番組審議会

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第440回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

平成26年9月10日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社

3.出席者

  • 委員長
  • 酒井真喜子
  • 副委員長
  • 但木敬一
  • 委員
  • 梓澤和幸、石井英夫、大石静、岡野俊一郎、神崎仁、寺尾睦男、
    林真理子、毛利衛(レポート提出)、森英恵(レポート提出)、八木秀次
  • 局側
  • 亀山社長、遠藤専務、鈴木常務、大多常務、稲木常務、港常務、
    西渕執行役員局長、崎山執行役員局長、小川執行役員局長、
    小田局長、岸本局次長、夏野部長、木佐部長、高橋新週刊フジテレビ批評担当、
    織田統括担当局長兼室長、堤制作担当局長、張江開発担当部長、成田部長職、
    栩木主任、北村専任局長、柴崎室長、太田番組審議室

4.議題

『8.12日航機墜落30回目の夏
生存者が今明かす“32分間の闘い”~ボイスレコーダーの“新たな声”』
 (8月12日 水曜日 18:30~20:54放送)

議題番組に対して各委員から以下のような意見が出された。

  • 生存者の証言は貴重で、大切な記録を残した。重大事故の被害者の取材をする際、取材者の誠実さが大事、功名心ではだめ。誠実さが取材に現れた。
  • スタッフはよくぞ生存者の方に取材に応じてもらった。
  • 生存者の証言をもとに、客室内の状況がリアルに描写されていた。生存者の方も、よく語ってくれた。このチームには取材力があると思った。
  • 29年たってなぜ今この番組をと思ったが、(音声解析などの)科学技術の進展と、人の心の変化だったのか。生存者の方が話してくれたことによって、機内のことが明らかになった。など、生存者の証言取材を評価する声が多数あった。

また、

  • 最新のCG技術を駆使した映像により、切迫した状況が生々しく表現され状況が俯瞰的に理解できた。
  • 実際の記録に残る映像と、再現ドラマの映像の区別がつかないぐらい真に迫っていた。素晴らしい映像だった。
  • 未解明だったクルーの肉声を、元同僚の機長らに推測させる手法は、断定はできないが事故原因究明に有効だと思う。
  • 一人で遺体を確認にいった少年の場面が泣けた。さじ加減が心地よく、センチメンタルになりすぎずよくできていた。
  • 緊迫の場面がドラマ仕立てで再現されるのはリアルすぎて見るのがつらかった。
  • 胸を揺さぶられた。感動と言ってもいいのだが、苦しい思い、息苦しい感動を味わった。もう一つは(真の事故原因が究明されない)いらだたしさを覚えた。
  • 結局事故原因は何だったのかに、少し言及があってもよかった。
  • フジテレビとして、もう一度この事故原因に迫れたら素晴らしい、などの意見も、出された。

これらの意見ののち、制作者側から、下記のような説明があった。

  • 生存者の方への交渉について。まず手紙で、番組の意図、本気度を繰り返し伝え、訪問、手紙、また訪問の正攻法だった。すると、門前払いの玄関が次第に開き始めた。正直に真摯に向き合った。
  • 真の事故原因には、突っ込んでいないというご指摘について。カセットテープの入手に成功し、ドンという18時24分の音が一体何だったのか、最新科学を駆使し、そこから事故の原因に迫ろうと試みた。尻もち事故との関連性など、少々物足りない部分は、ご指摘のとおり。まだ我々は諦めていない。何ができるのかチャレンジしていきたい。
  • 「再現ドラマの演出なのか」と質問のあった、『生存者の手だけが機体の残骸から見えるシーン』について。これは、取材により、当時救出に当たった人の証言を得て、演出ではなく、事実として映像化したシーン。

5.「民放連放送基準」の一部改訂に伴うフジテレビ番組基準の改訂について

フジテレビ番組基準は、その細目について、「民放連の放送基準を遵守する」としており、放送法第6条3項の規定に則り、変更を審議会に諮問し、一部条文改定の内容説明後、「了承」との答申を受けた。

6.酒井真喜子委員長ご退任について。

酒井真喜子委員長がこの審議会をもってご退任されることになった。委員長在職は11年半。酒井委員長は、委員のみなさんに、「面白い審議会にしていただいたことに御礼申し上げます。楽しく過ごさせていただきました。」と述べ、「番組審議会の役割というのは、放送法の改正ごとに重くなっている。何かあったときにますます大事になっているのではないか。」と語った。

次期委員長は互選により、但木敬一副委員長が選ばれた。

以上