あらすじ
<第7回> <第8回> <第9回>

<第7回> 「遂に暴露!これが俺の素顔だ!!」
 「・・・恋愛には痛みや苦しみが伴うことだってあるんじゃないかな・・・でも人を好きになるって幸せなことだと思う」。その日裕一郎(長瀬智也)は、さつき(篠原涼子)がディレクターを担当するラジオ番組の収録を行っていた。リスナーから寄せられるあらゆる悩み事に、裕一郎自身がアンサーするといったコーナーが人気を集め、『桜庭裕一郎のトップシークレット』は好調な聴取率を記録していた。いろいろ辛い思いをして番組を立ち上げ、勝負をかけたさつきの苦労も報われようとしていた。
 そして、そんな思いを知っていることもあってかプロデューサーの遠藤(遠山俊也)が、番組収録後、親睦会と称し裕一郎と箱崎(段田安則)、さつきを食事に誘ってくれた。だが、到着した店でさつきらは部長の藤田(山田明郷)とスポンサーの日同ケミカルの村瀬(長谷川初範)と偶然出くわした。出張を理由に電話も通じなかった村瀬の姿を見てさつきは愕然とした。そんなさつきの様子を目敏く察した裕一郎は、その後遠藤からさつきと村瀬に不倫との噂があることを聞かされ、心配になった。
 そして、裕一郎からさつきの噂のことを聞かされたさくら(竹内結子)は、昼間に書道教室の生徒とのツーショットを目撃されたことで、不倫か!?と騒動を巻き起こしている父・真澄(宇津井健)のこともあり、驚きを隠せなかった。
 数日後、さつきはスポンサーや上司らを前に、裕一郎の番組の好調ぶりを報告していた。このままいけば、番組としてもディレクターとしての立場も約束されるはず。しかし、ここで村瀬が意外な提案をしてきた。それは・・・「我々スポンサーからすればより大きな話題性が欲しい。もっと彼、桜庭裕一郎の素顔を、普段マスコミには見せない部分を、クローズアップしてはどうだろう」というもので、そのためには女性より男性のディレクターの方が望ましいのでは、という衝撃的なものだった。そして、さつきには有無を言わせぬ提案は、即刻決定事項となり、裕一郎と箱崎に伝えられることになったのだ。
 そんな中、真澄の元に村瀬の妻を名乗る女性から、夫とさつきとの不倫を通告する電話がはいっていた。・・・・・・深夜、帰ってきたさつきに事の真意を問いただすため詰め寄る真澄。裕一郎は「さつきさんの話も聞いてあげて下さいっ!」と咄嗟に間に入ったのだが、「本当の自分を隠しているくせに偉そうなことを言うな!素顔も見せられない人間にとやかく言われたくない!!」。真澄の厳しいことばにそれ以上何もいえず、何もすることができなくなっていた。

<第8回> 「世界一せつない口づけ」
 裕一郎(長瀬智也)の写真集が発売されることになった。明日がその日で、同時にサイン会があることを耳にしたかえで(秋吉久美子)は、「パート休まなきゃ!」とすっかり気持ちはサイン会。箱崎(段田安則)は、最近裕一郎が不用意にさくら(竹内結子)との結婚写真を持ち歩いているのを発見したばかりということもあり、改めて桜庭裕一郎はスターであることを自覚するよう家族全員に促し、かえでのサイン会行きも当然ストップをかけた。不満顔のかえで。その夜、さくらは高校時代の友達からの誘いで食事に出かけた。そして久し振りに会いたいからと集合をかけたカナエ(高梨もと子)の口から、結婚が決まったとの報告を受けたのだ。「披露宴もして派手にみんなに祝ってもらいたいの」生き生きとした表情でそう話すカナエを友人たちと祝福するさくら・・・だが心のどこかでは結婚してることを報告できずにいる自分の立場がちょっぴり悲しくもあり・・・・・・。
 翌日、桜庭裕一郎写真集発売のサイン会場には、強引に押しかけてきたかえでの姿があった。ドキドキの裕一郎にハラハラの箱崎。だが、かえではそんな二人の様子はお構いなし、二冊の写真集にサインを貰うとさっさと会場を後に。手にいれた写真集の一冊をさくらに渡すと「女の子にキャーキャー言われてる姿を見て、やっぱりスターなんだと思った。でも本当の顔を知ってるのはあんただけでしょ」と少し寂しい思いのさくらの気持ちをお見通しの、優しい言葉をかけるのだった。
 しかし・・・・・・さくらの寂しい思いは裕一郎主演の映画撮影がスタートしたことでますます募り、電話で話すこともままならない状況になっていった。「裕一郎くんは今日も帰ってこないのか?」「最近歌番組でしか見てないねぇ」家族の心配の声にさくらは「しょうがないよ・・・」と答えるしかない。だが、そんなさくらの様子を見兼ねたかえでが遂に立ち上がった。 まずは「オフィスガッツ」小峰(つんく♂)に抗議の電話!さらには、直々にテレビ局へと赴いて裕一郎の前に立ちはだかった。

