第7回 2003年7月15日(火)放送 あらすじ

第7話 禁断の恋~満たされない女たち…

 将軍の生母・実成院(野際陽子)が権力を振るう大奥に、総取締の瀧山(浅野ゆう子)が戻ってきた。威風堂々の瀧山に、実成院は不幸な死を遂げたおそのの遺体を里に帰すことを認める。瀧山は和宮(安達祐実)には、「お世継ぎ誕生は国の安泰に通じること。授かるお体かどうかは天下の一大事」と言って、医師の診察を受け入れさせる。瀧山はさらに、実成院と和宮の間にはさまれて右往左往している総取締代理の初島(木村多江)を叱る。そして位の高い女中たちの職務の配置換えを行う。今の人事異動である。まる(池脇千鶴)はそのまま和宮付きだった。京都から和宮に従った三人の女官は、松江(栗田よう子)以外は京に帰された。
 瀧山の実力を見せつけられた実成院は面白くない。新たに自分の担当になった葛岡(鷲尾真知子)らに、「大奥はあの女のものではない。あの女を退けよ」と言い、瀧山の身辺を探るように命じた。
 瀧山は市中の如是寺にある、おそのの墓参りに行く。墓には一人の若い僧(北村一輝)がいた。その顔は亡き家定と瓜二つである。柳丈というその名を瀧山は心に刻んだ。一方初島は、城内の開かずの間で生島庄五郎(山口馬木也)との密会を重ねている。理性では、もう止めなければと思う初島だが、庄五郎に抱かれるとわれを忘れてしまうのだった。
 和宮が医師の診察を受ける。皇女として生まれた和宮には耐えるられない屈辱である。御典医の助手を務める今岡真之介(岡田義徳)との会話の中で、まるは和宮のことばかりを話す。まるが自分をどう思っているのかを知りたかった真之介は、まるがすっかり大奥の女になってしまったことを知る。真之介は寂しげに、「体に気をつけて」と言って去る。まるにはその言葉の意味も分からなかった。
 数日して、御典医・堀田良庵(山田明郷)の診断が下った。和宮は骨盤が狭く、子供を授かるのは困難ということだった。和宮は衝撃を受け、傷ついた。「心が折れた。これで、ほんに籠の鳥になってしもうた」と嘆く和宮である。まるも良庵から、真之介が助手を辞めたことを知らされ、愕然として言葉もない。
 大奥の外では、攘夷を幕府に求める声が日増し強くなり、将軍・家茂(葛山信吾)は公務に忙殺されていた。
 和宮に子供が生めないと知った実成院は、早速に側室選びを始めた。その主導権をめぐって、またも瀧山と実成院は激しく対立した。
 大奥に不審な長持ちが運び込まれることに、葛岡が気づいた。初島と庄五郎の密会が露見した。男子禁制の大奥に忍び込んでの密通という大罪で、庄五郎は死罪を申し渡される。瀧山は、初島にも厳しい処分をと考えた。しかし和宮には、籠の鳥の女が起こした悲しい事件に思えた。和宮は家茂に、初島の罪の軽減を嘆願した。
 家茂のはからいで、初島は死罪を免れて島流しとなった。瀧山には処分はなかった。この不祥事摘発で瀧山の追い落としを考えた実成院は不満だった。粗末な身なりで不浄門から江戸城を出る初島をまるが見送った。「大奥は女の牢獄だ」。まるはつくづく思った。 失脚は免れたものの、瀧山が受けた心痛は大きく、疲労は極限に達していた。いつのまにか瀧山は如是寺に来ていた。柳丈がいた。突然瀧山は、貧血を起こしその場にしゃがみこむ。やがて意識が朦朧としてくる。かけよった柳丈の腕の中で、瀧山は、「家定様」と言って意識を失った。

キャスト

瀧山   … 浅野ゆう子
まる   … 池脇千鶴
和宮   … 安達祐実
徳川家茂 … 葛山信吾
今岡慎之介… 岡田義徳

葛岡   … 鷲尾真知子
初島   … 木村多江
吉野   … 山口香緒里
浦尾   … 久保田磨希
藤波   … 小松みゆき
雲井   … 片桐華子
堀田良庵 … 山田明郷
松江   … 栗田よう子
能登   … 上田こずえ
綾小路  … 石井亜可里

生島庄五郎… 山口馬木也
柳丈   … 北村一輝

実成院  … 野際陽子

スタッフ

■プロデュース
  保原賢一郎(フジテレビ)
  手塚 治(東映)
■脚 本
  十川誠志
■演 出
  山下智彦
■音 楽
  石田勝範
  オリジナルサウンドトラック(SME Records)
■製作協力
  東 映
■制 作
  フジテレビ制作センター

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