あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 「ずっと探してた人」
 海外からのフライトを終えて成田に戻ったスチュワーデスの桜子(松嶋菜々子)は、空港の長い廊下を颯爽と歩きながら、留守番電話をチェック。容姿端麗、仕事もでき、桜子は新人スチュワーデスの憧れの的。桜子は仕事が終わったばかりだというのに、合コン会場へ向かうところだった。
 「地上に降りた途端に合コンの根回しですから」と半ばあきれながらも、同僚の奥山なみ(須藤理彩)、塩田若菜(矢田亜希子)、武藤操(今井陽子)はついていく。
 合コン場所のレストランで、桜子らは相手の男たちと楽しく会話、その合間に桜子は、男たちの腕時計、アクセサリーなどを素早くチェックしていく。と、ひとりの男性が持っていたベンツのキーを、桜子は目ざとく見つけた。「貧乏なんて絶対イヤ。できるだけ金持ちの男を見つける」という信念を持つ桜子。それは子供時代の貧困がトラウマのようになっていたためだった。
 楽しく合コンが繰り広げられている店の厨房では、中原欧介(堤真一)が牡蛎を運んでいた。「よい牡蛎ですよ」。欧介は忙しく働くコックたちと気軽な会話を交わしていた。
 その欧介が、学生時代からの悪友の一人佐久間為久(西村雅彦)に合コンに誘われた。医者の佐久間は、出張の帰りに、機内でスチュワーデスと話をつけたというのだ。もう一人の悪友粕屋紳一郎(筧利夫)も大喜び。佐久間の妻の真理子(森口瑤子)には「欧介のため」とごまかし、ノリノリの佐久間と粕屋。肝心の欧介はあまり乗り気でない。
 桜子は合コンで狙った男にベンツで送られ帰ってきた。ベンツが走り去ると別のオープンカーが来て桜子の前に止まった。大病院の息子東十条司(東幹久)だった。しかし桜子にとってはただのキープ君。
 欧介は、父の死後、家業の魚屋を継いでいるが、以前はボストンで数学を勉強していた。その頃、愛していた女性に去られてから、とんと浮いた話はない。病弱で入院中の欧介の母・富士子(市毛良枝)はその事に心を痛めていた。
 富士子の無理矢理のすすめもあって、しぶしぶ合コンに出かける欧介。合コン場所の割烹で、佐久間に「おまえは今日は外科医になりすませ」と言われ、落ち着かない。「やっぱりオレは帰る」と席を立ち上がった欧介の前に現れる、桜子。欧介は桜子を見た途端時間が止まった。以前愛していた女性に似ていたのだった。一方、桜子も欧介の胸に刺さる馬主のピンを目ざとく見つけた。馬主のピンこそ、大金持ちを象徴するものと桜子は熱く欧介を見つめるのだが・・・・。

<第2回> 「恋を失うとき」
 桜子(松嶋菜々子)に情熱的なキスをされ、欧介(堤真一)の驚きは瞬時に陶酔に変わり、「僕は医者なんかじゃなく、魚屋で・・・・」と打ち明けられずにいた。
 欧介から報告を受けた佐久間(西村雅彦)らは、「あんな美人と・・・・」と、うらやましがり、「こうなりゃ、ウソを突き通すしかない」と、半ば欧介をけしかける
 フライト前のスタッフルームは、スチュワーデスたちが、準備の傍ら、フライト後のデート相手さがしにかしましい。桜子はしっかり、欧介と約束を取り付け「男と女はで会って一週間が勝負。次はプロポーズさせる」と断言。若菜(矢田亜希子)たち後輩は桜子の気合いに圧倒される。
 プロポーズまで進ませると覚悟した桜子は、スーツ、バッグなど高級品を買いあさり帰国。欧介との待ち合わせ場所へ。一方、欧介は今度こそ、本当のことを話そうと桜子に会いに出かける。
 桜子の行きつけの高級レストランは、欧介のお得意さんだった。店の人間から「魚春さん」と声をかけられ、欧介はヒヤヒヤ。その店では、東十条(東幹久)も病院関係者と学会打ち上げをしていた。東十条は、欧介を「魚春さん」と呼ぶ店員の声を耳ざとく聞きつけていた。
 その頃、佐久間、粕屋(筧利夫)らは若菜、なみ(須藤理彩)から、実は「桜子は、金持ち探しに合コンをする図太い女」と聞かされ、欧介が魚屋さんだとと知ったら大変なことになると心配する。
 レストランから出た欧介と桜子。欧介はこの機会に本当の自分を知ってもらおうとするが、逆に桜子からプロポーズされてしまう。その時、佐久間から家に来いとの電話が入り、欧介はまた、打ち明ける機会を失うのだった。佐久間の家に初めて招かれた桜子。欧介や友人達との楽しいひとときを過ごした。欧介と桜子はハッピーな気持ちを抱えたまま、それぞれ明け方近く帰宅した。
 アパートの部屋に戻った桜子。留守電をチェックすると東十条からのメッセージがあった。

<第3回> 「二人きりの夜」
 桜子(松嶋菜々子)のことが吹っ切れない欧介(堤真一)が、佐久間(西村雅彦)ら悪友たちから「所詮お前とは縁がなかった」などと励まされている時、衝動的に婚約した桜子は、東十条(東幹久)の両親に紹介され、「今時珍しい大和撫子 」などと両親にも気に入られていた。
 しかし、その後すぐに若菜(矢田亜希子)、なみ(須藤理彩)らを誘い、合コンへ出かける。入籍の日まで、前向きにお金持ちを捜そうという桜子に、皆はあきれるばかり。
 帰宅途中の桜子が自宅近くで、以前に振った男に襲われそうになる。偶然、欧介が通りかかり、桜子は素早く身を翻し、欧介の腕を取り「この人と結婚するの」と。
 ストーカー男が去った後、欧介は「あなたは年収でしか人を見ないのか。愛情は・・・・?」と尋ねてみた。すると桜子は「愛情で人は幸せにならない。デートは男を査定するものと考えている」とキ然。棲む世界が違う人だと欧介は思うのだった。
 欧介が帰宅すると、退院した富士子(市毛良枝)が二階に「可愛いスチュワーデスが来ているヨ」と欧介に。欧介が部屋にはいると若菜だった。若菜は欧介を好きだったのだ。
 粕屋(筧利夫)と花房(押尾学)を両天秤に駆けはじめたなみ。それぞれに恋愛模様があるようだ。
 桜子は、東十条との婚約を祝う医者仲間のパーティへ出向く。会場は魚春の卸し先のレストラン。たまたま配達に来た欧介を東十条は、目ざとく見つけ、勝ち誇ったように欧介を会に招き入れる。とまどう欧介に、冷たい微笑をかえす桜子。
 その帰り、欧介は桜子の家の近くでまたストーカー男を見つけた。「いい加減にした方が・・・・」と注意する欧介に男は殴りかかってきた。そこへ桜子が帰宅。男は姿を消しており、先ほどのパーティにも顔を出した欧介に、桜子は「つきまとうのはやめて。二度と私の前に現れないで」と言い放つ。ところが桜子は突然その場にバッタリ倒れた。欧介は桜子を佐久間の病院に運んだ。


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