第2回 2003年7月8日(火)放送 あらすじ

#2 シンクロ危うし!?

 水泳姿で寝ている勘九郎(山田孝之)を、朝早くから憲男(森山未來)が起こしに来た。学校のプールにシンクロの練習へ行くのだ。プールは水泳部活動中止のため閉鎖中である。柵を乗り越えて忍び込むと、生徒会の七波副会長(並木伸之)と鷲津書記(鷲頭功学)が待ち受けている。会長の田中(瑛太)に命令され、閉鎖破りの監視に来ていたのだ。放課後、勘九郎と憲男は校舎の屋上に練習の場を移すが、さすがに水泳気分になれない。その上、乱暴者と噂の高原(石垣佑磨)が怖い顔で睨んでいるのでさらに場所を変えねばならなくなった。憲男の提案で、なんと二人は、夜になって桜木女子高のプールに、忍び込むことにしたが、そこでも警備員に追いかけられ、逃げ出す始末。
 勘九郎は、家に憲男を呼び、プールの入会案内パンフなどを眺めていた。と、そこへ麻子(宮地真央)と勘九郎の妹仁美(碇由貴子)が入ってきた。勉強もせずシンクロの相談をしているところを麻子に見咎められ、憲男は「水泳部じゃなきゃシンクロやれないのかい」と食って掛かるが、その言葉で勘九郎は「そうだ同好会を作ればいいんだ!!」と思いつく。
 二人は、早速、生徒会に同好会登録を出しにいく。田中は「5人以上の会員がいない、顧問教師がいない、シンクロ中止の決定に背く」などの校則を楯に届けを認めない。放課後、二人はほかの運動部に勧誘に行くが、全く相手にもされない。安田(田中圭)ら以前のシンクロ・グループに声を掛けても「無理はやめようよ」と寂しく断られる。デブの石塚(石井智也)は相変わらず被害妄想的に噛み付いてくるだけだし、ロックバンドの星山(星野源)たちにも無視される。勘九郎たちが憔悴していると、担任の佐久間(眞鍋かをり)が「なぜ私に相談してくれないの!顧問になってあげる」と言い、人集めの知恵を出してきた。
 下校中の生徒を前に憲男が叫ぶ。「ただいま、女子大シンクロ部ツアーの参加者を集めています!!」。佐久間の言う「人集め作戦」である。スケベ根性の生徒が何人も集まり佐久間の出身校・梅花女子大へ。勘九郎たちはその正門前で「同好会入部申込書」を差し出した。「聞いてねえよ」。集まった生徒たちは、全員消えてしまった。残ったのは、佐久間、勘九郎、憲男だけか…。と、離れたところに高原がいる。高原は、ビビる勘九郎を睨みつけながら無言で「高原」と入部届けにサインするのだった。
 梅花の室内プールに入ると、佐久間の後輩・美紀たちが、3人をインターハイ出場確実の「トビウオ3兄弟」と勘違いし、見事な演技を披露してくれる。
 その時、美紀たちが「君たちもプールに入りなさい」と声を掛けてきた。嫌がる勘九郎たちはノーズクリップに女子水着姿に着替えさせられてしまった。仕方がなくプールに飛び込む勘九郎、憲男、高原。本格シンクロ用プールの深さに驚く勘九郎と憲男。が、高原が上がってこない。水中で微動だにしない高原に感心していると、石塚が叫んだ。「バカ、溺れてるんだ!!」。石塚は猛スピードでプールに駆け寄り服のまま飛び込んで、見事な水泳フォームで底に沈む高原に向かい、助け上げた。高原はカナヅチだったのだ。憲男は石塚の見事な泳ぎから「ともかく、石塚ちゃん、入部を」と気分を切り替えるが、石塚は「デブが裸になる苦しみが分かるのか」と取り合わない。
