番組審議会

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第453回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

平成28年 1月13日(水)12:00より

2.開催場所

東京都港区虎ノ門2-10-4 ホテルオークラ東京

3.出席者

  • 委員長
  • 但木敬一
  • 副委員長
  • 神崎仁
  • 委員
  • 梓澤和幸、石井英夫、大石静、岡野俊一郎、寺尾睦男、林真理子、八木秀次
  • 局側
  • 亀山社長、遠藤専務、鈴木専務、稲木専務、崎山取締役、西渕取締役局長、
    小川執行役員局長、清水執行役員局長、塚越局長、平松局長、小田局長、鞍馬部長、
    柴崎室長、小林部長、太田番組審議室

フジテレビ番組審議会(但木敬一委員長ら9人)は、13日12時より、新年初回の審議会を開催した。
課題番組はなし。亀山社長挨拶、但木委員長挨拶に続き、「民放連放送基準149条の改正にともなう、フジテレビ番組基準の改正について」の諮問が行われた。(※放送法6条3項の規定による)
ほかに、報告事項2件

4.亀山社長挨拶

  • 昨年は、視聴率はゴールデン、プライムは4位、全日は3位だった。そんな中で営業が頑張り、タイム収益に関しては日本テレビと互角。ただし、スポットはかなりの差をつけられた。市況の影響だけではなく我々の視聴率の低迷が原因である。半期とはいえ赤字決算は、開局以来初めてのことで、我々経営陣としては非常に不本意な思いだが、通期では確実に黒字にし利益を出す。
  • 我々の原資はタイムテーブル。就任以来、午後帯を含め大きな改編をやってきた。この4月も大きな改編をやっていく。特に、ニュース、情報、報道というのはこれからもライフラインを担う重要なポジション、午後帯、夜の時間帯に関しても4月は構造を大きく変えていこうと思っている。
  • 編成で協議し、「アクティブエイジ」という名称で、積極的に個人消費を行う層、に着眼した。これは決してF1F2、M1M2という単純な年齢や性別のカテゴリーではない。50代でも積極的に消費を行い、旅行するなどという層もある。積極的に個人消費を行う「アクティブエイジ」は、ヒット商品を生む層。一方でキッズ、ティーンも「アクティブエイジ」を動かす、ムーブメントを作るという意味では大切。なによりこの層は次のテレビを中心に担う層でもある。
  • 2016年、反撃ののろしを上げていきたい。

5.但木委員長挨拶

  • フジが番審に何をしてくれるかではなくて、番審がフジに何ができるかを考えなければと思っている。
  • 最近はネットの炎上など、大きな会社の場合、恐ろしいのはレピュテーションリスク。レピュテーションリスクから守るには、内側の自浄作用がきちっとしていなければいけない。番審は、フジのウオッチャーであると同時に、フジを守る役割も担っている。何か問題が起きたら、いち早く番審で論議して、いち早く世に伝えることも必要ではないか、そういう役割も番審が担わなければいけないと思う。

6.「民放連放送基準149条の改正にともなう、フジテレビ番組基準について」

年末に事務局から委員への改訂内容の説明を行ったが、改めて担当役員より説明。

  • 民放連の放送基準で、広告の時間を規定しているのは2つ。148条で、「週間のコマーシャルの総量は、総放送時間の18%以内とする」それから149条で、「プライムタイム、18時から23時までのうちの3時間半を決めたところにおけるCMの時間量は、下記の限度を超えないものとする。その他の時間帯、朝とか昼とか深夜はこの時間量を標準とする。」というもの。スポーツ番組とか特別行事番組、オリンピックとかワールドカップなどは各放送局の定めるところによる。
  • 149条に関して、現行では、5分の番組だと1分のCM、30分以内の番組で3分、60分以内の番組で6分、「下記の限度を超えないものとする」だが、改正されると「以下を標準とする(SB枠を除く)」になる。
  • ステブレレスの方式が増える中で、SB(ステブレ)が本編中に放送されているので、SB枠も併せてCM量をカウントされると、解釈の仕方によっては、放送基準を侵しているのではないかと言われる可能性もあり、(全体の量は増やしていないが置く位置が違っているので)この条文を改正することによって柔軟な編成ができるということで改正に踏み切った。CMのポジションをフレキシビリティーを持って変えられるようにしたいということで、この表現を変えさせていただくことをご了解いただきたい。

それについて、委員から以下の質問が行われた。

  • 今回は、民放連の放送基準の一部改訂だが、なぜ、現行の「超えないものとする」を「標準とする」のか。現行の規定は、何か公益性、公共性を担保するためにCMはここまでに抑える、ということが基本の精神としてあると思う。その精神からすると、「超えないものとする」という自主規範が「標準」という形で和らぐというのは、民放の事業者側において何らかの事情、改正理由があると思う。
  • ステブレなしで繋がる番組の作り方が一つの流行というか、長きにわたる慣行みたいになってきていることに対応する改正だと理解した。
  • この機会に、一体放送基準とは何か、放送法とは何か、放送局というのはあくまで自主規範と自治によって人々の支持を得ていくのだ、そういう趣旨をぜひ、従業員の方に徹底していただきたいと希望する。
  • 改正前は「限度を超えないものとする」、それに対して改定案は「以下を標準とする」ということで、誠に曖昧。
  • 改正について、理解はするが、誰が読んでもわかるようにするのがルール。民放連が作ったルールだからというのはわかるが、これを承認するのは各局。疑問が出るルールは問題があるということだ、基本的には。そういう意味では、皆さん方よりも民放連がもうちょっと考えていただかないと。フジテレビとして影響力をぜひ出していただきたいというのが希望だ。

局からは改めて

  • 総量を多くするという意味ではなくて、番組と番組の間に必ず(SBの)CMを入れているものを、たとえばCMを入れずにそのまま番組を直結したりするといった、編成のフレキシビリティーを高めるというのが理由。などの説明があり、

委員長より、

  • おっしゃるように既に番組の実態が変化しており、これからもその全体の枠の中にSB枠をいれて、自由にいろんなところにコマーシャルを入れさせてもらいたいけれども、その総量そのものは変えませんよ、というご説明。フジテレビはその方向でやるんだということであれば、審議会としてこれを了承してよろしいでしょうか。――それでは、そういうお約束で了承したいと思う。

と、番組基準の改正を「了承」との答申を受けた。

また、事務局より、「つとめる」が「努める」と漢字にするなど番組基準の文言の一部変更と、「社団法人日本民間放送連盟の放送基準を遵守する」という文言を「日本民間放送連盟の放送基準に準拠するものとする」などの説明があり、併せて、了承された。

7.報告事項

  • BPO人権委員会の「大喜利・バラエティー番組への申立て」に関する委員会決定について。2014年5月24日に放送した『IPPONグランプリ』という大喜利の形式で競う、芸人さんが出演するバラエティーの中で、音楽家佐村河内さんを取り扱ったコーナーについて、ご本人から申し立てがあった件で、BPOの人権委員会は、2015年11月17日「本件放送は許容限度を超えて申立人の名誉感情を侵害するものとは言えず、放送倫理上の問題も認められない」という見解を示した。
  • また、今年度、2016年3月をもって、岡野委員と寺尾委員がフジテレビの番組審議会をご退任される。お2方には、来年度1年は顧問として7月と1月にご出席をいただき大所高所からご意見をいただく。

など、2件の報告が行われた。

次回の第454回番組審議会は2月10日(水)。課題番組は月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」1月18日初回放送15分拡大版。