番組紹介

おかしく、不器用で、かわいくて
でも、せつなく泣ける
そんな男女の『無理な恋愛』ドラマ。


 ひとりの中年男が、とびっきり『無理な恋愛』をした。年齢も、仕事も、価値観も、大切にしてきた青春時代の思い出も…。何もかもが全く違う。でもそれがなんだ! 彼女が好きだ!恋愛にそんなの関係ない! どんな「無理」でも、この恋、成就させたい。しかし…自信は全くない…(ため息)。そんな団塊世代の男を主人公に、世代、男女、価値観などの恋愛観の相違を織り交ぜながら、恋愛の楽しさや面白さ、優しさや寂しさ、そしてせつなさを…ドラマ『無理な恋愛』が描き切ります!!

…… 第2の人生・自分の居場所

 都心のある品のいい高級マンションに住む、一人の男、60歳。

 若い頃、家族を守っていくだけのセコセコした男にはなりたくなかった。
 社会に認められる充実感が楽しくて、無我夢中で仕事をした。仕事ではそこそこ成功し、人並み以上の経済力も充実した生活も送れている。いま、ある程度のものなら、なんでも手に入れられる。不満はない。だが、そんな男がふと気が付いた。金も地位もあるが、家族もなく、仕事以外の付き合いもなく、恋もしていない。

 「…俺は孤独なのか!?」

 そんな“男”の心に明かりを灯したのが、35歳の女性。独身で芯(しん)の強い大人の女性。彼女と一緒にいる時、男は、仕事でも、夢でもない、懐かしいほのかな想いを見つけた気がした。残りの人生、彼女と一緒に過ごせたら…どんなに幸せだろう。

 だが、しかし…!! それは、「無理な恋愛」への猛突進…。

若くはない!(お金はあるが)
とびっきりのハンサムでもない!(そんなに悪くないと思うけれど)
社会常識も身についてしまっている!(会社役員だし)
なりふり構わず、ガムシャラも恥ずかしい…。(ガムシャラになったのは、どれくらい前だろう)

親子ほど年齢も違う。
正直、老いを感じることもある。(いつから全力で走っていないんだろう)
日本人の男子平均寿命は79歳。(厚生労働省平成18年発表) 
(女性の平均寿命は85.81歳…)
俺の残りの人生は、長いんだろうか、それとも少ないんだろうか。(後悔したくない)
しかも、彼女には年下の男がいた…。

金も地位もある60歳のバツイチ男性が
35歳の独身女性に一目ぼれ!
しかし彼女には、ルックスだけが取りえの金も地位もない、33歳恋人が…。

しかし、年下のイケメンばかりがいい男でないはずだ!
……そんな男が、最愛の女性のために、年齢や立場
そして今まで築いてきたプライドをかなぐり捨てて、最後の恋に全力疾走する!
恋・家族・友情・仕事・そして老い…、男の第2の人生へのスタートを、心理描写に定評のある、脚本家・岡田惠和が、温かく、そしてせつなくお送りします。


〈キャスト〉

立木正午(たちきしょうご)(60) …… 堺 正章
 独身、バツイチ。
若い頃、バンドを組んで上京。ちょっと認められたが、時代の流れと共に解散。レコード会社に就職し、そこではある程度の頭角を出し、今では役員待遇。しかし正直、今の主流音楽の魅力がわからない。
 若い頃結婚してから娘が誕生。だが、仕事への充実感で家庭をかえりみず、あえなく離婚。それ以来、妻とも会っていない。責任は感じるが、後悔したことはなかった。仕事は熱心に、そして器用にこなし、実力も認められ社会的地位も得た。部下にも恵まれ、尊敬もされていると思っている。男一人暮らしていくには不足のないお金もある。
 だが、ふと仕事の約束がなくなると、時間を持て余してしまう。プライベートな趣味も友人もなかった。女性関係に器用な方ではないので、恋愛なんて、とんと御無沙汰もいいところである。しかし長野かえでと出逢ったことで、人生観が変わる。仕事以外で持つことのなかった感情が大きく生まれてくる。うれしさ、せつなさ、楽しさ、悲しさ、寂しさ。こんなにも自分は、いろんな感情を持っていたのかと、あらためて驚くくらい…。

長野(ながの)かえで(35) …… 夏川結衣
 独身。石川県金沢市出身。
再現ドラマ専門の役者(なにもそれを望んでいるわけではないが…)。主な収入源は居酒屋のバイトである。演劇への夢を抱いて上京したが、レベルの差に圧倒された。共に夢を追い掛けていた友人は皆、いなくなった。田舎に帰った人。別の仕事に就いた人。妻になり、母になった人。かえでだけ、取り残された。志を捨てなかったわけではなく、辞めるきっかけをつかめなかっただけ…。何かを辞めるとか人と別れるとかが苦手である。
 だから当然、恋愛も苦手である。結婚の可能性が皆無な、東海林龍彦と腐れ縁のズルズルな関係を続けてはや数年。新たな恋愛をするきっかけも、パワーも最近はなくなってきた気もする。
 そんな生活の中、正午と出会い、縁のなかった世界、そして関わることのなかった人種と触れ合うことになる。年齢や不安定な仕事や、将来の不安も含め、臆病だったかえでが、正午と出会い、自分の気持ちや状況に向き合うこととなる。

