あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「悲しいウソ」
 ヒカル子(藤原紀香)との交際宣言が嘘だったことが発表された。そうと知った『サンマルコハム』の小金井(勝村政信)、次屋(筧利夫)、牛山(古田新太)らは、草介(草なぎ剛)がおそらくしょげているであろうと察して次々と女性を紹介してやるのだが、草介にはかえってありがた迷惑。これ以上おかしな相手を紹介されてはようにかなわないと、「こういう時は仕事ですよ!」と頑張って営業に精出すことを宣言した。
 またその時、『サンマルコハム』には、小金井が取ってきたファミリーレストラン『シェフズ』との世界のハム祭りのイベント協賛という大口の話しが舞い込んでいたのだった。
 一方ヒカル子は、久し振りのオフを共演中の男優・桜井了(青木伸輔)と過ごしながら、ふと草介に連れられて行った居酒屋のことを思い出していた。誰といても“この人は私がスター桐島ヒカル子だからこうしていてくれるんだ”という思いにかられてしまう。だから、とにかく楽しかったあの日のことをヒカル子はフト思いおこしてしまったのだ。自分にはあんなに楽しい時間を共有できる友達と呼べる人がいないとも思いながら・・・。
 数日後。ハム祭りにむけての商品の発注に追われていた小金井のもとに、一人娘・千花(菅野莉央)の担任から電話が入った。どうやら千花が学校に一週間も登校せず、いじめにあっているらしいというのだ。妻と離婚後千花とは離れて暮らしていた小金井は、とにかく次の日曜日、千花と会い話しを聞いてみることにした。
 日曜日、千花とやってきた遊園地で小金井は草介からの電話を受けた。ハム祭りにハムが届いていないという。「!」小金井はその時はじめて娘のことで頭がいっぱいになり、あの時ハムを発注しそこなっていたいたことを思い出したのだった。
 一日で大損害を出した『シェフズ』は、謝罪する小金井に対してもう一度ハム祭りをやり直してもいいと言ってきた、だがその条件としてヒカル子をポスターに起用することを出してきたのだ。草介がいることも考慮しての巧妙な交換条件。そして尻込みする草介を残して、小金井、次屋、牛山はさっそく『オフィスクラウディア』へ。しかし、ものの数分でヒカル子の携帯ストラップを土産に追い返されてしまった。
 だが、その後もあきらめきれない次屋と牛山は、草介を動かし、なんとかヒカル子に直接話しを聞いてもらうところまでこぎつけたのだ。しかも、パーティー以来ハムの美味しさにみせられていたヒカル子を、一緒にハムを食べませんかとおいしい誘い文句で呼び出させて・・・。
 久し振りに会うヒカル子に草介は、ダメもとで、それでもきちんと事情を話した。だが、次屋と牛山には別の企みがあったのだ。もちろん草介には内緒の、しかし小金井を救うためには実行しなければならない大作戦が。

