<第7回> <第8回> <第9回>


<第7回>
 武人(福山雅治)のマンションには、相変わらず息子を心配する孝太郎(武田鉄矢)が居座ったままで、食生活に始まり、あらゆることに厳しく口をはさんでくる。ある日のこと、武人が少しでもそんな生活を忘れようと、大友(立川政市)となじみのキャバクラ『エル』に訪れると、そこには巨乳のキャバクラ嬢・レイナ(嘉門洋子)を口説くリュウ太(ユースケ・サンタマリア)の姿が。武人たちは、そんなリュウ太を責めながらも、ちゃっかりと温泉旅行を計画するのだった。
 数日後、武人、リュウ太、大友らは、千草(木村佳乃)、みゆき(畑野浩子)、みさ子(大石恵)たちと一緒に伊豆へと車を走らせていた。
 大友から、もう一度友達から始めようと誘われ一緒に来たものの、どこか居場所のない千草。それでも、ビーチバレー、フルーツバスケットなどで、みんなの輪の中に入って楽しもうとしていた。
 その夜。女三人で温泉につかり、のんびりと語らい始めたのは、「三人の中で誰が一番いい男だと思う?」ということ。みさ子は、結婚するなら大友、だけど結婚したら亭主関白になってしまいそうなタイプ、とと言う。みゆきは、リュウ太を一生成長しないタイプとバッサリ。そして武人のことをみさ子が、「一番はやっぱりね」と言う。しかし千草が「あんな女たらしやめた方がいい」と言い放ち、「そんなにムキになって、怪しい!」とみゆきが千草に鋭く迫る。その時になって千草たちは、男湯からこちらを伺うリュウ太らにようやく気付いた。全て聞かれていた!
 武人は、その後大友から、「千草さんの気持ちに気付いていたのか? 千草さんを幸せにしてやってくれ」と力無くつぶやかれてしまう。
 旅行から帰ってきた武人は、ポストの中にマンションの合鍵とメモが入れられているのをを見つけた。“合鍵置いて行きます。出発は来週、見送りはなくていいです…”。それは彩からの別れのメッセージだった。さらに部屋に入った武人は、孝太郎から手痛いパンチを食らう。仕事と偽って行った伊豆旅行のことがバレてしまったのだ。大勢との旅行で、何もやましいことはなかったという武人に、孝太郎はひとまず安心するが、この時の言い争いから武人は、孝太郎が彩に会って武人と別れて欲しいと言ったことを知る。
 それを聞いて武人は彩のアパートに走った。だが、武人を見た彩は、「タケと別れようと思ったのは、そのせいじゃない。幸せになるためにはもう一度仕事に賭けてみようと思う」。その表情から決意の固いことがうかがえる。
 翌日、武人は彩のショーに千草を誘って出かけた。そして、彩に千草を会わせ、「これからコイツと付き合っていこうと思う」と紹介した。武人が、お互いの未練を断ち切るためには必要と考え、とった行動だったが、千草の心はひどく傷ついてしまった。
「人をバカにするのもいい加減にして!」。千草は武人に言い放った。

