あらすじ
<第10回> <第11回>

<第10回> 「心の絆」
 勝男(江口洋介)は最近すっかり元気をなくしている康太(辰巳雄大)を心配して病院に連れて行ったが、医者から身体的な欠陥というよりむしろ精神的なものが原因ではないかと言われ、更に悩みを深くした。
 吐き気や登校拒否の理由を康太に問いただしても、なかなか本心を伝えてくれようとしないのだ。担任の早乙女(池内万作)は、わざわざやってきて、
「下手なことをしてもだめ・・・どうせもうすぐ卒業だし、卒業証書は上げますから・・・」と責任放棄の発言ばかりで、勝男をいらだたせるばかり。 それならばと考えた勝男は、もう一度仲間がアメフトをやっている所へと康太を連れ出した。体を動かすことの楽しさや喜びを見せ、元気を出してほしいと思ったのだ。そして、そんな勝男の気持ちにこたえるように、この時だけは康太も笑顔を取り戻した。そしてこの時勝男自身も、もう一度「走ってみたい!」と思うようになっていた。
 その頃、健太(二宮和也)は、桃(上戸 彩)の芸能界入りの契約書にサインし、決定した映画出演の話しを喜んでいた。しかし、雄一郎(いかりや長介)や咲子(いしだあゆみ)らの前で映画の話しをする時、フッと桃の表情が曇ってしまうことにも気が付いており、それが映画にヌードシーンがあることだとわかった時、健太は愕然となった。
 しかし、桃の決心は変わらなかった。マネージヤー高橋(矢島健一)から、勝男は所詮他人。他人の善意はいつまで続くかわからないし、お母さんのこともあると聞かされ大きなチャンスに体当たりすることを決めたのだ。
「桃ちゃんは14歳、まだ子供なんだから守ってあげなきゃ」と理絵(黒坂真美)は言った。確かにその通りだと健太も感じた。しかし宙ぶらりん状態の自分には説得する言葉もないことを健太は思い知らされるのだった。
 実はこの時、珠美(内田有紀)も悩みを抱えていた。真太朗(トータス松本)からプロボーズされたことを考え続けていたのだ。勝男は「いくら何でも冗談だろ〜」としか言ってくれない・・・・・・。珠美は、思い通りにいかない仕事にも精神誠意打ち込む雄一郎と、それを支える咲子という、一番身近で心温まる夫婦の様子を見つめながら、ふと真太朗からのプロポーズの言葉を思い出したりした。
 そんな中、康太に再び異変が起きた。その日、ようやく良太(神木隆之介)と共に登校したのだが、突然学校の前で引き返し、ビルの屋上に一人駆け上がったのだ。息急ききって戻り、康太の緊急事態を伝える良太。
 勝男は、必死で現場に走った!

<第11回> 「旅立ち」
 健太(二宮和也)は、理絵(黒坂真美)が画家の桐原(国広富之)から頼まれていた絵のモデルになってしまったことに失望。理絵との別れを決意した。だが、この時健太は、お金のためにモデルをしたわけではない理絵の本心を、まだわかってやることができずいた。
 勝男(江口洋介)は、桃(上戸 彩)がヌードになることを止めるため健太と一緒にプロダンションへと出向いた。しかしマネージャーの高橋(矢島健一)は、「本人の承諾は取ってある」と言い、他人である勝男がここまでしゃしゃり出てくるのは、「こういうことでしょう」と、200万の札束を勝男に突き付けてきた。その上、側にいた桃も、「これは私一人の問題です・・・」と言う。
 これには、さすがに勝男もキレた。そして、桃の頬を思いきり叩き、札束を高橋めがけて投げ付け、「桃はうちの大切な子供だ!商品じゃねぇ!」と言い放つと健太と一緒に事務所を後にするのだった。
 だが高橋はそんな二人に向かって、すでに明日、映画の記者発表が開かれること、契約不履行の場合大きな損害がうまれることを告げるのだった。
 その夜、翌日に備えてホテルに泊まっていた桃は、何かあると相談にのってもらっていた手塚(トータス松本)に電話をいれていた・・・。
『村田工務店』では、雄一郎(いかりや長介)が再び図面に向かっている。以前注文を受けていた一件家を純日本家屋にするこだわりとチャンスをまだ捨てきれずにいたのだ。健太に、いまどきこんな家は流行らねぇのか?と尋ね、若いもんの気持ちみたいなものを探ってみたりしながら・・・。
 そして健太の「家のあかりがいつもついてて、いつもお父さんお母さんがいて・・・」ということばを聞いた雄一郎は安心したようにうなづくと、健太に、初めて材木を削るという仕事を任せてくれるのだった。
 それから数日後のこと・・・雄一郎のもとを発注者である菊池(田中 龍)が妻・キャサリン(Laura・Windrath)に伴われやってきた。そして、「妻の望むような純和風なものをお願いしたい・・・」と雄一郎に改めて発注をしてくれたのだ。雄一郎は、キャサリンに抱き締められながら嬉しそうつぶやいた「だから、諦めるなっていったろ」。
 一方、再開された勝男のアメフトの練習は続いていた。相変わらず学校に行けずにいる康太(辰巳雄大)と良太(神木隆之介)が見守り、珠美(内田有紀)が手作りのおにぎりを差し入れてくれる。そして、そんな二人の様子を複雑な思いで見つめる手塚もいて・・・。
 勝男は、まもなく行われる試合を康太に見せるつもりでいた。亡き父と自分を結びつけてくれたアメフトというものの素晴らしさや楽しさをその目で見て欲しいと思ったから。
 そして試合当日。勝男は4人の兄弟、珠美、手塚らと一緒に白熱する試合に声援を送っていた。また同じ頃、『村田工務店』には退院を間近にした美沙子(岡田奈々)が、お世話になった挨拶にと咲子(いしだあゆみ)を尋ねていた。
 健太たちは、はじめて生でみる試合の迫力に興奮していた。だが、この後さらに兄弟たちを興奮させる展開が待っていたのだ。選手交替による勝男の出場が大山(堀 勉)から告げられたのだ。練習不足もあり応援に徹するつもりでいた勝男に突然与えられた思い出深いポジションへの復帰。康太の視線を背に、勝男は思い切ってクラウンドへ駆け出して行った!
 第4クォーター。最後の攻撃に勝利をかける場面。


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