番組審議会

議事概要一覧へ>>

第461回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

平成28年 10月12日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 神崎仁
  • 委員
  • 梓澤和幸、石井英夫、大石静、岡室美奈子、八木秀次
    (林真理子、毛利衛:レポート提出)
  • 局側
  • 亀山社長、遠藤専務、鈴木専務、稲木専務、岸本常務、崎山取締役
    西渕取締役局長、清水執行役員局長、石原執行役員局長、金田局長、塚越局長、平松局長、小田局長
    中山担当部長、宮道部長、瑞光部長、中部室長、高橋新週刊フジテレビ批評担当、夏野室長、佐々木部長
    中嶋チーフプロデューサー、福山ディレクター、上野プロデューサー
    柴崎室長、小林部長、熊谷番組審議室

4.議題

『関ジャニ∞クロニクル』
10月1日(土) 13:30~14:00放送

※参考として、委員には8月27日と9月3日の放送回もDVDを送付。

議題番組に対して各委員から以下のような意見が出された。

  • 本のタイトルが偽物か本物かをあてる企画について。その時代の人々の好みとか時代の風潮とか要請を、本のタイトルは如実に表している。一つの知的バロメーターでもある。それを当てようという、かなり高尚な部類の遊び。非常にいい企画だと思う。
  • まとまった印象が入ってこない。起承転結というか、どこかに向かって方向性を持っているというのは凄く大事だ。
  • バラエティ一般に感じていつも言わざるを得ないと思うのが、その場の笑いだけが魅力なのではない、ということ。その場の笑いだけで何か支持が来るのではないかという思い違いがあると思う。
  • 出演者に偽のタイトルを考えさせるアイデアが出色。ただ与えられたものをやっているだけじゃなくて、自分たちも頭をひねっている、センスを競っているところが新鮮。
  • 真実の対義語は「虚偽」とか「偽り」。真実対偽物という対比が適切なのかどうか。ナレーションやテロップ、本の見開きの文字が「真実対偽物」だったり「本物対偽物」だったり、言葉の使い方がごちゃごちゃ。視聴者にわかりやすく言葉を統一することは必要。
  • 関ジャニは、こてこて感がいい具合に抜けていて、それぞれ個性があって面白い。
  • 今回の本のタイトルを当てる企画は、なぜこんなに長い説明的なタイトルの本が流行っているのかの説明をちょっとしてもらうと、少し為になる部分も出てくる、その辺も知りたい。
  • バラバラの個性の人達がドッジボールのようなもので一つになっていくのを見るのが気持ちいい。バラバラさをむしろ上手く使っている。
  • フジテレビは、今までアイドルの概念を刷新してきた。例えば『夢がMORIMORI』、『LOVE LOVE あいしてる』から『堂本兄弟』。そこにアイドルに対する信頼のようなものがあり、周りで助けるのではなく、アイドル自身が体を張って何かするところに魅力があって、アイドルの概念そのものがどんどん刷新されていった気がする。
  • メンバーの力を引き出すような企画が増えてくると、『クロニクル』という名前に相応しい、関ジャニの歴史に刻んでいくような番組になるのではないか。
  • 3回分見たが、いろんなことをやらせるという趣旨だろうが、一つのスタイルがない。チャレンジ精神で何でもやらせてそれを面白がるというやり方と一つのスタイルを作る、どちらがいいのか迷っているのかとも思う。
  • 関ジャニを育てようという気持ちが伝わってくる。今後を見守りたい。
  • 関ジャニの関西弁が、他のアイドルとは違う、肩の力が抜けた雰囲気と絶妙の間を作り出している。
  • 最近バラエティがどんどん長くなっていく中、こうしたちょっとつまめるおいしいスナックのような番組は、とても新鮮。
  • 「真実堂書店」は、ちょっと知的な切り口で考えさせるユニークで面白いクイズだ。最近の本の題名は、以前には考えられなかったような題名が多く、それをひねってクイズ仕立てにしたところが新鮮。
  • 制作サイドが、仲間内で笑えることは視聴者も笑えるはず、というような予断をどこかで持たれていないかと危惧する。
  • 20代、30代の女性の秘書の方々に見てもらって意見を聞くと、私とまるで意見が違う。つまり、この番組は企画によって好きな人の年代が違う。
  • ドッジボールは、何であれが面白いのか私には全然理解できなかったが、秘書さんたちは、土曜日の午後に何も考えないでポンポン話が飛んでいく、あれが面白いのだと言う。

これに対して、制作サイド、局サイドからは、

  • 番組としての方針、ポリシーについて。1つ目は、企画のデパート、総合バラエティを目指していること。2つ目に、男性も、関ジャニのターゲットでない世代の年配の方も楽しんでもらえるような企画を開発し、老若男女に楽しんでもらえる企画、番組を作っていきたい。3つ目に、今のうちからゴールデン・プライムに堪え得る企画、コーナーを開発していくことを心がけて、土曜日の昼にとどまらず、目標に向かって頑張りたい。
  • 萎縮した時代に関ジャニの自由奔放ではみ出した感じを敢えて出していこうというのが演出のポリシー。彼らの自由奔放さを生かしながら、テレビでよく見てきた起承転結におさまらない、いい線を狙っていければ。
  • その場の笑いだけが魅力じゃないというお話は、肝に銘じようと思っている。特に本の企画は、いつもの関ジャニのワイワイした中で起こる笑いよりは割と知的な笑いや興味で見てくれているお客さんがいる中、内輪感が出てしまったのが少し良くなかったのかと考える。
  • 真実、虚偽など対比する言葉の不統一は、ただただ自分の勉強不足。ナレーションやテロップの文言統一は今後ちゃんとやっていく。

その他、課題番組以外の放送について、委員からいくつかの意見があった。

  • 築地・豊洲移転問題について。テレビ界全体それからフジテレビに申し上げたい。築地というのは、番組にしようと思えば、ニュースワイドでもニュースでも話題にできる出来事はまさに毎日起こる。しかし問題は、どういう方向に向かって、今深いところでどういう力がぶつかり合っているかという取材の深さだ。印象としては、起こっている出来事をただ追いかけているだけという印象がして仕方がない。
  • (斜めに傾いているという柱の写真の問題について)なぜ自ら現場に行って写真を撮らないのか。写真が(広角カメラで)歪んで写るのはよくあることだ。

これに対して、制作サイド、局サイドからは

  • 一つ一つの取材、都庁内部の取材、それから仲卸も含めた幅広い取材を積み重ねていくことが重要であると認識している。放送で今後も反映していきたい。
  • 豊洲のパッケージ棟の柱の写真については、問題をいろいろ指摘され、一連の放送は「誤解を招いた部分があるので真摯に受け止める」という形で放送上フォローをしている。これは区議から提供された写真だが、疑問点の提示という形でそのまま放送に乗せてしまった。それ自体に不備がある。この事実関係を可能性の段階で放送に乗せていることが相応しくなかった。これに関してはより一層取材と確認の徹底を指示している。

その他、報告事項として、各々から説明があった。

(1)2016年4月~9月の半年の放送番組種別の集計結果。
(2)2016年度上半期の視聴者からのご意見、質問について。
(3)この日初めて公表された「タイムシフト視聴率」について。