あらすじ
<第1回> <第2回> <第3回>

<第1回> 「恋するオムライス」
 カフェで働く麦田なつみ(竹内結子)が、一日で一番楽しみにしているのが休憩時間のランチタイム。「今日はどこで何を食べようか?」なんて考えながら、街に繰り出すのが嬉しくて仕方がない。
 そんなある日、なつみの“大切な時間”に割り込んで来た男がいた。鍋島健一郎(堤真一)だ。なんと、ランチタイムに・・・しかも、大好きなオムライスを食べている最中に、健一郎は強引になつみを店から連れ出してしまった。怒るなつみに、健一郎は実家で家族に紹介するから一緒に帰って欲しいと頼む。父親が倒れてしまったのだという。しかも実は2年前喧嘩して家を飛び出したから、婚約者でも連れていないと帰れないというのだ。健一郎の実家は洋食屋『キッチンマカロニ』だ。
 鍋島家は、父親の権造(若林豪)を家長に、健一郎、勇二郎(江口洋介)、純三郎(妻夫木聡)、光四郎(山下智久)の4人兄弟。『キッチンマカロニ』は、健一郎を除いた家族と見習いコックの牛島ミノル(山田孝之)、通いのコックの川端守(田窪一世)で経営されていた。店の前まで来ると、健一郎はなつみに先に行って家族の様子を見てきて欲しいと頼む。渋々、店に入ったなつみ。近所の八百屋『しおみ』の娘、塩見トマト(伊東美咲)と話す光四郎や厨房で働く家族を見ていると、倒れたはずの権造の姿も・・・。健一郎のいい加減な話にあきれるなつみ。オーダーしたオムライスが運ばれてくる。一口食べると・・・。「おいしい!!」となつみは満面の笑み。
 そこに、のこのこ健一郎が現れた。勇二郎が、何しに帰ってきたんだとばかりに健一郎につかみかかる。なつみは、2人の間に割って入るが、どうやら健一郎の帰宅は家族に歓迎されていないようにもみえる・・・。

