Interview #003
フライトドクター候補生  緋山美帆子役 戸田恵梨香さん
 

Q.最初に今回の企画を聞いたとき、どう思われましたか?

去年のことだったんですけど、ドクターヘリの存在を知らなかったので、「どんなドラマになるんだろう?」って凄く楽しみでした。

Q.実際に台本を読んでみていかがでしたか?

台本をいただく前に、増本(淳)プロデューサーから役柄の説明をしていただいたんですけど、私がこれまで演じてきた役と印象が似ている感じがしたんです。だから、「同じように演じないためにはどうすればいいんだろう?」って考えたんです。でも台本を読んでみたら思っていたイメージとは違っていて、意思の強い女の子というか、気が強そうで実は弱いっていうのもわかったから、そういう部分を出せればいいな、と思いました。

Q.説明されたのはどういう部分でしたか?

凄く一生懸命で、だけど空回りしちゃう。本当は患者のプライベートに立ち入ってはいけないのに入っていってしまって、白石(新垣結衣)から「それは違うんじゃないの?」って言われてしまう女の子、って聞いて。「あ〜、『ライアーゲーム』の直に近いのかなぁ…」って思ったんです(笑)。でも台本を読んだら私が思っていたイメージとは違っていました。

Q.医療ドラマに対して抱いてたイメージは?

フェローではありますが、お医者様の役は年齢的にまだかなぁ…と思っていました。『白い巨塔』とかを見ていても、私には絶対無理だな、って思っていたので、まさかこんな早くできるなんてドッキリでした(笑)。

Q.でも、いつかはやってみたいと思っていたのでは?

そうですね(笑)。だけど、医療の専門用語とかわからないし…。でも『コード・ブルー』はそういった面だけでなく、人としての本性というか、人間くさい部分とか、「お医者様も普通の人間なんだ」というところが描かれていたりするのがおもしろくて、ひきつけられてます。

Q.演じるうえで一番大事にしたいところは?

患者さんとのふれあいを大切にしている人なので、緋山のそういう強さの中にある優しさは大事にしていきたいです。多分、緋山は自分にマイナスになることはあまり言わないんじゃないかと思うんです。自分にプラスになること、自分が得をするようなことしか言わないんだけど、嫌味っぽくならないキャラだと思うんですね。だから、そういう部分を気をつけたいです。

Q.4人の中では一番素直というか、感情が表に出やすいキャラクターでもあるのでは?

目上の人の前では猫かぶっちゃったりするんですが、根底が不器用だから上手く立ち回れない。素直なんだけど、自分の感情の伝え方がヘタな人かもしれないですね。

Q.撮影前に、病院見学にも行かれたそうですね。そのときの印象は?

見学させていただいた救命センターは、私が想像していたよりバタバタした感じではなかったんです。私のイメージでは、そういう現場はバタバタしている感じだったんですけど…。自分がやるべきことをわかっていて、それぞれが自分の担当と役割を認識していて、だから迅速にやらなくちゃいけないとは思ってるけど焦ってはいない…自分のイメージとの間にギャップがあって衝撃を受けました。

Q.その辺りは、演じる上でも参考になりそうですね。

はい。ただ、緋山たちはまだフライトドクター候補生だから、どこまで取り入れるかはわかりませんけど…。本当に難しいなと思っているのは、医療用語を言いながら医師としてそれに合った動きをしなくちゃいけない、ということですね。その言動を同時にするのは難しそうだな、って思っています。1発OKを出す自信はまだないです(笑)。役とかキャラじゃなくて、医者としての動きが必要となってくるので、自分で上手くバランス良く演じていかなきゃいけないな、って思います。

Q.そのために何か事前に準備したことは?

