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概況
パプアニューギニアは、太平洋に点在する22ヶ国の中で最大の、560万人の人口を有し、800もの言語が話されている多民族国家です。約46万3,000平方キロメートルに複雑な地形が広がるこの国は、自然災害の影響を受けやすく、この10年だけでも地震、津波、火山噴火、洪水、干ばつ、冷害など、死者や国内避難民をだしたり、耕作物や家畜など生活の糧を破壊されたり、また保健や教育といった社会サービスを崩壊させる災害に見舞われています。

パプアニューギニアは、2000年にポリオ根絶を宣言しました。しかしながら、予防接種の普及率はこの10年滞っており、1歳未満の乳児の半数しかポリオとはしかの予防接種を受けられていず、また破傷風トキソイド予防接種を受けられる妊婦は44%に留まっています。はしか、肺炎、下痢といった予防できる病気が、この国ではまだまだ疾病率や死亡率の主な原因になっています。また、妊婦ケアが普及していなかったり、出産に助産師が立ち会うことが少ないため、分娩における母子の危険が増加しています。安全な水や衛生的なトイレを使える人も、いまだ都市部に限られています。


ユニセフの優先課題
パプアニューギニアにおいて、ユニセフは以下の分野に優先的に取り組んでいます。
  • 保健と栄養(乳幼児開発も含む)
    保健、栄養、乳幼児開発分野の活動は、国レベルと地域レベル双方からの対策によって、乳児、5歳未満児そして妊産婦の死亡率や疾病率を減らすことを目的としています。個別の戦略としては、子どもの健康、予防接種、微量栄養素欠乏の予防など必要不可欠なケアを総合的に提供すること、母体保護の対策、飲料水や安全な衛生施設を提供する支援、幼い子どもへの栄養補給、子どもたちの成長と発達に必要なサービスを家族が求めることができるよう家庭へのエンパワーメントなどがあります。
  • HIV/エイズ予防
    HIV/エイズ予防は、母子感染を予防することに焦点を当てます。それは、国家エイズ委員会との協力で国としての母子感染予防に関する政策を策定すること、トレーニングを受けた保健員を自発的カウンセリングおよび検査の場に配置し、出産時の感染を防ぐための産科技術を周知し、また感染している母親の赤ちゃんにミルクを提供すること、さらに適切な抗レトロウイルス薬の検査を支援することによって実施されます。プログラムはまた、生活習慣の改善やコミュニティでの孤児のケアを促進するため、教育部門との連携も図ります。
  • 子どもの保護
    子どもの保護の分野では、少年法の公布に向けたアドボカシ−活動、性的虐待やネグレクトを含む子どもの虐待など家庭内暴力について認識を促すこと、性的搾取のような劣悪な児童労働を根絶するためのアドボカシ−活動、そして特にブーゲンビルでの紛争後のトラウマカウンセリングがおこなわれています。
  • 女子教育の促進
    ユニセフがおこなう女子教育活動は、引き続き教育の改善や特に女子教育の価値についての意識を広めることで、子どもたちが基礎教育を受ける機会を得られるようにすることにあります。
  • 計画策定と情報伝達
    計画と情報伝達は、緊急事態への準備において重要で、ブーゲンビルでの子どもの保護活動とも連携しています。
パプアユーギニア基礎データ
総人口 5,772,000人
子ども(18歳未満)人口 2,717,000人
年間出生数 176,000
平均余命 56歳
5歳未満児死亡率 93/1,000人(世界第48位)
乳児(1歳未満児)死亡率 74/1,000人
初等教育就学率・出席率 74%
安全な水を入手できる人の割合 都市部:88% 農村部:32%
適切な衛生施設を利用できる人の割合 都市部:67% 農村部:41%
ひとり当たりのGNI(国民総所得) 580米ドル
(世界子供白書2006)
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