あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 『復活!!』
 風采の上がらない満帆商事元庶務二課井上課長(森本レオ)は、ゴルフ場であずさ(戸田恵子)を探していた。ショムニ解体であずさはゴルフ場に出向していたのである。あずさを捕まえた井上課長は「早期定年制ができて早い話クビ。昔の仲間の皆さんに挨拶回りしています」と報告する。
 井上課長の話では、会社は合理化と経費節減の嵐が吹き荒れ、全員がIDカードを着け、カメラで四六時中監視されているのだという。それは、いちいち査定の対象になり、無駄口一つで数%のマイナス査定である。
 あずさは、そんなことは聞き流していたが、「年中行事も廃止でして」という部分に、なぜか反応するのだった。
 井上課長は、その後も、ファストフード店で機械的に専門用語を並べたてる梅(宝生舞)や工事現場で肉体労働をしている佐和子(京野ことみ)、満帆迎賓館でお茶を飲みながら庭師をしている佳奈(櫻井淳子)、結婚相談所で不吉な未来を占っているリエ(高橋由美子)、さらに漁港で勇ましく働いている千夏(江角マキコ)と全員に挨拶をした。だれも課長や会社の行く末に同情や不安を見せないのだが、ただ、「年中行事……」と課長が言うと、そろって「!?」と反応するのだった。
 満帆商事では、社員総背番号制の管理システムの上々の滑り出しに、社長以下人事部の寺崎部長(高橋克実)、野々村課長(伊藤俊人)ら幹部は、ほくそえんでいた。それは新入社員の神谷(沢村一樹)の発案だった。社長たちは社員の前で、神谷を表彰する。しかし、エリート社員である右京(石黒賢)も三田村(相島一之)も、苦々しく思っており、神谷にとっては、逆効果。全社員から疎外される結果となった。
 神谷は、寺崎部長らに、「僕は早期定年制も年中行事廃止も提案していない。社内で浮いて大変なんです」と泣きを入れる。寺崎らは「嫉妬されるのはエリートの証拠」とその場をとりなすが、「これ以上うるさく言ってきたら、地方へ飛ばそう」と相談する。神谷はそれを聞いてしまう。
 愕然とした神谷は、夢を失い、備品倉庫で辞表を書き始める。その時、12本の足が眼前にそそり立つ。
 ショムニだ。
 「だれよ、あんた」と千夏。その倉庫は、旧ショムニの部屋だったのだ。
 「なんで入社1週間で辞表を書くんだい」と尋ねられ神谷は事の経緯を話す。
 千夏は「あんたなんか、どこに行っても同じだよ。会社ってのはね、利用するためにあるんだよ。利用されたと思った時点で負け。その前に一仕事しな」と命令し、行動を開始するが・・・。

