番組審議会

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第460回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

平成28年 9月14日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 神崎仁
  • 委員
  • 梓澤和幸、石井英夫、大石静、岡室美奈子、林真理子、毛利衛、八木秀次
  • 局側
  • 亀山社長、遠藤専務、鈴木専務、稲木専務、岸本常務、西渕取締役局長
    清水執行役員局長、石原執行役員局長、金田局長、塚越局長、平松局長、小田局長
    中山担当部長、宮道部長、瑞光部長、高橋新週刊フジテレビ批評担当
    河野スポーツ局長、加納P、岸原・東京担当P、尾崎チーフD
    鎌瀬・編成担当、原・編成担当、柴崎室長、小林部長、熊谷番組審議室

4.議題

『リオデジャネイロオリンピック2016総集編
 ~夢と感動をありがとう!メダリスト大感謝祭SP~』
8月22日(月) 19:00~21:54放送

※参考番組として『リオ2016パラリンピック開幕直前SP~マツコが全力応援宣言!みんな凄いじゃないのデラックス~』(2016年9月2日23:00~23:58放送)も視聴。

議題番組に対して各委員から以下のような意見が出された。

  • 総集編とは、その番組を見ればリオ五輪のエッセンスがわかるというもの。みんなで名場面、試合を振り返って感動を新たにする、結果がわかっていても手に汗握る、そういう場面を追体験する、それが総集編だと思う。
  • 例えばメダルを取れなかった競技、隠れた名試合にもスポットを当てるとか、他国の選手のことも扱うとか。今回特に難民選手団も初めて結成され、どんなふうに活躍したかも興味があった。
  • パラリンピック直前番組。義足を外して見せてもらったり、負担がかかるから実は1週間に1回しか飛ぶ練習はしていないなど知らない情報を鏤めながら、マツコの軽妙な語りの中で非常にいい番組だった。
  • 重量挙げの三宅選手と、26歳の知的障害がある青年の交流の物語。銅メダルを取った時に三宅さんがバーベルに頬ずりをしていた、あの場面を少年が絵にして贈った。これは本当に感銘を受けた。これを掘り起こしたスポーツ局の取材者に私は心から拍手を送る。
  • 乃木坂46を出したり、心拍計を付けてみたり、24時間テレビっぽく障害のある少年に絵を描かせてみたり、バラエティ的には非常に面白い。しかし、これは諸刃の剣。スポーツの面白さとか彼らへのリスペクトから離れてしまう。私の見た限りでは、ぎりぎりのところで良くこの3時間の番組を作ったと思う。
  • 閉会式が終わってわずか半日後に東京に20人、リオに10人、日本のメダリストの半分以上を3時間拘束できる凄さに驚いた。詰めの甘さがあるのは否めないが、凄く楽しめた。3時間ずっと見ていた。
  • 2020年、どんなふうに見せるか。会場に行きたい日本人はたくさんいる。チケットも高いし、地方の人も行けないという時に、頼りになるのはメディア、テレビ。あたかも会場にいるような臨場感を出す方向にぜひ行ってほしい。
  • 勝った人には本当は要因があるはず。世界中の人達がお互いに負けない気持ちで来ているが、その負けない気持ちを上回る技術力、あなたにとっての技術とは何だったのかと、切り返す、そういうことが欲しい。
  • オリンピックというのは、常にスポーツがナショナリズムによって毒される危険を抱えている。2020年の五輪が日本のナショナリズムの高揚のために使われることだけは、やめていただきたい。人間の限界に到達する、そういう境地に達した人の精神というのは何なのかを伝え、そこから我々も人生の絶望を乗り越える希望の力をもらう、そういう非常に大事な機会だ。それがスポーツそのものとは違う精神によって毒されるようなことがあってはならない。
  • オリンピックに出るだけでも凄くて、そこで1番、2番、3番になるということは特別凄いことで、言われなくても感謝もするし、賞賛もしている。それをメダリストにみんなで感謝しようと3時間言い続けられると、感謝を強いられているようで、抵抗がある。
  • ずっとどこかでやってくれないかと思っていて、やってくれないのが、水泳の平井コーチ。あの人がどういう人なのか、水泳選手としてどうだったのかとかも掘り下げてみたら面白いと思った。
  • マツコさんのは、すばらしく面白かった。人間に迫っている。障害があろうとなかろうと人間に迫っているという意味において、物凄く力のある番組。
  • 一番良かったと思うのはエンディングのVTR。EXILEの歌に乗って、番組の中で取り上げられていない選手、試合のシーンがいろいろ出てきた。決していい成績を残すことができなかった選手が出てきて、こういう人もいたなとか、そこで改めて思い出すことがあって、なかなか効果的だった。
  • もっと掘り下げたらどうかという場面がたくさんあった。例えば柔道は、体幹訓練を徹底的にさせるだとか、サンボという格闘技のコーチをつけたり、柔道が国際化する中でどうやって勝つのか、日本柔道を守るためにも変わっていかなきゃいけない、そのあたりはこの番組でも解説が欲しかったところ。即ち、井上康生監督の涙の理由は何だったのか、視聴者はそういうプロセスを知りたい。
  • リオ五輪全体で最も感動したシーン、陸上男子の400メートルリレーの銀メダル。このメダリストたちが出てくるのかなと思ったが、全然出てこなくて、あれれと思った。
  • 帰国したメダリストのほとんどが出演できているという意味では圧巻だったが、お祭と言うには少し盛り上がりが少なかった。
  • アスリートに話をさせるのは、いかにインタビュアーがコメントを引き出すか、その力量が問われる。
  • ウクライナのベルニャエフ選手が取り上げられていたのが良かった。取り上げられなかったのは、ボルト選手が400メートルリレーの後に、日本の選手を褒めた台詞、それから、吉田選手に勝ったアメリカの選手の、試合の直後に吉田選手をリスペクトするコメント。こういうのを入れると良かった。
  • 20年に向けてお願いしたいのは、いろんな領域の人を集めてほしいということ。いろんなスポーツの領域の中で、メディアに登場してそれなりにこなせる人を今から物色しておく必要があるんじゃないか。
  • 基本は、オリンピックが持っているそれ自体の力をどうやって視聴者に伝えていくか、これのために何をするか。今度の総集編、私はそれなりにその力があったと思うが、要らないものもあったという気は確かにする。
  • 2020年パラリンピックは、ぜひマツコ・デラックス的視点で、同情とか思い入れじゃなくて、素晴らしさ、凄さを伝えることをしていただきたい。

