被災地でのユニセフの活動
 
「水と衛生」を最優先に
ユニセフが災害発生直後の被災地で重視するのは「水と衛生」「子どもの保護」「幼児の栄養」の3分野。
「水と衛生」
ハイチ共和国
(c)UNICEF/NYHQ2010-0211/Shehzad Noorani
被災地で活動する支援機関・団体の中で、ユニセフが主力を担う。地震発生から1週間で、仮設給水所を72か所に設け、被災者約18万人に飲料水を供給した。病院や孤児院などには優先的に供給したほか、感染症発生を予防するため仮設トイレの設置も進めた。
「子どもの保護」
親や保護者を失った子どもたちの発見と保護を、他の国際機関や国際NGOと連携して進め、子どもが不法に国外に連れ出されないよう空港での監視も行った。
「幼児の栄養」
被災地での幼児の死亡原因になる重度の栄養不良を防ぐため、隣国ドミニカ共和国で製造した栄養強化食品や高カロリービスケットなどを配布した。


子どもたちの「心のケア」
ハイチ共和国
(c)UNICEF/NYHQ2010-0174/Shehzad Noorani
ユニセフは世界各地の自然災害や武力紛争の現場での経験から、「学校」の再開が厳しい状況にある子どもの「心のケア」にとても重要なことを学んだ。
ハイチでも、就学前の子どもたちを対象に開発した「非常時用の教材キット」を避難所、児童福祉施設、孤児院などに配布し、ユネスコや国際NGOと協力してスペースを確保し、「学校」の再開を進めている。
一つのキットには、約50人分のおもちゃのほか、安全な遊び場を作るための資材、幅広い年齢の子どもに対応した学習用品や衛生用品も入っている。キットで遊び、学んでいる子どもたちから歓声が上がり、笑顔が見られるという。