<第2回> 『男の磨き方教えます』
 千夏(江角マキコ)を初めとするショムニのメンバーが、屋台で飲んでいた。伊香保温泉に行くくらいなら、株で当てて海外に行こう、という算段をしている。すぐ近くで愚痴を言っている男がいる。一見不労者風でツケをお願いするいじけた姿は、情けないものだったが、満帆商事エリート社員の右京(石黒賢の二役)にそっくりだった。その姿を、千夏たちは怪訝に眺めていた。
 その翌日、満帆の株が大暴落した。買い集めた男性不能治療薬が、販売中止となり、100億円以上の欠損が出るというのだ。そんな折、右京は帰死回生の巨大契約を提案した。ドイツの通信事業会社ハイネベルク社とアジア通信事業の独占契約を結ぶと言うのだ。成立すれば、倒産の危機は回避できる。それを社長室の外で聞いたあずさ(戸田恵子)と梅(宝生舞)は、「投資先は我が社」とほくそえむのだった。
 相変わらず蛍光灯を交換していた千夏たちは、足もとで鳴っている携帯電話を拾った。「ハンベルクが明日来る?」と電話を聞いた千夏。「ハンバーグが届くということでしょう」と佐和子(京野ことみ)。「デリシャス亭はおいしい」とリエ(高橋由美子)。そのころあずさと梅は、井上課長(森本レオ)の金庫の中の旅行積立金10万円を確認し、にたりと笑っていた。
 海外事業部では、騒ぎが起こっていた。満帆の競争相手の順風商事が、ハイネベルクとの契約を横取りしようと専務をドイツに派遣したというのだ。右京は、それを阻止すべく、成田に向かった。
 ところが、その直後、ハイネベルク社長が、満帆との契約のため、日本に向かっていると連絡が入る。慌てた美園(戸田菜穂)は、右京の携帯を鳴らすが、出たのは、なんと千夏だった。「なんか、ハンバーグが届くらしいよ」と千夏。離陸時間は過ぎた。契約には右京抜きで臨まなければならなくなった。しかし、ハイネベルク社長は、右京と個人的な友情と信頼関係で結ばれており、ほかの人間で成立するか、みな、頭を抱えた。
 ひらめいたのはリエだった。「幸運の無精ひげが見えます」。屋台でふてくされるショムニメンバー。そこに「とっとと金を払え」と怒鳴られる男が。「そういうことか」と千夏。「いいバイトあるんだけど、乗ってみない」。ショムニは右京ソックリの山田の前に立ち塞がった。
 おどおどといじけ、ひたすら謝りまくる山田。ごう慢で自信たっぷりの右京に変身させる特訓が始まった。ギャラは10万円。同時に、ハイネベルク社長を迎える準備も急ピッチで進む。
 間もなく、契約会議の開始。山田は梅に連れられ、会議室に入る。社長以下、だれも替え玉とは気がつかない。ほっとする一同。
 ハイネベルク社長が現れた。だが、その席に、順風の社長、役員も同席するという。丁々発止のビジネス攻防が開始された。順風の贈り物攻撃、ダンピング攻撃に、満帆は太刀打ちできない。いささか雲行きが怪しくなってきた。偶然登場した、「デリシャス亭」のハンバーグで一息ついたが、いかんせん、ビジネスに私情はない。梅もうるさいと追い出され、万事休すという局面まで来てしまった。
 いたたまれず、逃げ出す山田。追うショムニ。「逃げるな」と連れ戻されても、状況は変わらない。立ち上がるハイネベルク社長。そこで山田は開き直った。「前向きに生きろ」「成功には強い意思がいるんだ」・・・ショムニに元気付けられた言葉の数々をハイネベルク社長にぶつけるが・・・。

<第3回> 『出来る女の切り札は』
 満帆商事が、伊集院財団が推し進める「ワールド・ウーマン・プロジェクト」の幹事社となり、ニューヨークに代表社員を送ることが決まった。そのため、社員に公募しレポートをプレゼンさせる「代表選考会」を開く手はずとなった。
 人事部では右京(石黒賢)を送ることに内定し、右京もどんどんリサーチを行い、選考会は右京信任の手続き会になる予定だった。
 しかし、千夏(江角マキコ)を筆頭とするショムニ軍団は、同行社員に秘書課の美園(戸田菜穂)が選ばれそうだと聞き、「絶対阻止」で団結。行動に入った。
 その時、対抗馬無しとの下馬評に反し、いかにもキャアリアウーマン然とした秋江(細川直美)が選考会に名乗りをあげた。ショムニは、美園ニューヨーク行き阻止には格好の人材とばかりに、秋江に乗ることにした。
 だが、秋江はわがままでごう慢。人を人とも思わず、ショムニもやや手におえない風。しかも、秋江阻止を図る人事部の策で、大量の仕事を押し付けられ、それがショムニに回ってくる始末。ウンザリするショムニたち。
 さらに、一日でリポートも完成させねばならない。秋江とショムニは、小さな赤ん坊のいる母親を対象に商品開発するリポートを作ることにし、母子を大量に会社に呼んだ。が、母子が帰った後に、一人赤ん坊が残ってしまった。その子の胸には「この子は満帆社員の子です。引き取って下さい」とある。父親探しが始まった。
 まず最初に立ち上がったのは井上課長(森本レオ)だった。2年前の6月に酒に酔って……。定かでない、と井上課長は飛び出してしまった。ショムニメンバーは、あらゆる手段で情報を集めてみた。リストアップされたのは、社長(久保晶)、寺崎人事部長(高橋克実)、野々村同課長(伊藤俊人)、三田村(相島一之)。佳奈(櫻井淳子)は、社長と三田村は愛人のはずだが、ふてくされるが、しかたがない。
 だが、血液鑑定などに持ち込んだ結果、その中の誰も父親になれないことが判明した。では、誰が?
 警備員になった神谷(沢村一樹)が飛んで来て言う。「その子供はRHマイナスの血液型です」。満帆のRHマイナスは、なんと右京だった。
 これで、選考会は頂いた、と秋江が喜んだ。リポートも出来たし、押し付けられた仕事はショムニの協力でやり終えた。後はこのスキャンダルで止めを刺す、という寸法だ。千夏たちはどこか釈然としなかった。「あんたは結局、男と同じじゃない」と千夏たちは言うが……。


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