第6回 2003年7月8日(火)放送 あらすじ

第6話 嵐の予感~あの女が帰ってくる

 大奥の御鈴廊下から、将軍家茂(葛山信吾)の居所に向かおうとした和宮(安達祐実)を、手に簪を持ったおその(水川あさみ)が襲おうとする。口元には和宮が大事にしていた小鳥の羽がついている。おそのは狂っていた。追いついたまる(池脇千鶴)と初島(木村多江)がおそのを取り押さえた。
 実成院(野際陽子)はただの気鬱の病の女だと言うが、和宮はおそのが何者で、なぜ自分を襲うとしたのかを知りたかった。和宮は翌朝の儀式の時に事件のことを話題にするが、家茂は答えない。
 自由に宿下がりも出来ない大奥の女たちの楽しみは、年に一度、増上寺に参った帰りの芝居小屋見物だ。大奥総取締の代理に抜擢された初島は、日ごろの緊張を忘れて舞台に見入った。美貌の看板役者・生島庄五郎(山口馬木也)があいさつに来た。初島の心はときめいた。芝居小屋には護衛役も兼ねて、真之介(岡田義徳)が来ていた。 女中たちの話から、まるがおそのの身代わりになろうとしたことを聞いて真之介は驚き、自分はまるにとって何なのかと思った。
 女中たちの留守に、和宮が京都から連れてきた松江(栗田よう子)らが城内を探り、座敷牢に入れられたおそのを発見、和宮を連れて行く。狂ったおそのは和宮を許婚と間違え、「上様のお手付きになろうとも、心はあなたのもの」と言った。和宮には衝撃の事実だったがやがて涙ぐみ、「好きなお方のところに帰してあげます」とおそのに言った。
 家茂が和宮のところに渡ってきた夜、和宮はおそののことを正面から問いただす。家茂は、おそのに許婚がいたことを聞かされてハッとし、里に帰せるよう実成院に話すと言った。しかし、「夜伽は気がすすまぬ」と引き上げた。政略結婚にもかかわらず心が通った二人だが、少しづつ離れて行くのを感じる和宮だった。
 おそのが首を吊って死んだ。まるは実成院に、せめて遺体は実家に返してと頼むが、実成院は拒絶し、おそのは密かに葬られることになる。
 まるが、家定の死後表舞台から退いていた瀧山(浅野ゆう子)を訪ね、再び総取締の役目を果たすように求める。一方真之介は医師の堀田良庵(山田明郷)に辞表を提出する。自分の居場所はもう大奥にはないと思っていた。それに、町人の真之介にも、時代の大きなうねりが感じられた。大政奉還まであと六年に迫っていた。
 大奥の開かずの間に黒い柳行李が運び込まれた。初島が部屋に入って行李を開けると、庄五郎が出てきた。抱きしめられて陶然とする初島である。
 松江が、大奥から密かに運び出されようとするおそのの遺体を発見、和宮に知らせる。怒った和宮は実成院の部屋に松江らを従えて行く。実成院は宴会を開いていて不在だった。和宮は文机の上に、父である天皇からの手紙が置いてあるのを見て顔色を変えた。実成院が握り潰していたのだ。
 和宮は実成院の宴会に押しかけた。美しい女中を集め、吹き矢で側室を選ぼうとしていた。和宮は手紙のこと、おそののことを強く抗議する。そこに瀧山が現れた。
 「お家存亡の危機に、下らぬ遊びはおやめ下さい」と実成院にピシャリと言った後で、和宮には、「徳川に嫁したのです。ご実家への未練はお捨て下さい」と威厳を持って言う瀧山。三人の視線がからんだ。

キャスト

瀧山   … 浅野ゆう子
まる   … 池脇千鶴
和宮   … 安達祐実
徳川家茂 … 葛山信吾
今岡慎之介… 岡田義徳

葛岡   … 鷲尾真知子
初島   … 木村多江
吉野   … 山口香緒里
浦尾   … 久保田磨希
藤波   … 小松みゆき
雲井   … 片桐華子
堀田良庵 … 山田明郷
おその  … 水川あさみ
生島庄五郎… 山口馬木也
松江   … 栗田よう子

実成院  … 野際陽子

スタッフ

■プロデュース
  保原賢一郎(フジテレビ)
  手塚 治(東映)
■脚 本
  浅野妙子
■演 出
  佐藤祐市
■音 楽
  石田勝範
  オリジナルサウンドトラック(SME Records)
■製作協力
  東 映
■制 作
  フジテレビ制作センター

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