東海林龍彦(しょうじたつひこ)(33) …… 徳井義実(チュートリアル)
 かえでの腐れ縁・彼氏、のような存在。
付き合いは、もう5、6年になる。金もないし、定職もないし、住所不定である。男友達や女友達の部屋を泊まり歩いている。彼女じゃない女性の部屋にも、平気で何もせず泊まれるタイプの男である。
 小説を書いているらしいのだが、書いたものを読んだ人はいない。社会的にはだめな奴なのだが、女性は放っておかないタイプ。マスクも良くて、すねて甘えたような顔をすると、女性はたいてい許してくれる。かえでとは何年か前にバイトで知り合った。金がなくなると、彼女のところにやってきて甘える。でも、しばらくすると、突然いなくなってしまうのだ。
 結婚なんて100%考えないし、一生自由でいたい男。でも寂しがり屋。さすがに内心では、ずっとこのままでいいのかなという気持ちもあるけれど、今さら自由路線を変えることもできない。実は、才能がないことをわかっているので、小説は書いていないのだ。姉が二人いる末っ子。弟キャラである。

門田祥子(かどたしょうこ) …… 青木さやか
 正午の秘書兼部下。外見も性格も地味。
本人的には全く悪気はないのだが、人をすごく嫌な気分にさせることを言ってしまう。(時に本人的にはシャレた意味で川柳を使って嫌な気分にさせる)。正午の下についてから長く、プライベートもある程度把握している。

矢代文平(やしろぶんぺい) …… 田中 圭
 正午の部下。天然キャラの今どきの若者。
直属の上司は菊原だったが、彼が辞めた後は仕事の負担が増え、半泣きの日々が始まる。父を早くに亡くしていて立木を父のように慕う。立木の恋を応援するがあまり役には立たない。

久保律子(くぼりつこ) …… 鈴木砂羽
 かえでの友人。かえでと同郷で演劇仲間。
劇団を引き下げ上京したが、あえなく解散。今は、かえでと二人、再現ドラマの出演等で細々と活動している。かえでよりは、芝居に対して冷めていて、頑張ろうという気も今はない。ディレクターの水田と実は付き合っている。

小川圭介(おがわけいすけ) …… 尾美としのり
 光代の現在の夫。
光代よりひと回り年下であり、光代の連れ子の朝子と暮らしている。家族関係はとても良好で全く問題はない。光代の元夫である正午の話も全部聞いている。夫婦関係もうまくいっているし、誠実な性格。

小川朝子(おがわあさこ) …… 小嶋陽菜(AKB48)
 正午と光代の娘。
女子大2年生。今は、母親の光代が再婚した圭介と暮らしている。正午と過ごした記憶はほとんどなく、父親という意識も全くないし、家族は光代と圭介だと思っている。正午に深い思い入れがある訳ではなく、別にその辺はどうでもいいと思っている現代っ子。

水田一郎(みずたいちろう) …… 福田充徳(チュートリアル)
 かえでと律子が出演している再現ドラマのディレクター。嫌味っぽく、グジグジこうるさいが、弱キャラである。威張っているが、陰ではかえでと律子にバカにされている。

姫野(ひめの)まどか …… スザンヌ
 再現ドラマに出演しはじめる若手女優。かわいくアイドル的ではあるが、絶望的に芝居が下手である。

ケンちゃん …… ムッシュかまやつ
 正午の昔のバンド仲間。
いまは小さなカウンターしかないロックバーを開きながら、悠々自適な生活をしている。正午のことをバンド時代のあだ名「チャッピー」と唯一呼ぶ存在。ちなみにケンちゃんの昔のあだ名は「ケン坊」。全く違う道を歩んだ二人だが、いまでも会えばすぐに昔の雰囲気に戻る。

小川光代(おがわみつよ) …… 夏木マリ
 正午の元妻。
現在は光代よりひと回りも年下の圭介と再婚している。正午との間に産まれた娘の朝子も引き取り、共に生活している。昔から地に足着いたしっかり者で、現実主義的な女性でもある。離婚してから数十年、正午とは会っていなかったが、ここ最近バッタリ偶然会った正午となぜかしら、交流を深めていくことになる。現夫と元夫の正午の3人で集うことがあり、不思議な関係が築かれつつある。正午を介して、かえでとも知り合うことになる。正午と離婚したことを全く後悔はしていないが、大嫌いで別れたわけでもないので、いまでも彼の状況は気にならないわけではない。
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出演者

立木正午 … 堺 正章
長野かえで … 夏川結衣
東海林龍彦 … 徳井義実(チュートリアル)
門田祥子 … 青木さやか
矢代文平 … 田中 圭
水田一郎 … 福田充徳(チュートリアル)
田代和也 … 永田 彬(RUN&GUN)
姫野まどか … スザンヌ
小川朝子 … 小嶋陽菜
      ●
ケンちゃん … ムッシュかまやつ(友情出演)
      ●
小川圭介 … 尾美としのり
久保律子 … 鈴木砂羽
小川光代 … 夏木マリ

スタッフ

■脚本
 岡田惠和

■演出
 塚本連平

■プロデューサー
 安藤和久(関西テレビ)
 東城祐司(MMJ)
 浅井千瑞(MMJ)