準備というよりも、いまは緋山のキャラを自分の中に入れることで精一杯です。緋山のクセとかしゃべり方というところから、人間関係…それを考えるだけで精一杯で、最初は医療部分までたどり着かなかったんです。あと専門用語!そもそも聞いたこともない言葉なので、2つの単語がくっついてる場合にそれを続けて言うべきなのか、それとも間に“・”を付けて発音するべきなのかさえわからない。だから、見学に行った時に先生にこっそり聞いてみたんですが、「あ〜、そういう疑問もあるんだね。また今度ね」って言われました(笑)。「いま教えてください!」って思ったんですけど(笑)。そういう勉強も必要なんですよね。

Q.撮影では、実際にヘリコプターに乗るシーンもあると思いますが…。

そうですね。私はまだ乗ってないので「ヘリと飛行機、何がどう違うんだろう?」って思っていて(笑)。乗った時の感じがイメージできないんですが、同じ飛ぶ物だから感覚は変わらないんじゃないかなって思っているんですけど…。

Q.飛行機などは苦手なタイプですか?

特に嫌いでも好きでもないです。ただ着地するときの揺れが苦手です。でも、ヘリが着地する時は飛行機とは感覚が違うみたいなので、その感覚を早く味わってみたいです(笑)。

Q.実際に衣装を着てみたときの感想は?

お医者さんいうと白衣のイメージがあったんですけど、フライトドクターは白衣ではないんです。フライトドクターは素早い動きを求められるので、すごく動きやすい感じで驚きました。私、今回役のためにパーマをかけたり、ピアスを開けたりしたんですけど、それに衣装が加わって完成した感じでした。ただ、病院での緋山はいつもテンパっているような気がしてて、それこそ髪の毛どころじゃなくなってくるんじゃないかと思うんですよね(笑)。病院から離れた、プライベートな部分では、髪の毛にまで気を使うような、本来の緋山が持っていると思う部分を出していければいいな、って思ってはいるんですけど…。

Q.共演する山下智久さんたちの印象は?

山下さんは『野ブタをプロデュース。』以来の共演なんです。その時の印象だと、「無口な方なのかな?」と思ったんですけど、すごく気さくでしっかりしている方でした。新垣さんとは同じラジオ番組をやったり、2年前にはドラマで共演もしてるんです。たまに、ですけど、メールのやりとりもするんですが、本当に和やかな方だなって思います。浅利さんは…浅利さんなのか(演じる)藤川なのかがわからないことがあって(笑)。さっきも廊下で会って「おはようございます」って言ったら「うっす!うす!うす!」って(笑)。なんかいい感じの体育会系っぽいな、って。比嘉さんは「足が長っ!」って思いました。一緒に話していると、医療に対する関心が強くて、彼女が「知りたい」と思ってる気持ちが凄く伝わってきました。話すと凄く柔らかい雰囲気なのに、そこに意思の強さを感じました。

Q.一緒に病院見学に行った時、すでに役柄のような関係性だったそうですが…。

そうですね。浅利さんが特に(笑)。お医者さんから「期待してるぞ!」とかって突っ込まれたりしていて(笑)。なんか藤川っぽいなって印象受けました。みんなそれぞれ個性が出てましたね。

Q.この作品で、視聴者の方に感じて欲しいことは?

フライトドクター候補生の4人は競い合っていきますけど、人と競い合ってどっちがエライのか、どっちがレベルが高いのかって比べることが大事なんじゃなくて、結局自分を見つめ直すことが一番大事なんだってことが視聴者の方に伝わればいいなと思ってます。私自身がそういうことが苦手なんです。私や新垣さんと同い年の人がいっぱいいて、よく「ライバルがたくさんいますが、どうですか?」って聞かれるんですね。でも私は「自分は自分だし、人は人だし…」って思っていました。恵梨香には恵梨香の、人には人のいいところがあるから、比べる必要は無いんじゃないかなぁ、って思っていましたので、そういうところを伝えていければと思います。

Q.フライトドクター候補生は、現場の厳しさを知ると同時に、自分の限界を思い知らされたりするわけですが…。

私もよく「なんであそこで出来なかったんだろう」とか「もっとああしておけばよかったのに…」って思うことがあって、よく悔しい思いをしてるんです。限界を知るってことは、自分のいいところもも悪いところも受け入れるってことだから…。緋山にとっては簡単にできることではないですけど、受け入れて自分の限界を知る強さが得られればいいなと思います。緋山って(先輩医師の)三井さん(りょう)といつも一緒にいるから、ちゃんと学べるんじゃないかなって勝手に思ってるんですけど(笑)。

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