INTERVIEW #08 西条章役 杉本哲太さん

2ndシーズン制作を知られた時の思いは、いかがでしたか?

また、西条を演じられるんだ…って、嬉しかったです。ただ、そうなると1stシーズンの時よりも、ステップアップした西条にしなければならないというプレッシャーも感じました。とは言え、医療的なことに関しては、僕が自主的に出来ることは何もありませんが(笑)。ですけど、気持的にはグレードアップさせたいという感じでした。

実際に2ndシーズンで西条を演じてみて印象に残ったシーンは?

1stシーズンでも無かったんですけど、今回は西条がドクターヘリに乗って現場へ飛ぶシーンがありました。3話の将棋倒しの事故現場です。多分、これまでも乗ったことはあるんでしょうけど、映像として登場したのは初めて。今まではオペ室やCTなど室内のシーンが多かったので、設定としての事故現場での撮影は僕にとっては新鮮でした。

事故現場シーンの撮影は?

“こんなに大変なんだ”というのが、正直な感想です。西条は脳外科医なので、ドクターヘリチームの医師たちと常に行動を共にしているわけではありません。救命に運ばれた患者の症例で、頭に問題がなければ西条の出番はありませんから。3話の現場治療のシーンは、2日間かかりました。それも、朝から始まって次の日の朝に終わるという収録です。本当に、あんなに過酷だとは思いませんでした(笑)。でも、それだけ丁寧に撮影しているからこそ良い作品になっているだ…とも痛感しました。

2ndシーズンで共演者のみなさんと再会して、いかがでしたか?

今回は、橘役の椎名(桔平)さん、三井役のりょうさんとの撮影が多くて、藍沢役の山下(智久)さんたちとのシーンは、3話以外はあまりないのですが…。基本的にクールな藍沢が子供の患者に見せる表情などからは、微妙ではありますけど1stシーズンの時よりも成長して大人になったという印象を受けます。何かフェローとしてのこれまでの体験が、表情に刻まれているかのようなイメージ。“医者とはこうあるものだ”という藍沢の信念が、良い意味で変化している感じがします。

藍沢を演じている山下さんは?

やはり藍沢に通じるものを感じます。高速で回転しているコマって、静止しているように見えますよね?そんなイメージ…ものすごく、いろいろな事を吸収しながらも、芯は決してぶれない。山下さんにもそんな藍沢とリンクする部分があるんじゃないかと思います。

2ndシーズンは、各キャラクターの背景がより深く描かれています。西条も橘との過去の確執が4話の回想シーンで登場。かつて西条は、助けようのない赤ちゃんへの挿管を橘に指示しました。

あのシーンは、増本プロデューサーとも相談しました。どう演じても、視聴者のみなさんには“西条先生って、あんなに冷たかったの?”と思われてしまうだろうと思ったので…。僕自身は西条が“冷たい”と思われることに抵抗はありません。ただ、今まで演じてきた僕なりの西条像から考えると、どうなののかな…と迷いました。

結果、プロデューサーからは?

収録現場では“もっと、淡々と日常茶飯事のように”と言われました。その言葉で、医師は生身の体で体験を積まないと、あるいは積ませないといけないのだろう…と感じました。そうして技術を磨かなければ、救える命さえ救えなくなってしまいます。だから、西条の未熟児への挿管は指導医としては正論なのでしょう。ただ、僕自身もそうですけど、これは医師以外の方々には伝わりにくいことだと思います。もっと掘り下げることで、ご覧のみなさんにも理解して頂けるように出来ると思いますが、それをやってしまうと、とても1時間の放送時間内では終われません。命の線引きという、とても難しい問題ですから。

脳死判定の問題も出てきました。

そうですよね。本当に医者って、大変な仕事だと思います。良かれと思ったことで、訴えられてしまうこともありますからね。それが、医者不足につながってしまう。特に、産婦人科や小児科のなり手が少なくなっていると聞いています。深刻な問題ですよ。でも、このドラマが放送されてドクターヘリへの認知度は高まったそうですね。これはすごいことだと思います。さらに医師の重要性や医療の現状も“このドラマから”少しでもみなさんに伝われば良いと思います。

ドラマも終盤へと入っていきます。今後の見どころをお願いします。

7話で緋山(戸田恵梨香)の脳死判定を巡る問題が出てきましたので、まず当面はこの問題がどうなるのか? ですね。もちろん、藍沢や白石(新垣結衣)、藤川(浅利陽介)、冴島(比嘉愛未)たちの葛藤や苦悩…それをどうやって乗り越えて行くのかも、最終回まで変わらない見どころだと思います。西条は、どうなるのかな…。何か脳外科的な大きな手術などがあれば、活躍することもあるとは思いますけど、まだ分かりません。僕としては3話のように、もう一回ぐらい、ヘリに乗って出動したい…とは思っています。

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