これに対して、制作サイド、局サイドからは、

  • リオで表彰台に上がった日本人のメダリストが、我々日本人に夢を見る素晴らしさやスポーツにおける感動を体現してくれ、16日間表現してくれたことに敬意を払い、その活躍シーンをまずは一緒に振り返る3時間を作りたいと思って番組制作をしてきた。今回は生放送で、できる限り多くのメダリストをお招きして、メダリストに最大限のおもてなしをしたいというコンセプトで番組を作った。
  • 帰国してきた選手たちに、総集編で同じようにメダルの思いとか、その裏側の秘話を普通に聞くのは選手には申し訳ないと思い、選手たちがフジテレビのスタジオに来て良かったと思ってもらえるのは何かと、幾つかの企画を考えた。
  • メダリストの本音を引き出せるのは、その舞台を経験した人、さらにはメダルを獲得した人が最適ではと思い、今回は柔道の野村忠宏さん、フィギュアスケートの高橋大輔さん、シンクロナイズドスイミングの小谷実可子さんに、オリンピアンキャスターという立ち位置に立っていただいた。
  • 400メートルリレーの選手たちが現地から出演できなかった件。陸上の選手たちに、リオからの出演をオファーしたが、陸上チームのスケジュールの都合で、どうしても今回は出演できないということに。
  • メダルまでのいきさつ、ストーリーを深く取材したVTR物を出して、多角的にやった総集編をやれば良かったなど、ご意見を今後の制作に役立てたい。
  • 2020年東京五輪では、その中継義務をホスト国として果たしていかなければならないが、今後、JCのあり方、セールスのあり方、なおかつタイムテーブルのあり方、それからパラリンピックの中継をどうするかなど課題は多い。
  • 地元開催のオリンピックに向けての盛り上げ方も含め、よろしくご理解とご指導をいただきたい。

その他、報告事項として、各々から説明があった。

(1)BPO人権委員会で「都知事関連報道に対する申し立て」審理入りの件。
(2)10月改編について。
(3)10月からの視聴率調査の新しい指標について。