あらすじ
<第10回> <第11回>

<第10回> 「さようなら」
 貫井(堤真一)は、苦しい立場である現状を受け入れ、今までと変わらずに頑張っていくことを籐子(深津絵里)、壮吾(坂口憲二)、吉武(西村雅彦)らと確認しあった。籐子も、任された楠木文具の仕事に打ち込んでいこうと気持ちを切り替える。そんな籐子に、楠木文具の社長(志賀廣太郎)は、百周年を迎えるにあたり、今一度文房具にスポット当てたいという。「そのために大きな広告をうって話題を集めたい」というのだ。
 籐子は、社長のためになんとか力になりたいと思った。
 壮吾は、人の心配をしている暇はないとたしなめるのだが・・・。だが、この籐子の思いに貫井が協力したいと言い出す。大手化粧品メーカーが「ぜひに貫井ともう一度組みたい」とオファーしてきたにもかかわらず・・・。
 貫井の性格をよく知る吉武は、渋々と貫井が楠木の仕事をすることを認めるのだった。
 貫井と籐子、はじめて二人はコンビを組んで仕事をすることになった。
 そして貫井は、ささやかな仕事ではあるが初心にかえったような生き生きとした仕事ぶりを見せるのだった。その様子をみて、壮吾は、「なんだか二人はいい感じですね」などと吉武に耳打ちするのだった。
 一方、春菜(矢田亜希子)は、貫井の気持ちがどうしても掴みきれず、籐子との仲も気に掛かり、苛立ちを深めていた。籐子のこともなんとなくさけるようになり、気遣う籐子にも冷たくあたり、またそんな自分に嫌悪感を抱くようになっていたのだ。
 籐子は、そんな状態を感じとっていた。そして、これ以上このままの状態を続けておくことは、互いにとっていいことではないと思いはじめていた。真季(猫背椿)にも打ち明けたが、どうやら自分は、いつのまにか貫井を本当に好きになっていたようなのだ。
 それでも貫井との仕事をやりとげようと頑張る籐子。だか、ある日のこと籐子は吉武を掴まえ、話があると切り出していた。

<第11回> 「幸せはかならずやってくる!!今夜あなたの上にも」
 その朝、『貫井企画』に籐子(深津絵里)は現れなかった。
 貫井(堤真一)と進めていた楠木文具の仕事を終えた時点での退社は、すでに吉武(西村雅彦)には打ち明けていたのだった。
 春菜(矢田亜希子)とのこと、そして貫井への気持ちに気付いた今となっては、これ以上ここには居られない・・・籐子なりの気持ちの整理のつけ方だった。
 貫井の様子をうかがう壮吾(坂口憲二)。だが貫井は「あいつはどこにいても元気でやれるはず」といつもとかわらない様子で仕事に向かうのだった。
 その頃籐子は、春菜と住んでいたマンションを出て真季(猫背椿)のもとに転がりこんでいた。再就職先を見つけるために、就職活動もやっていた。だが、受け入れてくれる所は簡単には見つからず・・・見兼ねた真季は、人材派遣会社に勤める姉の美帆(伊勢志摩)に助けを求めることに。
 だが、籐子のわずかな期待とは裏腹に、美帆は年齢の問題もあるからと、籐子に見合いを進めてきた。そして籐子は、押し切られる形で数日後、その相手とデートをすることになった。
 真季は「ここは勝負をかけるべき!」とばかりに、映画、レストラン、ホテルのバーとあれこれデートコースを練り上げてやるのだった。
 一方、貫井は、楠木文具のために企画した商品“エンピツネズミ”の反響が思うようにいかないことに心を痛めていた。これ以上待って注文がこなければ、楠木文具はつぶれてしまうことになる。仕事のこと、そしてあれから連絡も取れない籐子のことなど気になることばかり。こんな状態の貫井だから、春菜との食事の時も会話はうわの空だった。その時春菜は、“貫井の中にはやはり自分はいないのでは”と感じ取るのだった。
 数日後、貫井は謝罪に出向いた楠木文具で籐子の姿をみとめた。「やはり反響を気にしてやってきてしまった」と白状する籐子。
 その後二人は、真季がプランを立て、籐子が予約したデートコースを楽しむことなった。これもそれもデートする相手にドタキャンされてしまったおかげで。思わぬ展開になった籐子は貫井とのひとときを目一杯楽しんだ。そしてその思いは実は貫井も同じだった。
 翌日、貫井は貫井企画の解散を壮吾と吉武に伝えていた。壮吾は、その直後籐子と会い、「貫井の支えになってやって欲しい」と頼むが、籐子は「それをするのは春菜ちゃんの役目」と寂しげに言うのだった。
 一方、貫井は、図書館司書となることが決まったという春菜と会っていた。その喜びをとにかく伝えようとする春菜。そんな春菜に対して貫井は「お話があるんです」とおもむろに切り出していた。


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