 ・・・この日、なつみは「キッチンマカロニ」のおいしいランチとともにその味を守る兄弟たちと出会ってしまったのだった・・・

<第2回> 「登場!夏の恋の新メニュー」
 鍋島家の長男、健一郎(堤真一)に請われて婚約者を装い、同家を訪ねた麦田なつみ(竹内結子)。だが、健一郎は家族で経営する洋食店『キッチンマカロニ』の改装資金を持ち逃げし、家族に白い目で見られている人物だった。なつみを伴っての帰宅でも、健一郎は店の売り上げを盗んで、何処へと姿をくらませてしまう。健一郎を敵対視する次男の勇二郎(江口洋介)は、度重なる健一郎の行動に嫌気がさし、店を畳むと言い出す。兄弟とは何の縁もないなつみだったが、勇二郎のこの発言に猛反対。あっけにとられる兄弟たちの視線を後に、店を出て行った。
 その翌日、店を開けようとする勇二郎、三男の純三郎(妻夫木聡)の前になつみが現れた。何と、店を手伝わせて欲しいと言う。さては、勇二郎の差し金と猛反対の勇二郎だったが、なつみは勝手に接客を始めた。気づいた勇二郎が止めようとするが、牛島ミノル(山田孝之)、川端守(田窪一世)の「今は、客が・・・」の声で踏みとどまる。なつみとホールに立つ純三郎は、彼女の出現にまんざらでもない。ランチタイム後の家族会議でも、純三郎はなつみをかばう。四男の光四郎(山下智久)も雇おうと進言するが、なつみは勇二郎に追い出されてしまった。
 その夜、店を終えた勇二郎らが戻ると、なつみが出迎えた。またしても、鍋島家の家族会議開始。勇二郎は、健一郎を責任持って探すと、兄の携帯電話の番号やアパートの所在を聞くが、なつみに答えられるわけがない。なんとかごまかそうとするなつみを純三郎がかばう。これで、勇二郎と純三郎は一触即発の状態。2人を止めたのは、父、権造(若林豪)。大人しくなつみの家族構成などを聞いた権造が「なぜ、うちがいいのか?」と尋ねると、なつみは店が好きで健一郎にもう一度会いたいと答えた。それでも反対を唱える勇二郎は、家を出ていってしまった。家を出た勇二郎は、山城秀美(梅宮万紗子)と待ち合わせ。彼女の車でドライブに。
 一方、鍋島家では純三郎が、なつみのために自分の部屋を空けていた。光四郎の部屋へ移ろうとするが嫌がられ、仕方なくなつみを自分の部屋に泊めようとするが・・・。どうしても、なつみを意識してしまう純三郎。やっぱり、光四郎の部屋へ、。すると、光四郎に見透かされたようになつみが好きなのでは? と、言われてドッキリの純三郎。慌てて否定する純三郎に「女は百回優しくするより、一回の強引なキス」と光四郎、愛のアドバイス。さて、恋愛巧者(?)の光四郎は、風呂上がりになつみの部屋へ。しかし、なつみに軽くあしらわれてしまう。
 その翌日、配達に来た塩見トマト(伊東美咲)の前で、上機嫌の純三郎。なつみがいるのを見て、上機嫌の原因に気づいたトマトはちょっぴりショック。当のなつみは、勇二郎から3回失敗したら出て行くという約束で働かせてもらうことに。ホールには出るなと言われた矢先に飛び出して、早速ペナルティー1。厨房で盛りつけを手伝うなつみは、ミノルの視線が気になる。なつみは、自分を知っているのかと聞くが、ミノルは無言。その時、ホールにいた純三郎が客の皿を見て驚く。トマトが三切れ乗っているのだ。キッチンマカロニのトマトは二切れ。
乗せていたのは、案の定なつみだった。瞬く間に、用意したトマトが減っていき、あせるなつみ。純三郎は、見かねてトマトの下へ。トマトからトマトを仕入れて戻ってきた純三郎は、こっそりなつみに渡す。なつみが、ミノルに切って欲しいとミノルに頼もうとすると、勇二郎の叱責。もう、すっかりばれていた。これで、なつみのペナルティーは二つに・・・。
 その夜、なつみは勇二郎に頼まれてトマトに翌日の食材を注文。ジャガイモを30箱というなつみに、聞き返すトマト。だが、なつみは注文を押し通して電話を切ってしまった。電話を終えたなつみに勇二郎がお説教。なつみはホールに出たいと言うのだが、勇二郎は頑として聞き入れない。友人の酒井昴(EITA)と会った純三郎は、恋の相談。人の彼女や友人の彼女を好きになったことが? の問いに「あるよ」と酒井。しかし、告白出来なくて後悔したと言う酒井に、兄弟の彼女と付き合ったりしてと答える純三郎。純三郎、やはりなつみを・・・。
 夜が明けた。キッチンマカロニに、トマトが注文の品を配達に来るが、純三郎は注文書の値段を見て驚く。いつもより、かなり高いのだ。それもそのはず、なつみの注文でジャガイモが本当に30箱も届けられてしまったのだ。ついに、なつみのペナルティーは3つ。注文用のメモを読み違えたと言い訳するなつみに、勇二郎はジャガイモの皮むきを命じる。放って置いたら腐ってしまう山のようなジャガイモ。このピンチに、勇二郎が下した決断は・・・。

