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アンゴラほど、長年苦境に耐えてきた国はないでしょう。30年以上絶え間なく続いた戦争のために基礎保健サービス、教育サービスは壊滅し、子どもの死亡率は、世界でも最悪な国のひとつとされてきました。半数以上のアンゴラの子ども達は学校に行っていません。また、4人に1人の子どもは5歳の誕生日を迎える前に命を落とし、45%は慢性的な栄養不良状態です。しかし戦争が終結した今、アンゴラは、多くの問題を抱えながらも希望と再生に向けた新しい時代へと向かっています。

長年にわたって国民を苦しめてきた戦争が終わり、2002年に和平協定が結ばれて以来、アンゴラの人々は、初めて変革の風を感じています。しかし、難民、国内避難民として自らの居住地を離れなければならなかった人々は、自分の家に戻れたとしても、戻ったコミュニティーの多くでは、医療、衛生、教育など基礎的な社会サービスが提供されていません。また、安全に農作業をするにあたって、地雷は大きな問題として残っています。HIV/エイズの感染率は増加傾向にあり、安全な飲み水へのアクセスは大変困難です。こうした問題への早急な対応が必要です。

昨年、ユニセフ・アンゴラ事務所では、はしかの予防接種の大キャンペーンを行い710万人の子どもに予防接種を行いました。またバック・トゥ・スクール(学校に戻ろう)キャンペーンにより50万人の子どもたちが新たに小学生として学び始めました。また、兵士として戦場に狩り出された多くの子ども達には、通常の教育とともに職業訓練を行うという社会復帰のプログラムを実施しています。
アンゴラでは戦争の混乱のため、当然のことながら、多くの子どもが出生登録をしていません。子どもたちが基本的な社会サービスを受けるためにも出生登録をすすめるようユニセフが中心的な役割を果たしています。復興に向けたユニセフの活動は始まったばかりで、やるべきことは山積みされています。
子どもの成長を止めることはできません。子ども時代の適切な時期に予防接種を行い、十分な栄養を摂り、学び、遊ぶことが重要です。ユニセフでは、アンゴラの子どもたちの保護、保健・衛生の向上、初等教育の普及、地雷教育などさまざまな問題への取り組みを続けて参ります。アンゴラの人口の約6割は子どもたちです。戦争が続いたこの国が、平和な社会へと変貌を遂げるには、将来を担う子どもたちへの投資が不可欠なのです。

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