STORY #09 第九話物語 2010.3.8 ON AIR

心の傷

藍沢耕作(山下智久)たちは、部長室で倒れた田所良昭(児玉清)の身を案じる。もうひとつの関心事はそれぞれの卒業後の進路。藤川一男(浅利陽介)が尋ねると、藍沢と白石恵(新垣結衣)は、まだ決めていないと答える。緋山美帆子(戸田恵梨香)は、裁判には至らず、現場に復帰したものの患者との対応に心を痛め、深く傷ついてしまっていた。藍沢は、外来患者、青山美樹(宮本裕子)の足にコンパートメント症候群を発見。すぐさま、手術に入る。

一方、緋山は橘啓輔(椎名桔平)冴島はるか(比嘉愛未)とドクターヘリに搭乗。練習中に怪我を負ったスキー選手、田上信夫(榎亮太朗)の治療、搬送に向う。だが、緋山は現場での治療中に自分の手を傷つけてしまった。

藍沢の機転で美樹は足の切断は免れ、病室に戻る。美樹は、離れて暮らしていた息子と近々一緒に暮らすことになったと嬉しそうに冴島に放す。藍沢は傍で聞いていた。少し後、冴島が美樹の会話に不自然さを感じて藍沢に報告。すぐさまCTを撮ると、美樹の脳に大きな腫瘍が発見された。藍沢は美樹に後遺症を伴うリスクの大きな手術になると説明する。

スキー選手の田上は、MRIで脊柱管狭窄症による中心性頸損が確認された。転倒による怪我が全て治っても、選手はおろかスキーを滑ることも出来なくなる。白石は田上にどう告げるかと緋山に相談。だが、緋山は患者への説明を避けた。白石が田上に病状を伝えていると、彼の妻、和美(関根洋子)と娘の楓(毛利恋子)がやって来る。和美は、田上の表情に暗いものを感じた。

三井環奈(りょう)から、田所が心配していると聞いた緋山は病室を訪ねる。田所は、フェロー卒業は無理だと言う緋山に、かつて自分も遠回りをしたと語る。その田所の手術は、西条章(杉本哲太)の腕を持ってしても、困難なものになりそうだった。

次の日、白石が田上の病室に行くと、その姿がない。復帰を焦り、勝手にリハビリしようとしたのだ。藍沢は、西条の執刀による美樹の手術を手伝う。手術は成功するのだが、当初の懸念どおりに美樹はリハビリが必要な後遺症を負っていた。

次の日、美樹の病室に母親の清美(高柳葉子)と息子の一樹(澁谷武尊)が来た。美樹は、自分の後遺症は告げず、一樹に一緒に住めなくなったと話す。そんな美樹に、子供と一緒にいられる時間が短いと分かっていながら、あえて一緒に住まない方を選んだ良い母親だと藍沢が告げる。

外科病棟への移動が決まった田上は、娘に見せたいのでなんとかもう一度滑ることが出来ないかと白石に迫る。すると、白石は父の博文(中原丈雄)のことを話し、娘にとって父親はヒーローであるよりも、ただ元気でいて欲しい存在だと答えた。

田所は、自分の病気に不安を感じ始める。妻の麗子(長内美那子)は、そんな田所にそっと寄り添い励ましていた。そして、西条の手術方針が田所に告げられる。それは、かつて西条自身も行ったことのない術式だった。

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