<第9回> 「パパラッチ」
 深夜、箱崎(段田安則)に見送られ、ご機嫌な様子で帰宅中の裕一郎(長瀬智也)は、背後からカメラを手にした男に尾行されていた。もちろん、鼻歌まじりで歩いてる裕一郎が気が付く様子はなく、まさかその男が以前さくら(竹内結子)とのツーショット写真を撮った、スクープ狙いのカメラマン矢島(野村宏伸)だとは夢にも思っていなかった。
 だが、夢にも思っていなかったことは矢島の身にも起こったようで、裕一郎が入っていった家に『新井』の表札と『書道教室師範・新井真澄』を確認すると、信じられないといった表情で立ちすくむのだった。一体なぜ?
 数日後、新井家は目前に迫った真澄(宇津井健)の誕生日恒例の温泉旅行の話で盛り上がっていた。亡き母が決めたという家族水入らずの恒例行事。もちろん裕一郎も参加する気は満々。しかし、「桜庭裕一郎と一緒だと旅行にはいけない」というかえで(秋吉久美子)の一言にあずさ(鈴木杏樹)らも同意。今年の旅行は中止か、はたまた裕一郎はお留守番になるかというところだったが・・・、そこはさくらの「お母さんが決めたことを簡単には中止にできない」という言葉と、努(神木隆之介)の「じゃあ、かえでおばちゃんのとこは?」の思いがけない提案で大逆転!結局身内で、裕一郎のことも黙ってくれるはずのかえでの嫁ぎ先である熱海の旅館へ行くことが決定したのだった。
 裕一郎は、初めての家族旅行とさくらとの新婚旅行気分のこの旅を思いきり楽しもうと思っていた。同行した箱崎(段田安則)にお願いしてバースデーケーキも用意、真澄の誕生日カウントダウンをやろうとワクワクだった。だが、その時を待つばかりになっていた夕食後の部屋は、かえでとさつき(篠原涼子)の口論でぶち壊しになってしまう。「本当はここに戻ってきたかったんじゃないの?上手い口実ができてよかったじゃない」「なんですってっ!あんたフラレて今は男もいないくせに」。さらにこの口論を引き金にこういうところにくるハメになったのは裕一郎のせいだ!さくらが婿養子なんか取るから、などという言葉も飛びだし、「もし、柾兄さんがいてくれてたらこんな騒動は起こらなかったのに」というところまで話が及んでしまった時に、さすがにそこにいた誰もがハッとなって口をつぐんでしまう。
 しかし、柾の名前が出たことをきっかけに、今度は亮(相葉雅紀)が、さくらの腕の火傷のことを裕一郎が気にしているのに何も言わないのはおかしいと切り出した。「もうその話は・・・」とさくらはそれ以上の話をさえぎろうとした。真澄もそっと部屋を後にした。だが、裕一郎は「こういう時は男同士の方かいいかも」とかえでに促され、真澄の後を追いかけていった。そして、兄が家を出て行ったいきさつを初めて聞くことになるのだった。
 一方その頃、カメラマン矢島は雑誌社を訪れると、新たなネタを提供していた。そのネタというのは・・・・・・。


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