<第5回> 「帰れないふたり」
 その日、翠(戸田恵子)はドクター・マクニコルの診察室を訪れていた。 「セリフが言えなくなるなんて初めてなんです。ヒカル子の心に一体何がおこったのでしょうか?」。深刻そうに相談するのはヒカル子(藤原紀香)のこと。そう数日前からヒカル子は撮影に入ってもセリフを言えない状態に陥ってしまったのだ。
 だがドクターは、以前にも似た例があったといい、セリフが言えなくなるのは、ヒカル子がスターであるがゆえの孤独感からきている精神的なもの、立ち直るには本人次第だというのだった。
 そして、その日の現場でもやはりセリフ言えなかったヒカル子は、誰にも何も告げることなく、忽然と姿をくらましたのだった。
 ある日の朝のこと、会社に出かける直前の草介(草なぎ剛)の前には笑顔のヒカル子の姿が! ヒカル子は慌てふためく草介を尻目に、しばらくアパートで暮らすここを決め込むのだった。
 その頃、ヒカル子の失踪を知った『オフィス・クラウディア』では、翠と三枝(宇梶剛士)が、事務所を閉めることになったら・・・と寂しい会話を展開させていた。そしてまた『サンマルコハム』でも、売上げ不振に伴う、社員リストラという寂しくも厳しい話しが持ち上がっていたのだ。
 そして所長の小金井(勝村政信)が考え抜、揚げ句出した結論とは、最も営業成績の悪い牛山(古田新太)を辞めさせるということ。それは草介にも次屋(筧利夫)にも辛いことだったが、事務所を守るためには仕方のないことと割り切るしかなかった。だが、この話を草介から聞いたヒカル子は、単純な疑問にぶつかった。売上げを今の倍にしなければならないことは大変なこと・・・でも、なぜ何もやってないうちから無理なこととあきらめてしまうの?「やってみればいいじゃない? 無理だかどうか」。そして草介は、この時のヒカル子のことばに動かされ、牛山のため、もう一度必死に営業に回ることをはじめるのだった。もちろん、小金井も次屋も。そしてヒカル子もそんな草介をまるで恋人? のように優しく見守るのだった。
 そんなある日のこと、草介のもとに三枝がやってきた。三枝は、おそらくヒカル子がここにいるはずとやってきたのだ。だが、三枝は強引に連れ帰ることはしなかった。この時草介は、ヒカル子にも素敵な理解者がいることを感じとっていた。
 それからしばらくして『サンマルコハム』に奇跡がおこった・・・。

<第6回> 「二人が射とめた物」
 その日、草介(草なぎ剛)は弓道場にいた。一心に気持ちを込めて引く調子はなかなかのものだ。そして、そんな草介を見ていた道主・能見彦吉(高松英郎)は言った。「昇段試験を受けて見ないか?」。その時から草介の試験に向けての練習がはじまった。
 ヒカル子(藤原紀香)は、撮影所でナギナタを振り回していた。女優を泣かせることで有名な白河監督(北見敏之)の元、新作の役作りに取り組んでいたのだ。しかし、その様子を見ていた白河は、アイドル女優のお遊び程度とあきれ果て、ナギナタから弓道に設定を変えてしまったのだ。
 その時から、ヒカル子の弓道特訓がはじまったのだが・・・なんと、その指導を草介が担当することになったのだ。練習場で手取り足取り、ヒカル子に熱心に指導をする草介。だが、その時、ヒカル子の手にしていた弓が折れてしまった。「大丈夫です」とはいったものの、それは草介が初めて的に的中させた大切な弓だった。
 そんな二人の様子を見ていた麗子(安西ひろこ)は、ヒカル子が本当に好きなのは草介なのだと直感。その後、アパートに「サンマルコハム」に草介を追いかけ回して、ヒカル子の様子を伺うのだった。
 「今度は日向麗子と草介?」。小金井(勝村政信)、次屋(筧利夫)、牛山(古田新太)、つぼみ(長谷川京子)、サンマルコハムの面々は、再びざわつきはじめる。そしてヒカル子も、折りにつけ草介と麗子のツーショットを見せられ、ちょっぴり苛立った様子で、高級な弓を草介に渡すと、そっけなく「弁償しましたから」と弓を折ったことをさっぱり清算したかのようにいうのだった。
 だがその後、ヒカル子と草介が同時にスランプに陥ってしまう。うまくいかなければ代役をたてられてしまう・・・そんな迷いと緊張の中、ヒカル子はふと足を運んだスタジオで金田中監督(森本レオ)と会い、そこで折った草介の弓にまつわる話しと、実はあの弓で昇段試験にのぞむはずだったことを聞かされた。次の瞬間、ヒカル子は弾かれたように立ち上がると草介の弓を手に、ある場所に車を走らせていた。
 翌日には、撮影と草介の昇段試験が迫っていた。


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