番組審議会

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第436回 番組審議会議事録概要

1.開催日時

平成26年 4月9日(水)正午より

2.開催場所

東京都港区台場2-4-8 フジテレビ本社

3.出席者

  • 委員長
  • 酒井真喜子
  • 副委員長
  • 但木敬一
  • 委員
  • 梓澤和幸(レポート提出)、石井英夫、大石静、岡野俊一郎、神崎仁、寺尾睦男、
    林真理子、毛利衛、八木秀次
  • 局側
  • 亀山社長、遠藤専務、鈴木常務、大多常務、港常務、箕輪常務、崎山執行役員局長、小田局長、
    塚越局長、木暮室長、岸本局次長、立松部長、木佐部長、高橋新・週刊フジテレビ批評担当、宮道部長、
    亀高ゼネラルプロデューサー、渡辺副部長、鈴木バラエティ制作部、下川編成部、北村室長、泉担当部長

4.報告

昨年放送打切りとなったバラエティ番組「ほこ×たて」について

  • 今月1日にBPO(放送倫理・番組向上機構)から「視聴者の信頼を失墜させた点において、番組制作の過程で重大な放送倫理違反があった。」とする見解が出された。
  • フジテレビとしてこの決定を重く受け止めるとともに、再発防止のため外部の識者を入れたコンプライアンス懇談会をすでに2回開催した。今後も続けていく予定である。
  • また、不適切な演出再発防止委員会のワーキンググループで、ジャンルの違う番組のプロデューサーが一堂に会し、問題を共有したうえで制作上の個別モラルの確立について討議する場を設けている。
  • これらの取り組みに関しては、6月末までにBPOへ提出する「改善報告」にも盛り込むことにしている。

などの報告を行った。

これに対し委員からは、

  • さまざまな形での検証やチェックをしていくことはとても重要なことだが、バラエティは勢いがないと面白さが伝わらない面がある。今後はこの両方のバランスをとって番組を作っていくことが大事だと思う。

などの言葉があった。

5.議題

「アウト×デラックス 春の面会スペシャル」(4月3日 木曜日 22:00 ~23:24放送)に対して各委員から以下のような意見が出された。

  • くだらなさに徹しているという意味で見応えがあったし、番組として勢いが感じられ、最後まで見入ってしまった。
  • アウトの代表ともいえるMCを中心にすえて、さらにアウトな人たちに光を当てたのは、バラエティの幅を広げたといってもいいのではないか。
  • 同じ時間帯で放送している若い女性が好みそうな他局のトーク番組と違い、大人が少し不健康で毒気のあるものに接したい時に見るにはいい番組だと思う。
  • 人間はアウトとグッドが入り乱れて人生を歩んでいくのではないかと思って見ていくと、年齢を重ねた出演者の言動が面白く、本業を外して裸になれば人間、皆同じというのを強く感じた。
  • タレントでもなくネットで調べても全然出てこないような、それでいて強烈なキャラクターの人達を、どこで見つけてきたのかに大変興味をもった。
  • この手の番組は笑いの焦点が多すぎて頭の中で整理しきれず苦手に思っていたが、今回最後まで通しで見て意外と面白いと思うなど、自分自身新しい発見があった。
  • 人間は一人の中にさまざまな分野というか要素を持っている。その人のいろいろな面が引き出されていて、結構面白く見られたしリラックスできた。
  • 今回はインタビュー形式でなく大勢でのトークが多かったので、話を引き出すMCの能力が十分発揮できなかったように思う。
  • スペシャルで1時間半の放送はどうしても間延びするので、レギュラーの30分枠の方が、この番組らしさをぎゅっと凝縮していて見やすいと思う。
  • ゲストのフィギュアスケーターの涙は、感動したものに対する美しい表情のはずだが、それを笑いの対象にするのは疑問だ。
  • 一部の出演者はテレビ的には面白い存在だが、差別ともとられかねない笑いを浴びせられたり、さらし者のような扱いをされるのは見ていて不快だ。
  • また、放送時間が午後10時からという点に関しては、
    「バーやクラブでの会話を聞いているようだし、内容も大人の時間のものなので特番とはいえ早すぎる。」といった見方の一方、「大人のバラエティとしては午後10時台ならぎりぎり耐えられるかなと思う。」と意見が分かれた。

これらの意見に対して制作者側から以下のような説明があった。

  • 何かに固執している人や果てしない夢を持っている人など素人、芸能人問わずディレクターが直接会いに行って、長時間腹を割って話した末、アウト軍団として魅力ある人をこつこつ探している。
  • 人間にはいろんな人がいて、全てがOKでもノーと決まっているものでもないので、いろいろな切り口から、またより多焦点のものを一つの形に演出しながら番組を作っていけたらと思っている。
  • MCの一人は体だけでなく心も大きいので、対面すると打合せで出ていないことまで話してしまう聞き上手な能力を持っている。今回はアウト軍団のおしゃべりを是非見せたいと考えフリートーク方式にしたので、ご指摘のようにその特徴が出せなかったが、そのあたりの演出は改めて考えていきたい。
  • アウトとグッドは紙一重というようなお話もあったが、人はアウトな部分を絶対持っている。ただし、我々は何かに固執してがむしゃらにやっていることも含めてアウトという言葉で呼んでいるので、アウトと呼ばれるのはむしろ褒め言葉という気持ちで制作している。
  • 番組として道筋はつけているが台本としては特に作っていない。逆にアウト軍団は台本に書けないことや思い浮かばないことを言ったりやったりするので、そこが魅力となっており他の番組では出来ないことだと思っている。

以上