もありますね、それはこういう考え方をすればあり得るでしょうね」と言ったのを、放送されたことがあった。視聴者から見ればその1分30秒が私の主張であるとしか見えない。他の情報はないから。その1分30秒だけを放映するというのは、やはりアンフェアだ。28分30秒はそれとは真反対のことを言っているのに。
  • 視聴者がフェアな立場から判断できる材料を与えていくのが報道だ。それを主観で切らざるを得ないにしても、その主観が本質的に正しい主観でフェアであるかどうかは、いつでも報道する時にお考えいただきたい。

その他、8月の番組審議会は休会、次回は9月13日(水)など。

以上