<第3回> 「涙の・・・クリーム・コロッケ」
 3回ミスしたら出ていくという鍋島勇二郎(江口洋介)との約束で『キッチンマカロニ』で働き始めた麦田なつみ(竹内結子)。しかし、すぐになつみは3回のミスをしてしまい、出ていくことになる。「約束を破るのが一番嫌い」と、あっさり出ていくなつみを追った純三郎(妻夫木聡)は、思わずなつみを抱きしめてキスしようとするが、待っていたのはドロップキックだった。
 あてもなく歩くなつみに、バイクの集団が近づいた。ひとり歩きのなつみをからかう集団だが、中のひとり、マギー(桐谷健太)が声をかけた。軽く返事を返すなつみ。どうやら2人は知り合いらしい。バイトと寝る場所を探しているというなつみに、マギーは配下に指示して準備をさせる。マギーは、かつてなつみは暴走族のトップのあばらをドロップキックで折ったと紹介。その言葉に、驚くなつみ。折ったとは知らなかった。それで、気になるのは、先ほど純三郎に放った華麗なドロップキック・・・。
 当の、純三郎は光四郎(山下智久)の部屋でなつみが気にかかり寝付けずにいた。心配する光四郎に、ドロップキックの痕を見せる純三郎。光四郎が傷を冷やすために氷を取りに行くと、なつみから電話が入る。傷のことを心配して電話したなつみだが、光四郎は純三郎の気持ちを思ってと勘違い。光四郎がそのことを話そうとすると、電話は切れていた。光四郎も女性の方から一方的に電話を切られたのは初めての体験で不思議な気持ちになる。
 翌日、マギーの配下に紹介された工事現場で働くなつみは、休憩時間に『キッチンマカロニ』へ。純三郎は戻ってきたと思うが、なつみのお目当てはランチ。オムライス以外のメニューを食べたいと言うなつみは、純三郎の勧めでカレーを注文する。厨房の勇二郎は、なつみの再来を快く思わないが、客ならばと我慢。だが、スプーンをグラスの水につけてカレーを待つなつみに、イライラは隠せない。食べ終えて、帰ろうとするなつみを純三郎が引き留めようとするが、無駄だった。
 『キッチンマカロニ』の昼休み。ミノル(山田孝之)のまかないで、一同がナポリタンを食べていると、気づかないうちに、なつみも食べていた。怒ったのは勇二郎。まかないを勝手に食べていることもそうだが、カレーを食べる前にスプーンをグラスの水につける行動も許せなかった。なつみが、夜の工事現場で仕事を始め、その現場の男たちと寝ていると言い出すと、純三郎は慌てる。健一郎の婚約者に何かあったらどうすると息巻く純三郎。すると、さすがの勇二郎も折れた。住む場所が決まるまで『キッチンマカロニ』で、働いてもいいと言う。しかし、勇二郎は今度は一つだけと条件をつける。恋愛禁止だ。あっさりOKするなつみに、複雑な純三郎。
 恋愛禁止の『キッチンマカロニ』で、早速働き始めたなつみ。純三郎と仲良さそうに洗い物をしていると、勇二郎の目が光る。2人を引き離すかのように、なつみを『しおみ』へと買い出しに行かせる勇二郎。『しおみ』では、塩見トマト(伊東美咲)がなつみを出迎えた。戻ってきたと言うなつみに、トマトの心中は乱れる。
 店に帰る途中、なつみは包丁さばきの練習をするミノルと会う。ミノルは、なつみを昔から知っていたと言う。ミノルは、なつみの高校の後輩だったのだ。そして、ミノルはなつみが暴走族リーダーのあばら骨を折ったことも知っていた。
 その夜、ディナーを食べに来た酒井昴(EITA)は純三郎から、なつみが健一郎の婚約者と聞いて即座に思い当たる。純三郎が奪おうかなと逡巡しているのが、なつみのことだと。純三郎も、その指摘をあえて否定しようとしなかった。その酒井と入れ違いに、客の山城賢介(岡田浩暉)がテーブルについた。純三郎が、オーダーを届けると山城は店への嫌がらせを始める。「美味しそうに見えたから。ほら、人のものって美味しそうにみえるじゃないですか」と言って隣の客の料理を食べたりし始めたのだ。純三郎が咎めると、山城は「この店は、人のものにも自由に手を出していいのかと思って」と、言い出す。勇二郎を指さして「あの人がそうだから」と続ける山城。厨房から出てきた勇二郎に、自分の妻と交際してるのはあんたかと言う山城。山城は、秀美(梅宮万紗子)の夫だった。勇二郎が裏口へ連れ出すと、山城は金の話を切り出す。しかし、勇二郎は受け付けず、反対に秀美に暴力をふるっていることを突きつける。さらに、勇二郎が秀美とはただの友達だと言うと、山城は去って行った。その様子を、なつみが見ていた。
 店が終わると、純三郎がなつみを呼び出した。キスしようとしたことを詫びる純三郎だが、なつみは気にしていない様子。また、純三郎は健一郎が帰って来るまで自分が守ると言うのだが、なつみは強い男が好きだと言って相手にしない。
 なつみと純三郎が店に戻ってくると、ひとりの女が佇んでいる。秀美だ。その顔には、殴られたような痣がある。秀美は、山城が押し掛けてきたことを謝る。そんな秀美を、なつみは公園に連れて行って・・・。


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