 翌日から、期末試験が始まった。シンクロのことで頭がいっぱいだった勘九郎は、全然できない。最終日の試験を終え、勘九郎と憲男はプールに向かった。すでに高原がプールサイドでサンドバッグを叩いている。そこへ、水泳部がやって来た。大地(片山怜雄)たちに「使用権は俺たちだ。お前ら同好会としても認められていない」と追い出される。顧問の杉田(杉本哲太)は「教育委員会に逆らうのは無理だ」と言いながらも、「水泳部は金曜遠征だなあ」と勘九郎たちに聞こえるように独り言を言うのだった。
 喫茶バー「ともしび」に座る「シンクロ同好会」3人。ママ(柄本明)に高原を紹介する。夜逃げした磯村(竹中直人)の弟清正(八嶋智人)が“人質”で働かされている。そんな中、意気消沈する勘九郎を元気つける憲男。憲男は勘九郎の家で入部勧誘ビラを作ろうと提案する。
 翌日の期末試験の成績発表—。合同学園祭の打ち合わせに来た麻子や響子(香椎由宇)も掲示板前に来ている。田中は定位置の「1位」を確信して鼻高々である。だが、なんと、その位置にあった名前は「立松憲男」であった。驚く、田中、勘九郎、麻子…しかも、追試者リストには「進藤勘九郎」の名が…。さらにそこには石塚の名もあった。追試に合格しないと夏休みは補修で潰れるのだ!
 勘九郎、憲男、石塚は「ともしび」に向かった。夜のバータイムになっているので、ママは濃い化粧に着物姿である。憲男が二人に勉強を教え始めた。しかし全く飲み込めない。客も入り始め、ママは「ヤル気が出るから三本松に行きなさい」と勧める。訳が分からないまま三本松に行くと、下の川で必死の形相で水に慣れる練習をしている高原がいるではないか。
 夜になって、勘九郎は憲男の指導の下、必死の試験勉強である。そこへ麻子が封筒を持って現れた。留年した高原から預かった昨年の追試問題だった。翌日、それを石塚にも渡す。
 いよいよ追試の金曜日。憲男と高原は、追試の終了を、遠征で水泳部がいないプールで待っている。勘九郎が勇んで飛んでくる。「74点だ。合格だ!!」。その時、高原もビート板でバタ足ができるようになる。さらに石塚も走ってくる。「88点です!!」。「頑張ればできるんです。僕も変わりたいんです」。
 そこへ田中が麻子たちを連れて現れた。学園祭でプールを使った合同企画をやると言う。田中は、もちろん、勘九郎たちのシンクロ企画を認める気はない。石塚に「泳ぎを見せてくれ」と挑発する。意を決した石塚はデブの体を揺すり、服を脱ぎ見事な泳ぎを見せる。歓声を上げる勘九郎たち。平静を装う田中だったが、麻子や響子が嬉しそうにプールを眺めているのには、心中穏やかではない。一方、勘九郎たちは「あと一人だ!!」とはしゃぎ続けるのだった。

キャスト

進藤勘九郎(18)… 山田孝之
立松憲男 (18)… 森山未來
田中昌俊 (18)… 瑛 太
高原 剛 (19)… 石垣佑磨
石塚 太 (19)… 石井智之
大西麻子 (18)… 宮地真緒
杉田   (38)… 杉本哲太
佐藤勝正 (20)… 玉木 宏
ママ   (50)… 柄本 明
山岡教頭 (55)… 布施 明
ほか

スタッフ

■原作
 矢口史靖
 アルタミラピクチャーズ
■脚本
 橋本裕志
 中谷まゆみ
■音楽
 佐藤直紀
■主題歌
 福山雅治
■企画
 金井卓也(フジテレビ)
 関口大輔(フジテレビ)
■プロデューサー
 船津浩一(共同テレビ)
 栁川由起子(共同テレビ)
■演出
 佐藤祐市(共同テレビ)
 村上正典(共同テレビ)
 高橋伸之(共同テレビ)
■制作
 フジテレビジョン
 共同テレビジョン

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