<第8回>
 ある日曜日。千草(木村佳乃)は武人(福山雅治)とのデートを楽しんでいた。付き合い始めたことが嬉しくて仕方ない千草は、千草と名前で呼んで欲しいとか、ペアのマグカップを買って好きな人と一緒に朝のコーヒーを飲みたいなどと言いだし武人を困らせる。武人は「しょうがない奴」といいつつも、どこか千草を愛しげに見つめるのだった。
 翌日、オフィスでのランチタイム。幸せそうな千草のことを羨やむ同僚たちの中、なぜかみゆき(畑野浩子)だけ元気がない。「どうしたの?」と千草が尋ねても「なんでもない…いいな千草は将来に迷いが無くて」と返すだけ。
 だが、その理由は次の休日の“ダブルデート“の時に発覚した。武人とリュウ太(ユースケ・サンタマリア)が待つクラブにやってきたみゆきは、このデートが気乗りしないと言うと、リュウ太に妊娠したかもしれないと突き付けたのだ。驚いたリュウ太は、無線で呼ばれたと見え見えの嘘をついてその場を去っていった。みゆきも、そして千草もリュウ太の誠意の無さに激怒。
 しかしリュウ太は、その後もみゆきに会うのが怖くて、武人のマンションに身を寄せ逃げまわるのだった。
 そんなリュウ太を見兼ねて、孝太郎(武田鉄矢)もリュウ太をかくまうことに協力する。だが、ある日のこと千草が武人にかけた電話に、リュウ太の声が聞こえたことで居所がバレてしまった。
 武人のマンションに乗り込むみゆき。だが、あいかわらず逃げ腰で何も言えないリュウ太を見て、とうとうみゆきは「これでフンギリがついたわ。あんた男のクズよ。二度と目の前に現れないで!」。リュウ太に別れを宣言したのだった。
 この一件がもとで武人と千草もなんとなく気まずいムードになっていたが、武人は思い切って千草に会いに行くと、仲直りの“豪華ディナークルーズ“の招待状を手渡した。
 その日千草は、わくわく気分で武人が来るのを船着場で待った。しかし、きたのは約束の時間を二時間ほど遅れるという武人からの電話。
 ガッカリとして沈みこむ千草。
 その頃武人は彩の別れた夫・鎚本(中山俊)と会っていた。そして彩が日本での成功を振り切って、何一つ頼るものないパリに行ったことを聞かされたのだ。デザイナーに誘われてといったのは、武人を安心させるための嘘だったと。 ようやくやってきた武人を迎えたた千草は、オヤジが急に帰ることなってといいわけをした武人の言葉を信じた。
 しかし、ゆっくりしたいからと武人のマンションで食事をすることを選んだ千草は、そこで紙袋に入れられた彩のパジャマを見つけてしまう。それは、さっきまで確かに武人が手にしていたものだった。 
「……彩さんに会いに行ってたの…?」
 ひどく傷ついた表情の千草は、部屋を飛び出して行った…。

<第9回>
 「好きなだけここにいていろよ」。彩(板谷由夏)のことは忘れ、千草(木村佳乃)と向き合っていくことを決めた武人(福山雅治)は、自分のマンションに寝起きしても構わないきと千草に言った。喜んだ千草は、早速武人のマンションに転がりこんできて、ずっと武人の側にいれる幸せを実感していた。
 そんな様子を聞いた千草の同僚たちは、二人のことを羨ましがりながらも、「そういう関係は意外と結婚と結びつかなかったりするもの」
「やりたいことだけやって、飽きたらポイよ」など茶化すように不安なことをいうのだった。
 数日後、武人は孝太郎(武田鉄矢)に電話で、千草との様子や偶然千草の母ハルミ(橘雪子)に会ったことなどを話した。これで武人が結婚を真剣に考えているものと早合点した孝太郎は、「こちらも挨拶に伺わんと」というと、次の日曜日にはもう武人のマンションにやってきた。
 しかし、部屋の中を見た孝太郎の表情が変わった。二人の生活の様子が見たいと遊びにきていた千草の友人たちか大勢押しかけおり、千草は不断の武人のことをおもしろおかしくぶちまけていたのだ。
 孝太郎は、以前と違う様子の千草に愕然。「娘さんのご行状のことでお話しが」とハルミを呼び出すと、親が親なら娘も娘!と罵倒すると「結婚は絶対許さん」と叫んだのだ。そして娘を侮辱されたハルミも黙っておらず、「今はまだ結婚は考えていない」といった武人を責め、「先々のことも考えず暮らすようなことこそふしだら」と千草を引っ張り帰ってしまった。 
 その後武人は、孝太郎に「思ってるほど悪い子じゃない」ととりなし、千草は「今は先のことより武人と一緒にいたい。お母さんに反対されるのが一番辛い」と今まで通り付き合うことの許しを得た。
 そんなある日のこと、武人は何気なく開いたクリニックの待合室にあるファッション誌の中に、彩の姿を見つけた。
 ツテもこねも無い中、彩は見事にチャンスを掴んでいたのだ。武人は、編集部を通じて聞きだした電話番号で、パリの彩に電話をし、おめでとうを言うと、お互いに頑張ることを約束して受話器を置いた。
 だが、折り畳まれ武人のスーツのポケットにしまわれていた彩の載った記事をふとしたことで千草が見つけてしまったのだ。書きこまれた電話番号。千草の気持ちが、また不安で一杯になっていく。そして、さらに不安を掻立てるように届いた彩からのエアメール。宛名はもちろん武人。
 しばらくに机に置いた手紙を見つめていた千草は、たまりかね封を切った。


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