第3回 2005年1月25日(火)放送 あらすじ

#3 愛するがゆえに

 子供嫌いを公言していたゆかり(白石美帆)が宿泊センターで山村留学生たちと寝起きを始めた。このセンターの家主であるハタ爺の孫娘だけに追い出すわけにはいかない。センターの責任者である柾(瑛太)は昭平(陣内孝則)から「上手くやってくれや」と頼まれたが、浮かない表情。実はゆかりは柾の初恋の相手だった。
 柾は朝から忙しい。龍平(深澤嵐)以外の子供たちは家ではすべてを親がしてくれていたので、布団の上げ下ろしから教えてやらなければならない。それが終われば小学校まで引率していくが、今朝は途中の竹林でアイ子(国仲涼子)が出迎えてくれた。アイ子は子供たちに自分用のお箸を作らせるために竹を選ばせた。「みんな目を閉じてごらん」。木漏れ日が心地いい。龍平をはじめ、ワタル(糟谷健二)、新(熊谷知博)、詩音(野村涼乃)らは素直に従ったが、風太(高木優希)とモモ(伊藤沙莉)はしらっとしている。それでも太陽の温もりと爽やかな風は全員を優しく包んでいた。
 教室に入ると子供たちは慣れない手つきで小刀を使って竹を削り出した。腕に覚えのある柾は手本を見せてやるつもりでいたら、うっかり指を切ってしまった。ナツ(風吹ジュン)に手当てしてもらっていると、父親の佐上校長(大杉漣)に見つかって「授業のことはアイ子先生に任せておけばいい」とクギを刺された。おまけにナツが口をすべらせたものだから、田所(筧利夫)にまで昔ゆかりにフラれたことを知られてしまった。
 給食の時間、龍平は父親の秘密をクラスメートに打ち明けた。「東京でロックをやっていた頃、女の子たちに大人気だったんだ」。けれどワタルや風太に追及されると龍平は自信がなくなってきた。すべては昭平の自慢話で、証拠は何ひとつない。この村では携帯電話は使えないと嘘をつかれたばかり。だからワタルから「まただまされてんじゃないの?」と言われても龍平は返す言葉もなかった。
 アイ子は図書室でゆかりと出会った。「初めまして。生徒たちのこと、よろしくお願いしますね」。ところがゆかりは「子供嫌いなの。関わる気ないから」と言い捨てると、さっさと教室を出て行った。アイ子は気を取り直すと子供たちに図書カードの記入方法を教え出した。何気なくカードを見ると子供の文字で”矢吹しょうへい”と書かれていた。龍平の父親が小学生のときに借りたものだが、なぜか少女文学全集ばかり。またもやワタルから「お前の父ちゃん、ヘンタイだったんだな」とからかわれて、龍平はボウ然となった。
 その夜、龍平は父親に向き直ると「父ちゃんが大スターだった証拠を見せてよ」と迫った。けれど「嘘じゃねえよ」と強弁するばかりの父親。龍平は、「お休みなさい」と言い捨てさっさと布団にもぐりこんでしまった。
 翌日、龍平はアイ子に「すぐごまかすし、嘘つくし。いつもいい加減なんです」と父親に対するグチをこぼした。その頃、父親の矢吹はゆかりに手伝わせて子供たちの夕食作りにかかっていた。全員が顔をそろえて夕食が始まった。1人ムッとしていた龍平は「父ちゃんに聞きたいことがあります」と切り出した。「どうして嘘ばかりつくんですか。だから母ちゃんにも捨てられたんだ」。龍平の真剣な口調に昭平は「旅立たせてやったんだよ」と返すのがやっと。次の瞬間、不意に立ち上がり龍平はアイ子に向かって言い放った。「先生!僕、家出します。もうこの人の所には帰りません」。「父ちゃんのバカ!」と叫ぶとその場を飛び出していった──。

キャスト

照崎アイ子(24) … 国仲涼子
矢吹昭平(40) … 陣内孝則
佐上 柾(24) … 瑛太
旗 ゆかり(24) … 白石美帆
       ●
田所 肇(40) … 筧 利夫
       ●
中村美紀恵(24) … 滝沢沙織
       /
佐上欣也(57) … 大杉 漣
高木ナツ(51) … 風吹ジュン

スタッフ

■脚本
  永田優子
■プロデューサー
  重松圭一(関西テレビ)
  稲田秀樹(共同テレビ)
■演出
  高橋伸之(共同テレビ)
■音楽
  服部隆之
■制作
  関西テレビ
  共同テレビ

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