第9回 2004年11月30日(火)放送 あらすじ

#9 息子より犬

 真吾(坂口憲二)は間もなくやってくる誕生日で29歳。しかし連日合宿さながらの稽古続きで浮かれていられない。そこでマリア(松坂慶子)は庄二(蛍原徹)に手伝わせて、ちらし寿司と豚汁を作ると陣中見舞いに駆けつけた。真吾はじめコンビニ弁当にうんざりしていた劇団員は、思わぬ差し入れに大喜び。ところが瞳(篠原涼子)も麻衣子(矢沢心)に手伝わせて、ちらし寿司と豚汁を持ってきた。いつもは能天気な真吾も、さすがにまずい展開になってきたと焦り、圭(水川あさみ)や恭介(金子貴俊)も黙ったまま。しかし高石(高山猛久)、忍(麻生幸佑)、今日子(西丸優子)は空気が読めず、おいしいマリアの料理ばかりに手を伸ばし、挙げ句の果てには瞳の料理を一口食べるなり「味がしない」と、地雷を踏んでしまった。
 勝ったとはいえマリアは後味が悪い。そんな胸の内を旧友の紀子(上村香子)に打ち明けると「最後は息子は離れていくものよ」と諦め口調で嘆じた。息子に注いできた愛情はペットの犬に向けているという。そして紀子が旅行に出かけている間、その愛犬をマリアに預かって欲しいとお願いした。紀子は「お嫁さんに預けて、なつかれたら嫌なの」と、本音を洩らした。
 片や瞳は悔しくて仕方がない。真吾からの電話には「全然気にしてない」と平静を装ったが、麻衣子には「絶対おいしいって言わせてやる」と誓っていた。けれど頼みの麻衣子も料理の腕前はイマイチ。失敗作の料理を目の前にして、2人はため息をついた。
 マリアにも電話をかけた真吾は、紀子の犬を預かったことを知った。真吾は子供のころに子犬を飼っていた。死んだ時は悲しかったが、マリアがいれば寂しくなかった。そんなことを思い出していると、マリアの依頼で弁当を持ってきてくれた庄二から意外な話を聞いた。「老後が寂しくないように犬でも飼おうかなぁとか言っちゃってさ」。マリアがそんなことを考えていると思うと真吾は稽古場を飛び出して実家に向かった。マリアが犬の散歩から帰ってくると、真吾は一気にまくしたてた。「犬を飼うのはいい。でも寂しいからなんていうのはやめろよ。俺が母さんを寂しくなんて絶対にさせないから」。真吾は言いたいことを全部言うと呆気にとられるマリアを残して、再び稽古場に戻った。
 瞳はやっと自信作のちらし寿司と豚汁を完成させた。瞳にリベンジを誓わせたあの3人も今度は「うまい!」とホメてくれた。ところが瞳がホッとしたのもつかの間、今日子から聞き捨てならないことを耳にした。圭が真吾の元カノだったと口をすべらせてしまったのだ。圭は「たった一週間だけだし、何もなかったし」と釈明してくれたが、瞳は元気がない。「なんでいちいち勝ち負けを考えちゃうんだろ」。瞳はことあるごとにマリアと張り合うことに疲れていた。圭は「勝つと思うな、思えば負けよ」と冗談めかして励ましてくれたが、瞳の心は晴れない。そして真吾の誕生日がやってきた。真吾が今年一緒に過ごすのは瞳か、それともマリアか──。

キャスト

岡崎真吾 … 坂口憲二
杉浦 瞳 … 篠原涼子
     ●
永野 圭 … 水川あさみ
中町恭介 … 金子貴俊
神野麻衣子 … 矢沢 心
種田庄二 … 蛍原 徹(雨上がり決死隊)
     ●
岡崎マリア … 松坂慶子 
 ほか

スタッフ

■脚本
 岡田惠和
■演出
 今井和久
■プロデューサー
 安藤和久(関西テレビ)
 東城祐司(MMJ)
 伊藤達哉(MMJ)
 吉條英希(関西テレビ)
■音楽
 寺嶋民哉
■制作
 関西テレビ
 MMJ

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